■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
マブラヴSEED
86話 『啓示』 修正
(マブラヴオルタネイティヴ×機動戦士ガンダムSEED)
  [→]  【PAGE 1/2】
ここに来てキラは行き詰っていた。

今回、あのレーザー要塞級を相手に戦える戦術機が要求された。
実質、防御は不可能な大出力レーザー、無数の触手、防御はラザフォードで彎曲されたレーザーの壁。
どうにかしてこれら障害を排して攻略しなければならなかった。

キラは足を組み椅子の背凭れに寄り掛かった。

(現行の戦術機の火力ではあの光の壁は突破不可能。手数と火力は向こうが上、ジリ貧なのは認める。現行案でも回避は可能だけどそれには僕並に回避しなくちゃならないから事実上不可能。回避しても壁を抜かなければ意味が無い……。さて、どうするか……)

その時、キラはある戦いを思い出した。

そう、ラウ・ル・クルーゼとの戦いを。

(あの機体の全方位の集中火力が出来ればどんなにいいだろう。駄目だ、アレは宇宙空間でレーザー級がいないから実現できる事だ。でも、クルーゼは僕がドラグーンを撃ち落とそうとしてもドラグーンを巧みに動かし回避して中々落とさせてもらえなかった。やってみる価値はあるか……)

キラはそう思うとシミュレータールームに向かう。

キラはソフトウェアーにXアストレイのデータを入れるとキーボードを叩きながら呟く。

「Xアストレイの全スラスター及びドラグーンの全スラスターをゼログラビティーシステムに変更、操作OSはフリーダムに変更っと……」

キラはそう言うと強化装備に着替えないままガンダム用のシミュレーターに乗り込んだ。

ステージはハイヴでは無く平野部、キラは強化装備用のヘッドセットをつける。

「さあ、始めるか。ちょっとした息抜きを」

キラはそう呟くと操縦桿を握り締めた。

設定では全てがレーザー級で設定されている。

その通り、キラの網膜投影機にはレーザー級と重レーザー級で平野が埋め尽くされていた。

その瞬間、警告音がシミュレーター内に鳴り響く。

キラは慌てる事無く操縦桿とフットペダルを動かす。
センサーを見ながら思念操作でドラグーンをパージした。

4機のドラグーンが縦横無尽に空に解き放たれる。

その瞬間、ドラグーンに目掛けてレーザーが撃ち込まれた。
それこそ数えるのも馬鹿らしい程の数のレーザーが吐き出される。

キラは中央のマルチレーダーセンサーを見やり、瞬時に回避コースを計算し割り出すとドラグーンを脳波コントロールする。
精密で緻密な計算をし、そこから回避コースを割り出しその通りにドラグーンを動かす。
これは反射神経と言うより囲碁や将棋、チェスと言ったゲームだとキラは考えた。
3次元の盤にチェスの駒を4機と自機のキングの計5機、それを相手の陣地を占領する囲碁の様な要素も織り交ぜた感じだ。

確かにかなり高い空間認識能力を要求されるがそれと同じ様に要求されるのは現状を認識する認識力と作戦を組み立てる知識と技術。戦略や戦術が要求される。

(これは何手先を読めるか、戦場と言う名の空間をいかに支配できるかにかかっている。ドラグーンの運びはこれでいい筈。なら、後は実戦あるのみ。でもなんでだろう? この機体操作の方が僕にシックリくる……)

キラはそう思うと思考しながら操縦桿を動かした。


真那達、エンジェルスは定期訓練の為、シミュレータールームに来ていた。

そこに置かれているログモニターを見て真那達は戦慄する事になる。

「あれって隊長ですよね?」

巴 雪乃の言葉に全員が答えられない。
何せ、シミュレーターは可笑しげな動き方をしているのだ。
乱回転したかと思えば今度は激しく上下左右に忙しなく動き今度は回転しながら後方に下がる。

ログ画面に映し出されていたキラは強化装備を身に着けておらず、斯衛の軍服のまま鼻歌交じりで操縦桿とペダルを忙しなく動かしていた。

いろんな意味で異様である。

そもそも、強化装備は対G装備が施されている。
それを着てあの動きなら納得も出来ないでもないが鼻歌はで無い筈だ。

  [→]  【PAGE 1/2】

■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る