――ミッドチルダに集結した扶桑海軍主力艦隊。彼らが海戦を繰り広げている頃、そして更に増援に陸軍戦車師団も新造輸送艦に載せられて輸送されてきた。戦車はパンターに対抗できるように改修され、90ミリ砲を載せた五式中戦車改型と砲戦車で、105ミリを持つ、1940年代の日本型装甲戦闘車両として最強の火力を誇る、五式砲戦車が数次の輸送艦隊に分けて輸送されてきた。


「うへぇ。日本軍がこんなの作ってたんなんて……信じられへん」

「あなたの世界だと試作段階に終わった本土決戦用の秘密兵器。ウチの世界だと普通にインフラも“日本帝国”とは桁違いに発達してるから量産されたってわけ」


圭子がいう。扶桑は日本の10倍以上の国力を持つ。大日本帝国が不可能として匙を投げたことも彼ら扶桑なら容易い。だから大和型戦艦を量産する事も、列強と肩を並べられる戦車の量産配備もできる。最も陸軍に関しては急激な近代化の最中なのだが。

「加東少佐、陸軍機甲軍司令、細見惟雄中将である」

「お待ち申し上げておりました、閣下。こちらは時空管理局の八神はやて二等陸佐です」

「八神はやて二等陸佐であります。よろしくお願い致します」

今回は緊張せずにうまく挨拶ができたはやて。さすがに慣れたということなのだろう。細見中将と参謀達を車へ乗せ、機動六課へ向かう。


「思い切った決断をしたようですね、梅津参謀総長は。虎の子の機甲師団の精鋭を派遣なさるなど」

「そうだ。総長が派遣を渋る阿呆共を黙らせて我々を派遣させてくださった。我々は軍内の中でも最新の武器を与えられる権限を持っとるからな」

そう。本来、細見中将旗下の機甲師団は最精鋭部隊とされ、外地部隊に与えられてない最新鋭の装備が与えられ、将来の大陸領土奪還作戦の主力として期待される虎の子部隊である。が、その実態は練度そのものは高いが、実戦経験に欠けている。それをこの戦で解消させるのだろう。



「四式ではなく、五式とは。そちらが主力になったのですね」

「うむ。戦後戦車に近い構造を有するからな、五式は。そこで設計を再検討し、トーションバーの採用、90ミリ砲の搭載などの再設計を行った改良版だ」

「でも見てくれが殆ど自衛隊の61式になってますよ?いいんですか」

「事実上、61式を扶桑の技術で再構成したようなもんだから本来は六式にするべきだったんだが、予算計上上の都合だ」

そう。五式中戦車改は事実上、その姿は自衛隊時代の第一世代型MBTの61式戦車と五式中戦車のキメラのような姿である。元来の五式中戦車の特徴は薄れており、ここまでいくともはや、砲に61式の特徴的なマズルブレーキがないのを除けば61式戦車である。ただしオリジナル版より装甲が厚く、なおかつ機動性が高いという違いがある。本来なら“六式中戦車”とされるべき代物である。なのに五式改を名乗るのは、当初は五式の改良型として予算計上されていたからだ。

「予算計上の都合……ですか」

「ああ。こうでもせんと大蔵省のバカ共から予算分捕れんからな」

「そ、そうですか」

扶桑皇国は大日本帝国と違い、軍財政に関してはある程度大蔵省の権限が及ぶ。そのためあの手この手で予算計上を認めさせるように軍部は腐心していた。実態と予算上の装備が剥離することも多いとか。


「パンター戦車は強力だと聞くが」

「ええ。マイナーチェンジ重ねてますからね、侮りがたし敵です」

「61式を更に強化したとはいえ……かなりの損害は覚悟しなければならんか」

「敵は百戦錬磨の兵隊です。兵士の質は我々を超えているのは確実ですからね」

「ウム……」

圭子の一言に細見中将は同意する。それは扶桑陸軍の実情だからだ。確かに平行世界の大日本帝国陸海軍が望み、解体まで叶わなかった軍備を、国力を有する扶桑皇国だが、人同士の実戦の経験というのは日本帝国に及ばない。その点が不安要素であった。




















――こうして、扶桑陸軍も本格的に参戦したわけだが、海軍は武蔵が思わぬ損傷を受けたため、工作艦明石が修理を行なっていた。

「武蔵があそこまでの損傷を受けるなんて」

本国で機関修理を行うに先立って、武蔵は明石に横付けされ、装甲板の補修などが行われ、工作艦ながら本格的な補修作業を行なっていた。それを見ているのはなのはだ。

「武蔵も兵器だからね。損傷くらいするさ」

「エーリカさん」

「久しぶり〜。住んでる世界の違いかな。今じゃ年齢差が逆転しちゃったね」

「ええ。あたしのほうが今じゃ年くっちゃってますよ」

なのはは子供時代にハルトマンと面識がある。それ故、この時点でなのはのほうが歳を取ってしまった(生年月日からの合計)。最も外見上はなのはも飛天御剣流の心得を得た都合上、16、7歳で、ハルトマンとそんな変わりないが、精神的に年くったのには変わりない。

「ところでさ。さっきからなんでそんなに負のオーラが漂ってんの?」

「実はですね……」

この日、なのはに初めてティアナの事が知らされた。当然ながらなのはは秘密にされていた事に怒ったが、黒江やスバルによってなんとか事無きを得た。それでなのはは落ち込んでいるのだ。






「そりゃなのはの力だったら歴史の流れくらい簡単に変えられるじゃん?それが却って望む流れを変えちゃう場合がある。だから黒江少佐達は言わなかったんだろう」



ハルトマンは冷静に分析する。最もだし、なのはとて、はやてにスバルの事を黙っていたので、お互い様である。

「うぅ……そうですよねぇ」

ズゥゥンと更に落ち込むなのは。しかしそこはハルトマンの真骨頂。上手くなのはをフォローしてやる。

「ま、まぁまぁ。そんなに落ち込むことないって。何か良い事あるさ〜虫歯ができたわけじゃないし」

楽天的かつ飄々と振る舞うハルトマン。しかしそこには仲間思いな側面が見え隠れする。そこが彼女の魅力なのだろう。


「戦況はなんとか膠着状態に持ち込めそうだけど、問題は奴らの本隊からの増援が来ないか、だよ」

ミッドチルダのこの動乱は今のところナチスドイツ、いやバダンの優位のうちに事が運んでいる。仮面ライダー達の奮戦も勢いを止めるまでには至っていない。問題は占領地域の拡大をこれ以上させない事。それが肝要なのだが、相手方に仮面ライダーに対抗しうる能力を持つ怪人が送り込まれると、さしものライダー達もピンチに追い込まれる可能性が高いからだ。

「ええ。シャドームーンも目撃されたっていうし……これからどーなるんでしょうか、エーリカさん」

「さーね。あたしたちにできんのはドンパチやって敵をこてんぱんにのす事だからね。立ち塞がるのなら倒すのみだよ」

ハルトマンは意外に世界を達観している節がある。それに加え、流竜馬や剣鉄也などのスーパーロボット乗りたちと面識を得た事で戦いに関しては割り切ったらしい。芳佳に医学で“もし、カールスラントに留学したらホームステイなどを斡旋する”と言っているという面と、確固たる決意を持つ、戦いへの姿勢。それが垣間見れた。




















――ミッドチルダは現在、首都を中心に中央区から徐々に侵食される形でナチスドイツの占領下に置かれつつある。彼らとしてもフリッツXで次元航行艦を撃沈できたというのは意外だったようで、空軍軍人らの間で協議が行われていた。



――ミッドチルダ首都 元時空管理局地上本部 会議室

「まさかフリッツXで撃沈できたとはな。偶然か?」

「当たりどころが良かったのだろう。我らとてアレで次元航行艦を落とせるとは思ってもなかったからな」

フリッツX改で次元航行艦を撃沈できた事例は当の当事者側も予想外の出来事だったらしく、会議では驚きの声が大きく取り上げられた。

「ローマを撃沈した時より改良してあったとは言え、一発で轟沈は大金星と言わざるをえん。君はどういう風に誘導したのだね」


「ハッ……。小官はアレを敵艦のエンジンノズルに当てるようにコントロールしました。エンジンノズルに直撃させれば如何な船も重大な損傷は免れませんから……。」

爆撃機からフリッツXを誘導して当てた当事者である中佐が答える。彼はVFが存在する世界から合流したメンバーであり、その世界で可変戦闘機に乗っていた。そのため対艦攻撃法を独自に模索し、それを実践したと持論を展開する。

「フム。君には騎士鉄十字勲章の授与をしなければな。時空管理局の艦艇は性能がいい。それを撃沈したのは凄いことだ」


そう。ナチス・ドイツ(バダン)とて、正面から時空管理局艦艇の防御をぶち破れるかは実際のところ未知数なのだ。この事例はあくまで偶然の産物なので、正面きって装甲と防御フィールドを打ち破る武装を開発中というのが実状なのだ。


「フリードリヒ・デア・グロッセV世の慣熟訓練はどうか。」

「順調です。アレはH44設計を基にしてますから、ヤマトタイプなど粉砕できます。数ヶ月後には実戦投入も可能でしょう」

「ご苦労。Uボートの戦果はどうか」

「ウォルフガング・リュート少佐、ヴィルヘルム・シュルツ司令の艦がこの度、アメリカ、日本、ミッドチルダの連合輸送艦隊を護衛艦ものとも総数の半数を海の藻屑にしたと報告が」

「良好だ。改XXI型の性能は中々のものだな」

――ミッドチルダにやってきたUボートエースらは合流後にナチスドイツが崩壊する直前に構想のみが存在した、XXI型の改良型を手に入れていたのだ。戦後にドイツ国内の軍需産業に潜むシンパを通してアクティブソナー、誘導魚雷などの技術を入手した上で量産配備させたのが改XXI型なのだ。そのため扶桑皇国・リベリオンの輸送艦隊の護衛艦の奮闘むなしく、護衛艦ものとも戦略物資の半数が沈められた。Uボートの損害はリベリオン最新駆逐艦のギアリング級駆逐艦が損傷を数隻に与えた程度であるとの報告がなされた。

「ギアリンク級か……ヤンキー共の第二次大戦型駆逐艦の最終型だったな……対策を急げ」

「ハッ」

こうして、ミッドチルダの動乱は少しづつ新たなステージへ進む。大和型戦艦を打ち砕くために用意されるバダン最強のH44級戦艦、RXに対抗できる唯一無二の男、シャドームーン……、艦隊の通商破壊戦。反攻作戦を前にしての戦略の読み合いは総力戦の様相を呈し始めていた。










――機動六課 臨時隊舎

「少佐、カロリーメ○ト食べますか?」

「頂いてくぜ。フルーツ味あるか?」

「フルーツ派なんですね」

「まーな」

書類仕事に悩殺されている黒江はシグナムから差し入れされたカロリーメ○トを口に入れる。味はフルーツだ。意外なことだが、黒江はカロリーメ○トをここ最近は多忙のために夜食などにしており、フルーツ派であった。

「綾香、キ201とF86の機材補給申請出しておいたわ」

「ハムハム……(ご苦労さん)」

カロリーメ○トを食いながらいうので言葉になっていない。武子はそんな黒江に呆れながらもカロリーメ○トを受け取る。武子の場合はチョコレート味だ。

「ふう。便利なものができたわねぇ」

カロリーメ○トを食いながら感想を漏らす。武子は未来の食べ物に触れるのは今回の派遣が初めてである。なのでインスタントコーヒーに苦言を呈した(武子は珈琲通である)との事。

「ん?お前、コーヒー豆なんて用意してどーすんだよ」

「コーヒー入れるのよ」

「は?インスタントあるだろうが」

「豆から入れた方が美味しいわよ」

「お、お前なぁ、コーヒーメーカーに謝れよ……」

加藤武子は珈琲通で、豆にもこだわるほどである。そのためインスタントコーヒーには納得がいかないようだ。黒江はこの珈琲通ぶりには黒江としてはどーでもいい(釣りキチなのとコーヒーは飲めればいい派であるので)のだが、武子のこだわりは理解できるので敢えて付き合っていた。武子は意気揚々とコーヒーを入れ、黒江に入れる。

「ブルーマウンテンコーヒーよ」

ブルーマウンテンコーヒーを入れる武子。黒江はコーヒーの違いなど分からないが、うまいという事はかろうじてわかる。眠気覚まし代わりに飲む。

「ふぅ……。一応50枚くらい処理しといたぜ」

「ありがとう。みんな、4時間後にブリーディングルームに来てくれる?」

「どうした?奴らの空軍が戦略爆撃でも始めたのか」

「いえ。中央区と各区間の中間地点に首都から脱出してきた部隊が確認されたの。航空支援を要請してきてるから、各部隊はユニットの整備が終わり次第、全力出撃。制空権を一時的に握って脱出を援護します」

「了解だ。シグナム、外に行ってる奴らにも連絡しろ。本格的な戦になるぞ」

「了解です」

機動六課の臨時隊舎は本来、複数の部隊を受け入れられる、地区警備の中規模拠点であった。そのため連合軍の部隊も同居している。そのため隊舎は広く、機動六課区間と連合軍区間に分けてもまだ余裕があるほどだ。ちなみに格納庫にはヘリに三機の可変戦闘機、ストライカーユニットが置かれている。

「連邦軍からの増援は来るのか?」

「それについては宇宙戦艦ヤマトといくつかのスーパーロボなどを送り込むようで、通達が着ています」


「ヤマトか……!藤堂軍令部総長も粋な計らいをしてくれる」

報告に、黒江は思わずガッツポーズをしてしまう。連邦軍の戦艦としては、全宇宙でも五本の指に入る戦闘力を誇るヤマトが来れば余程でもなければ負けることはないからだ。黒江のガッツポーズの理由である、そのヤマトは未来世界で改装を終えていた。











――西暦2201年 ヤマト帰還から5ヶ月後 小惑星イカルス

「真田くん、ヤマトの改装が終わったようだね」

「外見はそんなに変わりないですが、電子兵装や主砲などの火器管制システムを最新のモノにアップデートし、機関もスーパーチャージャーを装着し、補助エンジンをスターターとして使用する必要も無くなりました。通信システムも艦隊指揮を前提にしたモノに変えています」

「ウム」

「主砲も実体弾である波動カートリッジ弾の運用が可能なように、エネルギーカートリッジ式に変えています。これにより実体弾とエネルギー弾を織り交ぜた砲撃が可能です」


ヤマトの視察に訪れた藤堂平九郎軍令部総長は以前よりも全長がストレッチされ、精悍になっている様子が見て取れる。艦首上部と艦体側面、第二砲塔上面に錨マーク、各主砲の砲身にヤマトが参戦した戦いの数を示す参戦章が新たにペイントされている。これが外見上の以前との変化だ。

「艦載機は届いているかね」

「新型のコスモパルサーが一個中隊分と新コスモタイガーですね。搬入を終えたところです」

ヤマトは事実上、兵器の実験場的な所がある。イスカンダルへの二度目の航海と編成は大まかには変わらないもの、全長がストレッチされて余裕が生じたので定数も増加している。そのためコスモタイガーシリーズに代わる次期主力機に内定したコスモパルサーの初期生産機が予備機として一個中隊分新たに追加され、コスモタイガーも全面的に新コスモタイガーで統一されていた。その他はVFがVF-25に一部機種更新されている。

「FXはコスモパルサーで決まったようですな」

「ウム。コスモファルコンと最後まで争った結果、対艦攻撃力を含めたマルチロール性とコスモタイガーの生産ラインを利用できるという事でコスモパルサーが主力戦闘機の座を勝ち取った。アクティブステルスがあるので、ステルス性はあまり要求されなかったからな」

次期主力戦闘機を決める、FX計画は最終的にコスモパルサーが栄光をつかみとったのが藤堂平九郎の言葉から伺えた。コスモパルサーは新規設計機であるが、大まかな構造はコスモタイガーと共通しており、生産ラインがそのまま利用可能である。更にフレームを流用して様々な用途に応じられるという点が軍に選定されたのだろう。




「コスモファルコンはどうなったのです?」

「防空部隊から軽量戦闘機を求める声が上がってな。空軍がそちらの方で採用する。さすがにブラックタイガーでは老朽化してきたからな」


コスモタイガーが登場した後も大気圏内での運動性の高さを理由にブラックタイガーを使用する部隊は多かった。対爆撃機には力不足でも、制空戦闘では十分な性能を持つからだが、さすがに旧式化して損耗率が増えたのと、老朽化という現実的な問題に直面した空軍はFX計画から漏れたコスモファルコンを次期軽量戦闘機として選定した。結果的には両機種共に軍に採用されたのである。メーカーとしてはホッとしているのが目に浮かぶ。

「まるで昔のF-16だか18みたいな話ですな」

「ウム。メーカー側からの伝言だが、実戦投入してみて不具合とかがあれば報告して欲しいとの事だ。まだ本格量産にも踏み切っていない機体だからな」

そう。コスモパルサーはまだ初期型に過ぎず、実戦でどのような性能を発揮するのかは未知数なのだ。いくら試作段階で投入した事があるとはいえ、それは当初からコスモパルサーとして生産された機体ではないのだから。

「わかりました。古代や加藤たちに逐次報告させます。」

「頼むぞ。波動砲のほうはどうか」

「ハッ。次期主力戦艦として建造中の長門型戦艦(ドレッドノート級後継の量産型波動エンジン艦。新型の拡大波動砲搭載)の波動エネルギー増幅装置の技術を波動砲周りにスピンオフしました。これでヤマトの波動砲は新造艦と同等のチャージタイムと100%以下での発射が可能です」

それはヤマトの近代化が徹底的に行われた事が示唆されていた。真田志郎の手腕により、短期間で効果的に行われ、新造艦と同等以上の能力が与えられたのだ。


「ヤマトの姉妹も航空戦艦の信濃が近々竣工の見込みだ。武蔵は通信システムや機関に不具合が見つかってな。信濃のほうが先に完成する。信濃との連携訓練も積んでおくように」

「ハッ」

信濃はヤマト型宇宙戦艦の遅れてきた三番艦で、制式名称は“宇宙航宙戦艦シナノ”という。これはヤマトの生存性の高さに目をつけた旧日本国の造船部がアメリカのアンドロメダベースのミッドウェイ級戦闘空母に対向する意味合いでヤマトをベースにした戦闘空母、いや航空戦艦を設計し、それを具現化させた艦。ヤマトと同型であるが、空母向きに大型化した船体を持ち、空母らしい搭載機数とヤマトの攻撃力と防御力を両立させた高性能艦である。地球連邦軍は両艦の連携訓練及び、性能判定を兼ねてミッドチルダで送り込もうというのだ。

「当初はミッドウェイを行かせる案がありましたが、没ったのですね」

「ああ。試験航海時の着水の時に荒天に遭遇して、危うく転覆仕掛けた。これはアメリカにとっては偉い赤っ恥だった。ミッドウェイだけじゃなく、建造中の姉妹艦の改修まで行なわくてはいけなくなってな……」

ミッドウェイの欠陥が露呈したことを伝える藤堂平九郎。この欠陥は着水・水上航行時の安定性を重視する連邦宇宙軍にとって到底許せるものではなかった。そこで白羽の矢が立ったのがヤマトとその准同型である信濃であると示唆する。元は戦艦大和とは言え、ヤマトの船体設計の確かさが示されたといってよかった。


――この日より一週間後、宇宙航宙戦艦シナノが竣工。即日で地球連邦軍の本星直属の太陽系連合艦隊に編入され、ヤマトと共に第3航空戦隊を編成することになる……。



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