一号車でアリサたちを待ち構えていたのは、帝国解放戦線の幹部〈S〉だった。
 腰元まで届く明るい髪の女性。肩には入れ墨、右眼を眼帯で覆い隠し、太股にスリットの入った真紅のドレスを纏っている。
 手に持つ武器は法剣。七耀教会に伝わる伝統的な武器だ。
 名はスカーレット。故郷をギリアスの鉄道網拡充政策によって奪われ、家族を失った七耀教会の元シスターだ。
 彼女は嘗て、星杯騎士団に所属する従騎士だった。騎士団を辞め、帝国解放戦線に入った理由はヴァルカンと同じ、ギリアスへの復讐だ。

「……どういうつもり?」

 そんな彼女があっさりと人質を返したことにアリサたちは驚き、その行動を訝しむ。
 結局、列車の中にはスカーレット以外の姿はなく、それが余計にアリサたちの警戒心を煽っていた。
 アリサのそんな疑問に、スカーレットは溜め息交じりに首を横に振りながら答える。

「イリーナ・ラインフォルトの監禁は、ハイデル・ログナーがラインフォルト社の実権欲しさに勝手にやったことよ。ログナー候は、この一件に一切関与していないわ。ノルティア領邦軍が鉱山の警備を担当していなかったのは、そういうことね」
「でも、あなたたちが人質を守っていたことには変わりないでしょ? それなのに何故……」
「やめなさい。アリサ」

 アリサを制して、スカーレットの前に立つ一人の女性。太股にスリットの入った白いスーツに身を包み、短く切り揃えられた髪はアリサと同じ艶やかなブロンド色をしている。サングラスの向こうに覗かせる双眸は獣のように鋭く、厳格な印象を相手に与える。彼女こそアリサの母親にしてラインフォルト社の会長、先程まで人質となっていたイリーナ・ラインフォルトその人だった。
 その後ろには、同じく人質となっていたと思しき女生徒の姿が確認できる。その貴族クラスの白い制服を身に纏った少女に、アリサたちは見覚えがあった。男爵家の令嬢――ブリジットという名の女生徒だ。
 学生の人質は確か二人いたという話だったと思うが、彼女とイリーナ以外に人質の姿は見当たらない。
 幾つかの疑問を抱きつつ、アリサはイリーナの行動を訝しみながら、彼女の言葉を待った。

「ハイデルが勝手にやったことと言ったわね? だとすると、あなたたちは誰の指示で動いているのかしら?」
「フフッ、さすがはラインフォルト社の会長。すべてお見通しと言う訳ね。私たちのクライアントは貴族連合――いえ、現在はログナー候と言うべきかしらね」

 その答えを予想していたようで、やっぱりと言った顔で納得するイリーナ。人質とは言っても、決して不当な扱いを受けていたわけではなかった。むしろ女性のスカーレットがイリーナたちの監視兼世話役についていたのは、人質への配慮の意味もある。最初から手荒な扱いをするつもりはなく、時期がくれば解放するつもりでいたということだ。
 勿論、貴族連合からの助っ人という扱いにして、首謀者であるハイデルには気付かれないように画策した上でだ。

「ここまで辿り着くものがいたら、人質を渡してやって欲しいと、ログナー候に頼まれていたわ。元々ログナー候は、こうした貴族連合の行いに否定的な立場だったみたいだしね。まあ、ハイデルはそんなログナー候に見切りをつけて、連合内での発言力を得ようと躍起になっていたみたいだけど」

 スカーレットの話は、ログナー候の一連の行動を裏付けるものだった。
 実際、ノルティア領邦軍はノルドへの侵攻には関与していない。むしろ皇帝の幽閉や帝都占領に関しては否定的で、貴族連合と距離を取っている立場にあった。言ってみれば貴族連合に参加しながらも、内戦への参加は消極的で中立的な立場を表明しているとも言える。それと言うのも、カイエン公等が皇帝を幽閉し、帝都を占領して皇城に居座り、我が物顔で振る舞っていることに原因があった。
 元々は、ギリアスを排除し、皇族の権威を取り戻すことがログナー候の考えだったのだ。それをカイエン公は皇帝を幽閉し、傀儡とすることで、貴族による支配体制を築こうとしていた。これでは頭がすげ替わっただけで以前と何も変わらない。むしろ民の生活は苦しくなり、状況は悪くなる一方だ。
 権力に取り憑かれたハイデルは、そんなカイエン公の考えを支持し、そしてログナー候は貴族連合から距離を取り、領地に引き籠もった。
 帝国解放戦線がログナー候の下に居るのは、言ってみればカイエン公が用意した監視役だからだ。
 ログナー候もそれを承知の上で、彼等と取り引きをしていた。互いに思惑があってのことだ。

「貴族連合も一枚岩ではないということね。なら、私たちだって話し合えば――」

 説得を試みようとするアリサの考えを、スカーレットの一撃が否定した。
 まるで鞭のようにしなり、アリサの頭上に迫る連結刃。咄嗟に回避するも、アリサは驚きの声を上げる。

「どうして……! もう、私たちに戦う理由は――」
「ないはずがないでしょ? 私は帝国解放戦線の幹部〈S〉よ」

 アリサの疑問に、さも当然とばかりに答えるスカーレット。
 彼女はテロリスト。ログナー候の指示で人質を返しはしたが、戦わないとは言っていない。
 分割した刃を剣のカタチに戻すと、スカーレットは先程の警告と違い、明確な敵意をアリサたちへと向ける。
 車両内を支配する濃密な殺意にも似た敵意。スカーレットの放つ威圧感に気圧され、アリサたちは思わず息を呑んだ。

「あなたたちには、ガレリア要塞での借りもあるしね。ここで決着を付けましょうか」


  ◆


 四対一。数の上では有利なアリサ、ミリアム、ガイウス、エリオットの四人だったが戦況はスカーレットに優位に動いていた。

「くっ!? 動きが読めない!」

 スカーレットの予測の付きにくい変則的な動きに翻弄されるガイウス。
 近づけば剣で攻撃され、離れれば鞭のように分割された連結刃が襲いかかる。

「ガーちゃん!」

 ガイウスを庇うように、ミリアムとアガートラムが二人の間に割って入る。豪腕を振うアガートラム。しかし攻撃が当たらない。
 鞭のように分割した刀身をアガートラムの腕に巻き付け、ミリアムごとスカーレットは投げ飛ばす。
 咄嗟にミリアムを受け止め、一緒に吹き飛ぶガイウス。床に叩き付けられ、車両を結ぶ扉に衝突することで動きを止める。

「ミリアム、大丈夫か?」
「あ、うん。ありがとう、ガイウス」

 ガイウスに心配され、戸惑いながらも礼を口にするミリアム。

「厄介ね。あの剣は……」
「うん、あれをどうにかしないと厳しいかも……」

 後ろから攻撃の隙を窺っていたアリサとエリオットだが、なかなか攻撃のタイミングを計れずにいた。
 彼女の法剣が、特に厄介だった。俗に『連結刃』や『蛇腹剣』と呼ばれる種類の武器だ。
 扱いは難しいが、使い手によって近距離から中距離までを幅広くカバーする汎用性の高い武器へと変わる。

(勝算があるとすれば……)

 周囲を見渡し、アリサは車両の狭さを利用した方法を一つ思いつく。しかし、そのためには相手を上手く誘導する必要があった。

「その程度なの? あなたたちの力は――」

 実力も然ることながら、気迫でもスカーレットの方が勝っていた。
 迷いのあるアリサたちとスカーレットでは、戦いに挑む意志の強さが違う。
 徐々に力の差が開き始め、追い詰められたアリサたちは、人質を庇いながら二号車へと後退を余儀なくされる。

「どうして、そこまで……」

 スカーレットが戦いに固執する理由が分からず、アリサは困惑の声を漏らす。
 人質を取るように指示したのがハイデルの独断であるのなら、アリサたちにはスカーレットと戦う理由がない。
 確かに過去、帝国解放戦線と戦いもしたが、理由もなく命の奪い合いをするつもりはなかった。
 しかし、それはスカーレットから言わせれば、子供じみた甘い考えだった。

「譲れない存在(もの)があるからよ。あなたたちにもあるはずよ。誰にも譲れない存在(もの)が――そうでなければ危険を冒してまで、こんなところにまで来ないでしょ?」
「それは……」

 反論できず戸惑いの表情を浮かべるアリサ。そんなアリサを見て、スカーレットは苦笑する。

「私の実家はね。帝国中西部で大きな農場をやっていたわ。所謂、地元の名士という奴ね」

 突然なにを――と言った顔でスカーレットの話に耳を傾けるアリサたち。
 それは、先程の「どうして」というアリサの質問に対する答えだった。

「帝国一と言ってもいいくらい敬虔な家庭でね。教会から勧誘を受けた時は嬉しかった。両親も凄く喜んでくれて……私はアルテリアへ修行にでた」

 スカーレットの両親は帝国中西部で大きな農場を営んでいた。両親ともども七耀教会の敬虔な信者だったスカーレットは、ある日、農場を訪れた旅の神父から勧誘を受け、七耀教会の総本山があるアルテリア法国に修行の旅にでた。
 空の女神を奉じる七耀教会の総本山アルテリア法国は、大陸の北に位置する都市国家の一つだ。小さくとも国と言うだけあって、都市や教会の運営に必要な幾つもの行政機関が内部にはあり、そうした機関の一つ『封聖省』と呼ばれるところにある部署に、アルテリアへ渡ったスカーレットは配属され、訓練を受けることになった。
 ――星杯騎士団。表沙汰に出来ない事件の解決や、アーティファクトの回収などを任務とする特殊な機関だ。
 そうした特殊な部署に配属され、星杯騎士となるべく修行に励む毎日。信仰心が高く元々やる気に満ちていたスカーレットは着実に力を付けていった。
 しかし――

「でも、そんな充実した日々は突然、終わりを告げた。従騎士として認められ、最初の任務を受けた日のことだった。故郷からの報せを受けのは――」

 寂しげな表情で、淡々と語るスカーレット。故郷からの報せ――それは彼女の人生を大きく左右するものとなった。
 領土拡張政策と並ぶ、〈鉄血宰相〉肝煎りの国家事業。鉄道網拡充政策によってスカーレットの実家、農場のある場所に線路が敷かれることになり、帝国政府の強引なやり口で瞬く間に土地は接収され、交渉の余地すら存在しなかった。
 対価として大金が支払われたものの、代わりの土地を見つければ、すぐに農業を再開できるというものではない。
 農業とは試行錯誤の連続だ。安定して作物を育てられるようになるには何十年と、途方もない時間が掛かる。
 長い年月をかけて築き上げてきたもの。そのすべてを一瞬で奪われたショックは計り知れなかった。

「私が故郷に戻った時には、すべて終わった後だったわ。代わりの土地を探してもみたけど、見つからなくてね。農場だけが生き甲斐だった父は自棄になって酒に溺れ、泥酔して事故で亡くなった。そんなことがあって家族はバラバラ。いまではどうしてるんだか……」

 故郷と家族を一緒に、スカーレットは失ってしまった。
 そして、そんな大事な時に家族の傍にいることが出来なかった自分が情けなくて、悔しくて堪らなかった。

「ギリアス・オズボーン――あの男が、私からすべてを奪った。だから私は復讐を誓ったのよ。これ以上、私のような存在を生まないためにもね……」

 復讐を誓ったのは、その時だ。
 国家のためという大義名分を理由に、平気で他人の人生を踏みにじるギリアスのやり方をスカーレットは認めることが出来なかった。
 毒を制するには、自らが毒となるしかない。女神に祈っても無駄なら、自分の手であの男を止めるしかないとスカーレットは考えたのだ。
 そして彼女は出会った。同じような過去を持つ仲間たちと――

「スカーレット。あなた……」

 そんなスカーレットの昔話を聞き、アリサたちは複雑な表情を浮かべる。ギリアスの強引すぎるやり口は彼女たちも耳にしていた。
 スカーレットの話にも思うところがないわけではない。ギリアスに対して強い恨みを彼女が抱くのも、仕方のないことだと分かる。
 それでも――アリサは彼女のやり方を認めるわけにはいかなった。

「あなたの過去には同情するわ。でも、テロを正当化していい理由にはならないはずよ」
「ええ、その通りよ。私は罪を犯した。復讐を誓ったあの男と同じ罪を……」

 自分が罪を犯しているということを、スカーレットもまた自覚していた。
 それが教会や大切な人たちを裏切る行為に繋がるということも理解しての行動だった。
 それでも、死んだ父のため、家族のため、自分自身のためにも――何もせずにはいられなかったのだ。

「だから、その罪は償わなければならない。赦されてはいけないのよ」
「それが、あなたの譲れないもの? そんなのって……」

 スカーレットが戦いに拘る理由を察し、アリサは悲しげな表情を見せる。
 彼女は裁かれるのを待っている。死に場所を求めているのだと、アリサは理解した。
 猟兵であるヴァルカンは戦場に死を求めた。一方、敬虔な女神の信徒であったスカーレットには、自分で自分の命を絶つという真似が出来なかったのだろう。
 だから、因縁のあるVII組との決着に拘り、そこに死に場所を求めた。
 人質の監視役に名乗りを挙げたのも、そのためだ。ここにいれば、彼等が人質を助けに来ることは予想できていた。

「……エリオット、ガイウス、ミリアム!」

 覚悟を決め、何かを決意した様子で仲間の名前を呼ぶアリサ。そんなアリサの呼びかけに頷き、三人は戦闘の構えを取る。
 スカーレットが自分の過去を語って聞かせたのは、アリサたちの迷いを振り払うためだった。
 戦うしかないとわかれば、アリサたちも少しは本気になるだろうと考えてのことだ。

「やっと、やる気をだしたみたいね」

 やる気を見せたアリサたちを見て笑みを浮かべ、スカーレットは法剣を構え、飛び出す。
 アリサを庇うように前へでるガイウス。その後ろからアガートラムの豪腕がスカーレットへ迫る。

「ラ・フォルテ!」

 イリーナたちを守りながら、アーツを繰り出すエリオット。ガイウスとミリアムの身体が赤く光り、一撃の威力が上昇する。火属性のクォーツの力を借りた攻撃力上昇系の支援アーツだ。
 アリサも、そんなエリオットに続いて弓を射る。

「貫け!」

 ――ミラージュアロー。幻影をまとった不可視の矢が、スカーレットを襲い、攻撃の手を鈍らせる。
 その隙を突き、ガイウスとミリアムが追撃を仕掛ける。一進一退の攻防。即席とは思えない息の合ったコンビネーションに、スカーレットの表情から徐々に余裕が消えていく。
 先程までと違い、微かにアリサたちの方へ戦況は傾こうとしていた。

「やれば出来るじゃない。そうよ、殺す気できなさい! この因縁に決着を付けるために――」

 アリサは応戦しつつ、そんなスカーレットの言葉に首を横に振って応えた。

「違うわ。私が……私たちが戦うのは、あなたの目を覚まさせるためよ」
「何を……?」

 アリサが何を言っているのか分からず、戸惑いの声を上げるスカーレット。

「誰だって辛い過去の一つや二つ抱えている。目を背けたくなる嫌な現実だってある。それでも――自分の足で乗り越えて、前を向いて歩いている人たちがたくさんいるわ!」

 そう口にして、アリサの頭に真っ先に浮かんだのは家族の顔。そしてVII組の仲間や、ノルドの人々。リィンやフィーたちの姿だった。
 確かにスカーレットの過去には同情する。しかし、同じように辛い過去を背負っていても、前を向いて歩いている人たちはたくさんいる。自分が辛いからと言って、他人まで不幸にしていい理由にはならないはずだ。
 ギリアスに復讐する。そのために帝国解放戦線がやってきたことは、とても正当化できることではない。
 彼等に傷つけられ命を奪われた人々のなかにも、彼等と同じように愛する人や家族がいたはずだ。

「あなたのはただ現実から目を背け、復讐に逃げただけ。そして今も、過去に囚われて安易な死を選ぼうとしている。自分ではどうすることも出来ず、誰かに裁かれるのを待つだけなんて卑怯よ!」

 弦を弾き、鋭い一撃を放つアリサ。予想を超えた重く鋭い一撃に、初めてスカーレットが後ろに飛び退く。
 それはスカーレットの質問に対する答え、アリサの意志が籠もった矢だった。
 復讐は復讐を生む。そのことを誰よりもよく知る彼女が、そんな安易な方法に逃げたことにアリサは憤りを感じずにはいられなかった。

「……好き放題、言ってくれるわね。あなたに私の気持ちが分かるとでも?」
「分かるわよ!」

 スカーレットが本当は何を後悔しているのか、アリサには分かる。同じように家族というものを大切にしていたアリサだから分かること――
 故郷を奪われたことが、復讐の根幹にあるわけじゃない。その結果、父親が死に、家族がバラバラになってしまったことが悲しくて、何も出来なかった自分が情けなくて仕方がなかったのだと、アリサにはスカーレットの気持ちが痛いほどに理解できた。
 同じく父を失い、家族が壊れていくのを見ているだけで何も出来ず、母親に反発して家を飛び出した過去がアリサにはあったからだ。
 ギリアスが切っ掛けを作ったことは間違いない。しかし、本当に復讐をするしか道はなかったのか?
 アリサは、そうは思わない。家族を本当に大切に想っているのなら、彼女は諦めるべきではなかった。
 故郷を失い、父親を亡くし、悲しいのは分かる。それでも家族を支え、共に歩む道を模索できたはずだ。

「あなたほど、たいした理由じゃないかもしれない。でも、私にだって――譲れない、守りたい存在(もの)がある。私は絶対に諦めない。それが例え、か細く心許ない道であっても切り捨てるような真似はしない!」

 それがアリサの導き出した答え――
 嘗て「あなたは何がしたいのか」と、イリーナにも問われたアリサの道だった。

「アリサ、あなた……」
「ずっと考えて導き出した答えよ。私は母様とは違う。目的のためなら、なんでも切り捨てて良いとは思わない」

 イリーナがなんのためにグエンを追い落とし、仕事に没頭するようになったのか、詳しいことはアリサにも分からない。
 でも、目的のためには家族との思い出や自身の感情さえも切り捨てようとするイリーナの考えを、アリサは肯定する気にはなれなかった。
 それが子供の理想だと、甘い考えだということは自分でもわかっている。それでも、アリサは諦めたくなかった。

「これが私の答えよ――」

 弓を構え、目を眇め、狙いを定めるアリサ。

(これは……してやられたわね。最初から、これが狙いだったということね)

 スカーレットはアリサと自分を結ぶ射線上の障害物が消え、一本の道が出来ていることに気付く。
 闇雲に攻撃していたように見えて、これを狙っていたということだ。
 この狭い車両内で回避することは、ほぼ不可能。この距離でアリサが外すことは、ほぼないと思っていい。
 宙に魔法陣を描き、譲れない意志と渾身の魔力を込め、アリサは弓を射る。

「ジャッジメントアロー!」

 放たれた矢は一筋の光となって、スカーレットを呑み込んだ。



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