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マブラヴSEED
81話 『激戦の始まり』修正
(マブラヴオルタネイティヴ×機動戦士ガンダムSEED)
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キラ達は母艦から発進した後、鹿児島から渓谷を抜けるルートを選択した。

入ってきた情報を詳細した結果、あのバカでかいレーザー級、仮呼称、要塞レーザー級の射程と威力ではラミネート装甲は役に立たない事は陸奥級3隻撃沈で明らかだ。

『まさか、陸奥級3隻撃沈とはね……。旗艦の薩摩以下、日向、豊後が撃沈、帝国連合艦隊至上最悪だな』

その玲子の言葉に純也も頷いた。

『うん、戦術機部隊は発進した後だったからよかったけど、戦艦3隻は痛いね……』

そう、帝国軍全体の空気を重くしたのはレーザー級や重レーザー級の一斉照射にも耐え得るラミネート装甲が要塞レーザー級の前では5秒しか持たなかったのだ。

確かに第5世代型戦術機は優先的に最前線、特に九州方面軍に多く配備はされているが数は少なく運用試験中という事もあり練度は低いと言わざるを得ない。

そんな中のこの出来事だ。

いくら備えを整えていても目と耳を塞がれては百戦錬磨の九州方面軍も対応のしようがない。

帝国政府はキラ達が討たれた場合を想定して九州方面軍全滅覚悟で回天を使用する事を閣議決定している。

帝国としても後の無い戦いなのは重々承知していた。

キラは思う。
今回の任務は生半可では無い。と。

「抜けるぞ! スレイヤーズ全機、アローヘッド・ワン、対レーザー防御陣形、ランダム回避運動! あの火力だ、かすめただけで消し炭になると思え!」

キラは渓谷出口付近で側面防御重視のアローヘッド・ツーから突撃重視のアローヘッド・ワンへと陣形を変更した。

どちらも突撃型の陣形だが側面防御も重視する陣形から完全突撃陣形に切り替えたのは先ず、要塞レーザー級を狩る事を最優先事項とし、BETA群に守られた要塞レーザー級まで辿り着くには速度と先端の打撃力が求められると判断したからだ。

渓谷を匍匐飛行で抜けたキラ達にBETA群は熱烈なお出迎えとばかりにレーザーのシャワーと物量で押しつぶそうとした。

「芸が無い」

キラはそう呟くと集中ターゲットスコープを起動させマルチロックオンを開始、高速機動状態からの一斉正射、ハイマットフルバーストを行い道を切り開く。

その時だった、初期照射検知の警報がキラの耳に響き渡る。

「クッ!?」

慌ててキラはハイマットフルバーストを解除しハイマットモードで緊急回避を試みる。

重レーザー級の倍以上の光の柱が九つ、キラ目掛けて殺到した。

キラはシールドでコックピットを防御しつつ回避したがシールド表面が熔解しドロドロに溶けていた。

「そんな!? 安全圏まで回避した筈だ! まさか、レーザー周辺がプラズマ化現象を引き起こしているのか!?」

キラはそう予測すると先ほどの回避地点から予測を立て仮説を組み立てる。

(だとするとレーザー周囲10メートルは高熱プラズマの嵐か。迂闊に回避も出来ない)

キラは珍しく冷や汗を流した。

(ここまで明確に“死”を感じたのは久しぶりだ。更にこの余波で周囲のBETAも吹き飛んだ。だとするとレーザー級は味方を誤射しないと言う通説はあの新種には通用しない。純粋な回避しかありえない)

そう結論付けながらキラはもう一度要塞レーザー級を見やる。

またレーザーを乱射する要塞レーザー級にキラはどんどん仮説を組み立てる。

(連射も出来るのか! しかも先ほどのよりは数段と威力は劣る。どうやらさっきの照射は最大威力での照射、今度は連射とは……芸が細かい。最大照射終了からのインターバルは20秒、通常の連続照射はインターバルは無しか……)

キラは速射砲の如く撃たれるレーザーを回避しながら尚も分析していく。
そして、ある事に気が付く。

(あの左右の6枚の羽みたいなやつはレーザーを撃つたびに発光している)

そう思ったキラは通常映像から熱分布映像に切り替えた。
レーザーを回避し、その羽の部分を見やる。

(どうやらあれが放熱排熱の役割をしているのか……。だからレーザーの連射なんて芸当が可能と言う訳か)

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