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マブラヴSEED
78話 『白銀の閃光』
(マブラヴオルタネイティヴ×機動戦士ガンダムSEED)
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マーシャルはガンダム専用の強化装備に着替えていた。
そう、シルバーストライクの慣らし運転をする為に。

しかし、違いがあるとすれば強化装備の色だ。
マーシャルの強化装備は黒だが白になっていた。

一般兵の黒では無く白、一般の“武家”を示す色だ。

遠巻きに見ていた国連軍整備兵や衛士、ヴァルキリーズもこれには驚いた。

「おい、アレ……」

「ああ……」

「あれがガンダム専用の強化装備か……」

その囁きをマーシャルは我関せずとばかりにラダーからシルバーストライクに乗り込んだ。

珠瀬 壬姫は疑問を口にした。

「ガンダムって帝国近衛軍の試験機ですよね? 何で外国人のマーシャル中尉が乗ってるんです?」

最もな疑問だ。
そもそも、一般的な認識ではガンダムとは日本帝国がその持てる技術力の粋を凝らして作り上げた超高級実験機だ。
外見は頭部中央に角の様な頭頂部にメインカメラ、V字のブレードアンテナとツインアイのデュアルアイセンサー、それを挟みこむような形でバルカン砲が配置、口の様な部分にシーカーと他の戦術機と比較しても独特な形状をしている
機体外装は角ばったデザインで胸面左右には胸部排気口が存在する。
特殊な装甲に特殊な兵器、特殊なOSにハード。
正にスペシャルなモンスターマシンと言える。
その機体には何故か『ガンダム』と言う名が与えられ、戦線で伝説的な活躍をする。
その活躍はいつしか『白い悪魔』の異名と共に世界から認識され、『ガンダム伝説』なる御伽噺に似た戦場伝説を生み出した。

曰く、『たった一機で戦況が覆る』
曰く、『レーザー級のレーザーを上空で回避する事が出来る』
曰く、『その火力は戦艦を凌駕する』
曰く、『帝国の最重要機密の固まり』

挙げればキリが無いがガンダムの逸話は事欠かない。

それが、珠瀬が認識するガンダムと言う存在だった。
それが国連の兵士で外国人のマーシャルが乗るのだ。珠瀬でなくとも疑問は尽きない。

「さあな……。だが、実際に彼はガンダムに乗っている。“そう言う事”なのだろう」

まりもはその言葉の中にマーシャルが“日本人”である事を匂わせた。
だが、珠瀬はそれ以上は問わなかった。

ニード・トゥー・ノウの原則から問わなかった。

「あ! 動くよ」

鎧衣 美琴の言葉に全員がヴァルキリーズの面々がシルバーストライクを見やる。

ツインアイが黄色い輝きを放つとシルバーストライクはゆっくりと格納庫を歩き出す。

「上手いですね。マーシャル中尉」

「ああ、余程戦術機に乗らないとああはならない」

その宗像 美冴の言葉に伊隅 みちるは頷いた。

「初動動作に全く無駄が存在しませんね……。こんなに綺麗な初動動作が存在するなんて」

その風間 祷子の賛辞に速瀬 水月も同意した。

「ま、ガンダムを与えられた衛士が無様な操縦はしないでしょ。月詠少佐もそうだったじゃない」

「ガンダムの衛士って全員あんな事が当たり前なのね……」

「まあ、私達全員を月詠少佐一人で蹴散らしじゃない。それを考えると、ね……」

涼宮 茜の言葉に柏木 晴子がそうドライに返した。

「とても同い年とは思えないわよ……。操縦技術が私達以上だなんて悪い冗談よ全く」

「とても悔しい……」

榊 千鶴と彩峰 慧がそうぼやく。

「正に手本の様な初動動作だ。教材にしたいくらいに」

まりもは最大限の賛辞を口にした。
その言葉に滅多に人を褒めないまりもにヴァルキリーズが内心驚いた。

「……」

冥夜はその様子を当然の様な面持ちで見つめた。
冥夜は理解していたのだ“武”技量がどの様な物か。

(今更驚く事でも無いが勉強にはなる。月詠の動きは最初は理解できなかったが武が丁寧に教えてくれたお蔭で理解できる。あれは操作をマニュアルに切り替え、4枚あるペダルの内、左右端のペダルを0.5セコンド踏み込むと同時に操縦桿を2.1入力を同時に行う。そうする事で脚部に負担を掛けずに歩行ができる。実際はオートでやる所マニュアル操作とは恐れ入る)

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