短編『エアポート2003(?)』
(ドラえもん×多重クロス)



――のび太の時代、現地で活動中の黒江はのび太の両親への方便も兼ねて、防衛大学校を受験。見事に合格した。元々が本職の軍人である故、防衛大学校の講義は『21世紀以後の軍事学の発達を詳しく身につける』ためのものである感があったが、在校中は優秀な成績を修めた。入校当時は戦闘機への女性自衛官の搭乗は許されていなかったが、学園都市で既に、女性パイロットがいる事を鑑みた当時の内閣が当時の防衛庁へ極秘通達を出し、優秀な成績を修めており、尚且つ類まれな才能を持つ候補生である黒江を『広告塔』に活用する事を画策した。黒江は本職の軍人である都合上、この動きを逆に利用し、なのはの地球よりも13年以上早い段階で、自衛隊の戦闘機乗りの門戸を開かせる事に成功し、のび太が中学校入学後の2002年には、女性自衛官初戦闘機パイロットとして配属され、三尉へ任官された。それからおよそ1年後のある夏。


――2003年頃のお盆近く

黒江は航空自衛官としての初任地『百里基地』で勤務していた。第305飛行隊内では、その腕から『空自始まって以来の逸材』と期待されていた。これは故郷の世界で入隊したなのはとも共通していた。この時期には、日本政府と防衛庁に、時空管理局が地球連邦と協力し、政府内部に潜り込んでいる関係者を通して、黒江の素性を通達しており、防衛庁内部では『なんで今更、旧軍人が入隊してきたんだ!?それも佐官級の!しかも別世界だと!?』とパニック状態であった。『旧軍の航空士官学校出なら、防衛大学校に再入学する必要無かったやん……』と溜息をつく高官ら。しかも佐官級であったなら、相応の待遇が必要になってくる。防衛庁のある背広組の高官は『21世紀だというのに、旧陸軍の将校なんて、時代錯誤にすぎる』と溜息をつき、黒江についてのファイルを閲覧しつつ、疎んじるように顔写真を睨んだという。


「姐さん、今日の訓練ですが……」

「何、どれどれ」

黒江は既に階級を超えて、第305飛行隊を完全に仕切っていた。部内で『防大時代に、OBとOGさえも言うこと聞かせていた』、『成績も優秀であり、教官らも唸る論文を書いていた』などの防大での武勇伝、更に百里基地司令が黒江の『正体』を知れる立場にあったため、新米の三尉のはずの黒江が場を仕切る事を黙認し、部隊幹部らへ『それ』を教えた事で、同部隊は黒江の着任から一年で、練度が急激に上昇していた。部隊内では童顔でありながらも、武人的雰囲気も感じさせるため、『姐さん』の通称で通っていた。

「姐さんはチャーマーにならないんですか?」

「訓練受けようとは思うんだけど、前に本家のほうをシミュレータで動かしたら手こずってな」

「意外ですね。姐さん、イーグルドライバーとして一流じゃないですか」

「ダイレクト感がないから、どうにも感覚が掴みにくいんだよなぁ、バイパーは。動かしやすいことは動かしやすいんだが」

当時の最新鋭機『F-2』に手こずっている様に同僚から意外そうに言われる黒江。当時、既にF-15を手足のごとく操っているのにも関わず、F-2に手こずるのは意外であるらしい。

「姐さん、うちも戦技競技会にエントリーするんでしょう?」

「おう。私の実力を背広組に見せられる、いい機会だ。他の連中たぁ、レベルが違うってのを見せてやるぞ」

航空自衛隊で毎年、あるいは数年に一度の割合(21世紀以後は開かれない年も多くなった)で開かれる戦技競技会。黒江は背広組へのアピールとばかりに、部隊を鍛えており、元々幾度もの優勝経験がある同隊は、飛行教導群が真っ青になる水準に達していた。その日までに飛行教導群の指導があったのだが、黒江は諢名である『魔のクロエ』の通りの強さを見せた。


「なんだこいつ、動きがそこらのイーグルドライバーとは全く違う!」

「馬鹿な、任官間もないペーペーだと聞いてるぞ!?それがこの空戦機動だと!?」

黒江はF-15の性能を完全に引き出し、アビオニクスに頼りがちである時代のパイロットらを圧倒した。元々が巴戦で最強を誇った扶桑軍の更に精鋭部隊の先任中隊長である都合上、G耐性も並のパイロットが及ばない水準であり、更に未来世界でVF-19Aを自家用機代わりに乗り回してる事もあり、航空自衛隊飛行教導群のパイロットと云えど、度肝を抜かれるほどの鋭い空戦機動を取れるのだ。

「レーダーで捕捉はできているんだろう?」

「ああ。だが、あいつは魔法でも使っているかのように、目の前から消えやがる。まるで昔の大戦序盤の零戦のように……」

「クソ、飛行教導群の俺達がこうも圧倒されるなんて……!」

彼らは黒江が実戦で鍛え上げた戦技の手のひらで踊らされていた。黒江は横滑り機動を多用し、相手の視界から急に消えたように錯覚させ、そこから急上昇し、背後を取り返すという、黒江的には『軽いジャブ』をかます。

(まあ、この程度は移動管制で解析できるだろう。あれは無理だろうけどな♪)

黒江には、イサム・ダイソンから教わっておいた秘技『竜鳥飛び』がある。やり方としては、エンジンアイドルと同時にエアブレーキと機首下げ、エアブレーキ解除、同時に機首上げで向かえ角調整しながら追跡側の腹を狙いに行くというもので、高度な操縦技能、機体性能と失速に強い飛行特性が要求される。先程の機動に対応してきたのを見計らって、それを実行した。

「スロットルオフ……必殺、竜鳥飛び!二番機、奴さんのバディを抑えてろよ」

「ラジャー!」

黒江の必殺機動。風にのる飛び方であり、未来世界でも、イサム・ダイソンを始めとする極少数のエースしか実行不能な技である。20世紀中に造られたジェット戦闘機の中でも、飛行特性が良好なイーグルで最低限の実行が可能であるこの動き、飛行教導群の地上の管制員も度肝を抜かれた。

「あそこでエアブレーキを使うだと!?馬鹿な、失速するぞ!」

驚愕しきり、声で指示を出すのも忘れるくらいの機動に、誰もが目を奪われる。そして、その隙に撃墜判定を出す。

(飛行教導群相手に、初見で撃墜判定を出したのは、私が最初だろうな。多分、教導群の幹部の首が一個か二個、飛ぶだろう。それで近いうちに引き抜きにかかるだろう。『正体』は背広組には知られているだろうし)

黒江は実戦経験者である。二次大戦の生き残りが多数勤務していた、黎明期の頃はいざ知らず、この時代の自衛隊は実戦経験が皆無だ。それが意表を突いた機動へのとっさの対応力の差となって現れたのである。黒江のこの機動は教導群を唸らせ、歴史的に言えば、この時が『竜鳥飛び』の起源の一つになるのであった。





――その数日後、お盆休みで、観光旅行のため、関西国際空港まで飛行機に搭乗していたのだが……。

――羽田からの出発から30分ほど経過した時であった。


(ん、キャビンアテンダント達が慌ただしく動いてる。……あの顔色、尋常じゃないな。聞き出してみるか)

黒江は身分を明かし、キャビンアテンダントのチーフから事情を聞き出した。話を聞くと、機長が心臓発作で死亡、副機長は遺書を書いて、薬を大量に飲んで自殺したという、70年代に流行ったパニック映画さながらの危うい状況に陥っていた。戦闘機搭乗員である事から、とりあえず操縦席に座り、目的地の空港の管制塔と通信を取る。航空通信は英語で会話を交わすのが通例なので、英語で話す。

「あー、関空の管制塔ですか?機内でトラブルがありまして、機長と副機長が亡くなりました。今は乗客の私が操縦してます」

「機長と副機長が亡くなった!?原因はなんなのですか?」

「機長は突然の心疾患の発病、副機長は自殺です。遺書を見ると、医者から癌の宣告をされたのを悲観しての自殺だそうで。傍迷惑な話ですが」

「そうですか。あなたの氏名は?」

「黒江綾香。航空自衛隊の戦闘機搭乗員で、階級は三尉です。今は私が操縦してます。職業柄、戦闘機の操縦なら手馴れてるんですが、3つ以上のエンジン積んでる大型機はシミュレータでしか経験がないもので。」

「分かりました。周波数はこのままで。計器の見方や機器の操作は分かりますか?」

「シミュレータで数回ほどは動かしてるんで、見方は分かります」

「何か分からないことがあれば、遠慮無く。幸運を」

「ありがとうございます」

通信を終えると、様子を確認するために、操縦室内にいたキャビンアテンダント達から羨望の眼差しで見られている事に気づく。自分達と同じ女性が苦もなく、飛行機を操っているのが凄いことに感じるからだろう。

(確か……日本政府の公式記録だと、女性が旅客機のパイロットになり始めたのは1997年くらいだったはず。この時代だと、10人いるかいないかだっけ?私が動かすのを物珍しそうに見るはずだ)


日本は江戸期からの良妻賢母的風潮が戦後になっても続いていた為、戦闘機・戦車・軍艦の機長・車長・艦長のポストに女性がつき始めるのは、2010年代が後半に入る頃であり、諸外国に比べて『遅れている』。旧ソビエト連邦が第二次大戦中に、二人の偉大な女性撃墜王を輩出していたのに比べ、半世紀以上も出遅れている。『自分の存在が広告塔にされるわけだ』と考える。

「皆さんは乗客を落ち着かせてください。私は航空会社のエマージェンシーパイロットと交信があるので」

黒江はキャビンアテンダントを追っ払うと、航空会社別に待機している緊急補助要員のパイロットからの交信に返事を返す。計器の読み上げ、速度、進路の誘導、修正などをし終える。

「ふう。大型機って大変なんですね、操縦」

「これでも、80年代以前よりは楽になった方ですよ。昔はアナログ計器でしたから。今はデジタル化進んでるので、見やすくなりました。操縦に当たって、注意することは、こいつは戦闘機とは違って、動きは鈍いですし、ラフな操縦をすれば失速する乗り物です。慎重に扱って」

「分かりました。普段、戦闘機乗り回してると、どうもラフな操作しがちで」

「そうですか。そうだ、あなたはモーグラの経験はありますか?」

「防大時代に、部活で経験があります」

「では、そのつもりで。戦闘機のつもりで旅客機を動かすと墜落しますから、でかいモーグラと思ってください」

「分かりました。はぁ……、大変だ」

「そのうち慣れますよ。民間に転職したら役に立ちますよ、今回の経験は」

「確かに」

黒江は旅客機を操り、関西国際空港への進路を進ませる。戦闘機を乗り回している身としては、旅客機の慎重に慎重を期する操縦は神経を使うらしく、様子を伺いに来たチーフキャビンアテンダントに飲み物を頼む。カフェラテだ。

「はい、カフェラテです」

「どうもありがとう」

「汗が出てますね?」

「普段は身軽な戦闘機に乗ってますから。お客さんを大勢乗せた旅客機となると、気が張っちゃって」

「最近のはコンピュータがばっちり補正してくれますから、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。もっと楽になさって」

「はぁ。どうもすみません」

正確にはこの時代、戦闘機も自動発艦や自動着艦が可能になり始めていた。しかし、23世紀には、ミノフスキー粒子の台頭で、電子機器の誤作動もそれなりに多いため、コスモタイガーなどの発艦・着艦は半分、マニュアルで行う場合が多かった。その常識があるため、そのことを失念していたのだ。

(あ、そうか。この時代はミノフスキー粒子が影も形もないから、オートパイロットも併用されてたんだ!やべ、すっかり忘れてた!あれがあると、操縦環境、第二次大戦後半のレベルになるから、オートパイロットを使うって考えが無かった!それに自衛隊でも、フェリー飛行でしかオートパイロット使わないからなぁ)

目的地まであと40分ほど。おおよそ30分はゆっくりできるので、オートパイロットを改めて入れ、改めてもう一回、周囲の計器を確認する。

(天候は良好、30分くらいは落ち着けるな。この間に着陸関連の機器を確認しとくか)


天候は安定しており、あとは着陸のみ。ようやく神経を落ち着かせるのであった。



――30分後、エマージェンシーパイロットの言う通りにコクピットの機器を操作し、関西国際空港へ進入する。この時代にもなれば、オートパイロットに着陸までの動作をある程度任せるのは可能だが、黒江はいい機会とばかりに、マニュアルで行った。

「あとはブレーキと逆噴射の手順を再確認っと……。逆噴射って言うと、昔の事故を思い出しますよ。親から事故の事を聞いているので」

「ああ、あの350便の。80年代はウチにとってふんだり蹴ったりでした。その二、三年後にはあの大事故でしたから」

「確かに」

日本の歴史で記憶に残る、80年代の二大航空事故の事はこの旅客機を運用する航空会社にとって、拭えない悪夢である。前者は機長の精神の病で墜落させたが、後者は製造会社の修理ミスが一因で起こった不可抗力の事故だが、日本最大手の航空会社のはずだった同社は一気に経営が悪化したのだ。

「今は大丈夫なんですか?」

「ええ。機体も改修されたり、年式が入れ替わったりしてるんで、ヒューマンエラーや、落雷、ソフトウェアのバグでもない限りは墜落しませんよ」

「なるほど」

――機体は関西国際空港の滑走路近くの上空入る。管制塔の許可を得、着陸態勢に入る。大型機なので、停止に必要な滑走距離は小型機に比べると、必然的に大きいので、車輪ブレーキと逆噴射を併用して着陸させる。

「ふう……なんとか着陸した」

「ご苦労さまです」

「大型機ってのは気を使いますね」

「慣れれば、オートパイロットも航程で使える分、戦闘機より楽ですよ。では、また機会があれば」

「ええ。ありがとうございました」

その一言で交信を終え、機から降りる。関西への観光旅行で、いきなりのトラブルであったが、どうにか切り抜けた。機を降り、荷物に入れていた携帯電話で野比家に連絡を取る。当時はのび太も中学生に進級し、更なるステップの高校の受験を控えていた時勢だが、未だドラえもんは滞在しており、ドラえもんが電話に出た。

「おう、ドラえもんか?私だ。のび太のやつはどうしてる?」

「ママに言われて、図書館で受験勉強中ですよ」

「そうか。たしか高校まではストレートに行けるんだろ?」

「ええ、ものの弾みで。ただ、大学は一浪しますが」

「お前はいつまでいるんだ?気になったんだが」

「のび太くんが大学を出るまではいます。あと7、8年くらいかな」

「そうなると、お前は何年いた事になるんだ?」

「今年で5年目だから、通算で12年ですね」

「と、なると、あいつが10歳頃に『来た』ってことか?」

「ええ。加東中佐が喜びそうなネタはたんまりあるんで、今度、レポートにして渡します。加東中佐、喜びますよ」

「おお、そりゃサンキュー。お、そうだ。前に、昔の自分に会った時、自分に発破をかけるつもりで言ったら、あとで自分が本当に黄金聖闘士になっちまった。ある意味、初志貫徹なのか?これ」

「ですよ。今じゃ山羊座の黄金聖闘士でしょ?中佐。初志貫徹してるじゃないですか」

「あの時はそういうつもりで言ったんじゃないけど、まっ、いいか」

「『あの時』の様子、坂本の奴が見たがってたから、あいつが来たら見させてやれ。時の流れが統合されるときに記憶が改変されてるらしくて、記録と記憶の差に戸惑ってたからな」

「分かりました。暴れましたねぇ。カイザーブレードや真ゲッタートマホーク振り回して無双するなんて。そりゃ坂本少佐が戸惑いますって」

「私も、あいつらのあれは予想外でさ。特にカイザーブレードを穴拭の奴が召喚した時なんて、その場にいた連中全員、目が点になってたぞ」

「少佐のことが心配なんですか?」

「ああ。宮藤の奴から聞いたんだが、坂本の奴、ロマーニャの決戦の時、『ウィッチの向こう側の世界へ…』ってうわ言言ったらしいんだ。あいつは私達が見せた『強さ』に純朴に憧れてた節があるんだが、あいつ、抱え込む癖があるからな」

「と言うと?」

「アイツは記憶と記録が噛み合わなくなった自分を『私はおかしくなったのか?』って考え込んで、誰にも相談しないような一本気な性格なんだよ。それにウィッチに不可能はないって、日頃からの口癖だったらしいからな。その拠り所にしてた記憶の実際が、『機械仕掛けの神の力を借りた』ものであって、ウィッチとしての力でないって分かれば、ショックが大きすぎて、誰にも言えないだろうからな」

「でしょうね」

「ああ。みんな心配してるんだよ、そこ」

――黒江は坂本を案じていた。過去の改変が結果的に、坂本の人生に影響を強く与えたと言うのは誤算であり、時たま、ウィッチ万能主義的言動を取ってしまうようになって、青年期以後、周囲との衝突の原因になったという事を、芳佳から聞いた一言で悟ったのだ。

「坂本の奴の本音を聞き出すため、お前から正直太郎でも借りようかな?」

「正直電波の方を勧めますよ。あれの最終型なら自発的に喋らせるんで」

「分かった。そんじゃ、これから急いで、神戸とかに行くから、電話切るぞ〜レポートは百里基地の宿舎にでも送っといてくれ」

ドラえもん達が繰り広げた、幾度もの冒険のレポートは、空軍三羽烏も大興奮な代物であった。中学生となった後も、休みの度に繰り広げていた。この会話の数日後に、黒江のもとに送られたレポートは『ドラビアンナイト』という題目で、小学5年の夏に行った、西暦794年。当時のアラブはバクダットを統治していたアッバース朝の都『バクダット』などを冒険した回想で、そこでドラえもん達が貿易商に扮し、偶然にも、当時のアッバース朝カリフ『ハールーン・アッラシード』王に助けられ、貿易商に扮して謁見。王宮に滞在した事などが記されていた。黒江は後日、ドラえもんのこのレポートを圭子に渡した。すると、圭子は大興奮。急に本の執筆意欲が出たらしく、『冒険ものの小説でも書こうかな』と言いだした。


「ねぇ、黒江ちゃん!今度、ドラえもん達の冒険があったら、無理矢理にでもついていくわよ!」

「はぁ!?何言ってるんだよ、ヒガシぃ……」

圭子のあまりの興奮ぶりに、黒江は閉口した。しょうがないので、二人でこの年の秋の休みに、ドラえもん達が行った冒険に無理矢理、引率の名目で参加したとか。


――ちょうどこの日、巷でも、バクダットで発掘されたアッバース朝時代の記録に、『唐よりも東の果てにある国からの貿易商がバクダットを訪れ、ラシード陛下に謁見した』との記述がある事がニュースとなり、歴史学会を賑わしていた。当時の日本は奈良時代から平安時代に移り変わっていく頃であり、大和朝廷も、外国は大陸沿岸部に領土を持っていた唐などの東アジアの国々や、既に滅んだローマ帝国を知る程度の認識でしか無かったはずで、それがどうして、いくら当時は絶頂にあったとは言え、遥か彼方のアッバース朝に日本人がいたのか。歴史家は悩みに悩むが、実際はドラえもん達が冒険の際に訪れただけであるので、いささか事実は歴史家にとっては落胆間違いなしであるのは間違いないだろう。


「さて、手短に観光すまそ。お盆休みは4日から5日しか無いしな」

空港を出て、タクシーを拾って大阪中心地へ向かう。航空自衛隊員としての表向きの身分を得た黒江は、のび太の生きる時代の若者としての生活を送っていくのであった。



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