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マブラヴSEED
80話 『戦闘開始』
(マブラヴオルタネイティヴ×機動戦士ガンダムSEED)
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キラは陸奥艦内で斑鳩と通信をしていた。
「疑問に思ったんだけど、何で大規模BETA群の出現とそんなバカでかい物を見逃すんだ? 普通なら衛星や観測基地のレーダーが感知して警報が知らされる筈だ」
斑鳩は苦虫を噛み潰した様に言葉を吐き出した。
『突如、衛星や政府機関、観測基地の電波が一時的に使用不能になった』
その斑鳩の言葉にキラは唖然として立ち上がり言葉を荒げた。
「馬鹿な!? ありえない!! 僕が組んだソフトだぞ! ウイルス抗体も完璧なはずだ! 自惚れ抜きでアレを抜くには手間と時間が掛かる! それを抜かれた!?」
この時、キラも斑鳩も考えたくない結論に達してしまった。
『いや、ハッキングやウイルス混入の形跡は無かった。内部の人間の犯行だ』
流石のキラもこれには唖然とした。
「だろうね……。そうとしか考えられない。まさか、賢者達が?」
『キラ、後は我々が調査する。其方は討伐に集中して欲しい』
そのキラの疑問に斑鳩はキラに今回の討伐に集中するよう諭した。
キラもそれが最優先事項と判断、「了解」と短く答え通信を終わらせた。
陸奥艦内では月詠 真那、鳳 玲子、真壁 雅七郎、盾無 純也が一堂に会していた。
「しかし、新種とはね……。なんであんなバカでかい物を見逃すかね」
「衛星が一時途絶状態だったんだとさ」
玲子と雅七郎の会話に真那と純也がそれぞれの思いを口にした。
「衛星のデータリンクが切れる事はそう無い。何者かが内部から切断しない限りはな」
真那の言葉に純也も頷く。
「そうとしか考えられないよ。国防省の軍事衛星は大体がキラが作った物でしょ? それがハッキングやクラッキングされるとは思えない。大体、スタンド・アローンの軍事基地の監視設備が僅かとはいえ堕ちる事はありえない。バックアップすら無いのもな」
それを聞いた玲子はゲンナリした。
「うわっ、やっぱり内部犯決定かよ。洒落にならねえぞ。後気にしながら戦うなんて私は嫌だぜ」
その言葉に全員が頷いた。
「まあ、殆どの連中がもう気が付いてるだろう。最初は異様な侵攻速度と新種に目がくらんでいたが今はそうじゃない。だが、それでも戦うしかあるまい。綺羅が我々を率いて戦う以上事態は急を擁する。しかも、激戦区と相場は決まっている」
真那の言葉に雅七郎はウンザリした。
「過度な期待はご遠慮したい物だ」
その言葉に純也も頷いた。
「何だか、奇跡を起こす事が毎回義務になっている気がしていやだな……」
そう、伝説の世代は特にこれが帝国軍全軍に求められていた。
『スレイヤーズ、特に伝説の世代がいればなんとかなる』
そんな風潮が帝国軍内部に大なり小なりある事は事実である。
「俺達は綺羅の様な万能超人じゃ無いっての。過度な期待はご遠慮だぜ」
その雅七郎の愚痴に真那は冷静に斬り捨てた。
「だが、やるしかない。奇跡でも偶然でも何でもいい。今の事態を打開しうる能力を綺羅や我等は持っている。なら、やる。それだけだ」
その真那の言葉に玲子は茶化した。
「何時に無く強気じゃん?」
真那はそのチャチャにこう返した。
「綺羅が出るんだ。大船に乗った気持ちでいられるのも確かだが、我々は指揮官だ。不安がっては部下の士気にかかわる」
「確かに」
「だね」
「まあ、ね」
そう言うと4人は連携や指揮の確認を再度行うのであった。
その頃、マーシャルも陸奥級、土佐に乗り込んでいた。
武はシルバーストライクのコックピットでOSを調整しながら今回の事を思い返していた。
(夕呼先生の話では帝国の衛星は兎も角、基地のレーダーは対テロ対策でスタンドアローンの筈。それが一時的に通信途絶とは何かある。帝国で何かが静かに起こっているのは確かだ。もしや、“賢者達”が?)
マーシャルもキラから賢人会議と賢者達の事は聞いたことがあった。
だが、最初はその事が余り信用できなかった。
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