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運命戦記リリカルEXTRA.AC改
STS編36、託される想い
(魔法少女リリカルなのは×FATE/EXTRA×アーマードコアシリーズ)
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揺りかご内で再会したエヴァンジェと優人達。
なのはは未だ混乱しているが、優人とアーチャーは既にエヴァンジェを敵として認識していた。

「一応、理由を聞かせて欲しい。どうしてフライトナーズに?」

優人がそう問うと、エヴァンジェは静かに口を開いた。

「・・・八年前、カラードが解散した後、私は管理局の腐敗を目の当たりしたのだよ」

「腐敗・・・最高評議会か?」

アーチャーの言葉に頷くエヴァンジェ。彼は言葉を続けた。

「それだけでは無い、自身の利益だけを望み、他者を食い物にし続ける愚か者達。そして、邪魔になると知れば平気で人を殺し、それを隠蔽する。
法では裁けない悪を、私はずっと指を加えて見続けていた」

「だから・・・フライトナーズに加担したの?」

「そうだよなのはくん、彼は私に約束してくれた。
全ての悪の根絶、理不尽の無い世界を」

エヴァンジェはクラインの事を盲目的に心酔していた。

「君達もこちら側に来い。共に新世界を創ろうではないか」

そう言って、エヴァンジェは手を差し伸べる。しかし、それを取ろうと思う人間はここにはいなかった。

「エヴァンジェ、お前の言い分はわかった。だけど、賛同は出来ない」

「・・・・・・なに?」

「確かに、クラインの提唱する世界に争いは起きないかも知れない。だけどそれは単に、歩みを止めただけだ」

「・・・・・・」

「変化を拒絶し、変わらない日々を過ごすなんて、生きる事を放棄しているようなものだ。俺はそんな世界は望まない」

「そうだよエヴァくん。そんな悲しい世界、誰も望んでいないよ」

優人となのはは懸命の言葉をエヴァンジェに言う。しかし、その言葉は彼には届かなかった。

「そうか・・・ならば排除するしかないな」

エヴァンジェはオラクルを起動させると同時に、ディソーダー数体呼び出した。
それを見た優人達は直ぐに臨戦体勢をとる。

「なのは、ここは俺とアーチャーに任せて、ヴィータと一緒に別ルートから行ってくれ」

「え? でも優くん・・・・・・」

「大丈夫、友人の目を覚まさせるだけだから」

「・・・うん、わかった」

「気をつけろよ二人とも」

そう言って、なのはとヴィータは別ルートへ進んで行った。
残された優人とアーチャーは、敵を見据える。

「俺はエヴァンジェを相手にする。雑魚は任せたアーチャー」

「了解したマスター。きつい一発で、あの馬鹿の目を覚まさせてやれ」

「元より、そのつもりだ」

「舐められたものだ。いいだろう、ドミナントの力、思い知らせたやる!」

エヴァンジェはディソーダーを引き連れ、二人に戦闘を仕掛けるのであった。




その頃、揺りかごの外では、大規模な空戦が繰り広げていた。

「これより広域魔法を放ちます! 指定された空域から離脱して下さい!」

はやては念話で、仲間の離脱を呼び掛け、広域魔法を放つ。

「デアボリック・エミッション!」

黒い球体が、多数のディソーダーとパルヴァライザーを飲み込んでいく。

「ロングアーチ、周辺の状況は?」

《奇襲が成功した事もあり、現在は優勢です。しかし、揺りかごから次々と敵が出てきています》

「潜入チームが防壁を解除するまでの辛抱や、皆頑張ろう」

そう言って、再び広域魔法を放とうする。その時、リィンが叫ぶ。

《高速で接近する敵影感知! こっちに真っ直ぐ来ます!》

その影は、はやての目でも確認出来た。
閃光のような輝きを放ちながら、はやてに迫る。

「これ以上行かせるな!」

敵の進行を阻止しようと立ち塞がる管理局の魔導師達、しかし―――。

「邪魔だ」

目にも止まらない剣速で、魔導師達を瞬く間に切り伏せた。そこでようやく、相手が誰だがわかった。

「アルバート・セイバー!」

《不味いですよ! 接近されたら勝ち目無いです!》

アーチャーや優人の話によると、セイバーはサーヴァントのクラスの中でも最優と呼ばれる物である。恐らく接近戦になってしまえば、自分など秒殺されてしまうのは明白である。

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