■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
Fate/Silver or Heart
第九訓:何事も下準備は必要
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
  [→]  【PAGE 1/5】
 銀時達が立ち去ったあと、お妙は銀時の寝室に向かった。

彼が使っていた布団の横で、彼女は「ふう」と腰を下ろす。

そんな彼女を心配してか、ジャンヌと翔太郎も部屋に入って来る。

翔太郎は既にダブルドライバーを装着し、何時でも変身が出来る状態になっていた。

しかし内心では、彼等の事を誰よりも心配している。

ハードボイルドを心がけようとするも、思わず感情が面に出てしまう。

それゆえに所長や相棒に、『ハーフボイルド』と言われてしまう事が多い。

だがそれが、翔太郎の人柄の良さでもあるのだ。

ジャンヌも預かったペンダントを握り締め、皆の帰りを強く祈る。

そんな彼等であったが、まさにその時である。

一枚の畳がバン!と開き、一人の男が姿を見せたのだ。

「うおっ!?」

「えっ!?」

「ひっ!?」

これには翔太郎やジャンヌ、そしてお妙も驚いてしまった。



―何事も下準備は必要―



 畳の下から、真選組の制服を着た男が現れた。

その正体は、お妙のストーカーゴリラ・近藤勲である。

「……全部聞かせて貰いました」

ムカつくほど爽やかな笑みを見せる近藤に、お妙は当然キレた。

「なにカッコイイ顔して言ってんだよ! お前、警察官だろ? やって良い事と悪い事がわかってるよな!」

「全てはお妙さん、貴方の為だ」

「だから! 完全に犯罪行為しといて、ちょいとキメ顔とかしてんじゃねぇって!」

「あとは我々、真選組にお任せ下さい」

「いや、かっこよくねぇよゴリラ!」

何度もカッコイイ事を言っている近藤に、お妙の怒りはヒートアップする。

そんな中、翔太郎とジャンヌは…、

「まさか、畳みに隠し扉が!?」

「というか、何時から隠れてたんだよあのオッサン!? 不法侵入の領域を越えてんぞ!?」

近藤が出てきた畳みの仕掛けに、驚愕以外の表情が見つからない。

「あ、真選組に〜お任せ――」

「そゆのいいから! 早く行けや!!」

近藤が立ち去った後、お妙は頭を抱えてしまう。

前回までのシリアスな空気が、彼の所為で台無しになったからだ。

こっちは違う意味で、バカな男であった。

というより、バカなゴリラである。


 銀時達は紅桜との決戦に向けて、準備を進めていた。

彼等が向かったのは、町はずれにある『からくり堂』と呼ばれる工場である。

中に入ると、銀時がすぐに声をかけた。

「どーもー」

「おう! なんだ、銀の字! 珍しいじゃねぇか。 初めて見る顔もいるが」

ゴーグルに作業服の老人が、彼等を出迎えてくれた。

彼の名は平賀源外。

江戸一番の技術力を持つ発明家だ。

万事屋とも面識があり、銀時の事を『銀の字』と呼ぶ。

「あのね爺さん、率直に言って良い?」

銀時の問いに対し、源外も「いい」と頷く。

「で、なんだ?」

「これからね、機械《からくり》みたいな……というより、恐ろしい機械《からくり》の刀持った奴と戦いに行くんだけど。 映画や漫画だと、怪我した身体を押して、あえていくわけじゃん? けど正直、勝てる気がしないわけ」

「なるほど。 それで、ワシの機械《からくり》に頼りたいワケにだな!」

「うん。 正直、結構痛いの。 怪我が。 楽して勝てるやつがあればなあと思って」

「楽して勝ちたいのか。 バトル漫画や映画の主人公なら、100パー言っちゃいけない台詞を吐いたな」

「うん、吐いた。 楽して勝ちたい。 命が惜しい。 生きたい。 信長の倍は生きたい。 頼む」

「おいおい。 ヒーローの言っちゃいけない台詞が湯水の如くでてくるのね」

肩を竦める源外であったが、コレが本心だから仕方ない。

正直ユーリ達も、内心では銀時と同じ意見である。

この場にいない翔太郎を含む、今いる中の4人は紅桜の脅威を知っているのだ。

できれば楽に勝てる方法を得たい。

「しかしなぁ〜。 今のウチにあるもんといえば……」

源外が深く考えてる最中、銀時は工場の奥に目を向ける。

大きなものを布で隠しているようで、気になって引っ張ると、

  [→]  【PAGE 1/5】

■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る