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Fate/Silver or Heart
第一訓:出会いは色々と
(Fate/Apocrypha×銀魂×魔人探偵脳噛ネウロ×仮面ライダーW×テイルズオブヴェスペリア×Fate/Grand Order×その他)
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 こことは別の世界、言わば世界の裏側。

そこに、二人の男女が立っていた。

少女は少年の手を握り、決して離さないと決める。

少年も彼女の手を握り、決して離さないと誓う。

「さあ、いきましょう。 次の星《せかい》が、貴方を待っています」

そして、二人は旅出った。

果たして、行き先は?


―出会いは色々と―


 侍の国……この国がそう呼ばれたのはずっと前の事。

現在は『天人《あまんと》』と呼ばれる異星人の侵略によって、侍も剣を捨てることとなった。

しかしこの江戸には、侍の魂を失っていない男がいた。

かぶき町と呼ばれる街に、『すなっくお登勢』という名の居酒屋がある。

その二階には、『万事屋銀ちゃん』と書かれた事務所が立っていた。

「ふぁぁ〜」

銀髪の天然パーマで死んだ魚の様な目、そして白い着流し姿。

彼の名は坂田銀時。

超が着くほどの甘党で、糖尿病寸前。

基本的にはダメ人間であるが、やる時はやる人。

しかし嘗ては、『白夜叉』の二つ名で知られた攘夷志士でもあるのだ。

そんな彼は、ソファーで横になっていた。

「銀さん、良い大人がダラダラしないでください」

眼鏡をかけた少年が、そう言って掃除を行っている。

彼の名は志村新八。

実家は剣術道場であるが、廃刀令で門下生は一人もいない。

現在は万事屋で、従業員として働いている。

「新八、銀ちゃんに何を言っても無駄アルよ」

サーモンピンクの髪にチャイナ服を着た少女が、そう言って酢昆布を口に運ぶ。

彼女の名は神楽。

宇宙戦闘民族の天人、『夜兎族』の一人。

「ワン!」

銀時のデスクには、一匹の犬が吠える。

彼の名は定春。

神楽の飼い犬で、彼女や銀時達を背負える程の巨体を持つ。

「ほら、シャキッとして下さいよ!」

「へ〜いへい」

これはそんな彼等の日常である。



 とある別世界にある街、その名は『風都』。

風車がトレードマークで風力発電を使う事から、“風の街”とも呼ばれている。

この街のとあるビリヤード店、その二階に事務所があった。

その名は『鳴海探偵事務所』。

この事務所には、二人の探偵が営んでいる。

「ふぅー、今日もこの街は賑やかだぜ」

スーツ姿でソフト帽を被った青年が、事務所に入って来た。

彼の名は『左翔太郎』。

ハードボイルドを志すが、感情が顔に出てしまう。

その為時折、“ハーフボイルド”と呼ばれる事が多い。

「やあ、翔太郎。 随分と早かったね」

ラフな服装で髪にクリップを付けている青年が、ソファーから腰を上げる。

彼の名は『フィリップ』。

本名は『園崎来人』であるが、現在の呼び名の方で呼ばれている。

好奇心の塊で、一度興味を示すと暴走気味になってしまうのが玉に瑕。

「まあな。 街を見合したけど、騒ぎになるような事は全然なかったぜ」

「それだけ、この街が平和だって事だね」

「だろうな」

彼等は風都に存在する凶悪事件を解決するコンビで、“二人で一人の探偵”と呼ぶ。

そんな彼らだが、電話が鳴り響いた。

「もしもし、鳴海探偵事務所です」

『もしもし、あの…事件の依頼をお願いしたいので、廃工場まで来てくれませんか?』

「分かりました」

受話器を置くと、翔太郎は帽子を深く被る。

「うっし、ちょっくら行って来る」

「僕も行こう」

翔太郎とフィリップは、すぐさま事務所を後にするのであった。



 依頼人との待ち合わせ場所に着き、二人はバイクの『ハードボイルダー』から降りる。

「ここだよな」

「誰もいない……。 コレはどういう事だ」

辺りを見渡すが、人の気配は全く見当たらない。

「フィリップ、嫌な予感がしねぇか?」

「同感だ。 この空気は危険だ」

警戒する二人であったが、まさにその時である。

「ようやく来たか……」

「「!?」」

突然の声に反応し、咄嗟に振り返った。

そこには、白いスーツを纏った男が立っていたのだ。

「そのスーツ……財団Xか!」

世界の“闇”を暗躍する組織、『財団X』。

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