■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
Fate/Silver or Heart
第七訓:月は人を狂わせる
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
[→]
【PAGE 1/5】
銀時達が似蔵との死闘から逃れた中、
「おい。 オマエ、この船の船員アルか?」
「ちょいと、中を案内させて貰おうかのう。 頭をぶち抜かれたくなかったらな」
船首に立つ男に、神楽とアーチャーが銃口を向けた。
「おい、聞いてんのか?」
まさにその時だ。
男は一度だけ振り返り、狂気に満ちた笑みを見せた。
コレを見たジュディスは、本能で感じ取る。
この男は危険だと――。
―月は人を狂わせる―
背後に銃口を向けられながら、男は不敵な笑みを浮かべる。
「今日はデケェ月が出てるもんだから、かぐや姫が降りて来る夜かと思ったら、とんだじゃじゃ馬姫が二人も来たもんだ。 だが、かぐや姫も驚く別嬪さんもいたようだな」
煙管を吹かす男であるが、神楽達三人は本能で感じ取った。
「(ヤバイ…)」
「(こやつ…)」
「(危険なニオイがするわ)」
しかしその時、背後から銃声が聞こえたのだ。
「「「!?」」」
三人は一度散ると、弾丸を何度も回避する。
「チッ!」
狙撃の主は舌打ちをすると、その場で走り出したのだ。
「!」
コレを見たジュディスも、即座に相手の方へと走り出す。
互いに真っ向から近付き、相手は銃口、ジュディスは槍の穂先を互いの顔に向けた。
「貴様等ぁ、何者だ! 晋助様を襲撃するなんて、絶対に許さないッス!」
狙撃手の正体は、金髪のサイドテールにヘソ出しミニスカの和服を着た女のようだ、
「武器を下ろせ! この来島また子の早撃ちに勝てるとでも思ってるんスか!?」
女――来島また子が叫ぶが、ジュディスはニヤリと笑う。
「確かに、この距離なら、貴方に勝てるとは思ってないわ」
「だったら武器を――」
「でも、後ろは確認する事ね」
「え?」
「「ほわちゃぁぁぁぁ!」」
背後から神楽とアーチャーの飛び蹴りが放たれ、また子は吹き飛ばされてしまう。
「逃げるわよ、二人とも!」
「アイツ等ぁ! 武市先輩ィ、そっちに行ったっス!」
この叫びと共に、スポットライトの光が三人を照らし出す。
和装で丁髷頭の男がライトの横に立ち、部下達に叫んだのだった。
「皆さん、女子供を殺めては、侍の名が廃ります。 生かして捕えるのです」
「先輩! ロリコンも大概にするっス! ここまで侵入されておきながら、何を生ぬるい事を!」
叫ぶまた子に対し、男――武市変平太は当然のように答える。
「ロリコンじゃありません、フェミニストです。 例え敵といえど、女子供に優しくするのがフェミの道というもの」
浪人達が一斉に襲いかかるが、神楽達は簡単にやられない。
「ホワチャァ!」
「そらァ!」
神楽が傘と体術を活かし、アーチャーが愛刀の『圧切長谷部』で薙ぎ払う。
「ハッ!」
更にジュディスが、槍と蹴り技で蹴散らすのだった。
「な、何だコイツ等は!?」
「強過ぎるぞ!?」
三人の強さを前に、浪人達も圧倒されてしまう。
「ヅラァ! どこアルか!? そこにいるんでしょぉぉぉ!? 返事するアル!」
神楽が大声で叫ぶが、まさにその時である。
パァン!と、左肩を撃たれたのだ。
撃ったのは、背後に立っているまた子だった。
更に彼女に左足を撃ち抜かれ、神楽はその場で倒れてしまう。
「神楽ぁ!」
マスターの危機を前に、アーチャーは即座に駆けだす。
「今だぁぁぁぁ! 捕えろぉぉぉぉ!」
捕縛の為、浪人達も駆け寄ったが、
「ふんごぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
神楽は根性で立ち上がったのだ。
依頼人《エリザベス》の為、万事屋の使命を果たす為に、ここで止まるワケにはいかなかったのだ。
負傷した体に鞭を打って…。
「な、なんてガキだ!?」
驚愕する浪人達に、アーチャーが容赦なく刃を振るう。
「そこをどけぇ!」
そんな中、また子が冷酷に呟く。
「やれ、アサシン」
まさにその時だった。
何者かが、アーチャーの背後を押さえ込んだ。
「がっ!」
うつ伏せにされたアーチャーは、自身を押さえ込んでいる相手を見る。
そこには黒い肌に、髑髏を模した仮面を被った集団がいた。
[→]
【PAGE 1/5】
■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る