外伝その86『栄光の7人ライダー』


――歴史改変が進む中、栄光の7人ライダーも行動を起こしており、501が空挺型怪異の強襲を受けたタイミングで颯爽登場するという、美味しい場面での登場であった。新サイクロン〜カブトローで一斉に突っ込みながらの登場であるので、当然、止めようとする者が出るのだが。

「大丈夫だ。俺達は戦うために来た」

「俺達は改造人間だ。君達のいう瘴気など、どうということはない」

「人々が望む限り、俺達は戦う宿命なんでな」

仮面ライダー1号〜V3が正論を言う。彼らは超技術で改造を受けたため、生身の人間には効く瘴気などは物ともしない。機械式サイボーグのライダーは核兵器にも耐えられる能力を与えられているし、ライダーマンも強化服を纏っている状態であれば、瘴気に耐えられる(防御力などが飛躍的に強化されるため)。アマゾンは古代インカの加護を与えられているので、言うまでもない。その為、全員が独力で怪異を破壊できる。その強さは紛れもなく、『ヒーロー』であった。

「凄い、あの人達……。コミックヒーローみたいな恰好なのに、素で陸上の怪異を……」

「しかもパンチやキックやチョップとかで……これは夢か?」

「夢ではない。あの人達のほぼ全員が何かしらの理由で内蔵や筋肉、骨格に至るまでを機械などに置き換えられている。我々の常識では図りきれない超技術でな」

坂本は解説役が板についている。歴代仮面ライダーの事はレイブンズから聞かされていたからである。見かけはコミックヒーローのようだが、彼らのほぼ全員が『組織の最高幹部候補』として、あるいは『助命』のために、改造を施されている。オリジナルの肉体などは殆ど残されておらず、芳佳の治療の必要もライダーマンとアマゾン以外にはない。改造人間である故に、僅かな例外を除き、陸上では無力に等しい空戦ウィッチ達に代わり、戦いを繰り広げる。

『ライドルホイップ!』

Xライダーがライドルをホイップ状態で引き抜き、怪異をX字にたたっ斬る。コアを起点にして。Xライダーの真骨頂はライドル捌きにある。

『ライドロープ!』

怪異をライドロープで捕縛する。

『ライダー電気ショォォック!』

ライダー電気ショックで焼き払う。機械式改造の仮面ライダーにはダイナモが埋め込まれているので、その応用だ。更にアマゾンが続く。獣のような雄叫びを挙げながら、俊敏な動きで引っかき、噛みつきなどのワイルドな戦法を見せる。噛みつきはなんと、怪異の装甲を砕く威力である。そこからの。

『大・切・断!!』

アマゾンの必殺のアームカッターが全てを断つ。アマゾンはピラニアのような容貌を持つため、7人の中では最も異形と言える印象を与える。が、その心は純真であり、7人の中では一番にとっつきやすい。変身後の異形で退かれがちだが、実は最も付き合いやすい人物である。

『天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!』


ストロンガーはお馴染みの名乗り口上を見せる。簡略化しているが、名乗りながらの殺陣を見せる。これはヒーロー然としているのと、胸のS字マークから、彼を慕う黒江や智子、リベリオン勢に受けが良かった。ストロンガーはこのフレーズで、歴代ライダーの中でも際立ったキャラ性が成り立つので、茂もよほどの事がない限りは行っている。当然、ヒーローと言うものに何かしらの憧れがあるリベリオン組は、ストロンガーのS字マークに、彼女の子供時代を直撃したリベリオンコミックヒーローの『古典』(後世から見れば)を思い起こさせたのもあり、一番人気であった。リベリオン出身者の全員がヒーローに弱いらしく、幹部に至るまでが子供に還ったかのようである。その彼にはない能力『電気を操る』能力も受けが良く、ストロンガーが『エレクトロファイヤー』や『エレクトロサンダー』を披露すると、圭子曰く、『まるで、ヒーローショー見てる子供ね』と微笑ましく見たほどである。お硬いカールスラント組はマルセイユや『伯爵』などを除いての殆どが額を抑え、呆れていたが、扶桑人の殆どもリベリオンと似たような事になっている。ヒーローという文化が薄い国の者達が比較的中立的だが、仮面ライダーはヒーローを地で行く存在なため、扶桑/リベリオン組の凄まじい盛り上がりに置いてけぼり感が強いカールスラント組の幹部ら。

――三人のライダーは同時に頷く。一号の電光ライダーキック、二号の稲妻キック、ストロンガーの超電子稲妻キックを同時に浴びせる合体技の披露である。ストロンガーがその準備として、チャージアップを行い、基地の発電機をダウンさせる。エネルギーを吸い取ったからだ。そのエネルギーを呼び水に、超電子ダイナモを起動させる。稲妻が走り、凄まじいエネルギーの飽和により、火柱さえ立つ。それと同時にS字マークが高速回転し、角やボディに銀色の意匠が入り、チャージアップを完了する。

「姿が変わった!?」

「そうだ!これこそが、ストロンガーの切り札!『超電子ダイナモ』を起動させた『チャージアップ』形態!電気を超える電気エネルギー『超電子』を扱えるようになる!」

黒江がどこぞのナレーションのような台詞をドヤ顔で言い放つ。ストロンガーの妹分を自負しているため、この瞬間は普段とは全く違う『仮面ライダーの勝利を一途に信ずる純真な面』を垣間見せる。この一面は黒江を知っている者には珍しく、知らない者は『戦闘狂』と伝えられる黒江の意外な一面の象徴であった。

『オイ!恥ずかしいからヤメロよ』

『ハッハッハ、良いじゃないか。綾ちゃんが後輩の前で興奮してるんだから、お前、相当に心を掴んだという事だぞ、茂』

『しゃーねぇ。こうなったらマジで行くぜ。ガキ共の前だ。いいところ見せなくちゃな、本郷さん、一文字さんよ』

『そうだな。俺たちが味方だっていう事を教える絶好の機会だもんな、本郷』

『子供らの前だ、タイミングをミスるなよ、茂』

『わーってまっせ!』

三人が一斉に跳躍、ストロンガーを中心に空中で大の字になって回転する。ストロンガーに合わせての貯めである。そこから足先にエネルギーを一点集中させ、キックを食らわせた。

『ライダー!!トリプル稲妻キィィィ――ック!!』

凄まじい閃光と爆発が起こり、怪異はすっかり消滅する。怪異も倒す7人ライダーにすっかり虜の扶桑/リベリオン勢。それに呆れるカールスラント勢の幹部陣。

「子供なんて…レディとして扱っていただきたいものですわ!」

憤慨するペリーヌだが、仮面ライダー達は既に人間だった頃からは200年以上の月日が経っているので、黒江達含めて子供も同然の年齢差である。

「あのなぁ、ペリーヌ。この人達は改造されてるからな?もう二世紀は超えてるぞ、年齢」

「……あ、アハハ……そ、そうでしたの(ガーン!)」

「とはいうものの、冷凍睡眠の期間が過半数だけどね。君達も俺達と似たような事になっているだろう?精神的にはな」

「そうですけど、私らは二世紀行ったか数えてないんスよ」

と、黒江達に言う一号。

「私は60年とちょっとくらいでして」

「美緒くん、君は早くに亡くなったと聞いているよ。光太郎の手を借りたが」

「あの、私達にも分かるようにご説明してくださります?えーと……お名前は」

「仮面ライダー一号、本郷猛だ。説明しよう。実は――」

一号の口から、黒江達『レイブンズ』と坂本は『逆行者』であることが説明される。既に存在の格が『ヒトではなく、神域に至っている』事、仮面ライダーはRXのおかげで『歴史が改変されたという認識』を持てている事、RXとダブルライダーの存在が仮面ライダーらに大いなる力を与えている事も説明された。本郷と一文字という偉大な二人が『仮面ライダーの神となっている』事、その権限は他世界に散らばる代表的な仮面ライダーの全てに当てはまると。つまり、一号と二号へ仮面ライダーらへの願いが集積した結果、二人はRXと同格の存在に昇華したのである。その加護が最も強いのが、同時代に改造され、共に生きた直近の五人の後輩ライダーである。その事から、黒江達は『栄光の七人ライダー』と敬愛しているのである。平成ライダーらの中で最も不遜な性格の門矢士でさえ、『仮面ライダーという存在の確立に貢献した七人』には敬語を使う。7人は、時間が空いての誕生の筑波洋以降のライダーらとは『格が違うのだ』。

「つまり、美緒。あなた達は……」

「すまんな、ミーナ。いつか話すつもりではあったんだ。が、普通に言ったところで、信じてもらえるとも思えなくてな」

「それでは、あなた達の力も」

「ええ。坂本の言うことを借りるなら、私達は『前史』で人生を一度、全うした存在になるの」

「前史で培った能力を持ち込んで、この時代に自由意志で戻った。TVゲームでの『強くてニューゲーム』に当たるって奴よ。前史で昇神してるから、記憶と技は持ち込めたけど、肉体は正真正銘、この時点での『自分の体』よ。存在の位が上がったおかげで『加齢』はしなくなったけどね」

「不老って奴だ。当然、肉体の回復力も上がってるんだが、何分、外見が時間で変わらなくなったから、服装や髪型でごまかすしかないのが面倒だけど」

「外見は、私が19から20、智子が17、8くらい、綾香は15くらいで固定されてるわ。私が一番、外見が年食ってるのよね」

圭子は最終的に、成人前後の外見年齢で固定された。アフリカの面々などとの絡みと、レイブンズの最年長であるポジションによるものだ。外見は精神状態も影響しているため、精神的に最も成熟している。だが、かつての血気盛んな面が戻ったので、その中間の19歳前後で落ち着いたのだろう。

「ご存知のとーり、連邦のロリコン医官のせいで、またしても私が一番に若い。実年齢は智子より二歳は上だってのに。でも、悪くはない。奴はのおかげでリウィッチが生まれた功績が有るが名前が出ないのは、L○愛読者だからだな。絶対」(偏見だが、事実を言い当てている)

「私はこの子の面倒を押し付けられるせいか、ハイティーンくらいになっちゃったわ。でも、成人頃は苦労も多かったし、この時期が一番気に入ってたのもあるかもね」

最終的な外見では、黒江が最年少に見えるが、実際は智子が最年少で、黒江が圭子との中間である。精神状態が反映されたため、このような外見になったのである。

「外見は変えられるんですか?」

「今の外見から数歳くらいなら、TPOでコントロール出来るわ。綾香が一番やってるわね。仕事の都合で」

「今を起点に、5歳くらいなら任意で使い分け出来るから、大人モードは自衛隊のときに使ってる。元々、私は顔が大人びてたから、17くらいでも充分だけどな」

黒江は仕事の都合、15の外見では活動に不都合があるため、日本では成人頃くらいの外見を使っていると明言する。黙っていれば大人びて見えるので、それを活用して、17から20くらいの外見で生活している。自衛隊の広報写真は当人曰く『成人頃の外見』であるとのこと。日本では色々な柵があるためだ。最も、飛行任務の時は、公的な顔出しがある時を除いて、現在の外見で通しているが。

「ん!ぬ、ぬぬ!なんですの、世の淑女が血の涙を流すような台詞は!」

「いや、そんなこと言われてもなぁ」

「本格的にリウィッチ制度始まれば、10歳くらい簡単に若返れるわよ?」

「そうそう。この中からも大勢がリウィッチになるし、気にすることはないわよ?」

「例えばさ、このあたしとか、ハンナとか、トゥルーデとかさ」

「そうなんだ、ペリーヌ。今となっては外見はどうとでもなるのだ」

「でも、望んだ年齢に一発でなれるとは…」

「綾香みたいに、ローティーンに戻って、ミドルティーンまで自然に戻す事もあるし、タイム風呂敷のさじ加減間違って、一端、ヨボヨボの老婆になってから10代に戻った例もあるわ。それに、サーニャ。貴方の孫の代に当たる『21世紀』くらいだと、食生活とスキンケアで20代の外見保つ“美魔女”とか流行ってたわよー本当に」

リウィッチになる過程では、担当者のさじ加減が重要なので、実際に、武子は77歳くらいの『老婆』に変身してしまい、そこから16歳前後に戻るという過程を辿っている。武子はリウィッチ化後に昇神した記憶と技を持ち込んだが、一度、老婆と娘との間の肉体的落差を経験したからか、固定された外見が若々しい姿である事に安堵している。(老眼などの外見相応の老化を味わったため。その為、自己での年齢の微調整に神経質になり、レイブンズ関係者では一番に気を使っている)

「やけに具体的ですわね」

「あたしの戦友なのよね、最初に老化のほうで間違えられたの。それ以来、タイムふろしき見るとね、ビビっちゃうようにねぇ。昇神したんだし、ビビらなくてもいいのに」

タイムふろしきが苦手になったのか、その点で武子は智子にいじられるようになった。年齢の操作は神ならば自己でできるので、タイムふろしきに頼る必要はあまりないが、武子は老婆になったのがよっぽど堪えたのか、昇神しても、タイムふろしきの裏面(青)を見ると、ビビるようになってしまった。

「それで、俺、変身前の時に冗談で青い風呂敷見せたら、パニクられてさ、殴られたよ」

「当たり前ですって。あの子、それ以来、青い風呂敷が駄目なんですから」

肩をすくめながら、二号が言う。武子はタイムふろしきの裏面に怖い思いをしてからというものの、青い風呂敷が恐怖になったらしく、自分の孫である美奈子が会いに来た時に、美奈子が青い風呂敷でお土産を持ってきた時には青ざめている。風呂敷を持たせたのが美奈子の母親、つまり自分の娘であることを知ると、美奈子の電話を借りて、娘に文句を言っている。(娘には軽くあしらわれたとのこと)

「武ちゃんは青い風呂敷が駄目だよなぁ、ホント」

「あの子の数少ないウィークポイントですよ。わざわざあの子の孫に聞いてるんですから、こっちは」

「オホン。と、まぁ。こんな感じだ。別に神様になったって言っても、私ら自身が変わるわけじゃない。年を取らなくなったりしただけで、特別変わった事が起きたわけでもない。ただ、未来の方向は知ってる。それだけだ。それがウィッチの存在意義に関わってくる」

「存在意義?どういうことですか」

「戦争だよ。ティターンズとネオ・ジオン、その傀儡になったリベリオンとの。人同士の戦争だ。ウィッチの存在意義がそこで問われる」

「綾ちゃんの言うように、君らはこれから、ティターンズ、ネオ・ジオンが絡んだ戦争に突き進む事になる。それもこの世界史上空前規模の戦争に。言わば世界大戦だ」

一号も続ける。この時期に於ける次の戦乱『太平洋戦争』の規模はウィッチ世界の最後とされる対人戦争『狩我戦争』(普仏戦争相当)がお遊戯に見える血みどろの戦いだ。大量破壊、民間人虐殺、殲滅戦、塹壕戦、機動戦、何でもありの国家総力戦、史実の二つの世界大戦の歴史の帳尻合わせで起こる大戦だ。

「そんな!ロマーニャを解放しても、何の意味もない……」

「このロマーニャの戦いは前哨戦に過ぎん。ティターンズとネオ・ジオンは手を結び、南洋島を、扶桑を欲している。彼らにとってはこの戦いなど小手調べのようなものだ」

「私の国は、故郷は、扶桑を攻めるに当たっての小手調べの土台にされたというのか!?クソ、クソ、クソぉ!ふざけるな!」

「アドリアーナ大尉、憤るのは分かる。が、これは歴史的事実だ。リベリオンの軍事力を利用してる両者にとって、ヴェネツィアとロマーニャなどは単なるサンドバッグくらいの存在だ」

「欧州随一の軍事力をサンドバッグと!?」

「我々の世界ではロマーニャ半島は一つの国家が統治していた。が、それでもリベリオン相当のアメリカとイギリスに屈した。それにネオ・ジオンの前身たるジオン軍は『地球の半分を手にした』経験があるし、ティターンズは『それを追い詰め、倒すための集団』だった。それにリベリオンの工業力と軍事力が加わる。その意味が分かるか?」

一号の言葉はアドリアーナのみならず、その場の全員に重い事実を突きつけた。リベリオンは分かれたが、それでも、本土には資源が、工業力がある。亡命リベリオンがあくまで『間借り』にすぎないのに対し、ティターンズとネオ・ジオンは本土そのものを手中に収め、アフリカすら支配下に置いた。扶桑が陥落したら、どうなるか。ウィッチに生きる場所があるかどうかも分からない『ディストピア』になるかもしれないのだ。

「本郷さんの言うことがわかる?みんな。この先にあるのが血塗られた道だろうが、破滅の奈落であろーが、戦いの答えは戦いで見つける。それがあたし達に示された道だよ」

ハルトマンが決意に満ち溢れた言葉を発する。帯刀している刀を鞘から抜き、紫電を煌めかす。ハルトマンは戦間期から、剣鉄也へ好意を抱いており、鉄也が『偉大なる帝王』と共に突き進んでゆくであろう道を知り、それに足を踏み入れるつもりなのだ。

「エーリカさんのいう通り、あたしは戦って、戦って、戦い抜きます。それが先輩達への恩返し、私が友達から託された高貴なる使命ですから」

黒田も、扶桑号を取り出し、演舞する。風子の死は『避けられない』。それならば、風子が生きたいと願った世界を守り、如何な戦場をも戦い抜くと決意した故の演舞だった。黒田家に伝わる『黒田節』を舞う。かの黒田長政の血を受け継ぎし者の業とでも言おうか、黒田は守銭奴と揶揄された身でありながら、風子の死に報いるために、修羅となる決意を見せた。そのためか、表情には悲壮感が溢れていた。歌自体は民謡だが、黒田家の末裔たる邦佳の悲壮感溢れる表情のおかげか、敦盛並に迫力があった。

「その通りじゃ」

「ハインリーケ少佐?なんなの、その格好は」

「このような場には、このような甲冑姿がおあつらえ向きであろう?妾とて『王女』と呼ばれておる。黒田中尉の演舞の後に軍服で、という雰囲気ではあるまい」

(あれがまさかゲームキャラのコスプレ衣装とは思うまい。それに、元のキャラは女体化なアーサー王がモデルなんだけどなぁ)

と、ほくそ笑む黒江。ある意味ではフィット感満載、一番『本物に近い』ハインリーケの衣装に吹き出しそうなのを堪える。ハインリーケは剣術も嗜んでおり、身分に恥じない教育は施されている。黒江が天秤の剣を貸し与えたことが前史での始まりだが、今生では件の連邦軍士官が吹き込んでいたらしい。時間軸では、前史でのその出来事より前にあたる日付だからだ。しかし、それを差し引いても、かなり鍛えたのか、ハインリーケも見事な剣筋を見せる。黒江は知り合いである、その張本人の連邦軍の連絡要員の尉官を労ってやりたくなった。

「ここは演武会の会場か?まったく」

「でも、みんなを引き締めるにはいい効果よ、ジーナ中佐」

「あなたの言うことが真実なら、これを決意表明代わりにします。それで良いですか、マスクドライダーNo.1」

「あの子達のためにも、俺達は守ってみせるさ。君達を、この世界を。それが俺たち『七人ライダー』の使命だ」

一号はジーナとミーナに告げる。ジーナは仮面ライダーを『マスクドライダー』と呼んだが、それは彼らに取っては、アメリカやソ連が冷戦中に『仮面ライダー』を直訳したコードネームとして用いていた、懐かしい呼称でもあった。マスクドライダーは平成の時代からは使われなくなったが、一号個人を指す単語としては『THE Rider』、『THE Hopper』でも当たりだが、ジーナは『七人ライダーの一人』という意味合いの方を重視したらしい。ジーナは、先程から一号ライダーの背中に『男の背中』を見出した。この日以後、彼女はレイブンズと共に修羅の道を歩む事を選択する。マスクドライダーの背中を追い、自らの存在意義を見つけるために。



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