短編『次元震パニック』
(ドラえもん×多重クロス)



――次元震の根源が蘇ったゴルゴム創世王にあると悟っているドラえもんはフェイトを寝かしつけている間に、仮面ライダーBLACKRX=南光太郎に連絡を取り、情報交換をしあった。結果は良好で、仮面ライダーディケイド=門矢士が組織内部にいた経験を持つという事で、かなりの精度の情報が得られたと語る。――

「光太郎さん、ゴルゴム創世王とは何者なのです?」

「五万年ごとに交代する闇の世界の支配者だ。士は平行世界で大ショッカーの首領だったこともあるライダーだ。五月蝿いストーカーのおじさん付きの」

「ああ、あの鳴滝とかいう変なおじさん」

「そうだ。士は改造ではなく自然発生の世紀王候補だが、王器の力を得ても世紀王に成らなかった男だよ」

門矢士は仮面ライダーの一人だが、俗に言う平成ライダーであるので、改造人間ではない。世紀王候補と目されたが、結局は世紀王とはならなかった。そのため、その世界のシャドームーンに首領の座を追われ、士を助けるべく、自分たちが加勢した事もある。そのため、仮面ライダー達は平行世界を認知している。そのため、それぞれの仮面ライダーが独立した世界がある事も知っており、歴史に色々な分岐がある事もディケイドのおかげで知っていた。ヒーロー達の中で平行世界の事を最も認知しているのは、仮面ライダー達であるのだ。仮面ライダー達はディケイドの協力で、岐世界の認識でパワーアップや弱点の克服等の切っ掛けを得ており、特に本郷は、自分がショッカーライダー軍団に殺される世界線を認知した事から、自分を鍛えている。また、ディケイドからライダー三号の謎の真相を聞いた事から、更なる再改造も視野に入れている。本郷も一文字も、比較的初期に改造されているため、内部メカのスペックが後発ライダーに及ばないところがあり、二人は二度目の再改造を考えていた。

「ライダー三号の謎が解けたが、一文字さん達は更なる再改造を考えている。結城さんは既に設計図も貰ったそうだ」

「早いですね」

「素のスペックでは3号は倒せんからな。綾ちゃんに遅れをとる姿は見せたくないだろうし、先輩方」

「三号の性能は…」

「昭和ライダーとして考えるなら、風見先輩すら超えているよ、奴は」

仮面ライダー三号のスペックは既にV3すら一蹴できる水準で、基礎能力はストロンガーとタメを張るほどの高性能を誇る。1973年頃という改造された年代を考えると、オーバースペックであり、仮面ライダー一号と二号のボディの型式名『ホッパータイプ』としては最高峰の性能である。そのため、真っ向から戦うには、最低でも仮面ライダーXやストロンガーのレベルの性能が必要となる。昭和ライダーとしてはかなり高次元のスペックを持つ。また、三号は自動車レーサーという過去を持つため、本郷や一文字と同レベルの素養も持っており、危険な男と目されている。

「三号は味方につけたいが、本郷さんと一文字さんは誤解されている。その誤解を解かん事にはね」

三号を倒すには、かなりの苦労がいる事から、懐柔策を取った仮面ライダー達。その一方で、一号と二号が更なる再改造に踏み切る決意である事も伝える南光太郎。

「取り得る策は取っておく。ディケイドに平成ライダーのほうは説得してもらうが、問題は俺達の派生存在が現れる事で。本郷さんもそれを憂いている」

「貴方方の派生存在?」

「そうだ。一号が旧一号のままだったり、Xライダーがセタップ変身のままだったり……そんな可能性の世界はいくらでもあるからね」

光太郎は可能性を示唆し、調査に戻った。昼寝を終えたフェイトにその事を伝えるドラえもん。そして、これまでに起こった次元震パニックの模様をまとめてみる。また、アルトリアからメールが有り、今更ながら、旧ノーブルウィッチーズB部隊の複数のメンバーがアルトリアの事を知ったと書かれていた。

「今更知ったんだ、旧B部隊の人たち…」

「遅くない?」

「ダイ・アナザー・デイの時は後衛だったから、あの人達」

アルトリアは自分の身の上の説明に追われたようで、『疲れました〜…』という一文で〆られていた。アルトリアによると、今回の出撃前、事情を知っている『ジーナ・プレディ』大佐以外のメンバーが64F基地に遊びに来た際、ハインリーケをからかうつもりだったが、その時にはハインリーケはアルトリアになっており、彼女らの知るハインリーケは融合によりいなくなっていた。そのため、アルトリアはハインリーケの外見を取っていても、中身が実質は別人であるため、どう相手するか困ってしまったわけだ。マリアン・カールはハインリーケとは良く喧嘩していたため、目の前のハインリーケが別人であることを瞬時に看破した。子供っぽいわがままさが消え失せ、本物の気高さを感じさせたからだ。(外見を変えていても、アルトリアの生来のカリスマ性までは隠せなかった)そこに通りかかったシャーリーが付き合いのある自衛官に協力してもらい、このような事態に備えて編集していたビデオを見せた。

「――というわけで、私はアルトリア・ペンドラゴン。俗に言うアーサー王なのです。それでいて、貴方方の知るハインリーケでもあるのです。おかしな感覚なのですが……」

「ブリタニアの伝説の王様で、それでいて、カールスラントの王家の係累だぁ!?出来すぎてやがる、どういう事なんだよ!?」

「要するにだ、大尉。アルトリアはハインリーケ少佐とアルトリア王が融合しあって、君の知るハインリーケ少佐とは言えなくなったってわけだ。正式に改名もしてある。ハインリーケの名はミドルネームになったけど」

「ええ。なので、今の私のファーストネームはアルトリアです」

「わけわかんねぇスよ、シャーリー少佐!」

マリアンはシャーリーを慕っているため、シャーリーには敬語である。だが、目の前のハインリーケが『ブリタニアの伝説の騎士王』の転生体であったという事実の前にパニックであった。

「全て本当のことだよ、マリアン大尉。アルトリアは選定の剣(カリバーン)も、約束された勝利の剣(エクスカリバー)も持っている正真正銘の『選定の剣の騎士王』だ。本気を出したら君程度は一瞬で倒されるぜ」

「選定の剣の騎士王……なんだよ、なんだってんだよぉ〜!」

叫ぶマリアン。アルトリアの実力からすれば、マリアンはウィッチとしては強いが、戦士として見ると、雑兵と変わりはないほどに実力差がある。選定の剣の騎士王という事は、即ち伝説の円卓の騎士。その事を思い知らされたのは流石に堪えたらしい。貴族嫌いのマリアンだが、円卓の騎士のネームバリューの大きさにたじろいでいる。

「お、母上じゃねぇか。何やってんだ〜、こんなとこで」

「お、モードレッドか。こいつらにお前のかーちゃんの事を説明してたんだよ」

「なんだ、着替えてねぇのか?」

「暇が無かったんだよ」

モードレッドがやってきたが、ペリーヌからバトンタッチされたばかりで着替えておらず、ペリーヌの普段着そのままの服装だった。そのため、ペリーヌの服についている階級章などはそのままである。なお、ペリーヌは近眼であったが、モードレッドは近眼でないので、メガネは外している。

「お、なんだ。マリアンのガキじゃん。オレに恥かかすなよ」

「恥って……」

「あ、こいつ、モードレッド。円卓の騎士で、ペリーヌの第二人格」

「えぇぇぇ!?んじゃ、ペリーヌ隊長かよ!?元の姿」

「何か文句ありまして?大尉」

「んな!?」

モードレッドはペリーヌに主導権を一瞬だけ戻し、ペリーヌとマリアンを対面させた。一瞬で変身したので、マリアンは固まっていた。

「うそぉ…」

「私より眼が悪くおなりに?」

……と言いつつ髪を払い、モードレッドに再度変身、ニヤニヤ顔のモードレッドとなる。

「ということだ、大尉。オレは母上と違って、融合はしなかったから、こういう形で共存共栄してるんだよ。それと、母上の事だが、今は大佐だぞ?」

「え!?」

「と、言うことです、マリアン大尉」

「し、失礼しましたぁ!」

慌てて敬礼するマリアン。ペリーヌ/モードレッドも少佐であり、マリアンより高位になるので、敬礼せねばならない立場である。

「アルトリア大佐、で良いんですよね?クニカ知りませんか?」

カーラ・J・ルクシック大尉が話に加わった。彼女はマリアンと違い、黒田とコーラ同盟を結んでいる仲であり、B部隊出身者の中では珍しく、黒江のことも当初から知っていた。これは黒田の武勇が前史より数段上であった事で、リベリオンにも武勇が轟いていたためである。『レイブンズに長年仕え、アフリカでもケイと共に撃墜王で鳴らした猛者』。それが今回の黒田だ。B部隊に間違って着任したら、そっちで注目されてしまったと漏らしている。

「ああ、邦佳なら今頃、格納庫でコーラでも飲んでるかと」

「お〜!ありがとっす!!」

カーラは駆け出す。506部隊在籍時、黒田といの一番に打ち解けた一人が彼女であった。黒田にとっては『三度目』であったが、カーラは前史と転生前と変化がなく、安心した。コーラ党であるので、ペ○シの変な味の事を話すと、食らいついてくるカーラ。今回の506着任においては、なんと、アフリカからの転戦ということで、ジーナ・プレディ中佐が黒田を質問攻めにし、模擬戦まで行うというイベントが有り、黒田を狼狽えさせた。思わぬアクシデントだが、アフリカでの大暴れを考えると、仕方がない出来事であった。ケイがGウィッチとして覚醒すると、銃撃狂ぶりに、マルセイユもさじを投げたため、真美の頼みで僚機を勤めていた。その噂はジーナ中佐の耳にも届いていた。『かつて扶桑陸軍の狂気と謳われ、突如として往年の神通力を蘇らせた加東圭子の相棒を数年勤めていた猛者』と。キャラのあまりの変貌に、当時のマルセイユは慄いたが、真美は事の次第を知るため、『圭姉様、素敵です!!』と大喜びであった。当時の『アフリカ』では、マルセイユはライーサ、真美はケイと組んでいたが、たった4人では限界があった。そこにマルセイユの使い魔事件を引き金に、圭子が覚醒めたというイベントが発生し、圭子が昔年の力を取り戻すと、真美では護衛する側ではなく、される側になってしまったのと、圭子のガンクレイジーぶりに追従できなかったため、事件で一時滞在していた黒田を取り込んで、自分の護衛としたのだ。従って、必然的に真美が余る事になるので、一時的ということで、隊員を補充していた。従って、ティアナのアフリカへの転属は『506に招聘された黒田の穴埋め』という名目で行われたことになった。

「聞きましたよ、ジーナ中佐。邦佳の実力を着任時に試したそうですね」

「ハッ。あの時は私もレイブンズの情報は半信半疑でしたので。黒田大尉の事は当時、既にリベリオンにも武勇が鳴り響いており、加東准将閣下に仕えていたというのも興味がありました。結果は斬艦刀を突きつけられましたが」

「やはり」

黒田は今回の506着任当時、試しに模擬戦を挑んできたジーナを、黒江より預かっていた斬艦刀をブラフに使うことで下している。斬艦刀使いという今回における黒田の評判は、扶桑では『あの黒江綾香の正統後継者』として、諸外国では『槍とも剣ともつかないデカい武器で超大型怪異をぶった斬る恐ろしい奴』で、前者は黒江当人のカムバックで自然消滅しているが、後者については、黒田が個人的に打ち立てた評判であるので、現在でも言われている。最も、当人は槍使いでもあるので、『ゼウスのおっちゃんにゲイ・ボルグ欲しいって言おうかな』と思案している。(ゼウスは後に、ゲイ・ジャルグを与える事でお茶を濁した)黒田は今回においても黒田本家を継承してしまったので、侯爵の地位を得、64Fでは一番に身分が高い(叙爵されたレイブンズは子爵で、侯爵の二個下である)事になった。そのため、最も貴族(華族)らしくない者が最も高い地位を持つという状況となっている。

「私達はこの二年で驕り高ぶりを戒められました。その前に一つご質問が。何故、日本にはあれほどヒーローがいるのです?」

「あー……その事ですか」

頭に閑古鳥が鳴いたアルトリア。世界で一番にヒーローが大好き民族のリベリオン(アメリカ)人には我慢ならない事実らしい。比較的真面目なジーナ・プレディ中佐でさえも、これである。しかしながら、世界で一番にヒーローが生まれてゆくのが日本(扶桑)なのは事実だ。これは戦後日本が軍事に無関心な時代が長かった事も関係している。日本のヒーローは役目を終えると、何処へと去っていったケース、敵組織と相打ちになったり、勝ったはいいが、埋め込まれた人工心臓が機能停止し、死亡したケースもあるため、仮面ライダーやスーパー戦隊のように代替わりしつつも、戦い続けているケースのほうが少ない。日本のヒーローの二大勢力の内、役目を終えた戦隊は呼びやすいのと、時代的に申し出に応えてくれそうな年代が優先されるため、スーパー戦隊の出身年代は70〜80年代中心になっている。しかしながら、それで充分に豪華な陣容であり、ゴレンジャー〜ターボレンジャーまでのレッドから選抜された『オールレッド戦隊』がダイ・アナザー・デイで活躍したのも記憶に新しい。その多くが類稀な剣の達人であり、日本のヒーローは剣技必須なのか?という疑問をノーブルウィッチーズ出身者に抱かせた。彼らの強さは一騎当千に相応しいモノであるのは、アルトリアも認めるところである。

「彼らの強さは、戦いの中で磨き上げられてきたモノです。私も生前で磨き上げてきたものがあります。レイブンズも数回のやり直しの果てに、今の神通力を得たのです。貴方方がおいそれと追いつけるようなものではありません」

「我々の経験ではまだ足りないと?」

「残念ですが、そうとしか申し上げられません。特に、あのご三方は魂魄が極限まで練り上げられ、一つの神霊になるまで研かれているのですから、どれだけの研鑽を積んだのやら…」

「我々は……青二才だと」

「ええ。それで的を射ているどうかすら」

「そうだぜ、ねーちゃんよぉ。俺たちも含めてだが、阿頼耶識に到達してないと、並び立てないぜ。あの黒田もそこに至ってるしよ」

モードレッドも続く。ここで何気に、黒田も聖闘士ではないが、エイトセンシズに目覚めている事を告げる。レイブンズと並び立っていると言うことを鑑みれば、当然の事である。

「……私たちは道化ですらないと?」

「平たくいりゃ、英霊に登り詰めた者と、名のない戦士の違いだよ。あの三人は阿頼耶識の向こう側に行った神様で、不滅の存在だよ」

神の座に到達したレイブンズはこの世に存在するための肉体の姿すら、空中元素固定で変えられるが、その能力が受け継がれた者たちも、その能力の行使が可能である。(調が龍王破山剣や五大剣を作れたり、坂本が自分の意志で弓矢を形成するのは、空中元素固定能力が由来である)

「オレたちもだが、英霊や神の座に至ってる連中は空中元素固定で肉体の組成を組み替え、容姿の変更も容易にできる。黒江さんが好んでるのがその能力だよ。あの人は声帯も弄るからなー」

黒江は本来、この時期には少女期の頃の声よりだいぶ低いハスキーボイスになっていたはずだが、神の座に至ってからは、調に酷似しているという、少女期の頃の声を常態化させている。(黒江は成り代わりの際、子供の頃の声色が調に酷似していた事に気づき、その後もその時のトーンを『ギャップ萌え狙い』で維持していた)シンフォギアの使用時に声色を合わせているのは、この能力の応用である(酷似しているとは言え、微妙に違いがあるため)。

「反則ですね……それは」

「仕方ねぇだろ?神様なんだしよ、あの人」

「私たちには何が足りないのですか?」

「どこかの世界のガンダムパイロットはこういったそうだぜ。想いだけでも、力だけでも……ってな」

「思いだけでも、力だけでも……」

「貴方方は他の世界での同位体と違い、506としての表立った動きが出来ぬまま解散に追い込まれています。他世界での506のことを考えれば、Gへの覚醒の素養は充分にあると考えて良いですが、それには厳しい道を辿らなくてはなりません」

アルトリアは道を指し示す。A世界での506は満足な実働も出来ぬまま、実質的な解散に追い込まれている。その事はノーブルウィッチーズのメンバーとペリーヌに強い罪悪感を植え付けている。我の強いペリーヌがモードレッドと共存を選んだのも、その罪悪感が理由の一つだ。そのため、他世界と違って、統合戦闘航空団としては全くの無名であり、それが黒田とハインリーケ(アルトリア)以外の面々が覚醒に至っていない理由である。

「この戦争を戦い抜いてみせます。貴方方英霊には及ばないかも知れなくても、戦士としての心は貴方方に劣っていない。そう考えて良いですね?」

「心構えが出来てりゃ、後は自然になれるだろうよ」

モードレッドが場を締めくくる。ペリーヌから得た優しい微笑みと共に。これが事の顛末である。



「――と、いうわけ」

「ノーブルウィッチーズには、ノーブルウィッチーズなりの負い目があるんだろうね。この世界じゃ、シャルル・ド・ゴールやガリア上層部の政治に利用されたようなもの。しかも組織が空中分解してるから、ガリアは面目丸潰れ。国力の衰退を示す一例になっちゃったんだ。これでガリアの植民地を切り崩してるように見える扶桑と近い将来に戦争するかもしれないよ」

「どういう事?」

「管理局が分裂から力を取り戻すのに必死になってるでしょ?それと同じで、この世界は世界は日本連邦中心の世界になり始めてる。ガリアは大戦前の世界有数の陸軍力と世界四位の海軍力を取り戻そうって躍起になってるから、どうしても扶桑と日本は目の上のたんこぶになる。ベトナムの独立阻止のために部隊を増強するんだろうけど、まずガリアはボコボコにされるよ」

「あ、兵器の開発力か…」

「こっちは戦後世代の兵器が戦術や戦略と一緒に入ってきてるけど、向こうは戦間期、悪く言えば史実の大戦開戦時のままだよ。ルノーB1が最新最強かも知れないところに、いずれ払い下げされる自衛隊式の61式戦車だよ?勝てるわきゃない」

「確かに」

「ガリアは金属の自主的な採掘さえ困るだろうから、戦前の規模の軍隊は無理になる。今の規模の自由軍も維持できるか怪しいね。超大和どころか、大和型に対抗できる軍艦もまず作れないし、維持費も出ないだろうね」

ドラえもんはガリアに6年近く巣食っていた怪異が金属資源を貪り食ったであろう惨状から計算した未来予測をフェイトに告げた。ガリアはアルジェリア相当のアフリカ植民地やインドシナを維持しようと、日本連邦にいずれ挑んでくるという未来を。

「前史でそういうことあったような気が…」

「いずれは必ず起こることだしね。多分、前史よりガリアが衰弱してれば、その戦争はズタボロにガリアが負けるだろうな。互角に渡り合える要素が空しかないもの」


「ああ、ガリアがミラージュストライカーを造れるかどうか?」

「そそ。あれが出来てれば、空での戦いはひとまず互角になるだろうね。ペリーヌさんが言ってたけど、ミラージュは『ガリア空軍の看板になる機体』だって」

ミラージュVストライカーがガリア空軍の命運を分けると、フェイトに明言するドラえもん。ガリア空軍はミラージュ戦闘機とミラージュストライカーの実用化を急いでおり、日本連邦に追いつこうと必死になっていた。だが、太平洋戦争は、ガリア空軍が平時の状態で数年頑張ったくらいで埋まるものではない技術発展の現実を、シャルル・ド・ゴールを除いた保守的なガリア上層部に突きつける事になる。何故なら、ガリア空軍が第一世代ジェット戦闘機『ミステール』を量産しだした頃には、扶桑空軍はそれを圧倒的に上回る『F-15J改』を、扶桑海軍は『F-14改』の試作機を初飛行させ、世代的に三つ以上相当の差が開いていたのだから。世界は残酷であった…。



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