外伝その427『救出作戦』


――南斗鳳凰拳伝承者に敗北し、凄まじい拷問を受けているキュアドリーム。姿はシャイニング形態であったが、麻酔の効果で力を弱められた上、ティターンズきっての拷問の名手とされたヤマシタという下士官の奮う鞭に打たれ続けていた――

「だ、誰が……あんた達になんて……!」

鞭の名手である彼の鞭の速さは凄まじく、プリキュアのコスチュームをも破り、床に血をしたたり落とせるほどの威力を見せた。ドリームはその鞭を既に打たれ続けた時間が合計で7時間を超えていた。常人ならとっくのとうに観念しているほどの痛みが体を貫いていながらも、前世での悔恨、プリキュアとしての誇り、前世・現世を通して唯一、 心から異性として愛している者への愛、仲間への信頼がドリームを持ちこたえさせていた。

(ココ……。あたしを……守って……!)

鞭に打たれ続け、コスチュームはズタボロ、出血で視界もぼやけ始めている。想い人に祈るかのように、ドリームは必死に拷問に耐え続けた。だが、とうとう業を煮やした彼が鞭を全力で振るうようになると、痛みが彼女を耐えられる限界を超えてしまった。

「ああああぁぁ――ッ!」

「そうだ。その悲鳴だ。その悲鳴こそ愉悦なのだ!」

高笑いしつつ、鞭を奮うヤマシタ。キュアドリームを甚振りながら、コスチュームを血に染めていく。

(も、もう……だめ……。ココ……りんちゃん……!)

意識が飛びかけ、ドリームが諦めそうになったその時。

『クルーザーアタァアック!!』

叫びと共に、仮面ライダーX/神敬介が愛車『クルーザー』で壁をぶち破って颯爽登場した。こういう人質救出の役目は大抵がストロンガー/城茂か、V3/風見志郎の役目だが、この時は珍しく、Xライダー/神敬介が行った。

「貴様は!?」

「この子は私がいただいてゆく!!これ以上、貴様たちの好きにはさせん!!」

Xライダーはライドルを引き抜き、お馴染みの名乗りポーズを決めつつも奪還を阻止しようとした兵士をホイップで蹴散らす。ヤマシタは唸るように言う。

「名前は聞いていたが……貴様が仮面ライダーNo.5か!!」

「そうだ!貴様らの野望はXライダーが破壊する!!」

高らかに宣言し、キュアドリームの拘束をライドルホイップで斬り、救出する。

「貴方は……仮面ライダー……?」

ドリームは朦朧とする意識の中、自分が仮面ライダーに助けられた事は認識できた。

「ああ。もう大丈夫だ」

「ありがとうござ……。他の……み…」

「今は休んでるんだ。心配しなくていい。」

Xライダーは敵を蹴散らしつつ、ドリームを介抱する。ヤマシタをライドロープで外へぶんなげた後、応急処置用に持ってきた医療用ナノマシンを彼女の体に注入し、更に止血用の包帯を彼女のコスチュームを一部破る形で巻いてやる。彼はX斬りのエネルギーを放射し、ドリームのいた拷問室を破壊しつつ、クルーザーでドリームを外へ運ぶのであった。



――こちらはキュアメロディ(シャーリー)。電気椅子に耐えたはいいが、全身の焼けるような痛みで動けなくなっていた。

「くそ……電流のダメージで体が……!!」

死なない事に驚いた敵が再度、電気椅子のスイッチが入れようとした瞬間であった。遠くにある電気椅子の管理室の人員が蹴散らされる。よく見てみると。

「のび太、ドラえもん!!」

スーパー手袋をしたドラえもんと名刀電光丸を持ったのび太が管理室を制圧するのが見えた。ドラえもんはひらりマントをスーパーマンのように巻き、腕にスーパー手袋をはめた珍しい姿を、のび太の腕には名刀電光丸・DX版が握られている。

「シャーリーさん、電気椅子のスイッチは切ったよ!」

「サンキュー!」

ドラえもんのスピーカー音声に喜び勇んだキュアメロディは電気椅子の拘束を引きちぎろうとするが……。

「嘘だろ!?この姿でもびくともしねえ!」

メロディは最強形態の翼を羽ばたかせつつ、全身に力を目一杯込めてもびくともしない。大いにうろたえる。と、そこへ仮面ライダーV3がやってくる。

「仮面ライダーV3、只今参上!!」

「V3さん、助けてくれぇ〜!」

V3に恥も外聞もなく、素直に助けを求めるキュアメロディ。

「よし!」

だが、拘束はV3のパワーでも壊れない。独立した機構なのか、のび太達が電気椅子の主電源を落としても解除されない。業を煮やしたV3は当てずっぽうで椅子本体にV3チョップを食らわせる。すると。火花が飛び散り、解除される。椅子側に機構があったのだ。

「この手に限る」

「映画のワンシーンの気分だよ、ははは……」

「もう一人の子はストロンガーが救出している。まずはここを脱出だ」

「わかった」

「本当に死ねなくなったようだね」

「のび太、冗談やめてくれよ。ダメージはマジで入るんだからな。寿命で少なくても二度か三度も死んでる身としては、もうごめんだけどな」

「僕なんて、運命の女神とマジで取引して、転生を確約されたからね。それまでは今の人生を楽しむさ」

「いいのか?」

「僕自身の転生体とはもうあったよ。セワシのひ孫だよ」

「お前、自分の末裔に?」

「そういう取引交わしたからね。子孫に転生するっていう」

のび太は自身の転生体が自分の末裔であることを告げる。今回の得物は銃ではなく、名刀電光丸だ。

「外はどうなってるんだ?」

「一号たちが敵を引きつけている。それと、話を聞いた義勇兵が五式戦で空襲をかけて陽動をしてくれている」

ダイ・アナザー・デイ全期間の主力として奮戦していたのが五式戦闘機である。日本基準では長くないとされる航続距離も、欧州からすればスピットファイアの二倍は有に飛べるため、欧州の戦場ではむしろ遠距離戦闘機であった。(欧州機は700キロも航続距離がない機種が多く、P-51の普及が頓挫したこの時点では、航続距離を誇る日本機が制空分野では独壇場であった。特に横方面の機動力で日本軍機に太刀打ちできるのは、P-51系くらいであった)五式戦は最初の二週間で保守パーツが尽きた一式戦闘機の代替機として配備されたが、次第に旧式化していた一式戦闘機を置き換える方針になり、この時点では、一式戦闘機の保守パーツの在庫が完全に切れたため、五式戦闘機が主力機になっていた。エンジンの外国産への現地換装が日本側の意向で非推奨になったからだ。(やむなく行った場合は承認されたが)これはエンジン性能の特性の違いに機体がついていかない場合や、エンジンの部品規格の違いを懸念したためだが、ウィッチ世界では機材の構成部品の規格統一化が国際的に行われていたため、却って大問題化した。五式が緊急量産されたのは機材が修理不能になる部隊が続出した前線をなだめるためでもあり、百舌鳥というペットネームが扶桑で使用されたのは、機首周りの印象がフォッケウルフに似ていたからだが、日本的ではないと苦言を呈したという。(史実に則り、飛燕改で決まっていたのを、扶桑側は『もう別の機体やん?』とし、ペットネームを変更した。ただし、公の場ではキ100で通された)速度性能自体は平凡なキ一〇〇だが、その他性能は当時の第一線級であり、平均飛行時間の低いリベリオン本国のパイロットと、史実太平洋戦争を戦い抜いたベテランもいる日本連邦とでは、パイロット練度に差があったのもあり、優位に立ち回っていた。また、史実米軍の強みであったはずの指揮管制という概念がこの当時においても完成されていないため、史実の教訓で空中・地上管制が完成された日本連邦が制空権確保に早期に成功した理由である。空軍で海軍系部隊が主流になれなかった理由は所謂、伝統墨守の思考が航空部隊では裏目に出た事、矛盾する態度を内と外で取っていた事が理由だったりする。――

「ドリームは?」

「安心してくれ、Xライダーがライダーマンのもとに運んでいる。応急処置はしてあると連絡があった。問題は輸血だな。あの子の血液型は分かるかい?」

「血液型ねぇ……。覚えてないなぁ。素体の血液型なら分かると思うんだけど……」

のぞみは血液型や誕生日などの細かいパーソナルデータは明らかになっておらず、親しい後輩であるシャーリーも生前におけるのぞみの血液型は知らなかった。素体になった中島錦の血液型であれば分かるのだが…。

「素体の子の血液型が分かればいい。血液型までは変わらんだろうからね」

「場合によれば、僕が輸血するよ。僕はあの子の将来の義父になるからね」

「そうか、ココはお前の養子に転生してたな…」

「そう。彼はボクの倅さ。ただし、40代になってからね」

肯定するのび太。のび太は人徳で物事を解決できるため、少年の頃に一つのことをしようとした事を教える。

「どうした?」

「いや……。昔、調ちゃんに問題の解決を申し出た事があるんだけど、断られた事があるんだ。それを思い出してね」

「ああ、揉め事の解決だろ?お前なら、ものの一発で……。それをなんで?」

「僕に安易に甘えたくなかったんだろうね。迷惑をかけたって意識あったろうし、あの子は騎士だ。安易に甘えることや頼るのを良しとしなかったんだ。僕が詳細を知ったのは最近のことだし、打てる手はあまり残ってない。綾香さんに口止めを頼んでたようだしね」

「見栄か?」

「良く言えば、騎士としてのプライドだろうね。ベルカ戦争の最後の方は周りをあまり頼れなかったようだしね。ただ、それで事態がややこしくなったのは悪手だったよ。僕に相談してくれればね」

調の失敗はのび太に甘えることや安易に頼ることを嫌うあまり、事態をややこしくした点である。ただし、なのはの一件が起こったことでのび太とドラえもんが動いたためにひとまずの理解は得られた。二人が黒江が行った謝罪に随行して説明をしたからである。

「お前が最初から説明すりゃ、事態がこんがらがるのは避けられたろうに」

「ま、起こったのをいつまでも嘆いてもしょうがないって割り切るようになったのは、ベルカの教育だろうな。本心からは嫌ってないようだしさ、響ちゃんの事」

「あいつが同じ名前のせいで、あたしの前世の名前使えねぇんだけど」

「まぁまぁ。みんな、君のことはシャーリーって呼んでるし。そもそもさ、シャーロットの愛称がなんで、シャーリーなのさ?」

「ばーちゃんがそう呼んでたんだよ、あたしの事。それが定着したんだよ。語呂もいいからな」

シャーリーはシャーロットが本名だが、誰もそう呼ばず、シャーリー呼びが仮面ライダー達にまで定着している。その始まりは祖母がそう呼んでいたからであると話す。また、実は本国の分裂前に陸軍航空軍上層部が『休養・教官任務のため本国帰還を命じていた』が、国の分裂、自身のプリキュア化、自由リベリオンは公には日本連邦内の亡命政権扱いであり、実質的には日本人扱いとなった(リベリオンは分裂した自由リベリオンを反逆者と見なしている)ため、立ち消えになっている。そして、『北条響』名義で自由リベリオン/日本連邦の国籍を有するようになったため、日本連邦に新居を構えている。

「来たぞ!」

「僕に任せてくれ」

「お、おい、弾持ってきてんのか?」

「いーや、今回はこれだよ。名刀電光丸〜!」

のび太は名刀電光丸を構える。子供のおもちゃじみた長さのドラえもんの有するそれではなく、自身で買ったDX版(長さが太刀のそれであり、立派に殺傷能力を持つもの。タイムパトロールやドラえもんの時代の自衛隊が採用しているという)である。

「おお、レーダーがついてて、自動的に相手の隙をつくっつー……」

「これなら、僕でも達人さ」

そう明言し、名刀電光丸DX版を構える。のび太は名刀電光丸と縁がないわけではなく、バウワンコの冒険の際に使用し、サーベル隊長の部隊を足止めに成功している。今回は殺傷能力を持つバージョンでの剣戟となった。

「さーて、インプットされた剣術を使うか。島原抜刀術『雷電』」

DX版電光丸は殺傷能力があるのと、達人の剣術がインプットされ、それを再現できる機能がある。のび太はそれを使った。島原抜刀術もそれである。未来デパートの品としては危ない機能だが、警察や軍隊に卸す品であるので容認されたのだろう。未来デパートも意外に死の商人である。リベリオン軍兵士たちはDX版電光丸の錆になり、細切れに斬られていく。居合の要領で刀が奮われたわけだが、仮面ライダーV3とドラえもんだけしか視認できぬ速さであった。

「す、すげえ……」

「名刀電光丸はレーダーとコンピュータで使い手を最適な行動を自動的に取らせるという。その高性能版は違うようだな」

高性能版は複数の剣術がインプットされ、その免許皆伝の者を再現した動きを取る。廉価版であった『相手がコンピュータの性能を上回ると、膠着状態になる』点をそれで解消している。伊達にDXではないのだ。

「偶には僕とドラえもんが活躍しないと、タイトル詐欺になるからね、この話」

「メタい台詞言いやがって、こいつ」

シャーリー(キュアメロディ)と軽妙なトークを飛ばすのび太。接近戦で弱いと思われたが、青年時代以降は見切りの応用でのカウンターをこなせる上、名刀電光丸を持つので、実のところ、かつてのような弱々しさはある程度解消されている。ドラえもんは空気砲、首にはひらりマントを巻き、左腕にはスーパー手袋と懐かしいスタイルを見せている。ドラえもんは極初期の冒険で首にひらりマントを巻くスタイルをしていたが、その再来であった。

「さーて、僕もやるか!」

ドラえもんの右腕の空気砲が吠える。未来デパートの最新型(2125年当時)であるので、ドラえもんの四次元ポケットにプリセットされている旧型空気砲と違い、『ドカン』と発声しなくとも発砲できる。また、威力上限もアップしており、後期の冒険で使用している。

「あれ、ドカンって言わなくていいのか?」

「そりゃ旧型だよ、シャーリーさん。これはモデルチェンジした後のモデルなの」

のび太が電光丸で、ドラえもんは空気砲、スーパー手袋を使い、タケコプターで飛行する。タケコプターの時速80キロの速度と、129.3kgのボディを活かしての体当たりも有効であり、ドラえもんは意外に戦力となる。元が子守用ながら、自我を持つが故に戦闘もこなせる柔軟性を有するのは、統合戦争で失われた超AI技術の賜物であった。ドラえもんの存在は統合戦争やそれ以前の時期でひみつ道具による繁栄を否定し、それを葬った側だった人々、ひいてはジオン公国などの一部過激派スペースノイドの否定に繋がるため、ドラえもんは反統合同盟やジオン系のテロリストたちに命を狙われている。ドラえもんの時代のロボットを構成する技術の多くはロストテクノロジー化しており、ドラミは23世紀まで存命するにあたり、AIチップのタイムふろしきでのリフレッシュやボディの構成部品の複数を後世の規格品で置き換えざるを得なくなっている。23世紀には統合戦争の戦乱で未来デパートや製造元のマツシバロボット工場は解散しており、主務設計者の博士も2125年から20年以内に亡くなっているからだ。(ちなみに、23世紀では真田志郎と結城丈二がドラえもんの修理を担当しており、主治医のような関係である)

「よし、脱出だ!」

V3に率いられし一行は空気砲、ひらりマント、名刀電光丸を駆使するドラえもんとのび太の奮戦もあり、外へと脱出する。外に出ると、義勇兵の駆る五式戦闘機が敵のF6Fを蹴散らし、地上へ掃射を加えているのが見えた。地上では、ダブルライダー、アマゾン、ライダーマンが敵を引きつけて奮戦している。V3一同はキュアピーチの救出に向かったストロンガーとの合流を目指した。

「島原抜刀術『天山』!」

島原抜刀術はかのバチカンに二重人格の女の使い手が存在することで知られているが、それ以前の時代の使い手のデータがDX版電光丸にはインプットされていたと考えるべきだろう。島原抜刀術は詳細不明だが、旧日本軍の軍用機のペットネームを技名にしていることから、遅くとも昭和までの時期に確立された剣術であろうとされる。のび太は青年期以降は裏世界に身を置くため、その存在は知っていた。故に技名が言えたのである。所謂、音声入力方式だ。

「DX版は一定のマニュアル操作効くんだけどさ、細かい技は音声入力なのよね。島原抜刀術を調べといて良かったよ」

「電光丸も軍用になると、すげえな…」

「僕が私費で買ったんだよね。ドラえもんのカードにつけるのもアレだし」

「え、こいつ、カード持ってんのか?」

「失礼な、ブラックカードだよ」

「うっそぉ……」

「僕が別に買ったから、子孫のカードにツケといたけどね。V3さん、どうします?」

「仕方ない。ボディのスペックには頼りたくなかったんだがな。26の秘密が一つ『V3サンダー』!!」

V3は特殊能力面で後輩ライダーの雛形になったと思われる側面があり、実は放電能力も備わっていた。それがV3サンダーである。ストロンガーの能力の実証実験も兼ねていたと思われ、100万ボルトの電圧の『よくある類の威力』となっている。触覚アンテナで電流を増幅し、掌から放電するわけだが、サンダーブレークもそうだが、この種の能力は似通ったものになりやすいようだ。シャーリー(キュアメロディ)は妙に納得してしまうのだった。(威力は確かであり、道を切り開くのにうってつけだったのだが、グレートマジンガーに似ていたためである)










――この世界では中国が滅び、日本が運良く生き残り、ムー大陸を植民地にするなどの幸運な要素があるが、その理屈なら、アトランティスやレムリア、イスはあったのか?となる。レムリアはないが、過去に怪異に敗北し、滅ぼされた国や街の伝説という形でアトランティスやイスは存在している。南洋島はあまりに不自然なほどに全ての資源が多量にあったことから、『ムー帝国か何かの資源貯蔵庫が存在していた地ではないか?』と言われるようになった。日本が恐れたのは通商破壊であり、それが45年からの数年で扶桑に大量の燃料と資源を本土に備蓄させた理由である。本土の燃料備蓄は史実の開戦時の燃料備蓄量の倍以上という膨大なもので、かなり強引にあちらこちらから大量に買ったため、ウィッチ世界の他国から顰蹙を買うほどであった。航空燃料もジェット燃料主体に切り替わったとは言え、レシプロエンジン用の燃料もかなりを備蓄している。練習機や飛行艇、一部の旧型機用の燃料である。ただし、日本側としては通商破壊で供給が滞る事を懸念しての備蓄であり、切実な理由であった。局地戦闘機を制空戦闘機より重視したのもそれで、航空参謀の多くや熟練航空兵の一部は史実の国土の惨状を見せつけられ、心をへし折られる事例が続出したのがダイ・アナザー・デイの頃で、参謀の不足が致命的とさえ嘆かれる始末であった。自衛隊の幕僚たちは必然的にこの激務に携わる事になり、ダイ・アナザー・デイの混乱を時間をかけて立て直す。金鵄勲章を叙勲する者も生じたのはそのためだが、1945年の戦いは前哨戦でしかないことを見抜いていた連合軍の有能な将校らは日本連邦の燃料と資源買付を黙認し、日本連邦に太平洋戦争の当事者としての意識を持たせる事を優先する。また、ティターンズの背後に控えるバダン帝国がナチス残党の成れの果てであり、仮面ライダー達を産み、ひいては地球のヒーロー達の暗闘を操っていた元凶であることも認識され、プリキュアたちはこの時間軸以降は『黒幕』とも言えるバダン帝国と対峙していく事になる――





――64F基地 待機所――

「バダン帝国。ナチス残党の成れの果て……。私達はそんな敵と戦っていくのよ」

「やるしかないですね。彼らの敵という事は私達の敵でもあります」

「ドリームの問題は、しばらく棚上げにするしかないわね。アクアとミントへの接触は続けて。場合によれば、フェリーチェ。貴方にもう一度行ってもらうわ」

「わかりました」

キュアダイヤモンド、キュアマーメイド、キュアフェリーチェは待機所で、今後のおおよその今後の行動指針を確認しあう。この時の相談で強硬手段もやむなしとされたことで、フェリーチェは反発したドリームの同位体を叩きのめす事になる。強引な手段が容認された背景には、ドリームの心の闇が伝わり、闇落ちを後輩達が懸念したためで、のび太とドラえもんも後に交渉に加わり、仮面ライダーディケイドにも頼み込み、『仮面ライダーBLACKの同位体にその世界を守らせる』案が採用された。後に協議で手空きの後輩達が助っ人になる案と組み合わせられ、採用。こうして、アクアとミントの出身世界におけるプリキュア5は紆余曲折を経て、本来はまだ出会わないはずの後輩達との出会いや、仮面ライダーBLACKというヒーローの存在を知ることになる。全ては巨悪に対抗するために。



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