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俺の片目は戦争兵器
人生の惨劇(大袈裟)
(オリジナル)
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意識が戻ってきた。俺は眠りから覚めた。
カーテンを開けると鋭い、春の日差しが俺を襲う。
「眩しいな」
最近は随分、暖かくなった。新学期も近い。
俺は顔を洗うために洗面所に向かった。
水道の蛇口を捻る。良いよな先進国は捻るだけできれいな水が出て。
水道から出てきた水を両手ですくう。そして顔を洗う。
「あー目が覚める」
そして隣に掛けてあるタオルを手に取る。
顔をタオルでふいたあと鏡を見た。
「え・・・・・・?」
俺の顔にはあってはならないものがあった。というか備えてあった。
俺は自分の頬を引っ張ったがこれは夢ではなかった。
「なんだこれ機械?」
「なんだ機械か」
俺は身を翻した。
「納得できるかー」
そしてもう一度鏡で顔を見る。
誰がどうして何のために改造したのかも分からない。しかもそんなことが出来る神業を持った人も記憶にない。
「日本は世界は宇宙は一体どうなってんだー」
俺は人生のなかで一番大きな声を出したかも知れない。
一回落ち着こう。聡明になろう。
時折こんなことはあることだ。目の異変なんて医者に見てもらえばいい。
こんなことねぇよ。そんな話聞いたことないし、医者にもわかんねぇよ。
なぜ俺は自分にツッコミを入れている。
迂闊だった。世界がこんなことになっていたなんて。(世界関係無し)
「どうするんだよ、何か使えるのか」
その刹那、改造された右目からビームが出てきた。
壁に穴があいてしまった。
「うまく使いこなせないかな」
「とにかく今は隠せるものを探そう」
昔、使っていた眼帯があるはずだ。それで隠そう。
押し入れから昔のイタイ道具が入っている段ボールを出す。
「この中のどこかに・・・・・・あった」
これなら右目も隠せるはずだ。
鏡で確認してみた。なんとか隠せてる。
俺は少しだけ安堵した。
「朝飯食うか」
待てよ? この目ってビーム以外になんか出来るのか。
ちょっとだけ試してみよう。まずはビームから。
俺は眼帯を目がすべて出るようにずらし、ビームと思考すると弱々しいがビームが出てきた。
「ビームだけだと威力にムラがあるな」
「要するに威力まで考えれば調節できるってわけか」
次に左目を手で覆い見えなくした。
「すごく視力が上がっているというか望遠鏡みたいにすごい遠くが見える」
これはすごい。が何に使うんだこの機能。
それがわかるのはいつだろう。
新学期に入って周りから中二病と言われそうで怖い。
仕方のないことだけど。
「なんでこんなことになったんだよー」
心の中で嘆いた。人生ってこんなのだっけ? 自分に聞きたい。
この恐ろしい目が一生俺の目だと思うと波瀾万丈な人生になりそうだ。
「この事をずっと懸念しながら生きてくのか」
大きくため息をついた。
壁に穴があいている。忘れてた。
俺は一日、壁の修復作業に逐われた。
苦労ばかりの人生である。
何があるかわからないとはこの事だろうか。
そんなことを作業しながら思う俺だった。
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