外伝その32


――1945年8月、世界に衝撃が走った。リベリオン合衆国がティターンズの前に膝を屈したのだ。これは核攻撃と戦略爆撃に恐怖した州議会が反戦世論や煽動された有色人種の暴動に膝を屈し、独自に降伏を次々に決議。主力軍が遠征中のリベリオン軍にティターンズを止める術がないのを悲観しての決議であった。トルーマン大統領は直ちにこれをより上位の議決権を持つ連邦議会において否決しようとするが……。


「ハリー・S・トルーマン大統領、あなたをティターンズの名において拘束させていただく。同時に通告する。連邦議会があなたの罷免を議決し、ただ今を以って大統領職は解かれた」

「何だと!?ど、どういうことだ!は、離せ!」


トルーマンはあくまで徹底抗戦の意志を固めており、その趣旨の演説を何度か行っていたが、その他の人々が反戦に傾き、ティターンズの巧妙な諜報活動で有色人種の暴動や反戦運動を誘発させられた現状では政治家たちにとって、主戦派のトルーマンは邪魔な存在でしかなかった。これによりティターンズの先端科学でネウロイを放逐し、これ以上の災厄を避けたかった一派が議会で主導権を握り、遂にはトルーマンを解任してしまう。ホワイトハウスで起こったこの政変は直ちに現地基地にいたダグラス・マッカーサーがモールス信号で連邦軍へ打電、そこからさらに各地のウィッチへ伝えられた。







――501基地

「リベリオン議会がティターンズへの降伏を決議した!?そんな……トルーマン大統領は……!?」

「議会の連中は核攻撃と戦略爆撃で肝を潰し、更にティターンズの諜報活動でここ最近は有色人種の暴動が多発している。議会とティターンズは主戦派のトルーマン大統領を解任させ、リベリオンをティターンズ領にして安全を図りたいんだろうよ」

「マッカーサー閣下、あなたはどうなさるのです」

「遠征軍はアイクとニミッツがどうにかするだろう。参謀総長への打診を受けているから、私は敵の中枢に潜り込んでみる。何、私は向こうにとっては使える軍人だそうだからな」

マッカーサーは本国召還中にこの政変に遭遇したようで、陸軍参謀総長への就任を打診されていると話す。敢えて話を受けることで中枢に潜り込むつもりのようだ。

「遠征軍に帰還命令が出されたが、傀儡政権に反発する軍人は山ほどいる。アイクとニミッツが動いているので、大丈夫だ。シャーロット大尉の身柄は君たちに預けるよ」

マッカーサーは面従腹背の要領でティターンズと戦うつもりのようだ。更に遠征軍の帰還命令は発しられたが、アイゼンハワーとニミッツが黙殺することを示唆する。シャーリーの身柄を501に預けるという裁量が彼が501へ残した最後のメッセージとなった。



因みに軍需産業分野は自分たちの儲けが少なくなるという観点から、反ティターンズ色が濃いために本国以外の工場などは連邦軍へ協力を維持、重要兵器は地球連邦が制空権を獲得した欧州へ運ばれた上で開発が継続されたが、建造中の軍艦や航空・陸戦兵器関連生産ラインが抑えられたため、各国は兵站で多大な苦労を強いられることになったという。地球連邦軍もこの事件に狼狽し、リベリオン奪回作戦の立案を急ぎ行うことにし、全ての準備が整う1946年6月を決行の目処としたという。









――リベリオン合衆国がティターンズに屈した。これは各国にとって重大な極秘事項として扱われた。戦線への資源供給が大きく減ってしまうからだ。ドワイト・アイゼンハワー大将とチェスター・ニミッツ大将はこの政変にいち早く対応。『傀儡政権に従う余地はない』と声明を発表し、遠征軍の指揮下にあった太西洋艦隊の一部と太平洋艦隊主力の三分の一、欧州及びアフリカ派遣軍(陸空軍)をレジスタンス化させた。傀儡政権はティターンズの意向に従い、この軍主力の大手振っての離脱を敢えて静観した。ティターンズ内にもウィッチへ覚醒した若年兵が複数出ていたし、ティターンズに賛同したウィッチも少なからずいたからだ。





ティターンズ残党軍本部 執務室

「ふむ……志願者の教育は上手く行っているな?」

「はい、閣下。三個航空大隊と陸戦部隊が実働状態に入りました。使用機材のベアキャットとパーシングを生産ラインに乗せましたし、安定供給も可能になりましょう」

それはティターンズがリベリオン国内のグラマー社(未来世界で存在したノースロップ・グラマン・コーポレーション相当)の空戦ストライカーユニットの試作機と技術者、工場施設を手に入れ、陸戦型ストライカーユニット共々、自軍へ供給させ始めた事の表れであった。彼等は“志願者”のうち優秀な素養を持つ者を優先配属させた直轄の教導部隊を編成した。その中には捕虜となっていた扶桑軍人も複数含まれていた。

「ふむ、人員は多国籍だな?」

「各地で捕虜とした者も複数含まれていますので……。第二中隊には日系人を多く回しておりますが、中でも中隊長の佐々木勇子は腕はピカイチです。飛行50戦隊三羽烏の一角だったと本人が自負していますから」

「思い出した。此方側にもいたな…。佐々木と言うことは“腕の佐々木”か。面白い人材を手に入れたな」

副官からの報告にアレクセイは笑みを浮かべる。彼等が編成したウィッチ部隊に精鋭と評されるウィッチがいたのだから。そのウィッチの名は佐々木勇子。穴拭智子の同期で、智子がいらん子中隊を離れた後の“最後の奉公”の地であった飛行第50戦隊の誇った撃墜王。当時の智子が運で生き延びていたのを差して、“運の穴拭”と言われたのに対し、佐々木はその腕で戦果をあげていた為に“腕の佐々木”と言われていた。戦隊一の度胸の持ち主の下川幸子が“度胸の下川”なので、三人合わせて『50戦隊三羽烏』と言われていた。その彼女がティターンズ側の人間となったのか?理由は一つであった。

「何故、彼女は我々の側に志願したのだね?」

「“元同僚と戦ってみたかったから”だそうです。まったく、日本人の考えることは理解出来ませんな」

「サムライの性分という奴だろう。1000年近く殺し合いを続けてきた島国の連中にしかわからん何かがあるのだろうな。そんな野蛮人共に我々の先祖は奴らに敗れたではないか」

「確かに」


アレクセイは旧ロマノフ王朝の血を薄くであるが受け継いでいる出自の男だ。それ故に騎士道精神があるが、東洋の武士道については理解しかねる趣旨の発言をし、同時に先祖らが日露戦争で辛酸を嘗めた事を根に持っているようだ。副官もそれに同意する。彼等が目指すのは何であろうか。アレクセイ自身の先祖に当たるロマノフ王朝が存続し、人々が存命しているこの世界をジャミトフ・ハイマンの理想のとおりに変革させたいのか。それとも……。
























――アフリカ戦線に滞在するフェイトは現地で半年間、戦いを続けていた。現地の隊長代理であるマルセイユの要請もあって、動乱のミッドチルダには戻らずに滞在期間を延長していたが、そこに司令部から直々に要請が下った。

「フェイト、ウチの司令部から直々の要請がお前に下った。欧州へ飛んでほしいとの事だ」

「ヨーロッパに?何でですか」

「ロンメルから聞いたが、どうもリベリオン政府が降伏したらしい」

「ええっ!?それって大事じゃないですか!」




「そうだ。アイクやニミッツは新政権を傀儡政権だと断じ、政府の指揮からの離脱を決定したそうだ。今回のことはティターンズに担ぎ出されたわけが分からん連中がトルーマンへ仕掛けた罠なのは見え見えだからな。」

「それでトルーマン大統領は?」

「ティターンズに拘束されて幽閉されたそうだ。殺すわけにはいかんだろうからな」

「クライシスの動きがきな臭いってのに……!クソッ!」

歯噛みするフェイト。クライシス帝国の動きがきな臭いという情報が歴代のヒーロー達から伝わってきていたからだ。そこにティターンズによってリベリオンに政変が起こったとなると、連合軍の補給線が縮んでしまい、今の規模を保てなくなり、作戦行動に支障をきたすのは目に見えるからだ。

「ティターンズに誰が担ぎだされたかはまだ分からんが……少なくともトルーマンの失脚を大いに喜ぶやつだろう。あそこは民主国家を謳う割には人種差別思想が根強いからな……トルーマンは有色人種差別解消を一応目指していたんだが……」

マルセイユは人種差別解消を目指した(史実では原爆を日本に投下し、彼自身も元は白人至上主義者であったが)初の大統領であったトルーマンはリベリオンの白人至上主義者に疎まれていた事を差して、リベリオンにある人種差別を皮肉った。人種差別解消の観点から見れば、前大統領のルーズベルトよりはマシであった彼だが、白人至上主義者からすれば“白人以外は人間じゃねーんだよ!”な理屈で疎まれていても何ら不思議じゃないからだ。

「公民権運動はあと20年近く後の話ですからね……!まさか最近、リベリオンで暴動が起こるようになったのって!?」

「おそらく公民権運動が終わった後の時代までの情報を意図的に流したんだろう。向こうでたとえ第二次大戦に勝とうが、朝鮮戦争に貢献しようが、1960年代まで法的な差別は消えないし、1990年代以降になっても裏じゃ残り続けるって話だしな。巧みだよ奴らは」

リベリオンの治安が半年で急激に悪化した理由にティターンズの巧みなプロパガンダ活動がある。彼等はリベリオンが人種差別の観点でアメリカ同様の状況にあると理解すると、直ちに強力なプロパガンダ活動を開始。ラジオやTV、新聞(リベリオンはTVがこの頃にはあった)を介してのプロパガンダ活動はナチス・ドイツやソ連、北朝鮮などがお手の物としたもので、彼等はそれら旧時代の国家が残したノウハウを最大限に生かし、リベリオン内の有色人種や先住民族に対して匠に反骨心を煽り、遂には各地で大規模な暴動(ティターンズの手引きで兵器が与えられたものも多い)が頻発するようになった。婦女子諸氏には水爆の超絶的破壊力を強調する写真をメディアにリークし、諜報員が噂を流すなどして、反戦運動を煽った。その結果、国民がトルーマン政権の瓦解を容認してしまったのだ。

「傀儡政権は連合軍からの離脱をすら各国に示唆してる。もっともシャーリーやパットンガールズはそんな事許さないがな。連邦軍は傀儡政権を打ち倒すために来年の6月にリベリオン進攻を行うそうだ。向こうの内閣が閣議決定した。この世界の連邦軍兵力を増やした後に決行するが、それまでに各国が持ちこたえられるか……最悪、私だけでアフリカは支えられるが……」

マルセイユは兵站の観念から連合軍が連邦軍が作戦を起こすあと半年間、戦線を維持できるかどうか懸念する。いくらスーパー戦隊や仮面ライダー達が強大な力を持っているとはいえ、広大な戦線を支えきれる程の余裕は無いだろうし、彼等には彼等本来の役目を真当しなくてはならないという重大な使命がある。なので彼等に頼るわけにはいかない。

「私だけ欧州に行っていいんですか?大尉やみんなが戦ってるのに……」

「何、私は“アフリカの星”だ。私がいるかぎりここで連合軍の航空を壊滅させることはないさ」

マルセイユはフェイトに航空消耗戦を戦い抜く決意を示した。その時の彼女の顔は何処か哀しげだった。それはアフリカの星として、十字砲火に身を投じなくてはならない彼女の使命を痛感している故かもしれなかった。

「大尉!」

「なんだ?」

「ハッ……カールスラント海軍の艦隊がティターンズの潜水艦の襲撃を受けて大打撃を受けたようです。プリンツ・オイゲンが一発で航行不能に陥り、リュッツォウは轟沈した模様です」

「未来型潜水艦の前にはWWU型駆逐艦など動く的にすぎんからな……。場所はどこだ?」

「ヴェネツィア付近です」

「ヴェネツィアか……ノイエカールスラントから遠路はるばる来たら待ちぶせ食らったという事か」

「……あれ?ヴェネツィアってイタリアの一部じゃないんですか?」

「この世界だとガリバルディとかカヴールがいないから分裂状態のままなんだ。そういうところは妙に遅れているんだよな」

そう。この世界でのイタリア半島は史実の統一英雄が存在しなかった故に未だに2つの王朝が存在し、統治している。この状況に未来世界のイタリア人は『いいからとっとと統一しろよ!』と愚痴っているそうな。

「それで2つの国は別個に連合軍に加わってるからややこしんだよあのへん」

マルセイユもため息をつく。ナポレオンが未来世界の歴史と違い、イタリア半島に興味を示さなかったか、途中で頓挫したか、イタリア半島統一は未だなされていない。そのため兵站の観念から面倒くさいとマルセイユは愚痴をこぼす。

「と、言うわけでお前の師匠には私から連絡を入れとく。……そんな顔するな。私は死なん。あいつとまた会うまではな」

哀しげなフェイトにマルセイユは笑ってみせる。それは一時でも共に戦場を駆け抜けたフェイトへの『手向け』だった。それにフェイトも精一杯の笑顔を返す。そして、バリアジャケットを展開し、欧州ヘ飛ぶ準備をする。(この時のフェイトの出で立ちは、なのは同様に史実からは離れた姿となっていた。この時のバリアジャケットのカラーリングは史実との差異が大きく、黒の他に白と青色が新たに加わっており、ヒロイックさが大きく増していた。髪形は史実では19歳時はまだツインテールだったが、この新史ではポニーテールへ変更している。そしてバルディッシュ・アサルトも『この歴史』独自のモードとなっていた。師やヒーロー達など、偉大な者達の背中を追い続けてきた彼女が取った選択。かつて守れなかった多くのモノと向き合い、そして未来を切り拓くために選びとった剣。その名を“天羽々斬”。日本の伝説の聖剣の名を頂いたこのモードはバルディッシュが二度目の改装を受けた際に、フェイトの要望で追加されたもの。フェイトが“どんなものでも断ち切る剣”を求めた結果、たどり着いた答え。名の通りに日本刀を模した形状で、純粋な切れ味としてはザンバーフォームを超える。ただし威力重視の代償として、耐久性はザンバーモードより劣る)

「また……この空で逢いましょう、大尉」

「ああ」

マルセイユはフェイトを敬礼のポーズで見送る。フェイトの閃光の如き速さならば欧州へは数時間もあればつけるだろう。直に宿舎へ向かい、501に連絡をとった。

「はい。こちら501統合航空団……あ、ハンナ?どしたの」

「ハルトマンか?隊長はどした?」

「ミーナたちなら宇宙刑事達にトレーニングされてるところさ。それで非番の私が電話秘書してるんだ」

「なるほどな。それでそっちに元507の隊長の大尉がいるだろ?伝言しといてくれ。可愛い弟子がそっちに向かったって」


「こっちにいるのは……フェイトか。私やシャーリーは会ってるけど、ミーナたちは初めてなんだよなぁ。もういくつだっていってた?」

「19歳だ」

「そうか。なのはといい、こっちとの年齢差が逆転しちゃったな〜逆浦島太郎だよ」

笑うハルトマン。フェイトとは未来世界でのメカトピア戦争以来である。逆浦島太郎になった気分らしい。

「それじゃ伝えたぞ〜あの堅苦しいバルクホルンにもよろしくな。一応、私は元部下だからな」




隊長代理をやってバルクホルンや圭子の苦労がわかったらしく、マルセイユも以前より随分と謙虚さが身についたようだ。バルクホルンが聞いたら泡を吹いて気絶してしまうだろう。

『ぬわあああ〜〜!!』

外からそのバルクホルンの悲鳴が聞こえてくる。爆発音が一緒に響いてきたので、宇宙刑事達の厳しい特訓を受けているのだろう。

「おい。爆発音が聞こえてきたんだが?」

「ああ、宇宙刑事の鬼の特訓をミーナやトゥルーデ達が受けてんだよ。手加減なしの攻撃だから凄くてね」



ハルトマンの言う通り、訓練は激しいを通り越して死にかねないといわれるほどに過酷であった。


『ビデオビームガン!』

外では宇宙刑事シャイダーの必殺光線銃が火を吹き、芳佳達が実戦さながらのシールドを貼ったり、反撃を返している。芳佳のシールドがビデオビームガンを真っ向から受け、必死に魔力を制御する。

「ネウロイのビームより力がっ……くっ…ッ!」

宇宙刑事シャイダーはビデオビームガンの威力をある程度調整してあるが、それ以外は手加減なしである。そのためウィッチのシールドを貫通しない程度にはしてあるもの、芳佳の実感としてはシールドを抉られるような感じだ。

「芳佳ちゃん、大丈夫!?」

「う、うん。だけどシャイダーさんの銃、凄い威力だよ……!」

「何せ宇宙刑事だからね。少佐は?」

「坂本さんならシャリバンさんと斬り合いしてるよ」

芳佳の言う通り、坂本はシャリバンと斬り合いをしていた。坂本は幼い頃より培った剣術で、シャリバンはマドーやフーマとの戦いで得た剣術を駆使して剣を交えた。



「でやあ!」

「チュウ!」

シャリバンのレーザーブレード(エネルギーは注入していない)と坂本の刀がぶつかり合い、火花を散らす。二人共本気だが、やはり実戦慣れしている分、シャリバンが優位に立っていた。坂本の放つ突き、真っ向唐竹割りなどを躱し、受け流す。

(ダメだ……やはり普通の技では受け止められる!ならっ!)

坂本の刀に光が灯る。黒江や智子、芳佳に比べると実に弱々しいが、これは彼女の魔力が元々大きくない上に、年齢故の減衰が重なっての事だ。坂本の魔力光はウィッチによく見られる白である。これにシャリバンも対抗する。

「レーザーブレードッ!!」

左手で刀身にソーラーエネルギーを注入し、眩い光を灯す。そして二人はその状態で剣をぶつけ合う。

「飛羽返し!!」

「シャリバン!クラァシュ!!」

お互いの剣先がぶつかりあった瞬間、互いのエネルギーが干渉し合い、大爆発が起こる。爆煙で二人の姿が覆い隠される。勝者は……?








「と、言うわけ」

「は、ハハハ……アフリカで良かった」

と、マルセイユは電話口で安堵する。宇宙刑事というのはタフでないとやってられないというのがよく分かったようだ。そして特訓を受けないですんだことにも安心しているようだ。

「じゃまた連絡する」

「ああ、またね」

ハルトマンはマルセイユとの電話を終えると、またも電話がかかってくる。今度は上層部からの連絡だ。


「はい。こちら501……。ああ、オザワのおじさん?どうしたの?」

「中尉、不味いことが起こった。君の妹のウルスラ中尉がクライシスに誘拐された」

「え……?ウルスラが!?」

「たった今、クライシスのマリバロンから犯行声明が出された。奴らは姉である君の出頭を求めている」

「なんで私を!?」

「君たちにジェットストライカーを手渡すためにノイエカールスラントを立ち、寄港地で休息していた矢先の出来事だそうだが、此方側では詳しいことは分からん。とにかく仮面ライダーBLACKRXに連絡をとってくれ。彼の電話番号を言うからメモしてくれ」

「ち、ちょっと待って!紙を用意するから」


ハルトマンもこの予想外のアクシデントには狼狽えた。愛する妹が悪の組織に誘拐されたのだ。ミッドチルダにいる小沢治三郎連合艦隊司令長官から知らされたこの事件。ハルトマンは小沢治三郎の言う通り、RXこと、南光太郎に連絡を取り、助けを求める。光太郎もハルトマンから連絡を受けるなりバイクを飛ばし、現地へ向かい、途中、ZX=村雨良、そして新たに馳せ参じた五星戦隊ダイレンジャーと合流。ハルトマンの要請に従い、救出作戦を開始した。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.