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帝光バスケ部マネージャー
謎の女
(黒子のバスケ)
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「私決めたの。あなたに明日から地獄を与えてあげる」

本来ならバスケ部でマネージャーの仕事をやっているはずの時間に呼び出しの手紙をもらって何かと思えば、その女の子は何が面白いのかクスクス笑いながらそう言った。

言っている意味が分からない。
というか……

「お話はそれだけですか?」

「はぁ?」

そんなくだらない事に構っている暇があったら早く部活に行ってマネージャーの仕事をしたい。

すると、女の子は不愉快そうに顔を歪ませた。

「あんた調子に乗ってんの?……まぁいいや。明日、楽しみにしててよね♪」

女の子はそう楽しそうにスキップしてどこかへ行ってしまった。

笑ったり怒ったりスキップしたり。
忙しい人だなぁ。

そういえばあの人の名前なんていうんだ?

というか、これはもう部活に行っていいのか?

「うん。まあ、行っちゃったからしょうがないか」

私は誰に言うわけでもなくそう言ってから体育館へ急いだ。

ガタン

「遅くなりました!」

体育館のドアを開けてそう叫ぶと一斉に部員がこちらを向いた。

こういう時は………

「そんな見つめられると照れるなぁ…………エヘヘ」

すると見事に皆固まった。
ありゃりゃ。気持ち悪かったかな、さすがに。

(本当はエヘヘと言った時の笑顔が可愛かっただけ)

「やっと来たか、神崎」

沈黙を破ったのは主将の赤司だった。

「ごめん、ごめん」

「まぁいいが、理由は何だ」

赤司にジッと見つめられ答えるしかなかった。
やっぱり赤司の威圧感は同じ中2とは思えない。

「いや、何か呼び出しくらって」

「授業中寝てたのか?」

そう言ってきたのは青峰だった。

「青峰じゃあるまいし違うよ」

「なんか失礼だな、それ」

だって本当の事だし。

「やっぱり告白ですか?」

「琴音っちそうなんスか!?」

テツがそう言うと涼太まで食いついてきた。
あぁ、面倒くさい。

「違うよ。女子に呼び出されたの」

「ねえそれより、こっちんお菓子持ってない?」

敦タイミング悪いな。
そう思いながらもポケットから今日作ったクッキーを出して渡した。

「ありがと〜、こっちん」

「はいよ〜。じゃなくて」

あやうく敦のペースに乗せられる所だった。

「なんか知らない女子に呼び出されて『明日からあなたに地獄を見せてあげる』って言われた」

「「「ハァ(はい)!?」」」

なんか改めて自分で口に出して言ってみると、わけ分かんなくなった。

「まぁ単なる変な脅しだろうし気にする事はないと思うけど」

「そうとも限らないのだよ」

「え、いつからいたの!?」

「最初からなのだよ!!」

おぉ、それは失礼。
なんかかえってテツより緑間の方が影薄く感じる。

「失礼なのだよ!」

「それはテツに失礼なのだよ!」

ちょっと緑間の真似してみた。
ていうか

「エスパーか!」

「全部声に出ているのだよ」

「呆れて何も言えないです」

マジか!?
ていうか

「テツにまで言われるとショック!」

「……もうツッコまなくても良いですか」

あれ、また声に出てた?
もうどうでもいいや。

「ハァ………神崎の話は気になるが今は部活中だ、後でにしよう。さぁ練習に戻れ」

見事に赤司がまとめた。
すごいな赤司。

「……何をしている。神崎もさっさと支度しろ」

「あ、はい!」

おー怖い怖い。
早くジャージに着替えてドリンク作らなきゃ。


「よし今日はここまで。解散」

夜7時。
赤司の指示で部活が終わった。

早く制服に着替えてマジバにでも寄ろっと。

「神崎」

「はい?」

赤司に呼ばれてくるりんと振り向いた。

「さっさと着替えて門集合だ」

「え?あ、うん」

「緑間、青峰、紫原、黄瀬、黒子もだ」

「分かったのだよ」

「おう」

「んー」

「了解っス」

「分かりました」

どうかしたのだろうか。
キセキのメンバー全員で門集合なのは初めてだ。

個人個人とならしょっちゅうだけど……。

まぁ、とにかく急いで着替えよう。




「お待たせ〜」

門へ行くともうほとんど集まっていた。

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