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Fate/Silver or Heart
第九訓:何事も下準備は必要
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
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銀時達が立ち去ったあと、お妙は銀時の寝室に向かった。
彼が使っていた布団の横で、彼女は「ふう」と腰を下ろす。
そんな彼女を心配してか、ジャンヌと翔太郎も部屋に入って来る。
翔太郎は既にダブルドライバーを装着し、何時でも変身が出来る状態になっていた。
しかし内心では、彼等の事を誰よりも心配している。
ハードボイルドを心がけようとするも、思わず感情が面に出てしまう。
それゆえに所長や相棒に、『ハーフボイルド』と言われてしまう事が多い。
だがそれが、翔太郎の人柄の良さでもあるのだ。
ジャンヌも預かったペンダントを握り締め、皆の帰りを強く祈る。
そんな彼等であったが、まさにその時である。
一枚の畳がバン!と開き、一人の男が姿を見せたのだ。
「うおっ!?」
「えっ!?」
「ひっ!?」
これには翔太郎やジャンヌ、そしてお妙も驚いてしまった。
―何事も下準備は必要―
畳の下から、真選組の制服を着た男が現れた。
その正体は、お妙のストーカーゴリラ・近藤勲である。
「……全部聞かせて貰いました」
ムカつくほど爽やかな笑みを見せる近藤に、お妙は当然キレた。
「なにカッコイイ顔して言ってんだよ! お前、警察官だろ? やって良い事と悪い事がわかってるよな!」
「全てはお妙さん、貴方の為だ」
「だから! 完全に犯罪行為しといて、ちょいとキメ顔とかしてんじゃねぇって!」
「あとは我々、真選組にお任せ下さい」
「いや、かっこよくねぇよゴリラ!」
何度もカッコイイ事を言っている近藤に、お妙の怒りはヒートアップする。
そんな中、翔太郎とジャンヌは…、
「まさか、畳みに隠し扉が!?」
「というか、何時から隠れてたんだよあのオッサン!? 不法侵入の領域を越えてんぞ!?」
近藤が出てきた畳みの仕掛けに、驚愕以外の表情が見つからない。
「あ、真選組に〜お任せ――」
「そゆのいいから! 早く行けや!!」
近藤が立ち去った後、お妙は頭を抱えてしまう。
前回までのシリアスな空気が、彼の所為で台無しになったからだ。
こっちは違う意味で、バカな男であった。
というより、バカなゴリラである。
銀時達は紅桜との決戦に向けて、準備を進めていた。
彼等が向かったのは、町はずれにある『からくり堂』と呼ばれる工場である。
中に入ると、銀時がすぐに声をかけた。
「どーもー」
「おう! なんだ、銀の字! 珍しいじゃねぇか。 初めて見る顔もいるが」
ゴーグルに作業服の老人が、彼等を出迎えてくれた。
彼の名は平賀源外。
江戸一番の技術力を持つ発明家だ。
万事屋とも面識があり、銀時の事を『銀の字』と呼ぶ。
「あのね爺さん、率直に言って良い?」
銀時の問いに対し、源外も「いい」と頷く。
「で、なんだ?」
「これからね、機械《からくり》みたいな……というより、恐ろしい機械《からくり》の刀持った奴と戦いに行くんだけど。 映画や漫画だと、怪我した身体を押して、あえていくわけじゃん? けど正直、勝てる気がしないわけ」
「なるほど。 それで、ワシの機械《からくり》に頼りたいワケにだな!」
「うん。 正直、結構痛いの。 怪我が。 楽して勝てるやつがあればなあと思って」
「楽して勝ちたいのか。 バトル漫画や映画の主人公なら、100パー言っちゃいけない台詞を吐いたな」
「うん、吐いた。 楽して勝ちたい。 命が惜しい。 生きたい。 信長の倍は生きたい。 頼む」
「おいおい。 ヒーローの言っちゃいけない台詞が湯水の如くでてくるのね」
肩を竦める源外であったが、コレが本心だから仕方ない。
正直ユーリ達も、内心では銀時と同じ意見である。
この場にいない翔太郎を含む、今いる中の4人は紅桜の脅威を知っているのだ。
できれば楽に勝てる方法を得たい。
「しかしなぁ〜。 今のウチにあるもんといえば……」
源外が深く考えてる最中、銀時は工場の奥に目を向ける。
大きなものを布で隠しているようで、気になって引っ張ると、
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