【Side:ユーノ】

 ユーノ・スクライア。それが僕の名前。性別は男、年齢は九歳。遺跡の発掘や調査を生業とするスクライア一族に僕は育てられた。
 遺跡を求めて次元世界を渡り歩きながら、流浪の旅を続ける一族。それがスクライア一族であり、僕の仕事でもあった。

 時空管理局と呼ばれる組織が管理する通称『管理世界』と呼ばれる僕達の世界は、力や才能のある者であれば子供でも大人と同じように仕事をすることが出来る。重要なのは社会に貢献できるだけの力と知恵を持っているかどうか。年齢よりも個人の能力が重要視される……そんな社会だ。
 その中でも特に必要とされているのが、魔法を行使するために必要不可欠な才能――魔力資質だった。

 僕達の世界では科学技術……特に質量兵器に関する規則は厳しく、歴史の過ちからそうした類の物は全面的に所持と使用が禁止されている。
 そのため、より安全でクリーンなエネルギーとして魔力に注目が集まり、その結果、高度な魔法文明が発達する世界となった。
 その事もあって、管理世界は魔力資質が高い者ほど重用される社会傾向にある。幼くして仕事に従事している人達の殆どが、『魔導師』に偏っているのもそのためだ。
 魔法とは個人が自らの力で運用する技法の事を指し、魔導とは魔力素によるエネルギー運用技術の事を指す。
 過去においては両者の意味を『魔導』が内包していた時代があり、今もその名残で魔法を使える人達の事を『魔導師』と呼んでいた。
 僕が九歳という年齢で魔法学院の卒業資格を得て、こうしてスクライア一族でそれなりの地位にあるのも、高い魔力資質を持った『魔導師』であることが理由として大きかった。

「ユーノ、元気になったみたいね。大丈夫そうだし、安心したわ」
「事故で、病院の壁とかが壊されたって聞いた時は驚いたけど……本当によかった」

 この二人は、なのはの友達のアリサとすずか。
 心配してくれるのは嬉しいけど、ペットみたいに身体を弄くり回されるのは勘弁して欲しかった。
 そう、今の僕は人間ではなく……動物の姿になっていた。
 こうなった原因は分かっている。ある物を捜し出して回収するために、僕はこの世界にやってきたのだから――





異世界の伝道師外伝/マッドライフ 第2話『異世界の探索者』
作者 193






 切っ掛けは今から数週間前。僕達の世界の遺跡で、ある物が発掘された。
 そのある物と言うのが、僕がこの世界に来ることになった原因――その名は『ジュエルシード』。レイジングハートの二倍ほどの大きさをした青い宝石で、その正体は次元干渉型のエネルギー結晶体。流された魔力に反応して次元震を発生させ、複数集まれば使い方によって世界を滅ぼす事も出来る危険な遺失世界の遺産。
 全部で二十一個が確認されており、そのジュエルシードの発掘を指揮していたのが……僕だった。

 然るべきところで保護されなくてはならない物。だから僕は、管理局に預かってもらうつもりで次元船を手配した。
 でも、ジュエルシードを載せたその船が原因不明の事故に遭い、第97管理外世界――地球にジュエルシードが散らばってしまった。
 事故の痕跡を調べてみたところ、転送範囲が海鳴市周辺と限定的だった事で捜索範囲が随分と絞れたところまではよかったんだけど、現実はそんな風に甘くはなかった。
 僕の想像を遥かに超えた……思わぬ方向に事件は発展していたからだ。

 正直、見通しが甘かった。先行調査のはずが、ジュエルシードを発掘した責任を感じて一人で回収しようと試みた結果がこれだ。
 ジュエルシードを取り込んだ機械仕掛けのバケモノに僕は傷を負わされ、同時に現地魔力素との適合不良を起こして行動不能になった。
 彼女達に、森で動物の姿で倒れているところを拾われたのも、その時だ。
 傷はどうにか塞がったけど、まだ魔力が回復していないため、この姿で回復に専念するしか今の僕に出来る事はなかった。

 高町なのは――そんな時、僕は彼女に出会った。
 僕よりも遥かに強い魔力を身体に秘め、まるで魔法を使うために生まれてきたかのような、魔導の才能に恵まれた少女。
 だから僕は、僕の念話が聞こえた彼女に現地協力者として手伝ってもらい、ジュエルシードを回収しようと考えた。
 巻き込んでしまった後で信じてもらえるような話ではないけど、本音を言えば誰一人巻き込みたくはなかった。
 でも、あのバケモノやジュエルシードを放置すれば、被害はもっと拡大する――その前に、ジュエルシードの暴走を抑えたかった。
 誤魔化すつもりはない。僕は自分の都合や考えを優先して、何も知らないなのはを利用しようとしたんだ。

 でも、その結果は……なのはの敗北。殆ど何も出来ないまま、なのはは機械仕掛けのバケモノに負けた。
 レイジングハートのお陰で魔法を使えるようになったとは言っても、所詮は素人。幾ら強大な魔力を持っていても、その使い方を知らなければ、本当の力を発揮する事は出来ない。知性と戦術。そして何より、彼女には経験が足りなかった。
 そんな事は分かっていたはずなのに、僕は彼女をバケモノとの戦いに送り出してしまった。
 なのはの高い魔力に魅せられて、彼女ならなんとかしてくれるかもしれない――そんな根拠の無い曖昧な可能性を信じて、なのはを危険な目に遭わせてしまった。
 知らない間にジュエルシードを三つも取り込んでいた……あのバケモノとの力の差を、僕は見誤っていたんだ。
 平田桜花――あそこに彼女が現れなければ、なのはと僕は殺されていたかもしれない。全ては僕の甘い考えが招いた結果。僕の責任だ。

「はあああっ!」

 空間の裂け目から姿を現し、力を使い果たしたなのはに迫るバケモノに、凄い速さで距離を詰める少女。
 次の瞬間――ドゴンッ、と雷のような轟音と振動が大気に伝わった。バケモノが少女に殴られたのだ。
 歯車が舞い、身体が粉々に砕け、回転しながら宙を舞う機械仕掛けのバケモノ。
 なのはの放った砲撃魔法にすら耐えたバケモノを、少女はただ力任せに殴るだけで破壊してしまった。

「危機一髪ね。大丈夫だった?」
「……あ、はい。ありがとうございました」

 見た感じ、なのはや僕と同じくらいの少女。魔力は平均的な魔導師と同じと言ったところ。なのはは疎か、僕よりも低いくらいだ。
 なのに彼女の一撃は、なのはの魔法以上の破壊力を秘めていた。
 それにバケモノを倒した時、魔法を行使した様子が見られなかった事からも、魔力ではない別の力を使っていた可能性が高い。
 その時の僕には、それが何かまでは分からなかった。

「私の所為で、本当にごめんなさい。こんなつもりじゃ無かったんだけど……」
「……私の所為? ユーノくん、この女の子の知り合いなの?」
「ううん、僕は知らない。それにジュエルシードは僕の責任だし……キミは一体?」
「ジュエルシード? あれ? ガーディアンと戦ってたんじゃ?」

 話が全然噛み合っていなかった。


   ◆


 ジュエルシードとバケモノの残骸を回収した後、僕達は状況を把握するために『平田桜花』と名乗った彼女と情報交換を行った。
 僕と同じく別世界からやってきた不思議な女の子。彼女の話に出て来た異世界の事や、あのバケモノの正体。
 どれも、俄には信じがたい話ばかりだった。一晩、時間が経った今も、考えに整理が付いていない。
 そう、グルグルと頭の中が……目が回って……目が?

「あの……アリサちゃん。そのくらいで……」
「ん? うわっ! ユーノ大丈夫!?」

 体を弄くり回されて、グルグルと目が回る。なのが止めてくれなかったら危なかった。
 動物のフリも楽じゃない。弄られるのはこの際仕方無いとして、もう少し加減を覚えて欲しかった。

【Side out】





『ごめんなさい。一緒にジュエルシードを捜す約束をしてたのに……』
『地球がなくなったら、なのはの所為ってことで』
『え、ええ!?』
『冗談よ』
『桜花ちゃんが言うと冗談に聞こえないの……』

 翠屋を後にした少女達は桜花に街を案内するため、よく学校帰りに立ち寄る臨海公園に向かっていた。
 アリサとすずかには聞かれないように、こっそりと念話で話をする桜花となのは。たった一日で魔力運用を覚え、レイジングハートのサポートをなしに念話を使えるようになっている辺り、魔法に限って言えば、なのはの才能はズバ抜けていた。
 尤も、同じようにデバイスなしで見よう見まねで念話を実践してみせた桜花は、呑み込みの速さだけで言えば、なのは以上と言ってもいい。リンカーコアはあるものの魔力値は平均的な魔導師クラス。なのに桜花は、その何十倍もの魔力を持つなのはの力を遥かに圧倒していた。
 確かに勝敗は魔力の高さだけで決まるものではない。パワーとスピードを活かせるだけの知性と戦略。実戦経験が必要不可欠だ。
 だからと言って、桜花の方が実力が上としても、なのはとの魔力の差を考えれば圧倒的というのは通常であれば考えられない。
 だが、現実にそれは起こった。なのはの魔法が通用しなかった相手を、桜花は一撃で破壊してみせたのだ。
 ユーノは考える。それこそ理論上、絶対に不可能な話だと――
 例えるなら戦車の砲弾が通用しなかった相手に、ナイフ一つで挑むようなものだ。しかし、桜花に『どうやったのか?』と尋ねたところ、

 ――魔力? フィールドのこと? 単に力任せに殴っただけよ?

 と、理解しがたい答えが返ってきただけ。
 ただの腕力であのバケモノを倒したなんて、ユーノの世界の常識からは考えられない話だった。

『桜花、キミにはまだ訊きたい事が色々とあるんだけど……』
『それって、お兄ちゃんの発明品のこと?』
『それもあるけど、キミの事をもっと教えて欲しい』
『キミの事を教えて欲しいって……まさか、プロポーズ? ごめんなさい。私には心に決めた人が居るから……』

 申し訳なさそうにユーノに謝る桜花。
 次の瞬間、ユーノは自分が何を言ったかを思いだして、ボッと顔から煙を吹き出した。

『ち、違う! ぼ、僕はただ……』
『ユーノくん。桜花ちゃんの事が好きなの?』
『違うんだ! なのは、僕は――』

 桜花の冗談を真に受けて、顔を真っ赤して慌てふためくユーノ。
 必死に誤解を解こうとする様は、浮気がばれて言い訳をする男の姿そのままだった。
 尤も、今はフェレットだが……。

『と、とにかく! 魔導師じゃ無いって言ってたけど、昨日のあの力は普通じゃなかった。それに今だって、こうして念話を使えているみたいだし……キミは一体?』
『昨日も言った通りよ。異世界から、ある人を探しにやってきた極普通の女の子。念話って言うのも、やり方さえ分かれば、それほど難しい事じゃないわよ? このくらいの超能力、私の世界には使える人が大勢いたもの』
『魔法って超能力だったの!? じゃあ、これってテレパシー?』
『いや、違うからね。なのは……』

 桜花の話に、『魔法少女』ではなく『エスパー少女』になったのかと驚くなのはだったが、直ぐにユーノがそれを否定した。
 ――ただでさえ理解しがたい事ばかりが起こっているのに、これ以上、話をややこしくするのは勘弁して欲しい
 心の底からユーノはそう思った。

『でも、僕は桜花の言っているような世界の事を知らない。それに管理局の事も知らないなんて……』
『自分の知っている常識が全てとは思わない方がいいわよ? この世界にはあなたの知らない事なんて沢山ある。それとも、もう昨日の戦いを忘れたの?』
『やっぱりアレは……』
『ええ、お兄ちゃんの発明品。宇宙最高峰の技術で作られたガーディアンよ』

 ガーディアン――それは、桜花の世界で広く普及している軍用ロボットの事だ。
 通称GSと呼ばれるそれは、『ガーディアンシステム』の名で人々に広く知られ、銀河警察などでも採用されていた。
 カタチは人型から動物のカタチをした物まで様々だが、共通して普通の人間では歯が立たない高い戦闘力を持っている。
 これが並のガーディアンなら、なのはの力でも破壊が可能だったかもしれないが、海鳴市に出没したガーディアンは特別製だった。

 銀河に名を轟かせる伝説の後継者『哲学士タロ』。その工房より流出した発明品が、この世界に散らばっていた。
 昨日、なのはが対峙した機械仕掛けのバケモノも、工房から流出した発明品の一つ。
 それが偶然、時を同じくして海鳴市に散らばっていたジュエルシードを取り込み、暴走をしたのが昨日の事件の真相だった。

『他のジュエルシードもやっぱり、昨日と同じようなバケモノに……』
『残り十八個あるって言うなら、確かに可能性はあるかも。エネルギー源としては手頃な石みたいだから』
『手頃って……』

 ジュエルシードをそこそこと話す桜花に、ユーノは呆れた。
 しかし、発掘を生業としてきたユーノも知らない未知のアイテム、そんな物が桜花の世界にはゴロゴロと転がっている。
 これ以上の力を持つクリスタルの存在を知っている桜花からすると、この程度のエネルギー結晶体など珍しくはなかった。

『はあ……。ユーノ、ここまで丁寧に教えてあげたのはなんでだと思う?』
『なんでって、それは……なのはや僕の事を心配して』
『深入りするなって事よ。私は別に構わないけど、それで困るのはあなた達≠諱H』
『え?』

 桜花の言葉の意味が分からず、ユーノは目を点にした。

『昨日、ユーノから聞かせてもらった管理局。特定の組織の事を悪く言うつもりはないけど、私達とは相容れない存在よ』
『相容れない?』
『私達はあなた達のいうロストロギア……もしくはそれ以上の技術を日常生活のレベルで利用している。お兄ちゃんの発明品だってそう。物によっては、簡単に世界の一つや二つを滅ぼしかねない力を持っているのよ?』
『……な!?』

 ロストロギア――それは遺失世界の遺産。過去に滅んだ超高度文明が残した技術や魔法の総称。
 次元世界には幾つもの世界が存在し、その中には良くない方向で技術が進化し過ぎてしまう世界がある。その結果、進化し過ぎた技術がその世界を滅ぼす原因となり、後に危険な技術や遺産だけが取り残されてしまう事があった。
 それを、ユーノの世界の住人は『指定遺失物(ロストロギア)』と呼んでいた。ジュエルシードも、この中の一つに含まれる。そして、そうした危険な遺失物を管理し、次元世界の平和と秩序を護っているのが……時空管理局だ。
 幾つもの世界が共同で運営している次元世界における治安維持組織。警察と裁判所が一緒になったようなところで、次元犯罪者の取り締まりやロストロギアの保護と管理、他にも各世界の文化管理や災害救助などを任務としていた。

 それだけであれば、桜花もそこまで危険視はしなかった。
 人が集団で生活をする以上、国や組織は必要だ。管理局はそうした管理世界のルールを守るために作られた組織だと分かる。
 警察と裁判所が同じと言う事で、一つの組織が少し力を持ちすぎている気もしなくはないが、権力が一箇所に集中するのはデメリットもあるがメリットもあることは確かだ。常識や価値観の違いもあるだろうが、重要なのはシステムが正常に機能しているかどうかだった。
 その最たる例として、君主制を敷いている桜花の故郷も、その点で言えば管理局と大差はなかった。

 問題はそこではなく、管理世界が科学ではなく魔法を中心とする文明社会を築いているところにあった。
 管理局は魔法技術を推進し、科学技術によって作られた質量兵器を禁止している組織だと言う話だ。関わり合いに成らないに越した事はないが、関係を持った場合は確実に意見が対立する事になると桜花は考えた。
 管理局にしてみれば、組織の存在意義や理念の根幹にある問題だ。質量兵器を保持し、ロストロギアクラスの技術を持つ世界の事を知れば、放って置けるとも思えない。そうなった時の事を、桜花は危惧していた。
 だからこそ、ユーノにその危険性を知ってもらう意味で、桜花は全てを打ち明けたのだ。

『ユーノはジュエルシードが必要なんでしょう? でも、またあんな事があったら、なのはの力だけじゃジュエルシードの封印は出来ない。そして私にもお兄ちゃんを捜すって目的と、流出したアイテムの回収って仕事がある。工房のアイテムの件もあるからジュエルシードの回収は手伝ってあげるけど、余り深く詮索はしないこと。面倒事に巻き込まれるのは嫌でしょう?』
『……わかった。キミは僕やなのはの命の恩人だ。だから、今はキミの言葉を信じたい』

 全てを納得した訳ではないが、桜花の協力なしでジュエルシードを集められない事は、昨日の一件でユーノもよく理解していた。
 それに、なのはを巻き込んでしまった事を、なんとも思っていない訳では無い。ジュエルシードの捜索だけならまだしも、なのはをまた危険な目に遭わせる事をユーノも望んではいなかった。
 その点、桜花の力があの手のバケモノに有効なことは立証済み。そちらは彼女の力に頼るしかないとユーノは考える。
 魔法の事ならともかく、異世界の科学技術に関する知識や情報は持ち合わせていない。
 ここは、なのはをこれ以上危険な目に遭わせないためにも、桜花の指示に従うのが適切だと考えた末の答えだった。

『うんうん。お姉さんは素直な子は好きよ』
『……見た感じ、僕とそれほど変わらないと思うんだけど。桜花って幾つなの?』
『……ユーノくん。それは禁句なの』

 先程まで、にこやかな表情を浮かべていた桜花の雰囲気がガラリと変わった。
 次の瞬間、なのはの肩に乗っていたユーノを、ガシッと鷲掴みにする桜花。
 なのはは身の危険を感じ取って、ユーノには悪いと思いつつもアリサ達のところに退避した。

「ここのたいやき、凄く美味しいのよ。桜花、今日のお詫びに奢ってあげるわ。なんでも言いなさい。個人的にはつぶあんがおすすめだけど」
「アリサちゃん、つぶあんが好きだよね。私はクリームも好きだけど。あの、クリーム一つください」
「なのはちゃんはクリームか……。なら、私はチョコにしようかな?」
「まあ、たまにならチョコやクリームも悪くないわね。ほら、桜花。アンタも早く選びなさいよ」

 海鳴臨海公園は、休日には学生のカップルや親子連れで賑わう人気のスポットだ。
 その一角に店をだしている屋台のたいやきが、アリサの大好物だった。特に粒あんには目がなかった。
 実はここに桜花を連れてきたのも、先程のお詫びにここのたいやきを御馳走したいと考えたからだった。

「惣菜系もあるんだ……」
「色々とあるけど、桜花はそっちの方がいいの?」

 普通、屋台のたいやきなら多くても十種類程度だろうが、ここのたいやき屋は違っていた。
 定番の粒あんからチョコやクリーム、更には納豆やカレーと言った総菜系まで――
 豊富なメニューが売りで、全部で百種類近くのたいやきがあった。

「それじゃあ、フェレットを――」
「――!?」

 桜花の笑えない冗談に、顔を真っ青にして固まるユーノ。

「桜花ちゃん! それはダメええええっ!」

 ユーノの命の危機に、これは拙いと慌てて桜花の暴走を止めに入るなのは。
 たいやきのフェレットサンド。想像するだけで恐ろしい料理だった。





 ……TO BE CONTINUED



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