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Fate/Silver or Heart
第四訓:鍛【しゅぎょう】
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
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真選組屯所にある道場にて、
「ハッ!」
「でやぁ!」
ジークとセイバーが、木刀で打ち合いをしていたのだ。
何故彼が真選組の屯所にいるかというと、それには理由があった。
それは、少し前に遡る。
―鍛【しゅぎょう】―
最初は、万事屋の事務所から始まった。
「えっ? 鍛えてくれだと?」
「ああ。 正直、万事屋の仕事は楽しいが、何時までも甘えさせて貰うわけにはいかないからな」
ユーリやジャンヌ達が出掛けている時、ジークが銀時に「鍛えて欲しい」と頼んで来たのだ。
「俺は、銀さんやユーリの様な戦場を駆け抜けた経験は無い。 勿論、翔太郎のように修行で鍛えたワケでもない」
純粋で真っ直ぐな目で、ジークははっきりとこう言った。
「少しでも皆の役に立てるように…特に彼女《ジャンヌ》を護れるように、俺は強くなりたいんだ」
「ふっ、そうか」
不敵に笑った銀時であったが、内心では……、
「(おいぃぃぃぃぃ! カッコ良過ぎだろぉぉぉぉぉ!? 少年漫画の主人公顔負けのカッコ良さだよぉぉぉぉ!?)」
ジークの強い意志に、主人公としての焦りが出たのだ。
「(どうすんの!? えっ、これどうすんの!? どうすれば良いのぉぉぉぉぉ!?)」
脂汗が滲み出るほどの焦りを見せ、こんな事を言ったのである。
「よ、よし! ならば良いところがあるぞ!」
「良いところ?」
首を傾げるジークに対し、銀時はこう言ったのだ。
「真選組だ」
「真選組?」
「そうだ。 アイツ等、国を守る組織だろ? だから連中のところで、腕を磨いて来いって事だ」
「なるほど、そうだな」
銀時は半分ヤケクソになってしまうが、ジークはすぐさま納得したのである。
「分かった。 じゃあ、今から真選組に行って来る」
「お、おう。 行って来い!」
ジークが事務所を後にし、様子を見ていた新八が尋ねた。
「良いんですか銀さん、あんな事言って?」
「大丈夫だって。 あの汚職警官どものところで働けば、銀魂色に染まるさ」
「全然大丈夫じゃ無いじゃん!」
「もしそうなったら、ジャンヌに怒られるのは銀ちゃんアルな」
そう思いながら、酢昆布を齧る神楽なのである。
真選組の屯所にて……、
「成程、話しは分かりました」
ジークから話しを聞いたセイバーが、何処か楽しそうな顔をする。
「では、さっそく始めましょうか」
「始める?」
「鍛練ですよ。 まずは準備からです」
そう言って彼女は、水の入ったバケツと雑巾を持つ。
「セイバー、それは?」
「まずは道場の床掃除です。 これも大切な鍛錬の一つだと思って下さい」
当然のように答え、早速掃除を始めるのであった。
掃除を行って約30分。
「こんなところか?」
「はい。 上出来です」
汚れが一つもない道場に、セイバーも合格点を与える。
「では、準備運動をしましょうか。 屈伸や柔軟体操をして、体をほぐして下さい」
「分かった」
言われた通り、柔軟体操で準備運動を行うジーク。
準備運動が終わると、セイバーが木刀を彼に渡した。
「ではこのまま、素振りをノルマで50回行ってください」
「分かった」
こうしてジークは、すぐさま素振りを始めたのである。
素振りを始めてから約50分後、
「48…49……50!」
ジークはノルマである素振り50回を、見事にやり遂げたのである。
「凄いですね。 初めてとは思えないくらいですよ」
「いや、これも基礎鍛錬の一つだと思えば、楽な方だ」
「そうですか。 それでは……」
流れ出る汗を拭うジークに、セイバーは木刀を当然のように握っていた。
「構えて下さい」
「!?」
この瞬間、彼女の目付きが変わったのだ。
自身の経験上、ジークは本能で察した。
「(これが、セイバーの本来の“顔”か!?)」
幕末において新撰組は常に、『生きるか死ぬか』の斬り合いに身を投じでいた。
セイバー……沖田総司もまた、激しい戦いを経験している。
お調子者で子供好きな女性から、冷徹な人斬りへと変貌。
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