「それで、アイツの様子はどうだ?」

「そうですね……一応、戦える程度には」

夜の寮長室で少年と千冬は話していた

「一夏さんの成長率は凄いですね。三週間で代表候補生のラインに到達しそうですから」

「アイツは一で十を得る奴だからな。だが現実はそう甘くは無い」

「ええ……後は明日やって来る機体の問題ですね」






翌日、月曜の放課後

セシリアとの対決の日、一夏と箒は少年と共にアリーナのピットに居た

「…………なあ、シュヴァンツ」

「何ですか?」

「俺のISはまだなのか?」

「……待つしかないですよ」

一夏への専用ISは何やら遅れているらしく、今もまだ来ていない

これでは戦う事が出来ない、このままだと学校の訓練機で戦う事になるだろう

すると管制室にいた千冬から声が掛った

『仕方ない、ヘイズ。お前が先にに戦って来い』

「分かりました」

少年は待機状態の首輪になっているISを展開する

「『ストレイド』」

少年の周囲を光の粒子が集まり、形を成すと白いカラーリングの機体が現れた

「なっ!全身装甲(フルスキン)だと!?」

箒が驚きの声を上げたのも無理はない

ISと言うのは防御の殆どをシールドエネルギーによって行われている為、装甲は意味を成さないのである

が、このIS『ストレイド』は全身を装甲で覆っていた

更に少年は左手首に装着したIS『ガレージ』を起動して『アセンブル』を行う

“IS『ブルー・ティアーズ』は遠距離タイプ。主兵装はレーザー兵器……なら”

少年はガレージのメニューから設計図の開くと、ストレイドの項目を選び、その中の一つを選んだ

すると少年のISが光となって姿を変えた

「変わっただと!?」

少年の目の前に展開された画面に文字が表示される

“『Type−TELLUS』へのアセンブル完了”

「シュヴァンツ、それは一体……?」

一夏が不思議そうに問いかける

さっきまで鋭角的な装甲だった機体が、今度は曲線的な装甲の機体になっている

「これは僕のIS『ストレイド』の機能の一つです。とにかく行ってきますね」

「ああ……負けるなよ!」

「ええ、行ってきます」

カタパルトに乗ると少年は背中のブースターを開き『オーバードブースト』を起動した

一瞬にして時速千キロ以上の速度を叩き出し、少年はセシリアが待っている戦場へと飛び立つ

白の山猫は翼を得て、空へと羽ばたいた





セシリアがやって来た少年のISを見て驚いた

「『全身装甲』!?そのISは一体何ですの!?」

「これが僕のIS『ストレイド Type−TELLUS』です」

「ふ、ふん!別にどんなISだろうと、私の『ブルー・ティアーズ』が負けるなど有り得ませんわ」

そしてセシリアは腰に当てた手を少年の方に、指を突き出した状態で向けた

「チャンスを上げますわ」

「チャンス?」

「私が一方的な勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというなら、許してあげない事も無くってよ」

そう言って目を笑みに細めるセシリア

「お断りします」

「そう、残念ですわ。それなら___」

___警告、敵IS射撃体制に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填

『ストレイド』から警告情報を伝えられる

「お別れですわね!」

セシリアの持つレーザーライフルから光が放たれ、少年の体を撃ち抜いた

「____!」

しかし直撃した筈の左肩の装甲は、大してダメージ受けておらず、少しばかり焦げて凹む程度で済んでいた

“大体『067ANLR』位か”

少年は冷静に分析する

セシリアの武装の威力を知る為、わざと回避出来る一撃を受けたのだ

“ビット兵器も同じ位かな……”

ある程度、予測を付けた少年は一気に加速してセシリアに接近する

「さぁ、踊りなさい。私、セシリア・オルコットと『ブルー・ティアーズ』の奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

セシリアの的確な射撃が少年へと襲い掛かってくる

レーザーの弾雨を少年は巧みに回避すると

“やるかな……”

そう思い、少年は『ストレイド』の性能を発揮する

瞬間、『ストレイド』が急加速した

「くっ!?」

予想外の加速に虚を突かれたセシリアに少年が放ったレーザーライフルが直撃した





「強いな、シュヴァンツ」

「ああ、急加速で的確に相手の攻撃を回避しながら、自分の攻撃を通している」

「俺もアイツみたい強くなれるかな?」

そう言う一夏の目はヒーローに憧れる少年の様だった

「……そうでは無く、なるんだろう?」

箒の言葉に一夏は少し驚いた表情として笑った

「そうだな」

一夏は箒とモニターに映る少年を見た





「行きなさい!ブルー・ティアーズ!!」

セシリアの声と共に放たれた四つのフィン状ビット少年へ襲い掛かる

“アレよりは早いなぁ……”

それぞれが意志を持つように動き、レーザーを放ってくるが少年は急加速『クイックブースト』を使って回避していた

「そこッ!」

少年が放ったASミサイル『BM05-LAMIA』が『ブルー・ティアーズ』を自動で追いかけて撃墜してゆき、セシリアへレーザーライフルを叩き込んでゆく

 「決めます」

少年はオーバードブーストを発動して一気にセシリアへと接近する

凄まじい加速で接近した少年の目にセシリアの顔が映った

彼女が浮かべていた表情は焦りでは無く、不敵な笑み

「かかりましたわね!」

直後、セシリアの腰部から広がるスカート状のアーマーから二門の砲塔が展開された

「ブルー・ティアーズは六基ありましてよ!」

そこから放たれたのは先程の自立攻撃型では無く弾頭型、つまりミサイルだ

「______!!」

オーバードブーストを使って接近していた少年へと放たれたミサイルが直撃し、爆発が起きた




だが、漂っていた煙が晴れると無傷の『ストレイド』が姿を現した

その周囲には緑色の光が球状に展開されており、それが少年を守っていた

「バリアーですって!?」

セシリアは見た事も無い機能に驚いた

このバリアー『プライマルアーマー』は有害物質コジマ粒子を使ったビームバリアーであり、コジマ粒子を大量に撒き散らす為に環境に良くないのだが、束によって開発されたフィルターで無害化されているので、気にする事無く使えるのだ

所謂ご都合主義である

少年はクイックブーストでセシリアの懐に飛び込むと、右手に装備したレーザーブレードで一閃し、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーを0にした

『試合終了、勝者______シュヴァンツ・ヘイズ』

「きゃあああ!」

「おっと……」

落下するセシリアをキャッチして地面に降り立つと、少年はゆっくり彼女を降ろした

「大丈夫ですか?」

「この私が……」

負けた事でショックを受けている彼女に少年は優しく語りかけた

「セシリアさんは、まだまだ強くなれますよ」

「え?」

「僕達はまだ一年生で学生なんです。最初から強い人なんていません。負けるときは負けます。そうやって失敗や後悔して人は強くなるんです」

だから頑張りましょう?と少年はセシリアの瞳を見て優しく微笑んだ

「………はい」

すると彼女は頬を赤くしながら少し小さな声で答えたのだった



「シュヴァンツが勝ったな!」

「ああ、だがお前と戦う相手になった」

箒の言葉に一夏は笑った

「だな……でも負けるつもりは無い」

一夏は先程届いたISを纏って発進した

「箒」

「な、何だ?」

「行って来る」

「ああ、どれだけ強くなったか見せてこい!」

箒の激励を受け、一夏は大空へと羽ばたいた





「来ましたね一夏さん。貴方がどれだけ強くなったか確かめさせて貰いますよ」

「ああ!お前や箒との特訓が無駄じゃなかったって事を証明してやる!」

対峙する二つの白

少年の機体が再び変化する

“ストレイド Type-AALIYAH アセンブル完了”

ストレイドの変化に観客のクラスメイト達も驚きの声を上げる

「凄いなソレ。ホント何なんだ?そのIS」

IS『白式』を纏った一夏が訳が分からないと言った様子で少年に聞いた

「ストレイドは新世代のIS『インフィニット・ストラトス・ネクスト』です」

「って事は新世代機なのか!?」

「ええ、束さんが開発した万能機です。しかも第四世代機超えて第五世代機です」

「な、なんだってー!」

某漫画風に驚く一夏

そんな一夏の反応を無視して少年は続ける

「さぁ、一夏さん。貴方が某ユニコーンの劣化版と言われない様な強さを見せてください」

試合開始のブザーが鳴った直後、少年はクイックブーストで接近すると右手のマシンガンで牽制した

「危なッ!!」

冷静に銃口の向きを見て回避する一夏は右手に持った剣で少年に切りかかる

「させません!」

クイックブーストで回避すると逆に左手に装備した盾形のブレードを振る

「おっと!」

回避した一夏の目にアサルトライフルの銃口が見えた

少年は容赦無く一夏へアサルトライフル『MARVE』を放った

「ぐうッ!」

『白式』のシールドエネルギーが削れてゆくが、一夏は右手のブレードを振るった

「甘いですよ」

少年は盾形の形状を生かしてブレードで防ぎ、アサルトライフルを向けた

「同じ手を喰らうかよ!」

一夏は少年の右手を蹴り上げて銃口を逸らすと、ブレードで弾き飛ばした

体勢を崩して大きく飛ばされる少年へ一夏が追撃を仕掛ける

「うおおおおッ!!」

少年は背部装備の散布ミサイル『MP-O700』を放った

「おおおッ!!」

十六発のミサイルの弾幕を剣で防ぎながら、少年へと一太刀浴びせた

だが、プライマルアーマーによって弾かれた

「くっ!?」

「これを破るにはまだまだですよ」

『ストレイド』の背部に装備されたプラズマキャノン『TRESOR』が一夏へと至近距離で放たれた


が、それは直撃する前に光り輝いた『白式』によってかき消された

「やっとですか……」

少年は待っていたとばかりに微笑んだ

その視線の先には真の姿の純白がいた



「これは………」

新しく形成されたISの装甲は洗練された形へと変化していた

そのデザインは何処か中世の騎士を思わせる様な姿であり、持っている武器も日本刀のような形状をしていた

「……俺は世界で最高の姉さんを持ったよ」

その言葉に少年は“本当に千冬さんが大好きなんだなぁ”と苦笑する

「俺は、俺の家族を守る」

「……………」

ちょっと少年はぎくりとした。何せ彼の姉といかがわしい事をしたのだから

「行くぞ!シュヴァンツ!」

「……言葉は不要です」

そして戦いはこれからであった





「うおおおおおっ!!」

先程よりも早く鋭く一夏の太刀が少年を切り裂こうとする

「っ!」

クイックブーストで一太刀を回避すると、少年は右手に装備したアサルトライフルで一夏を側面から襲う

「させねぇ!!」

先程よりも早く一夏の弐の太刀が少年へと襲い掛かり、アサルトライフル『MARVE』を弾き飛ばした
 
続いて参の太刀が体勢を崩した少年に放たれる

「くっ!!」

プライマルアーマーで防ごうと展開した途端、一夏の剣『雪片弐型』刀身が開きレーザーブレードとなった

それは『ストレイド』のプライマルアーマーを断ち、装甲をも切り裂いた

「ぐあっ!!」

咄嗟にバックブーストを使って距離を離す少年

シュヴァンツのISは元々ネクストをISにしたものであるため、AMSによる接続がある

それによってISよりも早く動く事が可能で自分の体の様に使えるのだが、脳との直接神経接続をしているAMSによって脳へとダメージがそのまま伝わるのだ

少年は高いAMS適正を持つ為、痛みはかなりある

肩の装甲を斬られ、シールドエネルギーを結構削られた少年へ一夏が食らい付く

「これで!」

少年へと必殺の一撃を叩き込もうとする一夏



しかし次の瞬間『ストレイド』が光り始め

「これが僕の切り札です」

凄まじい閃光と共に大爆発が起きた





「結構強くなりましたね。一夏さん。まさか左肩をザックリ斬られるとは思ってませんでした」

「でもあれは反則だろ……自爆って」

一夏と少年は二人揃って苦笑し合っていた

「本当だったら、あれ位の威力のアサルトアーマーだったら負けてませんでしたよ」

「武器の特性も考えずに使うからだ。身を持って分かっただろう。明日から訓練に励め。暇があればISを起動しろ。いいな?」

「………はい」

やれやれと千冬の言葉に一夏が頷く

帰り道では三人で話し合っていた

「明日からの訓練はISも加えますね」

「ああ、頼む」

「………むぅ」

「あ、箒さんも手伝ってください」

すかさずフォローを入れる少年

「一夏さんは様々なタイプの相手と戦って経験を積んだ方が良いんです。だから近接戦闘担当は箒さんにお願いします」

「よ、よし、分かったぞ!任せろ」

「だ、大丈夫だよな……?」

やる気満々な様子の箒に少々不安を覚える一夏だった

「所で、一夏さんはユニコーンのニュータイプだったり、キーブレード使う少年だったり。箒さんはオカルト嫌いの人だったり、軽音楽部の恥ずかしがり屋だったりするわけですが」

「「おい!!」」

突然のメタ発言にツッコミを入れる二人

「僕の中の人は誰が良いと思います?永遠の五歳児だったり、学園都市最強ロリコンの超能力者だったり、戦争大好きな演説が有名な少佐だったりと、候補が多いんですが」

「いやいや!メタなネタを振られても!」

「個人的には対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースの人でもイケる気がするんですよ」

「知るか!!」

そこで少年は一つの事実に気が付いた

「中の人が決まってないのなら自由に声が変えられる!?」

「キャラ崩壊してるぞ!?」








サアアアアアとシャワーノズルから熱めのお湯が噴き出す

水滴は肌に当たっては弾け、またボディラインをなぞる様に流れて行く

胸は同年代の白人と比べれば慎ましやかであるが、日本人と比べれば十分所か大きい位である

シャワーを浴びるセシリア・オルコットは今日の事を思い出す

“……シュヴァンツ・ヘイズ”

ルビーの様に赤い瞳、女子にも見えてしまう可愛らしい容姿、気弱そうな外見とは裏腹にあった男らしさ、そして誰でも魅了する様な笑顔、その華奢な体躯から伝わって来た男の匂い

それを思い出したセシリアは下腹部がきゅんと疼くのを感じ

下腹部へと手をやり、己の秘所に触れた

「んっ!」

触れただけで快楽の電流がセシリアの脳へと奔った

そのまま彼女は秘所をくちゅくちゅという音を鳴らしながら、弄り続ける

彼女のソコは既に愛液で潤っており、シャワーの水滴に混じってタイルへと垂れていた

「ふぁ、はああああん」

指をだらしなく愛液を垂れ流す自身の膣へと挿入すると、一気に快感が増した

また左手の方も十分に豊かな乳房を揉みしだいていた

充血しピンッと硬く尖った乳首を摘んで転がす様に扱く

膣を弄る右手は中指と人差し指が挿入され、襞をほぐす様に掻き回す

「はっ……ふぁぁぁん……はふぅ」

転がしていた乳首を強めに引っ張ると痛みと快感が襲い掛かり彼女の脳を蕩かす

にゅぷにゅぷと指の挿入を繰り返す彼女の膣からは愛液が溢れ、右手を濡らしていた

激しく指で膣を掻き回し、勃起した肉芽を摘まんだ

「はぁ、あぁん!!ふぁあああ!」

上気した彼女の表情は淑女とはかけ離れた淫蕩な牝の顔であり、自分でも淫乱だと思っていても止める所か、更に激しさを増し垂れ流す愛液の量も増す

指で膣を掻き回しつつ、時折肉芽を摘まんで快感のアクセントを加える

「んひぃ!!ふあああぁぁっ!!」

体中を駆け巡る快楽の電流に体を震わせながら乳首を扱き、膣内の肉ひだを擦り上げ、肉芽を摘まむ

淫らに悶絶する彼女の息遣いが激しくなってゆき

「ふぁ……んはぁぁぁあああん?」

体中を震わせながらセシリア・オルコットは果てた

ぶるぶると体を震わせ、ぷしゅっ、ぷしゅっと膣口から汁を噴き出し、シャワーから吹き出るお湯と共に排水溝へと流れて行く

「はぁ……はぁ………シュヴァンツ……ヘイズ」

絶頂の余韻に浸りながら彼の名前を口にして見る

不思議と胸が熱くなり、どうしようもなくドキドキしてしまう

自分の唇を指でなぞってみると、不思議な興奮を覚え子宮がきゅんっと疼くのが分かった

「……………」

____熱くて切なくて嬉しい

____何なのだろう、この気持ちは?

____意識すると、途端に胸が一杯になってゆく感情の奔流

____この感情の先にあるモノを知りたい

____彼の事を知りたい

「はぅ……」

そう思った途端、また快感がぶり返し始め、愛液が溢れてきた

「…………あっ?」

そのまま彼女は己の手を、秘所へと再び伸ばした




結果、彼女が浴室から出るまで長い時間が掛かったのだった



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