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俺の片目は戦争兵器
プロローグ
(オリジナル)
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 俺の名前は蝉島 菊『せみしま きく』。奏巧高校に通う二年生だ。     
 「うわ〜蝉島君だ。よしこ、あっち行こう」     
 「出たよ眼帯付けた中二病」      
 俺は中二病じゃない。      
 「呪われるぞー逃げろー」    
 「呪わねぇよ俺は幽霊か? 悪魔か? 人間だよ」   
 また逃げたあいつら。      
 なぜみんな眼帯をしているだけで逃げてくんだ。例え中二病でも逃げることはないはずだ。     
 「やぁ蝉島」          
 こいつは鷹巳 将錯『たかみ しょうさく』。俺と同じクラスでゆういつ俺のことを慕ってくれる人間だ。
 「中二病の同士よ」       
 「いつもだけど俺は中二病じゃない」     
 お前も中二病じゃないだろ。      
 こいつは中二病の女の子が大好き言うならば中二病フェチ? なんだそれ。     
 「蝉島君。君も好きだろ中二病」     
 「好きじゃねーよ。というかお前のセンスがわからん標準じゃねーだろ」
 将錯は突然立ち上がり窓を開けた。何をする気だ?     
 「蝉島君、風が気持ちいいね」      
 「あぁ確かに」         
 「今日は何の日か知ってるかい」      
 「入学式だろ一年の」      
 「だから今日は」        
 「もういいわかったから」     
 こいつのことだから「新入生に中二病の子が」とかだろう。      
 夢があっていいよなお前は。     
 「そろそろ行こうぜ蝉島」      
 「あぁそうするか」          
 そして入学式が始まった。体育館は閑散としていた。      
 新入生が入ってきた。特に目立った奴は居ないな。     
 校長の話が始まった。      
 この校長は前の校長の娘らしい。なのでまだ若い二十代半ばくらいだろうか。  
 「この度はこの学校に入っていただきありがとうございます」    
 「何も考えていないので終わります」      
 考えてこいよ。         
 次は新入生代表の        
 「質問のある新入生は居ますか?」     
 「質問コーナーだよ」      
 どこの番組だよというか入学式からふざけんなよ。     
 誰も手を挙げる人はいなかった。ほらこうなる。      
 「続いてはイラストコーナー」      
 もういいよ。教育番組か。     
 「これで入学式を終わります」       
 これじゃこの学校前途多難だな。      
 「将錯さんざんだなあの校長」      
 「でも美人だったぞ」      
 そこはどうでもいいんだよ。      
 「先生の胸、赤城山みたいだったな」       
 赤城山って随分微妙だな。あるだろもっと他に。     
 「そんなことよりさお前が中二病になってるなんて驚きだよ」
 「だから中二病じゃねぇ」      
 「じゃあなんで眼帯はめてんだよ」       
 答えに詰まった。
 「そんなに聞きたいか」       
 「嫌なら良いけど」        
 言うべきか言わないべきか。       
 「じゃあ俺先行ってるわ」         
 そう言って将錯は足早に教室に戻っていった。     
 中二病か、それだったらまだ良い方だよ。      
 この右目はもうどうしようもないだろうからな。     
 「蝉島君だ、関わらない方が絶対良いよね」     
 周りからは中二病扱い。でもこの右目のことを言っても避けられるのには代わりない。
 将錯なら言っても問題ないかな。     
 この目の真実を知ってるやつは作った本人だけだと良いけど。
 だってこの右目は誰かによって作られた兵器なのだから。      

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