ドラえもん のび太とスーパーロボット軍団 第二部


――Gウィッチ達も聖闘士やキューティーハニーの能力を得て、英霊の力を操れるようになって、転生したとしても、根幹は『ヒト』である事には変わりない。転生したという事は『少なくとも、一度は本当に寿命で死んでいる』事である。それは揺るがない事実だ。それを乗り越えただけの存在である。のび太も『肉体的には死ぬが、精神は永久不滅だ』という一種の観念を青年時に持つに至り、自分の存在の不滅は望んでないが、子孫への転生は受け入れた。(ゴルゴも実のところ、裏でメモリークローンに定期的に入れ替わるようになっているので、実質的に不滅の存在と言えよう。30世紀、イルミダスが恐れたGというコードネームの危険人物という形で暗躍していると言う)23世紀にいるのび太の末裔にあたる、軍の情報部員は『のび太おじいさんはおそらく、私の倅として生まれ変わっているでしょう。約束を守るためだと、セワシおじいさんに言っていたそうですから』と、レビル将軍に述べている。それは当たっていた。23世紀に生きる野比家嫡流の、デザリアム戦役当時の若き次期当主こそ、英霊に昇華して死んだのび太の輪廻転生にあたる存在であった――


――ベクトラ 士官食堂――

「皆さん、僕の顔に見覚えありません?」

円陣を組んで、気合を入れていた歴代プリキュアの前に現われた青年将校。その顔立ちは青年時代ののび太とほぼ瓜二つ。メガネはかけていなかったが、その微笑みは響、のぞみの知る青年時代ののび太そのものだった。

「も、もしかして、お前、のび太か?」

「約束は守ると、ダイ・アナザー・デイの時に言ったでしょ?セワシのひ孫って形でこの世に舞い戻ったよ」

のび太は自身から八代近くを数えた子孫に転生していた。子孫は地球連邦宇宙軍の若きエリート士官という身分を得ている。23世紀の野比家はのび太とノビスケの功績で『名家』に数えられており、セワシの嫡子(のび太の転生の器となった彼の祖父)が日本連邦の実質的な復活で扶桑華族と同等の扱い(伯爵相当)に遇されたため、彼はそれまでの野比家当主と異なり、生まれながらのエリートである。

「お、おい。それじゃ、ややこしくないか?」

「大丈夫さ。肉体は昔と別だから、別の存在としてカウントされる。それにドラえもんのタイムマシンで自分同士で会ってたからね。自分自身に連絡は入れてあるよ」

『彼』はのび太として、プリキュア達に接する。のび太の転生体という事は、名前が別にあるという事だが、のび太として会話をしている。自分の肉体の不滅性は望んでいなかった彼だが、運命の女神による選定、『いつか、約束を果たす』という若き日の誓いにより、野比のび太自身の末裔として転生を果たした。つまり、かつての青年のび太と子供のび太と同じような関係にあたるわけだ。

「あなたがのび太さんなんですか?」

「正確に言えば、その末裔に転生した僕自身さ、春日野うららちゃん。君と似たようなもんさ。子孫に転生しただけで。僕は意思の不滅は願ったが、自分の存在の不滅は願ってはなかったからね」

のび太の転生である、彼の末裔は、静香の血統が入ったため、運動神経については抜群である。精神はのび太になったが、肉体の基礎能力はそのままであるので、生前より却って強くなっている。生前の能力が更に強化され、完全に英霊になったためでもある。ダイ・アナザー・デイでの青年のび太との違いはメガネの有無と軍服くらいだ。

「僕とつるんでるだけで、周りから誹謗中傷受けてたの、あの三人は気にしてるからね。僕の『末裔』となら、問題はないだろう」

のび太は生前、子供時代の普段が普段なだけに、黒江達がつるむだけで誹謗中傷を受けていたのを中年期の頃から気にしていた。生まれながらのエリートである、末裔の肉体でつるむ分には文句は出ないと踏んでいるのは、彼なりの見通しである。のび太は心身の成長が大器晩成型であったので、大人になってから大成したが、誹謗中傷の多くは自堕落的とも揶揄される小中学生時代の姿に由来している。黒江は特につるんでいた分、一番に誹謗中傷が激しかった。自分が表社会でも成功し、中年になるまでの期間、それに耐え忍んできた事を気にしていたのび太。のび太は黒江がレイブンズで一番に純粋であり、Gウィッチの居場所を造ることに数十年の歳月を費やした事を覚えている。黒江は『打算で動き、周りを利用する』とダイ・アナザー・デイ中から揶揄されているが、理解者の坂本は『あいつは純粋だよ』と擁護している。前史で消息不明の自分を数十年も探し続け、今際の際に立ち合った事が坂本を成長させたのである。坂本が今回の転生でミーナとの関係を絶ちかねない選択に躊躇しなかったのも、黒江の本質が『純真な子供』のそれに近いことを前史の臨終で理解したからだ。のび太は坂本よりも早い段階でそれを理解しており、実質は黒江が子供時代から求めていた家族の温もりを与える役目も担っていた。智子が下心なく自分に友情を持っていた事への負い目を感じ、今回の転生で、黒江の姉的ポジションで落ち着いたのも無理からぬことである。

「ダイ・アナザー・デイん時、どんだけ誹謗中傷来てたんだ、のび太」

「えーと、みゆきちゃんが処理してたから、総数は覚えてないけど、上は野党の議員から、一般人のものを入れると、参謀本部が悲鳴をあげるくらいの投書やメールが来てたよ」

クレーム処理の専門家が日本から雇われるほど、統合参謀本部が忙殺されたのも、ダイ・アナザー・デイが長期化した要因の一つである。星空みゆきはその仕事をプリキュアと事務作業とを兼任したため、黒江に次ぐ慰労金を受領した。無論、宮藤芳佳名義で。のび太もその仕事を手づだったため、総数は覚えていないが、黒江が見たら、激昂間違いなしの内容のモノも多かった。

「あいつ、あん時に数キロ痩せたとか言ってたけど、そのせいか」

「何せ、内容がすごいから、僕たちで処理したの多かったよ。『己の意思ひとつで人間の都合や善悪なんぞ文字通り武力で凪ぎ払えるのだから、居場所を造る云々以前に既に自由を手にしているはず』とか。ひどいのだと、これだよ?綾香さんが聞いたら、エアだよ」

「確かになぁ。聖闘士なんだし、自分だけの都合で奮えないんだぜ、あの力。だから、色々な武術に手を出してたわけだし」

黒江はなんだかんだで黄金聖闘士であるため、意外に自制している面も大きい。そのため、武術を色々と極めた側面もある。奔放なようだが、使命には忠実であるために教皇候補にまでなるのだ。

「全く、聖闘士星矢読んでねぇ連中が多いぜ。訓練すりゃ、一般人でもなれる可能性があるのが聖闘士なんだぜ?」

「不死性得ただけで、神扱いするのは、私達より若い世代の子供に多いのよね。2000年代生まれの…」

ダージリン/蒼乃美希も響の言うことに同意する。平成10年代以降の生まれの層はインターネットで聞きかじった知識でSNSに書き込みをする感覚で批判する事が多い。どの世代にもいないわけではないが、2010年代末時点の若い世代に先走った批判が多く見られるのも、日本からの誹謗中傷の特徴と言えた。

「私達が言うのもなんですけど、私達より下の世代は物心ついた頃からネットがある世代ですからねぇ」

うららもため息をつく。初期のプリキュアは1990年代前半から半ばの生まれで、世の中にインターネットが根付くギリギリ前を知る最後の世代である。この世代は本で調べる習慣を親から教えられて育った世代のかなり後ろの世代でもある。そのため、もっと下の世代と衝突することも多い。うららも成人〜その後に至る人生で岐路となった女優への完全な転身の際に中傷に悩む事が多かったのと、ナオミとしてのサンダース大学付属高校での陰口や中傷を経験してきたからか、誹謗中傷には呆れているようだ。

「古代エジプトから言われ続けるお決まりの『近ごろの若い者は〜』って文句をいいたかぁなるぜ」

「確かに。みゆきがクレーム処理で痩せたってのもわかるわね。で、のぞみ。貴方、よく教員になれたわね?」

「美希ちゃん、そりゃないよー!高校と大学で苦労したんだよー!教育学部受けるのに偏差値を上げないといけなかったし!」

のぞみは生前、曲がりなりにも教諭になるため、高校から大学時代に辛酸を嘗め、教員免許を取得した。口で言うのは簡単だが、実際になろうとすると、なるまでが大変な割に、2000年代以降は色々と負の面が社会に知られる様になって『ブラック企業以上』とも揶揄される。のぞみは言っていないが、自分の辿った人生では、退職時には少女期の夢を捨てていたので、成人後の事はあまり語りたくはないのが現状である。しかし、なるまでのことであれば、淡い恋をした『ココ』との約束を果たした達成感があったからか、口に出す。それ以上は言いたくないので、タブレットの着信を利用して、話題を変えた。


「あ、調ちゃんからだ。のび太君、調ちゃんが派生世界の一つを発見したってメール来てるよ」

「どれどれ」

黒江の魔力をストレートに受け継いだ調がイリヤと美遊からクラスカードを借り受け、シンフォギア世界の派生世界で揉めないよう、夢幻召喚で自衛戦闘をしたとの報告がのぞみのタブレットに入った。それを上手く使ったのである。調がクラスカードを持っていったのは、黒江が入れ替わっていた時期に、強引に演じさせられたような事態を鑑み、揉め事を嫌がったのが大きいだろう。シンフォギアを置いていった代わりに、クラスカードでの夢幻召喚を使うことは分かりやすい違いである。黒江の資質を受け継ぎ、なおかつベルカの騎士である都合上、セイバーを好む。なお、次元震で遭遇するだろう世界とも別の世界だったのと、ちょうどアニメでいう第四期相当の時間軸の戦闘中に巻き込まれてしまい、自衛のために夢幻召喚を使ったと書かれている。その世界の自分と翼の前で夢幻召喚を実行、ゲイ・ボルグを放ったとも書かれており、必殺の一撃であるため、その世界の自分と翼の見せ場を獲ってしまったとも。結局、揉め事に巻き込まれたと〆ており、どうやら、その世界の事変に否応なしに巻き込まれ、当分は帰れないと愚痴っているようだ。この頃には任官済みであったので、扶桑皇国空軍で使用予定の戦闘服だった都合上、巫女装束と小具足姿である事から、その世界の翼に絡まれたともある。

「なんだか大変そうだなあ。相変わらずだ」

「あの子、武士道かぶれ気味の中二病気味だからなぁ。他の世界でも同じみたい」


風鳴翼は、のぞみからもこの評価である。言い回しが武士道かぶれかつ、中二病じみている事から、別世界の同世代からは中二病患者扱いらしい。本人が聞いたら憤慨は間違いなしだ。

「ま、職業軍人になってると、反感を買いやすいのも事実だね。調ちゃん、クリスちゃんに別世界と出身世界でそれぞれ胸ぐら掴まれたとか言ってたし、見敵必殺、物事は白か黒か、なんて考え、あの子(立花響)の特に嫌う考えだし」

立花響が黒江と感応した後の調に嫌われたのは、古代ベルカ流の『見敵必殺』、『白か黒かハッキリさせる』、『立ち塞がるのなら、倒すのみ』というベルカの戦闘美学に反するところも大きかった。大国であった古代ベルカの当事者として戦い、その美学を古代ベルカ王家に仕える過程で仕込まれた調。聖闘士でもある都合上、双方の戦闘知識を覚え込んだ調にとって、立花響とは相容れない部分が多くなったのも、出奔の理由である。

「あの子、先輩にブートキャンプされてたよね。それに、私達が自分の力と同レベルのポテンシャルを元から持ってることに不安そうな顔してたっけ。気持ちはわかるけど、顔に出しすぎだよね」

「ただ、英霊化の因子はあるってわかったから、綾香さん、それで歪みを治すつもりらしいんだよ」

「英霊?誰なの?」

「沖田総司。そうなったら、剣技じゃ翼さんが問題外に強くなるね。新選組最強を謳われたし、剣心さんとも互角だったって話だよ」

「先輩を負かした斎藤一が三番隊の長だったから、あれ…、一番隊じゃん!」

「そう。神秘的加護は殆どない近代の英霊だけど、彼の剣技は緋村剣心と互角だったと言われる猛者。悪・即・斬だね」

「ひえ〜!」

新選組は日本最後の剣客集団である。その強さは薩長側も認識しており、とある世界で緋村剣心が維新の功労者となる者たちに動乱の際に重宝された理由であった。斎藤一が黒江を負かすのも当然の事である。また、志々雄真との戦いで『とりあえず戦力にはなる』と斎藤に見なされており、志々雄真には格落ちの小娘扱いされていた。黒江と智子は元々、切り合いそのものが久しく起きなかった世界の住人なので、それでも頑張っているほうだ。なので、その志々雄真と剣心を圧倒的に超える比古清十郎が黒江達からさえ『バケモン』と言われるのは当然だ。

「先輩達が格落ち扱いだしなぁ、るろうに剣心の世界。エーリカくらいなもんだよなぁ。一気にそのレベルに行ったの」

のぞみはエーリカの才覚に羨望を覚えているようだ。エーリカは扶桑最強の赤松が『稀に見る天才じゃぞ』と称賛するほどの才能が隠されており、太刀を室内でブンブン振り回せる。坂本が10年かかった事を軽いレクチャーだけでモノにしたり、飛天御剣流を自分で真技開眼したり、黒江からも『お前はチートだ!』と愚痴られるほどに強くなってしまった。もっとも、比古清十郎は『如何にお前が光の疾さを出そうが、示現流の流れを汲む以上は返しやすいのには変わりはない。如何に神速だろうと、それだけでは飛天御剣流には通じん』と述べている。つまり、黒江は『疾さはあるが、太刀筋の先読みがされやすい青二才』というのが比古、剣心、斉藤の共通認識だ。また、エーリカの妹のウルスラも秘伝書を読むだけで理解できるという才能があったが、エーリカと違い、科学者であるために短時間でバテるのが難点で、自衛にしか使えないと嘆いていた。また、扶桑で最高峰である黒江と智子のコンビでも、るろうに剣心世界では一流とは言い難いので、如何にレベルが高いかである。

「あの漫画には人外が多いから。それに、のぞみ。私達の時代から見れば、貴方だって頑張ってるほうよ。剣で戦うプリキュア、多くないし」

「そうなんだよねぇ。でも、この世界、世紀末系拳法もあるし、プリキュアになっててもヒヤヒヤだったよ…」

「なんだか、TOUGH BOYがBGMで流れそうね」

「あれ、知ってるんだ」

「戦車道の後輩がファンなのよ」

蒼乃美希はダージリンとして、一定期間を過ごしている。戦車道大会に意外に本気で取り組んだ。使用可能なイギリス系で最高峰に近いコメットやセンチュリオンを買おうとしないグロリアーナ女学院のOGたちに論戦を挑むなど、ノリがいい側面もあった。保守的なのがグロリアーナの経営権を握る歴代OGの会合の弊害だ。そのため、戦争後期の巡航戦車を欲しがったダージリン(蒼乃美希)は異端児扱いである。

「言ってやったわ。『試合に勝てと言うならブラックプリンス、せめてファイアフライくらいは無いと火力不足で袋叩きで敗退という結果は免れませんわ』って。後輩から『スカッとしましたわ、ダージリン様!』って喜ばれたわ。まあ、せめて、ファイアフライはないと、ドイツの猛獣に一矢報いる事もできないし」

「まあ、私はサンダース大学付属高校だったので、楽でしたよ?ファイアフライの砲手でしたし」

「うららは楽でいいわよね、サンダース大学付属だし…」

「リーダーがのぞみさんに似てたんで、ノリにもついてこれましたし…」

それはサンダース大学付属高校の統率者『ケイ』の事で、声色とノリの良さから『アメリカンな大淀』と黒江から言われている。(アルトリアとも似ているが、アルトリアは低めの声色なので、ケイと被らない)うららにとって、のぞみとノリが似ていたために、すぐに順応できた幸運があり、お嬢様学校のグロリアーナのリーダーな蒼乃美希がダージリンとして生きるにあたって、目に見えない努力をしたのがわかる。また、それと似たような例に、逸見エリカになってしまった相田マナ(キュアハート)があり、そちらのほうが泣きたい気持ちであったという。また、西住みほは四葉ありすなので、それはそれで大変であったりする。また、カエサルはミルキィローズで、前世が『人間になれる妖精』ということになる。

「あ、のぞみ。本当は黙っててって口止めされてるんだけど、ミルキィローズ、覚えてる?」

「ミルク…、くるみがどうかしたの?」

「転生してるのよ、私達と同じように」

「えー!?ど、どゆこと、美希ちゃん!?」

「大洗女子学園の戦車道チームの一人としているのよ。みゆきは同じチームのよしみで知ってるわ。驚かせたいって言っててね。今は地上で戦ってるわ。キュアマーチ…、なおも一緒よ」

「一気に集まったね、良かったじゃないか」

「うん…。あれ?のび太君。その体での名前は?」

「のび〜の通字なことは言っとく。セワシ以外は通字なんだ、うち」

軍服のネームタグは『N・NOBI』となっており、のび〜の通字を受け継いだ事はわかるが、その続きは不明である。その事により、21世紀の野比のび太の魂と意志を引き継いでいるが、存在としては別扱い、バックボーンの人生ものび太と異なり、生まれながらのエリートの道を歩む者。それが判別できる。生前に気にしていたGウィッチへの誹謗中傷問題へののび太の回答であった。『自分の過去が誹謗中傷の元なら、家がエリートの家系と見なされている時代の子孫に転生すればいい』。如何に自分が立身出世しても、止むことが無かった誹謗中傷への解決策。いささか無理矢理かつ唐突感は否めないが、のび太の根本的な思考が窺える。黒江達への誹謗中傷を止める最後の手段が子孫への転生だった。のび太は『ゲッターエンペラーなどの全てを超越したロボットがいるなら、野比のび太がわざわざ戦う必要もない。あいつはモブみたいなもんだろ、チート出来る連中にとっちゃ』という中傷に心を痛め、それを見たはーちゃんが激昂して、キュアフェリーチェになって、メールの送り主をボコボコにしようとしたという。のび太への中傷メールが温厚なはーちゃんを烈火の如く怒らすあたり、はーちゃんがのび太を父親のように慕っているのがよく分かる出来事である。のび太の人間性は生前より高く評価されているように、『人の不幸を悲しむ事の出来る人』である。それは転生しても不変であり、転生を繰り返してきたが故に孤独とも言える立場の黒江達の事を案じ、転生した。のび太が英霊に選ばれた理由はそこにある。無上の無垢な優しさ。それに調は惹かれ、淡い恋心さえ懐いた。はーちゃんは父親のように慕い、のぞみはかつての恋人『ココ』の面影をのび太に見出した。のび太には人たらしの才能がある。それも戦国武将もびっくりなレベルで。23世紀の野比家に飾られている写真に、28歳当時ののび太、のぞみ、りん、はーちゃん、しずか、レイブンズ、調が写る記念写真が残されている。しずかは幼少期のノビスケを抱いている。当時の新生野比家の象徴的な一枚。ダイ・アナザー・デイが終わった直後の記念写真であり、のぞみたちはプリキュア姿だ。その事があったので、りんの記憶喪失はのぞみを激しく動揺させ、はーちゃんは戦線に立つのを望んだ。

「おい、ノビ。お前さんの先祖が送り込んだプリキュアが乗るランチが着艦してきたぞ」

「ありがとうございます。…はーちゃんを迎えに行ってくるよ」

のび太は(仮に、ノビ少尉として、オリジナルののび太と区別する)上官からの知らせで格納庫に向かった。はーちゃんが来たのだ。


――こうして、のび太は転生して、黒江達と同じ立場に立った。それは統合戦争でバダンと勇敢に戦い、時空破断システムの破壊と引き換えに時空の狭間に消えたドラえもんズを出迎えるためでもあった。のび太が転生を選んだもう一つの理由。仮面ライダー達の冬眠を狙って動いたバダン帝国と戦い、相打ちに近い形で散ったドラえもんズの復活を出迎えるため。のび太は最上の友であるドラえもんを出迎えるために舞い戻ったのだ。――



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