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俺の片目は戦争兵器
アイバイトの最後
(オリジナル)
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アイバイトも三日目。今日がついに最終日やっとあの地獄から逃げられる。
「今日であなたも最後ね、だから今日はウエイトレスとして客の対応でもしてもらおうかしら」
マジかよ。最終日に一番やりたくない仕事だよ。見てるだけならまだしも俺自身がやるとなると、地獄じゃ済まされないな。
「じゃあ早速お客が来たからやって貰おうかしら」
俺は、一番右奥のテーブルに座った客に歩み寄る。
「おお客様、ごご注文は?」
「君、新入り?」
見破られたか。聞いてくんなよこっちは恥ずかしさで一杯なんだよ。
「まぁ、そうですけど」
「店長! 俺この子とおしゃべり一時間で」
「せみみん指名入りましたー」
せみみんって何だよ! この店長、一生許さねぇ。
「座って座ってせみみんちゃん、おじちゃんが面白い話聞かせてあげるからねぇ」
余計なお世話だ。このおじさんと一時間二人きりかよ、一分でも嫌なのに。
「それでねーせみみんちゃん、おじちゃんねこの前宝くじ当たったんだ」
そんなような、くだらないどうでもいい話を一時間程度聞かされた。
こんなにしんどいのは初めてだ。
「せみみん、ちょっと良いかな」
俺は店長に呼び出され更衣室に入っていった。
「使命お疲れ様大変でしょ」
あんたがこんな仕事与えなけりゃ指名なんてされてなかったよ。
「でもね全然甘いわよ」
「え、どこがですか」
「態度、声、話し方もう数えきれないほどあったわよ」
いきなりできる人なんて居るか。
「私が少しコツを教えてあげるからそこの椅子に座ってちょうだい」
俺は言われた通り近くにあった椅子に腰かけた。
磯山さんは更衣室を出た。
そして更衣室のドアが開いた。
「お客様、アイスコーヒーとパンケーキでぇーす、私が愛を込めて作りました♪、これが最初のセリフの例早速入るところからやってみて」
え? やるの。めちゃくちゃ恥ずかしい。この三日間、羞恥心まみれだよ。
俺は更衣室を一度出て、もう一度ドアを開けた。
「お客様、どうぞ」
無理だよ、出来ねーよ。
「あんたセンス無いわね、もういいわ裏方の仕事やってなさい、と言いたいところだけど人数が足りないから仕方ないわ」
俺はまた、ウエイトレスをやるはめになってしまった。時間が長く感じるのは気のせいか?
指名が来ないだけでもましかな。
結局、あれ以来指名はなかった。
「お疲れ様、はいバイト代」
「ありがとうございます」
あんたのせいで散々だったけどな。
俺はすぐに着替えて足早に店を出た、これで地獄の三日間は終わった。あー嬉しい。
俺は店を出て家に向かい始めた。その時、俺の携帯が鳴った。
俺は携帯をポッケから取りだし画面を見る、明夏からだ。
『なんだ明夏、何か用か?』
『どうだったバイト?』
『お前、俺をたぶらかすの好きだよな』
『はて? なんのことやら?』
こいつ、いちいち腹が立つ。
『でさー、このあと買い物に付き合ってくれないかな?』
話を突然、変えるな。
『いいけど、どこに行けばいいんだ』
『近くのコンビニで待ってて』
明夏はそういって電話を切った。
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