純白の髪にルビーのように紅い瞳の少年『シュヴァンツ・ヘイズ』

茶髪気味な長い黒髪をポニーテールで纏め、日本刀の様な雰囲気が特徴の『篠ノ之箒』

少年の部屋で二人は今日も女の魅力を上げる為の特訓という名の調教をしていた

「箒さん。見せてください」

「あ、ああ・・・・・・・・」

まるで少年の言葉は絶対だという様に、箒は顔を赤らめながらも言葉通りに従う

スカートの端を指で摘むとゆっくりと持ち上げてゆく

健康的で肉付きの良い太腿が現れ、少年の視線も合わせる様に上がってゆく

「・・・・うう・・」

羞恥に震えながらも箒はスカートを離す事はせず、そのまま隠されているべき物が顕になる

女の部分を隠す下着は既にぐしょぐしょに濡れており、牝の匂いが少年の下にまで漂ってくる

それに下着の中からはヴヴヴヴヴというバイブレーションの音が聞こえており、下着の隙間から伸びるコードは太腿にあるバンドによって固定されている電池ボックスに繋がっていた

「それで箒さん。今日は何回イったんですか?」

「今日は・・・・さ、三回・・・・」

箒は羞恥に焼かれながらも正直に告白する

今にも、むしゃぶりつきたくなるムチムチとした肉付きの良い太腿は、女陰から溢れ出した牝汁が流れて膝裏にまで伝っていた

それでも箒は開いた足を閉じようともせず、スカートを上げたままでいる

これまでに少年が行ってきた羞恥調教によって箒はある程度、羞恥に対する自制心を手に入れた

だが、どうしても一夏にだけは素直になれないのだ

「クラスの皆さんが授業を受けている間、箒さんは一人だけ感じていたんですね」

「うう・・・・・」

少年が少し意地悪そうな表情で箒の羞恥を煽る

嬲る様な言葉に彼女は涙目になる

だが、もっと虐めてと言わんばかりに牝汁を垂れ流す女陰の奥は疼いていた

「すぐ傍に一夏さんが居たのにイっちゃたんですね?」

「い、言わないでくれ・・・・・」

弱々しく言う箒にクスッと少年が微笑むと、命令を出した

「それじゃあ濡れた下着を着けてても気持ち悪いでしょう。脱いでください」

その言葉に従順に従い、ゆっくりと下着の脱ぐ箒

少年の目の前に現れた女陰からはコードが伸びており、ローターが挿入されていた

呼吸に合わせるかのように膣口がヒクヒクと収縮を繰り返しており、時折、牝汁を溢れさせている

見ているだけで背筋がゾクゾクする光景である

「それじゃあ抜きましょうか」

にちゃり、と触れられた少年の指が箒の膣口をなぞる様になで上げる

あてがわれた指が膣口を解すように揉みしだく

垂れ落ちる汁が少年の手を濡らしてゆく

「んッ・・・・あぁ・・・んんっ!」

今の箒には小さな刺激であっても強烈であるらしい

細やかに動かしながら指を奥へと入れ、卵型の振動機の根元にあるコードを摘んだ

そのまま一気にズルズルとローターを引き抜く

「ああッ!」

ちゅぷんという音と共に箒が仰け反らせながら体を震わせている

一気に引き抜かれた快感で絶頂してしまったらしく、熱くなった息を吐き出し、涼しい空気を吸い込んでいた

「今日は男の目を楽しませる訓練をしてみましょう」

「・・・・分かった」

「それじゃあ、全部脱いでください」

少年が告げると箒が凍りついたように固まった

「恥ずかしいと思いますけど、これも一夏さんの為ですよ」

少年の言葉に箒は、はっとする

これは一夏の為と心の中で思いながら彼女は服を脱いでゆく

少年は目の前の脱衣ストリップを目で楽しんでいる

“・・・・僕ってこんなに鬼畜でしたっけ?”

ふと少年は元の世界での自分と今の自分に違和感を覚えていた

“それとも、これが僕の本性なのかな・・・・?”

新しい自分の一面を見つけた事にショックを覚える少年

だが、眼前の少女を男の理想である『昼は淑女、夜は娼婦』な女性にする気はある

本人的には箒の一夏への恋心を利用して弄んでいるつもりは無い

恥ずかしさに耐える事で理性を鍛える訓練である

そうと言ったらそうなのだ

調教し終えて飽きた・・・訓練が終わったら一夏にプレゼ・・・一夏に告白させるつもりだからだ

そうこう考えている内に箒が全裸になっていた

彼女は恥ずかしそうにモジモジしながら手で股間と胸を隠している

そんな彼女に優しく少年は言う

「隠しては駄目ですよ。ほら見せてください。大きいんですから、もっと揺らしてエッチにアピールしないと。まずは頭の後ろで腕を組んで、ガニ股になって下さい」

「く、うう・・・・」

少年の言葉に従い箒はゆっくりと腕を頭の後ろで組んで、ガニ股になる

その余りにも下品で変態的な格好に彼女は震えながら、微妙に少年を睨んでいた

だが下品で無様な格好で睨まれても、余計に嗜虐心が煽られるだけである

「駄目ですよ、もっとイヤラシい表情じゃないと・・・」

少年の視線は箒の全身を舐めしゃぶる様に蠢きまわる

優しげな光を灯した瞳の奥に宿る純粋な情欲の光に嬲られ、彼女の晒された秘部がきゅんと疼き、牝汁を床に垂れ流している

それだけではない、ゆっくりと箒の乳首がぷっくりと充血し尖り始めていた

「それじゃあ、男の人を誘う動きをしてみましょう」

少年の言われるがままに箒は腰をゆっくりと回し始める

くねくねと垂れ流している牝汁を床に撒き散らすかの様に腰を動かす

「おっぱいも揺らしてください」

更に少年が恥辱の注文を加えると、箒は腰の動きを止め上半身を激しく動かしてゆく

ブルンブルンと豊満に育った胸が跳ね回り、卑猥な光景になる

少し跳ねるような動きで腰を左右に動かすと、円を描く様に動き回ってゆく箒の勃起した乳首

乳肉の柔らかさを象徴するようにタプンタプンと形を変えながら跳ねる乳房

牝汁を止めどなく溢れさせている下半身がうねりながら男を誘う動きをしている

これに興奮しないわけがない

「はぁ・・・はぁ・・・はぁッ・・・」

箒も今の自分がどれ程イヤラシい事をしているのかを考え、少年の視線を感じて興奮していた

“こんな無様で破廉恥な格好で踊って興奮するなんて・・・”

そう思えば思うほど、彼女の中にゾクゾクと未知の感覚が背筋を奔り抜けてゆく

「はぁ・・・んっ・・・・」

男を魅了する程に淫蕩な声で息を吐き、目を細める箒

少年の視線がコンプレックスである胸、股間に刺さっているのが感じられる

その視線の刃が刺さった箇所からゾクゾクとした感覚が奔る

それが気持ちよくて、激しく腰を振り、胸を揺らしてゆく

ブルンブルンと跳ね回る胸や円を描くように回り続ける乳首に少年の視線が刺さり、ピクンと反応してムクムクと乳首がより固くなり飛び出てゆく

勃起した箒の乳首は他の女子と比べてもやや大きかった

飛び出た勃起乳首がふるんふるんと回り、卑猥さに拍車をかける

くいっくいっと突き出されるようにして晒される膣口も牝汁に溢れさせ、照明の灯りに反射してぬらぬらと照り返していた

「ふっ・・ふっ・・ふうッ!」

少年も堪らず興奮して鼻息が荒くなり、見ているだけで強烈な射精感に襲われる

そこで彼は箒の踊りを止めさせ、次なる注文を出した

「なあッ・・・・!?」

その注文に絶句する箒だが、一夏の為と少年の囁く様な声に逆らえず体が動く

ベッドの上に乗ると彼女は腰を上げ尻を少年の方に突き出した格好になる

「ほら・・・」

「っ・・・・うぅ・・・」

恥ずかしさに呻き声を上げながらも箒は少年に促され、両手を尻に置く

そして尻肉を左右に引っ張った

牝汁を溢れ出している膣口だけで無く、ヒクヒクと可愛らしく震える尻穴まで少年の視線に晒されている

箒は恥ずかしくて顔を枕に埋めるものの、逆に視界が塞がれたことで他の感覚が敏感になり、より少年の視線が感じられるようになる

普段なら隠すべきである牝穴と排泄口を見られて、箒は快感を覚えていた

軽蔑してしまう程にイヤらしくなってゆく事に興奮してしまう

それが彼女の心を蕩かしてゆく

「凄くエッチで綺麗ですよ、箒さんのオマ○コとお尻の穴。それに臭いも凄い・・・」

「やぁ・・言うなぁ・・」

イヤイヤと恥ずかしがる箒にプッツンしそうな少年は決めた

「それじゃあ、箒さんの処女貰いますね」

にちゃ、と少年のペニスが栓が壊れたように牝汁を垂れ流している箒の膣口に充てがわれる

その感触に箒がきゅっと目を瞑って、破瓜の瞬間を待つ

男は処女が相手だと面倒だと思うらしい、という情報から少年に初めてを捧げる事にはそこまで抵抗はなかった

少年の手が箒の腰に回り、ガッチリと掴んで固定すると膣口に栓で塞ぐように思い切り貫いた

「くぅ、うあああああああああああ!!?」

牝穴に調教されてきた箒の膣は、少年の巨根サイズのペニスをぬるりと呑み込む

ブチブチィという感触が処女膜を破られたことを伝える

一拍遅れて、痛みが襲い掛かってくる

箒は目を見開き、全身を痙攣させていた

だが、それは破瓜の痛みによる物ではなかった

“・・・・気持ちいい”

散々、少年に調教され開発されてきた彼女の体は処女膜が破られた痛みよりも、牝穴を一気に貫かれ子宮をズシンと揺らされた快感を享受していた

「ふぁ・・・あっ・・・あぁ・・・・」

ズルズルと引き抜かれてゆくペニスのカリ首にに膣壁を引っ掻かれ、快楽の火がジリジリと箒の思考を溶かしてゆく

膣内から抜けてゆくペニスに寂寥感を覚えていると、次の瞬間には再び突きこまれた

締まってゆく膣道を少年のペニスが押し広げながら子宮へと突き刺さる

「んひぃぃぃぃっ!!?」

全身に駆け巡った快楽に箒の体が跳ね上がる

ガツンガツンと思慮もなく、最奥部を遠慮無しに突き続ける少年

巨大なペニスの一突き一突きが箒の膣道を押し広げ、肉襞を抉ってゆく

膣内も初めてながらゆっくりと蠢き、少年のペニスを締め付けてくる

破瓜の鮮血は既に潤っていた彼女の汁と少年の先走りによって薄められていた

「はぁ!・・ああう!・・・すご・・あああぅ!は、激しいぃぃ!」

道具の様に扱われ激しくピストンされながら、先程まで処女であったのが嘘であったかの様に箒は目を快楽に蕩けさせていた

はっ!はっ!と獣の様な荒い息を吐く口からはつぅ・・と涎が垂れてベッドのシーツを濡らしている

“初めてだというのに私はこんなにも感じて・・・”

淫蕩になってゆく自分を意識すればする程、少年のペニスがより感じられて快楽も増幅する

グチュグチュと牝汁が掻き出される水音を耳にしながら、膣内を掻き回されシェイクされる衝撃に咽び泣く

「あっ・・・くぅ!・・はぁうん!」

すると突如として迸った快感に箒の背筋がゾクゾクと震えた

「はぁんッ!そ、そこは、ダメ!ゆ、指が・・ひぃん!!」

押し広げられる膣口の上でひくひくと震えていた尻穴に少年の指先が沈み込んでゆく

きゅっと締まっていた括約筋が解され、少年の中指が箒の尻穴に侵入する

「うああああああ!!?」

クッと曲げられた中指が腸内を引っ掻く様に引き抜かれては、また挿し込まれる

尻穴の異物感につい意識してしまい、括約筋に力が篭ってしまう

すると尻穴が少年の指を喰いちぎらんばかりに締め付ける

それによって指が引き抜かれてゆくと、括約筋が捲り返ってゆく

更に彼は人差し指まで箒の尻穴に突き入れた

「あっ!ああああ!!こ、壊れるぅ!お尻が壊れるうう!!」

二本の指に貫かれた彼女の尻穴は排泄する時以外では無い程に開かれ外気に晒されていた

人差し指と中指に貫かれて広げられた尻穴はグポグポとほじくられ、括約筋を捲り上げられる

「くぅあああああ!イってる!またイってるのおおおお!!」

更にゴリゴリと極太のペニスが膣で抉られ続け、箒は既に何度も絶頂に達していた

尻穴を広げられ、ほじくられながら、子宮を突かれ続けている彼女の思考は既に蕩けきって何も考えることは出来ていない

既に一夏の事など何も考えていない

ただ与え続けられる快楽を貪りながら堕ちてゆくだけだ

洪水のようになっている膣口からパチュンパチュンと濡れた打音が響き、二人の下半身をびちょびちょに濡らしている

きゅうきゅうと締め付ける膣と尻穴を容赦無く指とペニスが抉ってゆき

小刻みな抽送で膣を擦りあげていたペニスがズシンッと子宮口に密着すると




「ふっ、うううううううう!!」

「イッッくううううううゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」




最奥部でブワッと膨張したペニスから爆発した様に噴射された白濁のエキスが、彼女の膣内を満たしてゆき、体中が溶け出してゆく様な快楽に箒はガクガクと体を痙攣させていた

「はひぃ・・・んはぁぁぁ・・・・・」

そのまま、じょぉぉぉぉぉぉと失禁してしまう

アンモニアの匂いがベッドのシーツに染み付いてゆく

「はぁ・・・・ぁぁ・・・」

原始的な排泄の開放感にうっとりする箒

すると少年が彼女に顔を寄せた

「ん・・・ちゅ・・・・」

言葉にせずとも伝わっているとでも言わんばかりに少年と唇を重ねる箒

「はぁ・・・んむ・・・・」

にちゅにちゅと舌を絡めあわせて口での快楽を貪ってゆく二人

未だに彼女の膣内に埋まっている少年のペニスも萎える事無く、更に滾ってゆく

「箒さん・・・もっとしましょう」

「はぁ!うんっ、ああっ!!」

そうして二人は時間も忘れ快楽を貪り合ってゆくのだった








「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れな事が多いかと思いますが、皆さんよろしくお願います」

転校生の一人、シャルルはにこやかな顔でそう告げて一礼した

呆気にとられたのは一人を除いたクラス全員である

「男・・・?」

誰かが呟いたのを切欠にクラスが一斉に沸き立つ

「男子!三人目の男子!!」

「しかもうちのクラス!」

「王子様系の爽やか美少年!!」

「織斑君やヘイズ君と・・・ぐふ、ぐふふふふ・・・」

そんなクラスメイトを無視しながら少年は転入生の二人を注意深く見ていた

“今頃になって転入生・・それも男・・・今まで公表しなかった事を考えると、明白過ぎるんだけど・・・”

シャルルの正体を的確に見抜いている少年

大体の背後関係も束からの情報で入手している為、問題ない

少年はもう一人の銀髪ロングストレートの眼帯少女に目をやる

“・・・軍人だって事は確かですね”

冷たく鋭い気配が全身から発せられており、隠されていない赤い瞳が少年に何となくシンパシー的なモノを感じさせる

「ラウラ、挨拶しろ」

「はい、教官」

千冬の言葉に敬礼をする彼女

その遣り取りに少年は思い当たることがあった

千冬はドイツ軍に出向して教官を勤めていたことがある

恐らく、その時の教え子だろう

「ラウラ・ボーデウィッヒだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

名前だけの自己紹介。それ以外は話すことなどないと言わんとばかりに彼女は口を閉ざす

一夏の様に何を言えばいいのか思いつかないという訳ではないだろう

「あ、あの以上・・・・ですか?」

「以上だ」

するとラウラが一夏の目があった

「! 貴様が___」

ラウラは突然一夏の下へ歩み寄ると、平手打ちを一夏に見舞う

「何・・・・!?」

しかし・・・・・

「転校早々、暴力は良くないですよ・・・・」

少年が彼女の腕を掴んでいた

二人の赤い視線が重なり合う

「貴様ッ!」

「うわっ、と・・・」

ラウラは少年の手を振り払った

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

一夏へそう言って自分の席へと向かっていった

「大丈夫ですか?」

「ああ・・・ありがとうな」

少年はやれやれ・・・新しい問題が起こりそうだな。と思うのであった

「ではHRを終わる。各人は直ぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

千冬が行動を促し、クラスの皆もそれに従って準備をする

「災難でしたね。一夏さん」

「ああ・・・だけど一体何だったんだ・・・?」

そこへ二人の元へシャルルがやって来た

「君達が織斑君とヘイズ君だね?初めまして。僕は___」

「ああ、いいから。とにかく急ごう。女子が着替え始めるから」

「そうですね。早くしないとちふ、織斑先生に出席簿で叩かれますからね」

そう言って二人は駆け足でシャルルを誘導してゆく

だが彼らの前に女子生徒達が現れた

「ああっ!転校生発見!」

「しかも織斑君とヘイズ君と一緒よ!!」

早速、HRを終えた他のクラスから情報収集の為の尖兵が駆け出してきている

「くっ、不味い!アレに呑まれたら終わりだ!」

「迂回して別ルートで向かいましょう。波に巻き込まれるよりは遥かにマシです」

「ああ、こっちだ!」

「えっ!?ちょ、何が起きてるの!?」

一人混乱するシャルルを引っ張りながら二人は廊下を駆ける

「いた!こっちよ!」

「者共!出会えい出会えい!」

彼女等も簡単には逃がしてくれそうにない

「黒や純白の髪の色もいいけど金髪っていうのもいいわね!」

「しかも瞳はエメラルド!」

「これは・・・織斑君×ヘイズ君だけじゃなくて織斑君×転校生やヘイズ君×転校生という可能性が!」

「日本に生まれて良かった!」

「prprしたい・・・ハァハァ・・・・・」

何やら変態が混じっている様だが、気にせずに廊下を進む

「ここなら一気に抜けられる筈・・・」

「甘いわよ!!」

しかし、前から敵が出現した!!

「伏兵!?」

「甘いわね。私達が貴方達の逃走進路を予測していないとでも思ったのかしら?」

水色の髪の女子がキュピーンと瞳を輝かせて言った

「く・・・ここまでなのか・・・」

「何なの・・この展開?」

肩を落とす一夏と状況についていけないシャルル

だが少年は諦めていなかった

「諦めるのは早いですよ」

彼は一夏とシャルルを庇う様に前に出る

「あら、この戦力差でまだ抗うつもりなの?」

「ええ・・・この両腕は欠けていない。この両足は地を踏みしめている。この心臓は動いている。僕はまだ生きている。諦めるには早すぎるんですよ」

「ふふ・・・愚かね。そんな事をしても余計に苦しむだけなのに・・・」

「奇跡は起きるものじゃない。起こすものなんですよ」

「だから、この超展開は何なのさ!?」

余りの事にシャルルが堪らずツッコミを入れる

「あれだろ・・・ほら、厨二病って奴だよ。日本男子なら一度は通る道だ」

「ヘイズ君はスイス人だからね!?」

すると少年は二人に叫ぶ

「一夏さん!シャルルさん!ここは僕が食い止めます!だから急いでください!!」

「でも、お前は!!」

「僕のことは構わず、早く!!」

「くっ・・・お前の事は忘れない!!」

「本当に何なの・・・・?」

シャルルを引き連れ一夏は走ってゆく。少年は死亡フラグを建て女子生徒に立ち塞がった

「貴方一人で私達精鋭を止められるとでも?」

「ええ・・・・あの二人を巻き込む訳にはいきませんから」

「何?」

彼は一つの禁じられた技を出す事にした

その技は、少年の世界で猛者として名の知れたリンクス『ミセス・テレジア』によって教えられた秘技

それを習得する為には才能と条件が必要だった

血の滲むような努力しても、その才能がなければ習得出来ない

カラードの本部施設を血で染め上げた威力に恋人からは使用禁止を言い渡された秘技

少年の見えざる力が全身を駆け巡り、細胞の一片に至るまで覚醒させてゆく

「こ、これは・・・・!?」


カッ!と少年が目に見開く


刮目するがいい・・・・この封印されし禁忌の一撃を!!







両腕を胸の前に置いて、目を潤ませて一言








「・・・・・止めてよぅ・・・お姉ちゃん」








直後、IS学園に血の花が咲いた



血で濡れた廊下を見ながら、一言

「なんとたわいの無い。鎧袖一触とはこのことですか・・・・」

そう言い残して、その場から少年は去ってゆく

だが、血の海の中で一人だけ立ち上がった人物がいた

「ぐ、ぐぅ・・・・強烈すぎたわ。まさか、あんな隠し球を用意してるなんて・・」

ふらふらになりながら彼女は立ち上がる

「もし、あれを使ったのが彼じゃなくて簪ちゃんだったら死んでたわね」

そんな彼女の元へ、眼鏡を掛けた茶髪で眼鏡を掛けた女子がやって来た

「お嬢様。これは少々お遊びが過ぎたのでは?」

「そうね・・・でもイイ物が見れたから良いじゃない?」

「まず鼻血を拭いてください」

「貴方もね」

差し出されたティッシュで鼻血を拭う水色の髪の彼女

「それと録画は?」

「勿論、行っております」







「遅い!」

バシーンと響く出席簿の音がグラウンドに響き渡る

「おおう・・・・」

「大丈夫、一夏?」

脳天に叩き込まれた出席簿の威力に悶絶する一夏

あの後、少年はさっさと着替えて、一夏よりも早くグラウンドに着いたのだ

「シュヴァンツさん達も大変でしたのね・・・・」

「ええ・・・まさか秘技を使う羽目になるとは思ってもみませんでした」

少年の隣ではセシリアは苦難の道乗りを話していた

「また、アンタは馬鹿をやったの?」

「戦ってきた・・・・・」

「は?」

「いや、ちょっとな・・・・・」

「訳がわからないわよ・・・・」

一夏の言葉に?マークを浮かべる鈴

「では、本日から格闘及び射撃を含む実機訓練を開始する」

「はい!」

妙に気合の入っている一組・二組のクラスメイト達

彼女等を複雑そうな表情で見ている少年

真偽の方はともかくISは『地上最強の兵器』と称されているのだから、彼女らが扱うのは兵器である

つまり、彼女達は戦場へ出て人を殺める事になるかも知れないのだ

現状はスポーツ競技だが、実際に使用される戦争の兵器を扱っているというのにお気楽なモノである

“単なるエリートスポーツ校の様になっているから仕方ないか・・・”

意識の違いって怖いものだなと思いつつ、聞こえてきた空気を裂く様な音に意識を向けた

「ああああーっ!ど、どいてください〜っ!!」

「_______ッ!?」

危険を察知した少年は振り向くと同時に『ストレイド』を四肢だけ展開

で、突っ込んできた人物を受け止めた

「・・・・・あ、ありがとうございます」

「あ、はい」

少年は突っ込んできた人物、山田真耶から手を離す

「むぅ・・・」

「・・・・アンタねぇ」

「あはは・・・・・・・」

後ろで少年に嫉妬の視線を送っているセシリアと鈴に苦笑いを浮かべる少年

「尻尾君、エージェントみたいで格好良い〜」

「どうも・・・」

のほほんさんはマイペースだった

エージェントというのも、あながち間違いではないので割と洒落にならない

「山田先生はこう見えても元代表候補生だからな。実力は保証する」

「む、昔のことですよ。それに候補生止まりでしたし・・・」

謙遜する真耶はわたわたと可愛らしかった

「さて、それでは鳳とオルコット。お前達二人が山田先生の相手だ」

「え?あの、二対一で・・・・・?」

「いや、流石にそれは・・・・」

「安心しろ。今のお前たちなら直ぐに負ける」

その言葉が気に障ったのか、ヤル気満々でセシリアと鈴はISを展開して飛び上がった

「では、始め!」

千冬の号令の元、戦闘が始まる

それを観戦している少年はへぇ・・・と感心した

冷静な瞳でセシリアと鈴の攻撃を回避してゆく真耶の動きは、普段の子犬みたいな様子からは想像出来ない

横ではシャルルが真耶の纏っているIS『ラファール・リヴァイヴ』についてを説明している

“成程・・・流石は元代表候補生だなぁ・・・”

マヤが未だに一撃も受けていないのは、それ以外にもセシリアと鈴の連携が酷いからでもあった

互いに協力してでは無く、両者とも自分が倒そうとして足を引っ張り合っている

「二人共、もっと協力しなきゃ〜」

「山田先生ってあんなに強かったんだね」

「いつもはアレなのにね」

クラスメイト達も口々に何か言っている

すると真耶がグレネードを投擲し、爆発。

二人は地面に落下した

「くっ、うう・・・まさかのこの私が・・・」

「アンタねぇ・・・何面白いように回避先読まれてんのよ!」

「鈴さんこそ、無駄にバカスカと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

「こっちの台詞よ!何ですぐにビットを出すのよ!しかもエネルギー切れるの早いし!」

「ぐぐぐぐっ・・・・・!」

「ぎぎぎぎっ・・・・・!」

睨み合う二人を見かねた少年が仲裁に入った

「落ち着いてください。二人共、連携がなっていませんでした。だからおあいこですよ。ね?」

「シュヴァンツさんがそう仰るのでしたら・・・仕方ありませんわね」

「分かったわよ・・・・・」

少年が優しく言うと二人は矛を収めた

「さて、これでIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」

パンパンと手を叩いて千冬が皆の意識を切り替える

「専用機持ちは、織斑、ヘイズ、オルコット、デュノア、ボーデウィッヒ、鳳だな。では七人グループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやる事。いいな?では別れろ」

この後、実習は順調に行われていった







「どういう事だ・・・・」

箒の呟きが屋上に虚しく響き渡った

一夏と一緒に屋上で昼食を取ろうと誘ったのだが、一夏だけで無く少年とシャルルと鈴とセシリアまで来ていた

「天気がいいから屋上で食べるって話だっただろ?」

「そうでは無くてだな・・・・」

ちらりと箒が視線を横に向ければ、白い少年が少しだけ申し訳なさそうな表情になっていた

「折角の昼飯だし、大勢で食ったほうが美味いだろ。それにシャルルは転校してきたばかりだし」

「そ、それはそうだが・・・・」

そんな一夏と箒を無視して少年はセシリアと鈴、それにシャルルと昼食を食べていた

「二人はどうすればいいのかな?」

シャルルは二人の様子にどうすればいいのか困っていた

「放っておいても大丈夫よ。はい、シュヴァンツの分の酢豚」

鈴がタッパーを開いて、少年に渡す

負けじとセシリアもバスケットを開いた

「シュヴァンツさん。私もこういう物を用意してみましたの。よろしければお一つどうぞ」

サンドイッチが綺麗に並んでいるが少年は少し複雑そうな表情で聞いた

「セシリアさん・・・・前みたいなのは止めて下さいね?」

以前のサンドイッチはコジマ色の何かが挟まっており、食材がナニカサレタヨウダ

「今度はちゃんと味見もしましたし、レシピ通りに作りましたわ!」

それを聞いてひと安心する少年

今度はコジマ色の世界を見なくて済みそうだった

「じゃあ早速・・・・」

まずは鈴の酢豚を食べる

程よい酸味と肉の脂が染み出して食欲を掻き立て、ご飯が欲しくなる

「美味しいですよ。鈴さん」

「ま、私が作ったんだから当然よ」

自信満々に言う鈴の様子に彼女らしいなと思いつつ箸を進めてゆく少年

「じゃあ、次はセシリアさんのサンドイッチですね・・・」

内心ドキドキしながらサンドイッチを食べた

「どうですの?」

サンドイッチの中身はシンプルにハムとレタスとチーズだったが、その味が市販の物と違っていた

どうやら高級品を使った贅沢なサンドイッチらしい

「うん。味は大丈夫です。美味しいですよ」

ニッコリと笑って言うと、セシリアも嬉しそうな表情になる

「良かったですわ。まだ沢山あるのでどんどん食べて下さいね」

バスケットの中には結構な量のサンドイッチがあった

“食べきれるかなぁ?”

一夏の方も箒の手作り弁当に感嘆の声を上げていた

「これは凄いな!どれも手が込んでいそうだ」

「つ、ついでだついで。あくまで私が食べる為に時間を掛けただけだ」

「そうだとしても嬉しいぜ。箒、ありがとう」

「ふ、ふん・・・・・」

そんなやりとりを見た少年は思った

“箒さん・・・本当に素直じゃないですね・・・”

いつになったら素直になれるのかを思いつつ、少年は酢豚とサンドイッチを平らげてゆく

「そういえばシュヴァンツさん・・・・」

「どうしました?」

セシリアが妙に怖い表情で詰め寄ってきた

彼女だけではない、鈴も同じである

「貴方、箒さんにも手を出したのですか?」

「・・・・・・はい」

「千冬さんにも?」

「・・・・・・はい」

二人の追求に少年は正直に答えてゆく。嘘を付けば何されるか分かったものではないからだ

そんな少年に二人は揃って溜め息を付いた

「私達はともかく箒は一夏の事を想ってるわよ?」

「ええ、分かってます。でも彼女の性格からすると素直になれず、空回りし続けると思います」

「確かにそうですわね・・・」

一夏の鈍感具合も酷いが、箒の素直になれない所も酷い

「それに何かと暴力に走ってしまいがちですので、自制心を育てる為に・・・」

少年の説明にふ〜んと納得したような表情を見せる

「でも、それって単なる建前になってない?」

「・・・・・・そんな感じも否めませんけど、箒さんの事は一応応援してますよ?」

複雑そうな表情になりながらも少年は弁明した

「一応、ね・・・・・まぁ、箒も最近は色気出てきたし効果はあるみたいね」

時折見せる女らしさに一夏が赤くなるのを見かけたのを思い出しながら、鈴は呟いた

「それと・・・シャルルさんの事ですが・・・」

男同士っていいよな・・・と一夏に嬉しそうにされているシャルルを見る少年

二人にしか聞こえない声で話す

「事情持ちの女子らしいです」

「・・・・・成程ね」

「事情ですか・・・・・」

彼の言葉に二人もシャルルを見る

「ま、そこまで問題じゃないなら気にしなくてもいいわね」

「そうですね」

現状のままでいいかという結論になったので、少年はそこまで問題視しない事にしたのだった



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