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Fate/Silver or Heart
第五訓:一方的に話しを聞かない人は信用するな!
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
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それは、夜の事であった。
編笠で顔を隠し、橋の上を歩いていた桂。
「ちょいと失礼。 桂小太郎殿とお見受けする」
背後から男に声を掛けられ、彼はその場で立ち止まる。
「人違いだ」
「心配するな。 俺は幕府の犬でもなんでもない」
「犬は犬でも、血に飢えた狂犬と見た。 近頃このあたりで、辻斬りが横行していると聞く。 噛みつく相手は選んだ方が良いぞ?」
それを聞いた男は、不敵な笑みを浮かべる。
「生憎、俺も相棒も、アンタみたいな強者の血が欲しくてね。 一つやり合ってくれんかね?」
「まさか!? 貴様、その刀は――」
刀を構え、振り返ろうとした桂であったが、
「あらら、この程度かい?」
男は既に、彼の背後に立っていた。
カチンと納刀の音が聞こえ、同時に桂の体が斬られたのだ。
傷口から血が噴き出し、彼はその場で倒れてしまう。
その後、桂の姿を見た者はいないのだった。
―一方的に話しを聞かない人は信用するな!―
江戸では現在、奇妙な事件が起こっていた。
それは、浪人を中心的に狙った辻斬り事件である。
被害者は増えてい続けているが、犯人の尻尾は掴めないままなのだ。
そんな中、万事屋に一人の依頼人が訪れた。
ペンギンとオ○Qを足して2で割ったような姿の生物。
桂のペットで、良き相棒のエリザベスである。
「はい、コーヒーです」
新八がコーヒーを置くと、そのまま銀時達の座るソファーへと移動した。
「………」
一言もしゃべらないエリザベスに、彼等は困惑してしまう。
「おい、どうすんだよ!? どういう状況だよ!?」
「そう言われてもよ……」
これには全員が、困惑するしかなかった。
するとデスクの上にある電話が鳴りだし、銀時は電話へと向かう。
「はい、こちら万事屋です」
電話の相手と会話する銀時を他所に、神楽が新八達に告げた。
「新八、最終手段アル。 アレ出せ」
「ダメだよ。 アレ、銀さんのだし、怒られるよ」
「良いんだヨ。 アイツだって若くないんだから。 あんなんばっか飲み続けたら、ホントに糖尿になるネ」
「確かに、そういう健康管理も僕等の役目だと考えればね」
「つーか、年下のガキに健康管理される大人ってのもどうかと思うぞ?」
この会話に対し、ユーリも若干のツッコミを入れてしまう。
「はい、それじゃあそっちに伺いますね」
電話を切る銀時であったが、頭には定春が噛みついている。
これでも甘噛みの領域に入るのだが、
「おーう、俺ちょっと出るわ」
「涼しい顔して流血してますけど?」
滝のように流血しているので、絵的にはホラーなのだ。
「あの、どこに行くんですか?」
「仕事だ。 お前等、お客さんの相手は任せたぞ」
「嘘付けぇ! 一人だけ逃げるつもりだろ!!」
外へ出た銀時に、流石の新八も怒りを募らせる。
コレを見たユーリは、頭を掻きながら立ち上がり、
「――ったく、アイツだけじゃ心配だ。 ジーク、翔太郎、ラピード、ついて行くぞ」
「ワン!」
「えっ、俺達もか?」
「おい、待てよユーリ!」
「新八! 相手が無口なら、筆談でもやってみろ! 意外と効果あんぞ!」
新八に助言を与え、ユーリはジークと翔太郎、そしてラピードを連れて外へと出た。
「流石はユーリの兄貴ネ。 なんだかんだでアドバイスをくれるアル。 でも、念には念を。 新八、銀ちゃんがいない今、まさにチャンスネ」
「あっ」
すぐさま新八は、台所へと向かうと、
「はい、イチゴ牛乳です!」
イチゴ牛乳を淹れたグラスを、エリザベスの前に置いたのだ。
するとエリザベスは、桂との会話を思い出す。
――いいかエリザベス。 武士は既に、素朴で質素のある物だけ食せば良い。 イチゴ牛乳だのパフェだの、そんな軟弱なものを口にしたら、心まで惰弱してしまうぞ。
この言葉を思い出し、涙がこぼれ出た。
「泣いたぁぁぁぁ!?」
「グッジョブアル、新八!」
この反応に新八は驚愕し、神楽もサムズアップをする。
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