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マブラヴ 転生者による歴史改変
歴史介入の章その40
(マブラヴオルタネイティヴ)
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1997年 初夏 カシュガルハイヴ周辺

 「作戦開始地点に到達、これより戦闘準備を整えます。第十三戦術機甲大隊においては、準備が完了次第小隊単位での『疾走』からの発進をお願いします」

 雷雲に備え付けられている司令室から、マブマダーから疾走の指揮制御室へと連絡が入る。ちなみにマブマダーこと、涼宮茜の肌はつやつやしている。
 いわずもがな、マブアクア、マブエターナルの肌もつやつやである。
 対照的にマブヘタレはげっそりとしていた。なぜだろう?

 「こちらEナイト1了解。きいたから、てめえら、全機発進準備、完了した小隊から各機出撃だ。今世紀最大のパーティータイムだ。全員気を抜かずに派手にやらかせ!」

 「「「了解!」」」

 「さてと、それじゃ俺も愛機に乗り込むかな」

 司令官用のイスからゆっくりと腰を上げると、そのまま制御室を後にする小塚次郎中佐。この作戦が終わればおそらく大佐に昇格、そして今いる第十三戦術機甲大隊の指揮からは離れることになるだろう。
 次に準備されているのは、第一大陸派兵部隊副司令官の座だ。彩峰萩閣中将の懐刀として招かれているのだ。
 ちなみに小塚次郎中佐がいなくなることにより、第十三戦術機甲大隊の指揮官の座が空くことで、その座を狙って帝国軍内でも激しいつばぜり合いがあった。
 何せ、一癖も二癖もある第十三戦術機甲大隊の隊長である。生中な人物ではつとめることが出来ない。
 下手に侮られでもすれば、戦闘中に不幸な事故が起きてもおかしくない。そんな部隊なのだ。
 それが帝国の戦術機甲大隊でも随一を誇る部隊であると言うことは、軍の首脳陣にとっては頭の痛い問題であるが、それらの声を押さえつけるだけの戦果を挙げ続けてきたのがこの第十三戦術機甲大隊である。
 そのため、隊長職を日本帝国の名門武家の出である真壁家のものを就任させるという話も出たが、生憎と全員が斯衛に在籍のためそれはすげなく断られたらしい。
 とまあ、いろいろとすったもんだあった結果、隊長には現在の副隊長が昇格、軍部の息がかかる者は1人も入り込めなかったというお粗末な結果になった。
 これはひとえに、小塚次郎中佐の暗躍と、彩峰萩閣中将の政治、そして、なぞの紳士の活躍によるところが大きい。
 ちなみに第十三戦術機甲大隊は、その所属を第一大陸派兵部隊に移し、今までの遊撃的な活躍を続けることになる。ちなみに第一大陸派兵部隊は、ユーラシア大陸のいかなる戦線にも派遣されるという過酷極まりない部隊だ。
 第二は中華大陸、第三はインド方面、第四は中東方面、第五はヨーロッパ方面である。これだけの大戦力を恒常的に展開できるのは今や米国を除けば日本以外にあり得ない。
 つまりそれだけ今の日本帝国の発言権と国際的地位は高いものとなっている。次代の覇権を狙うソ連や米国などとっては目の上のたんこぶ的な存在とも言えよう。
 EU各国やその他の国とっても、日本の動向は気になるところだ。ネックは日本が米国と同盟関係にあることだろうか。なにせこの二国が手をむすぶとなると、BETA戦後の世界経済の8〜9割は押さえられるとの試算が出ている。
 第二次大戦で日本帝国を敵に回して戦ったことのある国にとっては、米国と手を組んで世界の覇権を狙う日本帝国の図が頭をちらついてしょうがないことだろう。
 とはいえ、日本帝国の最高執政機関である内閣は現在人類の共存共栄を掲げ、BETA戦の終結こそ人類の未来を照らし出す光明であり、人類同士の争いなど以ての外と標榜している。
 これは裏を返せば、各国間で紛争を起こそうなら、内政干渉も辞さないと受け取れる宣言である。無論、いまの総理大臣である榊是親にはそのような気は毛頭無い。
 下手にそのような行動を起こせば、いらぬ火種を招いてしまうからだ。打つ手を間違えれば、本当に米国と日本、そしてそれ以外を巻き込んだ世界大戦が起こってしまう可能性だってないとはいえない。

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