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俺の片目は戦争兵器
正義と羞恥心
(オリジナル)
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二日目、季節は春だが俺の仕事は春ではなかった。
前日よりはましだが相変わらず吐き気がする。
「宅配便でーす」
「今、行きます」
知り合いに会うのが怖い。
「毎度ありがとうございます」
早く終わってくれ。一生独身でいいから。
あの業者微笑してたよな。あー汚れたパンツを全校生徒に見せるくらい恥辱だ。
「いい子にしてないとどうなるかわかってんだろうな」
どこからだ?
「やめてください・・・・・・私の」
「うるせぇ」
あいつらか。
その不良らしき男は女の子を蹴飛ばした。それも全力で。
見てるだけで腹立たしい。
反射的だが騒ぎの方向に進んでいた。
「やめろ! お前ら」
「あん? なんだてめぇ」
なんでこんな正義らしいことをしているんだろう。
「何も無いけど反射的にね」
なぜか不良みたいな奴は涙目になっていた。
「お前、なんだその格好ちょーウケル」
しまった。こんな格好じゃ正義とか何もねぇ。ただの変質者だ。
「こんなやつが出てくるとは世の中は腐っちまったのか」
金髪の奴はまだ大爆笑している。
「腐ってるのはお前らだよ」
「あん? なに言ってんだ」
俺は眼帯を外した。
「お前ただの中二・・・・・・」
俺は右目から不良一人の髪にめがけてビームを放った。
「はげたぞ! 何やりやがった」
「何って? ビーム出したんだよ」
不良たちは口をあんぐりと開けて驚いている。
「ひ、ひるむな! ビームなんてありえねぇ」
もう一発、地面めがけて放ってやった。
「こ、こいつ・・・・・・お前ら行こうぜ」
不良たちは路地裏から走って逃げていった。
「ありがとうございます」
「これくらい当たり前だよ」
俺って、こんなことするような人間だったか?
「これ宝物なんです」
まぁそんなこと考えても仕方ないよな。
「なんでお兄さんそんな格好してるんですか?」
痛いとこ突かれた。
「バイトだよバイト」
「趣味なんですか」
人の話聞いてた?
「蝉島さん、いつまでこんなとこに」
「今、行きます」
「返事が早いわね」
磯山さんは店に戻っていった。
「気をつけろよ、これからは」
「待ってください」
俺のスカートを引っ張ってきた。
「なんだ?」
女の子はうつむいたまま何も言わない。
「一人なのか?」
女の子はコクリとうなずいた。
「あと・・・・・・お礼もしたいですしお兄さんをもっと見ていたいなって」
「なら、そこの店に入ってれば安全だし俺もそこでバイトしてるからさ」
女の子はまたコクリとうなずいた。
「どうしたのその子」
「磯山さん、この子俺を見ていたいと言うんですけど、どうしましょう?」
「もう帰っていいわよ」
思っても見なかった、発言だ。
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