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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第72話:相対戦=第三戦その4=
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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アインツベルンの森にて様々な想いを抱きながら多くの者達が集いつつある一方、混沌の坩堝と化したアインツベルン城にて事態を収拾せんと奔走する者達もいた。

「くそ、やられた…!!」
「えぇい…!! こんな時に…!!」

現在、ウェイバーとケイネスはそれぞれ悪態を吐きながら、数多くの瓦礫が散乱した廊下を必死に走り抜いていた。
“セイバーによる銀時の襲撃”―――アラストールから齎されたその凶報を前に、ウェイバーとケイネスは事の重大さに耳を疑うほど驚愕すると同時に、事の元凶である切嗣の乱心に憤怒の表情を激しく顕にするほど激怒した。
当の銀時とランサーが自覚しているかどうかは不明だが、ウェイバーやケイネス達にとっては擁護派と討伐派の実質的なリーダーであり、ひいてはアーチャーとライダーと並んで六陣営同盟を要となる存在と言っても過言ではなかった。
もし、その銀時とランサーのどちらか、或いは両者がセイバーに討たれたなら、六陣営同盟そのものが瓦解するのは火を見るより明らかだった。

「早く止めないと…!!」
「ランサー…どうにか持ちこたえてくれ…!!」

故に、ウェイバーとケイネスはこの六陣営同盟瓦解という未曽有の危機を阻止すべく、今も銀時達が死闘を繰り広げているアインツベルン城の中庭に向かってひた走った。
そして、ウェイバーとケイネスは知る由もなかった―――数分後、雨の如く飛び散る鮮血と共に宙を舞う銀時の姿を目の当たりにする事になるのを…!!


第72話:相対戦=第三戦その4=


一方、ウェイバー達が到着する数分前、アインツベルン城での闘いもいよいよ終結にむかうべく、正真正銘の最後の攻防戦が繰り広げられていた。

「うぉおおおおおおおおおおお!!」
「はぁあああああああああああ!!」
「がぁああああああああああああぁ!!」

もはや、そこに、何人であろうとも、己が死を代償とする以外に介入できる余地など一切なかった。
疾風の如く迫りくる敵を圧殺せんばかりの気迫の咆哮を互いに叩き付け。
互いの刃が激しくぶつかり合うたびに、甲高い斬撃の音色と閃光の徒花を絶え間なく奏で咲き散らして。
それと同時に荒れ狂う台風の如き暴風と地震と錯覚するほどの衝撃波でアインツベルン城を半壊寸前まで追い込むまで叩き揺らしながら。
ただ、只管に三体のサーヴァント―――銀時とランサーとセイバーはいつ終わるやも分からぬままに己の残された渾身の力で刃を交え続けた。

「ほぁたぁああああああああ!!」
「はぁああああああああああ!!」
「がぎゃぁああああああああ!!」

片や互いに極限の闘いを繰り広げた中で紡いだ“絆”の力で以て、セイバーを救わんとする銀時とランサー。
片や切嗣の怨念を込めた令呪と己を呪縛し続ける妄執に突き動かされ、銀時を討たんとするセイバー。
それはまさしく、神代の世界で繰り広げられていたであろう英雄と怪物によって為されてきた、凄絶にして壮絶な闘争の再現だった。
そして、文字通り、龍虎相打つかのごとく、銀時達は残された力と信念を糧に一進一退の激闘を繰り広げていた。
―――しかし。

「ぎぃ…!! ぎぃ…!!」
「っと、さすがにバテてきたみてぇだな」
「でしょうね。こんだけ激しくやり合っているんだから」

この永遠に続くかと思われた銀時達の闘いも刻一刻と時を追うごとに徐々に両者の拮抗が崩れつつあった。
事実、仕切り直しを図るべく距離を取った銀時とランサーに対しても、セイバーは即座に銀時達を追撃できずに、太刀と脇差を杖代わりに辛うじて体を支える事しかできないまま、苦しげに息を切るほど死に体の有様だった。
もはや、誰の目から見ても明らかだった―――セイバーが闘うことすらままならぬほど衰弱しているのは…!!
元々、バーサーカーを除けば他のサーヴァントに比べて魔力の消耗が多い上に、今日に至るまで、セイバーは切嗣の令呪に抗う為に自身に蓄えられた多くの魔力を消耗していた。

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