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Fate/Silver or Heart
第六訓:紅桜
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
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前回のあらすじ。
失踪した桂の手掛かりを追う為、新八達はエリザベスと夜に、現場近くの路地に来ていた。
しかし遭遇した岡っ引きが、件の辻斬りに殺害されてしまう。
襲いかかる辻斬りであったが、銀時の参戦でことなきを得た新八達。
「――ったく、妖刀探しで此処まで来てみれば…どっかで見たツラじゃねぇか」
「ホントだ…何処かで嗅いだニオイだね……」
そして辻斬りは、自らの素顔を晒したのだった。
―紅桜―
辻斬りの顔を見た新八は、驚きを隠せずにいた。
「あ…アンタは!? 人斬り…人斬り似蔵!」
岡田似蔵、またの名を人斬り似蔵。
盲目でありながら、研ぎ澄まされた聴覚と嗅覚だけで相手を斬り伏せた攘夷志士。
数日前に起こった橋田屋の一件で、銀時と戦った事がある。
鼻炎用スプレーを鼻腔内に吹きかける似蔵を、新八は強く睨みつけた。
「件の辻斬りは、アンタの仕業だったのか! でも、二人はどうしてここに!?」
刀を抜きながら、ジークは彼等を護るように背を向ける。
「どうやらお互いの目的が、あの男へと繋がっていたようだ」
「へ?」
「つまり、俺等全員、アイツに用があるって事だよ新八君」
銀時が分かり易く教えると、似蔵は地面に刺さった愛刀を引き抜く。
その刀身は、淡い紅色に光っている。
コレを見た銀時は、すぐに確信したのだ。
アレが盗まれた妖刀、紅桜であることを……。
「嬉しいね。 わざわざ俺に会いにきてくれたってワケか…。 コイツは災いを呼ぶ妖刀と聞くがね、どうやら強者を引き寄せてくれるようだ。 桂にアンタ、こうも会いたい奴に会えるなんて、俺にとっては吉兆を呼ぶ刀だ」
「なっ!? 桂さんをどうしたんだ!?」
新八の激昂に対し、似蔵は平然と答える。
「おや、おたくらの知り合いだったのかい? それはすまない事をしたね。 オニューの刀を手に入れたから、つい斬っちまったよ」
「ヅラがテメェみてぇなただの人殺しに、負けるワケがねぇだろ」
「怒るなよ、悪かったと言ってる。 あっ、そうだ……」
すると似蔵は、懐から一房の髪の毛を見せた。
「ホラ、ついでに奴の形見だけでも返しておくよ」
「!?」
コレを見た新八とエリザベスは、驚愕で声が出なくなる。
まさにそれは、似蔵が桂を殺害した証拠となったからだ。
「記念にむしり取ったんだが、アンタ等に渡した方がヤツも喜ぶだろう。ところで、桂ってのはホントに男かい? この滑らかな髪、どう見ても女の様な……」
しかし、まさにその時だ。
銀時が一気に駆けより、容赦なく木刀を振り下ろす。
勿論、似蔵も紅桜でそれを防ぐ。
「寝ぼけた事言ってんじゃねぇよ! ヅラはテメェみてぇな雑魚に、やられるような奴じゃねぇ!!」
今までない怒りを露わにする銀時。
その場にいた者達が戦慄し、新八はその怒りを誰よりも察した。
銀時にとって桂は、共に攘夷戦争を戦った昔馴染み。
そんな桂の死を、誰よりも信じたくないのは、紛れもない銀時なのだ。
怒りを露わにする銀時に対し、似蔵は愉しむかのように笑う。
「クククク…確かに俺一人じゃ、奴には敵うまいよ。 だが、ヤツを斬ったのは俺じゃない」
「!?」
「俺はちょいと、体を貸してやっただけでね。 なあ、紅桜よ……」
だがこの時、銀時はあるものを目にしたのだ。
果たして、彼が見たモノとは!?
その頃、桂を捜索していた神楽とアーチャーとジュディスは、
「定春、ここにヅラのニオイがするアルか?」
「ワン!」
「港のようじゃの」
定春の嗅覚を頼りに、港まで足を運んでいた。
「それにしても、なんじゃあの船?」
「おい、見つかったか?」
「「!?」」
しかし突然の声に反応し、三人と一匹は物陰に隠れる。
そこには、三人の男達が何かを話していた。
「ダメだ、こりゃまた例の病気が出たな。 岡田さん…どこぞの侍にやられてから、しばらく大人してたってのに」
「やっぱアブネーよ、あの人。 こないだもあの桂を斬ったとか触れ回ってたが、あの人ならやりかねんよ」
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