短編『コスモタイガーという戦闘機』
(ドラえもん×多重クロス)


※「ドラえもん のび太とスーパーロボット軍団」本編と話が繋がっております。


――地球連邦空軍と宇宙軍が生んだ、守護天使である翼。一式宇宙艦上戦闘機。制式名、コスモタイガーUは日本で育成された軍需産業である南部重工業が新星インダストリー社と組んで、ブラックタイガーを後継する戦闘機として生み出され、その後は長きに渡って地球の翼として君臨した。その開発秘話を少し語ろう。

―2190年代中頃

この当時、ガミラスとの戦いも終焉に近づいていた。宇宙戦艦ヤマトの活躍で本土がその戦争継続能力を失ったガミラスは総統のデスラーが行方不明との報と併せ、各地でその影響力を失い、急速に瓦解していった。だが、尚も地球はガミラス艦隊の定時空襲を受けていた。、当時、ガミラスに正面から対抗可能な戦艦は地球圏には殆どなく、銀河殴りこみ艦隊の旗艦となるはずのヱルトリウムも、アンドロメダもまだ計画開始間もない状況であり、機動兵器でどうにか防衛ラインを守っているという状況であった。


――この時にガミラスに対抗できた唯一の通常戦闘機であり、ヤマトの就役に合わせて配備されたブラックタイガーはヤマトの艦載機、地球防空圏守備用の高高度戦闘機として活躍していたもの、元々対戦闘機用迎撃戦闘機として造られたため、対艦、対爆撃機にはいささか火力不足気味だった。当時、地球連邦軍は最悪の場合、ガミラスとの本土決戦が起こるのを想定して、『決戦兵器』として、当時の最新VFであったVF-11サンダーボルト、ジム系MSの集大成である、RGM-86R『ジムV』の生産を月面都市や宇宙要塞で行なっていた。折しもゼントラーディ軍との戦も重なり、地球はボロボロになってしまった。


――政府は宇宙戦艦ヤマトの帰還を持って、地球自体のテラフォーミングを開始するつもりであるが、一時、地下都市の資源は枯渇寸前。アースノイドが絶滅してしまう危険も迫っていた。だが、ヤマトがガミラス本星を叩いたことで、コロニーや宇宙要塞、資源衛星などからの資源輸送の安全が確保された事で、資源の心配はなくなった。それが再開された事で地球復興計画も考えられるようになっていたが、本土への空襲の危険は未だにあるため、軍は兵器開発を急いでいた。



 

旧東京都下 地下都市 南部重工業

ここ、南部重工業 航空事業部疎開工場では、戦後を睨んだ次期主力戦闘機の開発に名乗りを上げようとしていた。

「これが例の機かね」

「はい、藤堂参謀本部長。これが仮称・一式試艦上戦闘機です」

その機体はブラックタイガーやコスモ・ゼロ、はたまた旧来のコア・ファイター系列の機体とは、一線を画する流麗なフォルムを持っていた。VF-1ほどではないが、20世紀頃の大国のジェット戦闘機にも通じる、航空機らしい姿を持っていた。翼が小型なのが、イスカンダルからのオーバーテクノロジーの恩恵が伺える。当時、参謀本部長の役職にあり、後にそのまま初代軍令部総長ともなる藤堂平九郎大将は試作機の視察に訪れていた。戦闘機開発においては当時、彼が後ろ盾になっていたので、彼に試作機を見せる必要があったのだ。

「これは……まるで昔の米国の戦闘機みたいに美しいな」

「ええ。大昔のF-15とかの設計者の子孫がチームにいたので、胴体部の設計はその影響受けてますね」

「昔ながら……というのかね。むしろこのほうが安心するよ」

「最近はこういうフォルムの戦闘機はめっぽう減りましたからね」

この試作機はSFメカ然とした外見のブラックタイガーと違い、国連時代に使われていたジェット戦闘機のように、航空機らしい胴体を持っている。それが藤堂に受けたのだろう。
もちろん、彼の個人的感情で制式採用が決まるわけではないが、彼が一目見て美しいと行ったのは、それだけ機体が流麗であった証拠だった。では。何故新型機が必要とされたのか?


――ブラックタイガーは元々が戦闘機迎撃用の戦闘機として設計が行われていた。そのため戦闘機を落とすには十分だが、爆撃機迎撃には不十分な火力でしかない。それはヤマトの技師長の真田さんはミサイルの炸薬の高性能化で補ったと聞くが……それとて限界はある。

――技術者達は戦訓から、現有戦力である、ブラックタイガーの火力不足を自覚していた。そのために新型機には新型エンジンの高出力を前提にした新型パルスレーザー砲を搭載すると心に決めた。新型エンジンを積んだら旧来品のパルスレーザーでもでも四割増しの出力が得られたからだ。ガミラス製軍用機を落とすには十分すぎる。艦船にも決定打を与えうる火力だ。そのため実戦部隊側は配備が一向に進まないコスモ・ゼロと、多少旧型になりつつあるブラックタイガーを代換しうる機体として大いに期待していたのだ。






「ブラックタイガーは実戦部隊では、コスモ・ゼロより使い勝手良い機体として人気があった。だが、いかんせん対爆撃機戦には火力不足だったと生前の兄から聞いてます」

「そう言えばあなたのお兄さんも軍のトップエースの一人でしたね」

「ええ。今では私自身が兄の後を継ぎましたがね、ヤマトの艦載機隊長も含め」

――兄貴……生きていればコスモパルサーに真っ先に乗れただろうに。あなたと一緒に飛んでみたかったよ。俺は。

これは、後々にヤマトの三代目コスモタイガー隊の隊長に就任した加藤四郎が探査航海のためヤマトに乗り込む二日ほど前に軍事航空関連雑誌のインタビュー記事の取材に応じた時の一幕である。加藤四郎がコスモタイガー隊の指揮官に就任する頃には、更なる次世代機である、コスモパルサーの実用化に一定の目処がつき、コスモタイガーの退役時期もそろそろ見積もり始められていた。そのため航空関連雑誌ではコスモタイガーに関する特集記事が組まれ始めていたが、それにはその前任機のブラックタイガーの事が外せないが、ブラックタイガーを実戦で運用した経験を持つ古参兵はその頃には殆ど軍におらず、中途半端な記事になる事が多かった。だが、23世紀に入って創刊された新進気鋭の『宇宙航宙ジャーナル』という雑誌は違った。彼等は小さい出版社であったが、傑出した冒険心があった。大手と違い、失敗を恐れない気質を持っていたのである。そのため情熱があり、加藤四郎も彼らの根性に根負けする形で取材に応じたのである。


「加藤中佐、コスモタイガーはどのようにしてブラックタイガーに取って代わったんでしょうか」

「自分も兄の同期の防空部隊の隊員から聞いただけなんですが、試作機時代にこういう事があったそうなんです」

加藤四郎は語り始める。コスモタイガーが主力戦闘機として君臨する一つのきっかけになった一つの出来事を。



――コスモタイガーが試艦上戦闘機として完成し、数カ月のテストが行われ、先行試作の15機が完成した時だった。

「敵新鋭空母来襲!!」

その報が地下都市の地球連邦軍の防空本部に届けられたのは往時なら秋の香りが漂い始める時期の事だった。

これはガミラス側の公式記録には残っていない攻撃であった。軍組織上層部がヤマトによって軒並み崩壊させられたために、中級指揮官が独断で攻撃を行ったと後に結論づけられている。この時に地球を急襲したのは戦闘空母4隻による高速空母部隊であった。DMF-3という名を持つガミラスファイターの他、格闘宇宙戦闘機ゼーアドラーという試作機までも積んでおり、ブラックタイガーは翻弄されていた。

「くそっ!!なんだあの戦闘機は!!ブラックタイガーが歯が立たんだとぉ!?」

ゼーアドラーの宇宙空間での運動性はブラックタイガーを上回っていた。火力で負けているブラックタイガーは運動性で優位を狙うしかなかったが、その運動性は宇宙空間においては敵に完全に負けていた。

「くそ、また喰われた!!」

上方からガミラス機のパルスレーザーの掃射を浴びたブラックタイガーが空中分解するように墜落していく。20ミリにある程度耐えられる構造を持つブラックタイガーを細切れのようにぶち抜く事から、30ミリ砲以上の大口径砲を複数備えているのは間違いないだろう。

――くそ、やっぱりガミラスはブラックタイガーを超える戦闘機を作ってきたか!!まあ予想はしていたが……。こうも自分が味わう事になるとはな……

この時、ガミラスと交戦していたブラックタイガー隊は旧米空軍系の部隊で、練度そのものは熟練されているのだが、ブラックタイガーの性能限界が把握されているらしく、敵はコスモ・ゼロにも対抗可能と思われる旋回半径の小ささと大火力で圧倒していく。防空本部でもこの戦闘の模様は危機感を以て伝えられており、ブラックタイガーより性能に優れる機体はないのかと紛糾していた。

「サンダーボルトは発進できないのか!!」

「要塞からでは間に合いませんよ!!」

「ではどうしようというのだ!!旧型でも試作機でも何でも良い、スクランブルさせるんだ!!」

「んなムチャクチャな!!」


当時の参謀長は試作機でもスクランブルさせろとムチャクチャを言う。だが、現有の一線機が歯が立たない以上、わからないわけではない。

「参謀長、南部重工業に連絡を取り給え。一個飛行中隊分だが、実戦装備が整った試作機があるはずだ」

「はい!」

参謀長は勇んで南部重工業へ電話をかける。これは藤堂の参謀長への助け船であった。これは仮称一式試艦上戦闘機の実戦テストも兼ねての思惑も含まれていた。





――そして、南部重工業の工場にそれはあった。

「遂にコイツの出番か……」

「ええ。試作段階で早くも実戦とは……。藤堂閣下も無茶をしておられる」

軍から派遣されていたベテランのテストパイロット達は自身らが手塩にかけて育てていた機体が試作段階で初陣を迎える事に複雑な思いを浮かべていた。

――危急存亡の事態だからしょうがないが、本当なら、もっと熟成させてから出してやりたかったな……。ガミラスめ……人の事情も考えやがれ!

テストパイロットとしては、まだまだ洗い直す箇所も多い試作機を実戦に出すのは忍びない。だが、モビルスーツのRX-78以来、試作機でも実戦に出すのが軍内で不文律になってしまっている。それ故にこの機体も取り敢えず、ブラックタイガーのモノを改造したパルスレーザー砲を取り敢えず取り付けてある。本来予定されていた新型ではないのは新型パルスレーザーのウェポンテスト前故だが、いささか心寂しい。

「でもアビオニクスとか機体バランス確認にはちょうどいい機会ですぜ、大佐」

「わかっとる。全員、こんな事で死ぬなよ」

「了解!」

テストパイロット達は試作機(コスモタイガーT)に乗り込み、エンジンを起動させる。真新しい機体が格納庫から滑り出し、ブラックタイガー以上に高推力を発揮。ノンオプションで大気圏を離脱するという、通常戦闘機として、当時としては離れ業を見せて戦場に馳せ参じた。ちなみにこの時の試作機は後に制式採用され、量産配備された仕様とは多少違いがあり、高機動用バーニアの数が無駄に多い、操縦に対する反応速度が後の量産機よりも高い水準でアビオニクスに設定されているなど、ベテランパイロット好みのセッティングがなされていた。そのため、機動性及び運動性においては後の制式量産型よりも優れた性能を持っていた。ある意味では、『じゃじゃ馬』と言えた。

――この感覚だ。航宙戦闘機が一時、廃れてた時周りからバカにされたっけな。時代遅れだとか。だが、VFやブラックタイガーが登場したおかげで航空機は再び花形に返り咲いた。空は飛行機のモノだという事を教えてやるよ!!


コスモタイガーTの先頭を行く隊長機のパイロットはそう独白した。彼はモビルスーツなどの人型機動兵器が跳梁跋扈するようになる以前からパイロットとしての経歴を持つ古参。それ故に航空関連への愛着は物凄かった。そして一時、人型ロボットが重視され、空軍が『税金対策』と揶揄された暗黒期を経て再興を迎え、今では往時同様に敵国機に対しての防空任務の責務を負えるようになった。そのために一時は地に落ちた空軍の規律も立ち直り、質のいい兵士を宇宙軍に取られる事も少なくなったのだ。

『待たせたな!!後は俺達に任せろ!!』

と、無電でそう意気込む彼等コスモタイガー隊。厳密に言えば彼等が、コスモタイガー系で統一された初の飛行隊ということになるのだろう。塗装は後の初期・後期制式塗装とは違い、20世紀の頃の米軍機を想起させる灰色のカラーリング。尾翼に試作機である事を示すマーキングが施されているのも識別確認のためである。彼等はミノフスキー粒子を巧みに利用し、敵上方からパルスレーザーの掃射をを浴びせる形で奇襲した。

「イーーヤッホウ!!真打ち登場!!」

「俺達が来たからにはてめえらのかってにはさせねえぜ!」


割と若いパイロットらは悪ふざけとも、敵に対する悪態とも取れる言葉を叫びながら機を操る。コスモタイガーは速力・宇宙空間での機動性は完全に現有機を上回っており、ブラックタイガーなら避けきれないタイミングでの機銃掃射にも機体各部の高機動用バーニアを併用した回避運動で対応できた。装甲の頑丈さもエンジン出力の増大によって向上。乗員の生存性も上がっているのをパイロット達は自らの手で確認していた。


――そしてゼーアドラーや旧来のガミラス機は今度は逆にコスモタイガーに翻弄され、撃墜数を見る見るうちに増やしていく。


「そこだ!!」

翼内、機首に備えられたパルスレーザーと実体弾機銃が絶好のタイミングで火を吹き、ゼーアドラーを蜂の巣にしていく。コスモタイガーの機銃配置設計は成功だ。

――この火力……重戦闘機って感じでいいぜぇ。ご先祖が乗ってたP-47やF6Fみたいだぜ!!


コスモタイガーは試作段階の頃から新コスモタイガーに至るまで、機銃の配備の仕方は同じである。機銃口径の大きさに差がある程度だが、用兵側に威力の差はあまり気にされず、むしろブラックタイガーより飛躍的に増大した総合火力を褒め称える声が多く聞かれた。そのため、この戦闘でも火力増大は歓びをもって迎えられ、敵のガミラス側からは、

「地球の新型重戦闘機だ!!」、

「なんて火力だ!!このゼーアドラーが一撃で!?」

……と、重戦闘機という懐かしい表現を以て驚嘆された。そして地球連邦軍防空本部では、いいぞ、すぐに制式採用を!!という歓声が上がったという。

「元々、30ミリパルスレーザー砲の被弾に耐えられるように装甲厚を当初の予定よりかさ上げしたと聞いてたが、機動性に支障はない。
これは正解だったようだな。技術屋もいい仕事するもんだと思ったよ」

これはこの時にテストパイロットの一人として参加し、白色彗星帝国との戦いの後に戦技学校の教官となった当時大尉、後に中佐が、前任者の坂本茂に代わって、加藤がヤマトの三代目コスモタイガー隊長に就任が内定した時期に、戦技学校で改めて鍛え直されていた彼に語った言葉であると告げる。

「ガトランティスとの戦争の後は一時、新人を育成できるベテランが一気に減少したといいますが、そこまでだったのですか」

「ええ。第一線にいるベテラン勢はガトランティスとの開戦時の半分以下。兄を含めたヤマトの航空隊も生きて帰れたのは20人かそこら程度でした。あの戦いで教官を務められる技量持ちが大勢死んでしまった事で、戦後に教官レベルが目に見えて不足したんです」

「それで坂本大佐のような若手を早期に実戦に出して促成するという無茶がまかり通ったんですね」

「ええ。まあ、あの時はそうするしかなかったというのが用兵側の実情ですね。結果的には若手の平均技量はガトランティスの時よりむしろ上がりましたから、いいとも言えるし、悪いとも言えます」

――おかげで士官学校から間がそんなに間がない俺達世代が今じゃ、中堅扱いされてるけどな。古代艦長に至っては大ベテランだ。俺たちまだ20代前半か、中頃だっつーの!

加藤四郎は士官学校卒業から間もないはずの自分たち世代が第一線の搭乗員を担っている事を心の中でボヤいていた。古代たちの世代に至っては艦の幹部を任せられている。20代で幹部級など、往時ならとても考えられない事だ。しかし、立て続けの戦争は30,40代の中堅所、50代以降の年齢の幹部を櫛の歯が欠けるように連邦軍から失わせた。結果的には若手が主導権を握った事で有事への即応性は一年戦争開戦前より遥かに上がったという良い側面もある。どっちがいいのかは後世の歴史家が判断を下してくれる。





「で……その後、コスモタイガーはどうなったんですか」

「戦果自体は大戦果だったらしいんです。すぐ後にほぼそのままの仕様でブラックタイガーの生産ラインを改装してエース用に生産して局地戦闘機として使われましたから。問題は、制式採用されてしばらくたって、いよいよ本格配備っていうところで起こったんです」

「ああ、操縦性ですね?」

「そう。新兵には扱い切れないピーキな機体なんで、そのままだと本格配備には向かない事が分かったんです。で、機体の細かい変更とかの操縦性の向上、30ミリパルスレーザー砲を装備、ミサイル搭載数を増やして総合性能バランスを取ったタイプが造られて、そっちが制式量産されたんです。原型と区別つけるために、Uってつけて、生産された。現場じゃ、単にひっくるめてコスモタイガーって呼んでるんですけどね」

「それでコスモタイガーのタイプはプロトタイプそのままのタイプ、前期型、後期型、三座型、爆撃型になったんですね」

「そうです。三座型は最近は100式探索艇の代わりに偵察機・早期警戒機代わりに運用されて、戦闘任務からは退きました。戦闘機としての決定版の新コスモタイガーが造られましたから」

コスモタイガーの主な生産タイプの移り変わりを簡単に記者に説明する加藤四郎。コスモタイガーは三座型以外、見かけは殆ど同じなために素人はおろか、兵士でも間違える事が多い。そのため戦闘機として運用されるタイプは塗装が変更されたと説明する。

「それで塗装が変わったんですか」

「ええ。昔の戦闘機みたいに装備の違いで見分けられるようにはなってなかったのが大きいんです。今は標準仕様でほとんどの任務をこなせますからね」

記者はこうした、実働部隊の人間に対してのインタビューと、資料で記事を作っていった。この時期、軍事マニアやミリオタと称される人種の間ではブラックタイガーとコスモタイガーUとのミッシングリンクの謎が取り沙汰されており、議論を読んでいた。宇宙航宙ジャーナルはこの話題を創刊後初の目玉企画とし、発行部数を創刊時の3倍にしようと意気軒昂であった。

「なぁ……この企画、どういうタイトルにする?」

「名機『コスモタイガ』ーとブラックタイガーのミッシングリンクとか」

「ありきたりだなぁ。もっと良いタイトルないのかよ」

「どうせなら新型機とも絡ませてみたら」

「噂のあれか……いいね」

この時期にはコスモタイガーの後継機開発は進行し、その様子もある程度一般に情報開示されていた。彼等はその内の最新状況を大まかに書き、記事のあとがきにこうまとめた。

「コスモタイガーは幾多の戦乱で地球を守ったが、近々その後継者が出現する。名高い名機は静かにその終焉への道を歩き出したのかもしれない」

コスモタイガーは静かに、一線の軍用機としての後半生に突入しようとしていた。時に2204年頃の事である。地球連邦軍の守護天使の代替わりが起こる少し前の出来事であった。



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