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マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー
【第弐拾陸話】佐渡島攻略戦開始 襲撃する者
(マブラヴオルタネイティブ×アーマードコアフォーアンサー)
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「やっぱりここに居たのね、キャエーデ」
キャエーデが声のする方に目をやると、そこには神宮司が居た。
国連軍横浜基地屋上。そのフェンスにキャエーデは腰掛けていた。
「やっぱりってのは?」
「訓練兵として私のところに居た頃から、貴方はよく屋上か外に出ていたから。
夜空がすきなのかしら?」
「好きというよりかは・・・憧れ・・・かな?」
元の世界において、キャエーデはORCA旅団という組織に所属していた。
矛盾した人類の延命装置『クレイドル』・・・その動力源のエネルギーを衛星破壊砲『エーレンベルク』へ供給させ、地球を覆う自立兵器『アサルト・セル』掃討するのがORCA旅団の目的だった。
アサルト・セルが消滅すれば、人類は宇宙への開発を進めることが出来る。
キャエーデは恩人を殺し、果ては同じ旅団の仲間と殺しあってたった一人になっても、目的を果たした。
目的を果たせば、きっと人類は発展する。宇宙進出を可能にする。そう信じて。
しかし彼は宇宙を見ることなく命尽きた。
アサルト・セルをなぎ払った後も、企業は宇宙よりもキャエーデを見続けた。
人類の発展よりも、人類の天敵を殺すことを優先した。
毎日、毎日夜空を眺め続け、宇宙に憧れすら抱いた彼。
だからこそ彼は夜空を眺める。今も。
「憧れ・・・ね」
神宮司は微笑み、その場を後にした。
夜明けは近い。出撃はもうすぐだ・・・



ここは佐渡島沿岸。戦艦アイオワの甲板。
そこには黒を基調とした所々に暗い赤のカラーリングが施された機体と、国連軍カラーの不知火が今か今かと出撃の時を待っていた。
この2機の衛士はもちろん神宮司まりもとキャエーデ=スペミンフィーメン。
「今更ビビッてねぇだろうな?大尉」
『まさか。そういう貴方こそ怯えてないでしょうね、中尉』
「ハッ、もっとキツイ仕事ならいくらでもあった」
アイオワの乗組員は、なんと気の強い二人だろうと感心していた。
これまでにない大規模作戦だというのに、緊張しているそぶりが見えない。
たった二人で、あの死地に向かわねばならないのに、だ。
「艦長、あの黒い戦術機、始めてみるのですが何者です?」
「ふむ。何でも国連軍横浜基地の切り札その1だそうだ」
「切り札ですか・・・」
そうこうしている間に、作戦開始の時間が来る。
時計あわせ・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・作戦開始!
「全艦斉射用意よし・・・ってぇ!!」
佐渡島沿岸に待機していた無数の戦艦が、一斉に主砲を発射する。
しかしそのほとんどは、佐渡島から延びた無数の光に貫かれ、空中にて爆散した。
『光線《レーザー》級の推定値、出ました。その数およそ1万強!光線級吶喊《レーザーヤークト》部隊は至急これより指示するポイントに向かってください』
HQ《ヘッドクウォーター》の声の後、レーダーに位置が指定される。
「神宮司!」
『こちらA-01光線級吶喊部隊。ポイントAに向かいます』
ポイントA・・・佐渡島のよりハイブに近い位置。無論BETAの数も多いし、ハイブからぞろぞろと敵が来る可能性もある。
『こちらアライアンス光線級吶喊部隊、我らは最寄のポイントRに向かわせてもらう』
『こちらバーテックス光線級吶喊部隊、こっちはポイントBだ』
自分達以外に光線級吶喊に参加する部隊の名前は今初めて聞いたが・・・聞き覚えがある部隊名なのはこの際無視しよう。
「行くぞ!」
黒の戦術機・・・ネクスト『シィカリウス』と、QBやOBを組み込んだ不知火がOBを起動させ、一直線に佐渡島に向かっていく。引き絞られ、放たれた弓矢のように。
『キャエーデ!高度とり過ぎるとレーザーに風穴開けられるわよ!』
「わかってら!」
レーザーに晒されながら、何とか佐渡島の岸に辿り着く。
そこで一度足をつけ、エネルギーを回復させる。
「エネルギー回復!そっちは?」
『完全充填まであと5秒。4・・・3・・・2・・・1・・・OK、行ける』

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