月曜の朝

陽光が照らす廊下を少年と一夏は歩き、教室に向かっていた

一夏は男らしく整った美形であり、少年は言うに及ばず絶世の美形

そんな二人が並んで廊下を歩けば誰もが見惚れるであろう光景だ

「おはよう♪シュヴァンツ、一夏」

そこへニッコリと花が咲いた様な笑顔で挨拶をしながらシャルルが合流する

本当は女性である彼、否彼女もまた美少年と言われても納得できる程の中性的美形である

「おはようございます。シャルルさん」

「おはよう。シャルル」

少年は陽だまりの様な暖かい笑顔、一夏は爽やかな笑顔でシャルルに挨拶を返す

通りがかった女生徒たちは、そんな美形三人組を見かけて持っている携帯端末で写真を撮ったりしている。それに対して一夏は少し居心地が悪そうに、少年はシャルルと一緒に苦笑していた

「・・・機嫌良さそうだけど何か良い事でもあったのか?」

どことなく嬉しそうなシャルルに一夏が疑問の声を上げた

「えへへ・・・まぁね」

ちらりと少年に視線をやってから照れ臭そうにするシャルル

その様子はちょっと可愛い

「何があったか分からないけど良かったじゃないか」

「そうですね。笑顔が増えるのは良い事です」

「二人共ありがとう」

「ああ・・・・ん?」

シャルルが嬉しそうで僕らも嬉しいという感じで三人が歩いていると、教室から聞こえてきた声に首をかしげた

廊下にまで聞こえてくるのだから結構な声量で話しているのだろう

何を話しているんだろう?と思いつつ教室へ入ると、ダークブラウンの長髪を後ろで二つ結びにした女子『谷本癒子』の話をセシリアと鈴が数名のクラスメイト達と聞いていた

「・・・それは本当ですの?」

「嘘じゃないの・・・?」

「本当だってば!学園中で持ちきりなのよ?月末の学園トーナメント優勝したら織斑君、デュノア君、ヘイズ君の三人と交際でき__」

「俺達がどうしたって?」

「「「「「きゃああああああああああああああああっ!!!??」」」」」

「うおっ!?」

自分の名前が出た事が気にかかったのか、話し込んでいたクラスメイト達へ不意打ち気味に声をかけた途端、少女達は悲鳴を上げてその場から飛びずさった

予想以上の驚き様に目を瞬かせながらも一夏は少女達へ質問した

「で、何の話だったんだ?俺たちの名前が出ていたみたいだけど」

「う、うん?そうだっけ?」

「さ、さあ、どうだったかな?」

笑みを浮かべながら話をそらそうとする少女達

その額からは冷や汗が流れているわ、目は泳いでいるわで怪しい事この上ない。鈍感な一夏ではあるが流石にこれでは誤魔化せない。

「なぁ、鈴。なんの話ししてたんだ?」

「単なる噂よ。今度の学園トーナメントで優勝したらアンタと付き合えるって噂」

鈴がつまらなそうに答えると、あ〜、そんな約束してたな・・・と思い出した一夏は頭を掻く

「それは箒との約束なんだけどな・・・」

何気なく放たれた一夏の発言にクラスの女子が一斉に反応する

「篠ノ之さんズルい!」

「抜け駆けか!!」

「私達にもその権利は有る筈よ!」

「モブキャラにも愛の手をォォォォォ!!」

「なっ!?これは私と一夏の約束だ!」

クラスメイト達が箒へ口々に不満を漏らし始めた

女三人寄れば姦しいとは良く言ったものだ

すると・・・・

「別に他の奴でもいいぞ?付き合っても」

「なあッ!?」

「「「「「えっ!?」」」」」

一夏の発言に箒が衝撃を受けた様な表情になり、他の女子達の瞳が輝いた

「ほ、本当にいいの?織斑君」

出席番号一番の相川清香が戸惑った様子で一夏に問う

「ああ、構わないさ」

何気ない様に言い放った一夏の言葉にクラスが沸き立ち、箒はそんな・・と呆然とした様子でショックを受けていた

やけにあっさりとしている一夏に少年は何か嫌な予感がした








「買い物くらい」




ズコーーーーーーーーーーーーーッ!!!と、その場にいた全員がズッコケた

「はぁ・・・一夏って素で言ってるから悪質だよね」

「・・・まぁ一夏さんですから」

溜め息を吐きながら呟くシャルルと苦笑いを浮かべながら仕方が無いと思う少年

クラスメイト達も交際ではない事に残念そうな表情だったが

「優勝したらおりむ〜や尻尾君とデートが出来るって事だよね〜」

という、のほほんさんの発言で乙女達はやる気を取り戻した

そして約束をした当の本人はというと・・・・

「ふ、ふふふふふ・・・・・・・・」

ゴゴゴゴ・・・と怒気を放ちながらユラリと一夏の方へと歩いてくる

「ど、どうしたんだ箒?何を怒って・・・」

「こぉんの朴念仁がァァァァァァ――――――ッ!!!!」

「光が!・・・・逆流するッ!?」

「NICE JOKE」

乙女の純情を弄んだ一夏はプァンプァンプァンプァーンというファンファーレが脳内で流れながら怒りの拳によって沈んだ








「・・・・・・」

『黒猫』と呼ばれる少年、仮名『シュヴァルツ・リンクス』は目の前の現実に少々困っていた

死んだ時から心も死んだものだとばかり思っていたが、どうやら心というのは意外としぶといのかも知れない

「すいません。お爺ちゃんは一度言い出したら聞かなくて・・・」

「別に蘭さんが謝る必要はありませんよ」

誘拐されそうになった五反田蘭を救ってから数日間、彼は五反田家の世話になっている

五反田家の家長である五反田厳が蘭を救った事に感謝して、なにかお礼をさせてくれと頼み込んできたのだ

そのまま厳の勢いに事を荒げるのも困るので了承してしまい、現状に至る

束に連絡をしたら、少しの休みだと思ってゆっくりしていればいいと言われた

だがお世話になりっぱなしというのも問題だと事で五反田食堂を手伝っている

「ここは優しい人達ばかりですね」

「そうですね。うちの家族は皆優しいんです」

「蘭さんも可愛くて優しいですよ」

「そ、そんな可愛いだなんて・・・」

嘘偽りの無い様な真顔で言われた褒め言葉に照れてモジモジする蘭

命よりも利益が優先、力こそが全ての世界で他者を喰らいながら生きた人生

元の世界で失ってから久しい暖かさに少年は何かを思い出しそうになったが、それが何なのかは分からない

「どうしたんですか?」

「なんでもありません」

蘭は黒猫と呼ばれる少年が不思議だった

言葉や他の人と変わりないのだが時折、人形の様に人間味の無い表情になるのだ

まるで仮面が剥がれ落ちて、何もない貌が見えたかの様な感覚

「そうですか?何か困った事があったら言ってくださいね」

「分かりました」

蘭に向かって黒猫が浮かべた笑みはどこか作り物のように思えたのだった




「I'm a thinker. I could break it down.」

少年は歌いながら廊下を歩いていた

誰が歌っていたのか、そういうのは知らない

ただ時折この歌を聴くことがあったので、いつの間にか覚えてしまっただけである

「I'm a shooter. A drastic baby._____ん?」

すると歌っている最中に聞き覚えのある声が聞こえ、気になって意識を向けてみた

「何故こんな所で教師など!」

「やれやれ・・・・」

どうやらラウラと千冬が何やら話している様だった

「何度も言わせるな。私には私の役目がある。それだけだ」

「このような極東の地で何の役目があるというのですか!」

普段は冷静なラウラが声を荒げているのは、やはり彼女が千冬の教え子だったからか

「お願いです、教官。我がドイツで再びご指導を。ここでは貴女の能力は半分も生かされません」

「ほう?」

「大体、この学園の生徒など教官が教えるに足る人間ではありません」

「何故だ?」

「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションかに何かと勘違いしている。その様な程度の低い者たちに教官が時間を割かれるなど__」

「そこまでにしておけよ、小娘」

千冬の言葉がラウラを黙らせる。そこに含まれる覇気は蚊帳の外である筈の少年でも充分に感じられて怖いと感じてしまう

「少し見ない間に偉くなったな。十五歳でもう選ばれた人間気取りとは恐れ入る」

「わ、私は・・・・・」

圧倒的な力と嫌われるかもしれないという恐怖でラウラは言葉が続けられずにいる

「さて、授業も近い。さっさと教室に戻れよ」

千冬に急かされ、ラウラは黙したまま足速にその場から去っていった

「・・・・・・・・・」

少年はラウラの言い分も分かるが、どうにも子供っぽさを感じられる所もあった

「そこの男子、盗み聞きとは感心しないぞ?」

千冬は少年の存在に気づいていた様で、彼も苦笑した

「すいません。気になってしまって・・・」

「まぁ、いいさ・・・それよりも、だ」

ずい、と千冬が少年の方へ顔を寄せると目を細めた

「私は言った筈なんだがなぁ・・・欲求不満なら私が相手してやると」

「・・・・・」

彼女の言葉に少年は少し微笑ましくも嬉しかった

千冬は嫉妬しているのだ。表情もどこか不満そうで少女の様だった

可愛らしいと思った少年はクスリと優しく微笑むと

「ごめんなさい、千冬さん。どうしたら許してくれますか?」

「・・・自分で考えろ」

千冬はプイとそっぽを向いてしまった

「そうですか・・・・それじゃあ」

少年は彼女の首に手を回し優しくキスをした

「ん・・・・」

千冬もそれに応えるかの様に少年の背中に手を回す

唇を重ね合わせているだけで、心が安らぎ暖かくなる感覚に酔いしれる

足りないとばかりに少年はついつい彼女の口内に舌を入れようしたが、パシッと頭を叩かれた

「やり過ぎだ」

叩かれたと言っても全く痛みなど無く、頭に乗せられた手は優しい手つきで純白の髪を撫で梳かしてゆく

それが意外と気持ち良くて少年は犬の様に目を細めて受け入れる

彼の尻尾が自在に動かせていたら、確実に犬の様に尻尾をパタパタと振っていただろう

「ふふっ、可愛いな。お前は・・・」

千冬は少年の額にキスをすると、名残惜しそうに少年を解放した

「次の授業も近い。早く戻らないとな・・・」

「それじゃあ、今夜・・・」

「ああ・・・楽しみにしてる」





放課後の第三アリーナで鈴とセシリアが対峙していた

お互いにISを展開しており、いつでも戦闘可能な状態である

「学年別トーナメント。別に噂を真に受ける訳じゃないけど、中国代表候補生としては良い所を見せないとね」

「それは私も同じですわ。このセシリア・オルコットともあろう者が代表候補生としての実力を疑われる様な醜態は晒したくありませんもの」

最近、どうも活躍の機会が無い二人はトーナメントで実力を見せようとしているらしい

「ちょうどいい機会だし、この間の実習の事も含めてどっちが上かはっきりさせとく、ってのも悪くないわね」

「あら、意見が一致しましたわね。どちらの方がより強くより優雅であるか、この場ではっきりさせましょうではありませんか」

二人は同時にメインウェポンを呼び出す

「では____」

始めましょう。という台詞を遮る様に超高速の砲弾が飛来した

「「______!!」」

緊急回避の後、二人揃って砲弾の飛来した方向を見る

そこには黒いIS『シュヴァルツェア・レーゲン』が佇んでいた

「ラウラ・ボーデヴィッヒ・・・・」

セシリアの表情が苦く強ばる

「どういうつもり?いきなりぶっ放すなんていい度胸してるじゃない」

鈴は連結させた偃月刀『双天牙月』を肩に預けながら、衝撃砲を戦闘状態へとシフトさせる

だが、ラウラは動じる事もなく挑発する

「中国の『甲龍』にイギリスの『ブルー・ティアーズ』か・・・データで見たときの方がまだ強そうではあったな」

鈴とセシリアは口元を引きつらせる

「何?やる気?わざわざドイツくんだりからやって来てボコられたいとか、大したマゾっぷりね」

「あらあら鈴さん。こちらの方はどうも言語をお持ちでない様ですから、あまり苛めるのは可愛そうですわよ?」

ラウラの全てを見下すような目つきに並々ならぬ不快感を抱いた二人はどうにか怒りの捌け口を言葉に見出そうとするが、無駄の一言に尽きた

 ハッ、とラウラが嘲笑を浮かべ

「二人がかりで量産機に負けるような力量しか持たぬ者たちが専用機持ちとは、よほど人材不足と見える。やはり、数くらいしか能のない国と古いだけが取り柄の国ではそんなものか」

ぶちり、と何かが切れる音がして、鈴とセシリアは装備の最終安全装置を外した

「ああ、ああ、わかった。分かったわよ・・・・セシリア、どっちが先にやる?」

「私としてはどちらでも構わないのですが・・・」

するとラウラが嘲笑しながら挑発する

「はっ!二人がかりできたらどうだ?1+1は所詮2にしかならん。下らん種馬を取り合うようなメスに、この私が負けるものか」

その挑発に二人の殺気が一気に増す

「今、何て言った?アタシの耳には『どうぞ好きなだけ殴ってください』て聞こえたけど?」

「この場にいない人間まで侮辱するとは、その軽口、二度と叩けぬようにして差し上げますわ」

得物を握り締める手にきつく力を込める二人を冷やかな視線で流すと、ラウラはわずかに両手を広げて自分側に向けて振る

「とっとと来い」

「「上等!!」」

戦いは始まった






「さて、今日も訓練ですよ」

「ああ、分かってる」

少年は一夏、箒、シャルルを引き連れて第三アリーナへと向かっていた

最近の訓練にシャルルも加わった事で得る物は多いだろう

より多くの相手と戦う事は一夏にとって良い経験となるだろう

「・・・・・ん?」

アリーナへと近づくにつれて何やら慌ただしい様子が伝わってくる

どうやら第三アリーナで騒ぎが起こっている様だった

「何だ?」

「何かあったのかな?」

すると爆発音が聞こえ、驚きながらも観客席の方へ向かってみると

「鈴!セシリア!」

ラウラによって一方的に攻撃されている二人の姿があった

「__________」

直後、少年がISを展開する

展開される姿は銀色に輝く重厚な巨体

その前面、背面、肩に取り付けられた球状のタンクが特徴的なフレーム

『ARGYROS』という名のこのフレームの特徴は他とは比べ物にならない程のコジマ粒子の整波性能と出力である

少年自身も初めて使用するフレームであり、彼の世界の企業の中でも随一の変態度を誇る『トーラス』が作り上げた試作機

篠ノ之束がとある旅団の翁が使っていた機体のデータを元にしてある為、装備もソレに準じている

「しゅ、シュヴァンツ!?そのフレームは・・・!?」

「離れていてください・・・・・」

機体の各部分のパーツが迫り出し、光が収束してゆく

それに合わせて背中に装備されている日輪の様な武装が前に倒れて横に広がる

『LETHALDOSE』

少年も初めて使う兵装ではあるが、その威力や貫通性はお墨付きである

凄まじい轟音と共に巨大なビームが放たれる

「ッ!!?」

自身を呑み込まんと迫る緑の極光にラウラは驚愕しながらも回避行動を行う

レーザーや実弾に比べれば弾速が遅いコジマ粒子のビームではあるが、束の技術により多少なりとも弾速を強化され、不意打ちに近い形で放たれた『アサルトキャノン』はアリーナのバリアを容易く貫き、鈴とセシリアを拘束するワイヤーを蒸発させ、シュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーを大きく削り取った

「「きゃあッ!!」」

放り出された鈴とセシリアは一夏とシャルが受け止める

そしてラウラは自らが受けたダメージ量を見て驚愕した

“ッ!!? 掠めただけでこれ程のダメージだと・・・!?”

不意打ちで放たれたビームの速度自体は回避しきれない事は無かったが、予想以上に巨大であった為に掠めてしまった

だが、それでもシールドエネルギーを大幅に削る威力だった

「貴様・・・・・」

ラウラの紅い瞳が銀に輝く巨体を見据える

「流石に、これ以上の事はさせる訳にはいきません」

肩に装着された球場のタンクから粒子を放出しながら迫りくる機体を見ながらラウラは思い出す

転校してきてから見た敬愛する織斑千冬の表情

自分の教官だった時には見た事の無い慈愛と優しさに満ちた表情

そして少年にだけ見せた何処か甘える様な女としての表情を

ソレを見た瞬間、ラウラは信じられなかった

あんなに強く気高く美しい彼女が、彼の前でだけは単なる女に変わっているのだ

別にラウラは彼女と少年の密会を見た訳ではない

少しだけ見せた女としての表情を見てしまったのだ

それだけでもラウラの胸の内から込み上げる激情が燃え上がった

「やはり貴様も教官の為に排除するべき対象だ!!」

ラウラの叫びと共にレールカノンから放たれた砲弾が少年に直撃する

「シュヴァンツ!!」

シャルが思わず声を上げるが『ARGYROS』もまた『SUNSHINE』と同じ様に実弾防御に優れたフレーム

更に各フレームの中でもトップクラスの整波性能によるプライマルアーマー

この二重の壁による堅牢さはレールカノンの一撃や二撃程度では揺らがない

「通用しないならば、ソレを削り取るまで!!」

「_____ぐっ!!?」

彼女の瞳がギラリと光った瞬間、少年は体を押さえつけられている様な感覚と共に動きが止まった

「これがAICですか・・・・・」

AIC・・・アクティブ・イナーシャル・キャンセラー

鈴の『甲龍』の様にエネルギーによって空間に作用する兵器で慣性停止能力である

「ふん。貴様がどんな機体を使おうが、このAICからは逃げられはせん」

ラウラは身動きの取れない少年をプラズマ手刀で切り裂こうと迫る

「させるかああああああッ!!」

そこへ割り込む様に彼女へ一夏が斬りかかる

「ふん・・・感情的で直線的。絵に書いた様な愚図だな」

下らないとでも言う様にラウラは斬撃を回避しレールカノンを一夏に向けるが、シャルルがアサルトライフルの弾幕で攻撃を許さない

「二人は?」

「大丈夫、意識はあるよ」

束縛から解放された少年の問いにシャルルが攻撃をしながら答えた

弾切れの武装を一秒足らずで新しい武装へと変更する彼女の技量には舌を巻かざるを得ない

「面白い。世代差というモノを見せつけてやろう」

弾丸を避けたりAICで止めていたラウラが反撃に転じようと低く身を屈める

「・・・・・」

少年もまた両腕に持ったハイレーザーライフルとプラズマキャノンを構える

「行くぞ・・・」

彼女が飛び出そうとした瞬間、影が割り込んできて加速を中断させられた

「・・・やれやれ、これだからガキの相手は疲れる」

「千冬姉!?」

影の正体は千冬だった。彼女は生身でIS用近接ブレードを持っていた

「模擬戦をやるのは構わん。が、アリーナのバリアまで破る事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントで着けてもらおうか」

「教官がそう仰るなら」

素直に頷いてラウラはISを解除する

「お前達もそれでいいな?」

「構いません」

「は、はい・・・」

「僕もそれで構いません」

三人の言葉を聞いて千冬は改めてアリーナ内、全ての女性に聞こえる様に言った

「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁止する。解散!」






アリーナの一件から1時間ほど経ち、保健室では鈴とセシリアは横になっていた

「別に助けてくれなくて良かったのに・・・」

「あのまま続けていれば勝っていましたわ」

むすっとした表情で言う二人

「お前らなぁ・・・・・」

「でも、仮に勝ったとしても二人が酷い怪我をしていたかも知れません。そんなの僕は見たくありません」

「「う・・・・・」」

一夏は呆れた様な表情をし、悲しげな表情で少年が言うと二人共バツが悪そうにする

「はい、烏龍茶と紅茶」

シャルルが二人に買ってきた飲み物を手渡すと、二人はペットボトルの口を開けて一気に飲み干す

「おいおい、冷たいものを一気に飲むと体に悪いぞ」

すると廊下からドドドドドドドッ!!と地鳴りの様な音が保健室に迫って来るのが分かった

「な、何だ・・・!?」

少年はいつでもISを展開出来る様に身構えた直後、ドアが吹き飛んだ

敵襲か!?と思わずISを展開しようとした瞬間

「織斑君!」

「デュノア君!」

「ヘイズ君!」

「・・・・・・はぁ!?」

数十名の女子生徒が保健室になだれ込んで来るという光景に唖然としてしまった

他のメンバーも同じ様で呆然としていたのだが、そんな事などお構い無しに女子達は少年達を取り囲んで手を伸ばしてくる

「ちょっ!?何ですか、これ!?」

「な、な、なんだなんだ!?」

「ど、どうしたの、みんな・・・ちょっと、落ち着いて」

「「「「これ!!」」」」

状況が飲み込めない少年達に女子達が出してきたのは学内の緊急告知文が書かれた申込書だった

「ええっと・・・『今月開催する学年別トーナメントでは、より実践的な模擬戦闘を行う為、二人組での参加を必須とする___』

「ああ、そこまででいいから!」

そして再び伸びてくる手、手、手・・・・・軽くトラウマになりそうな光景である

「私と組もう、織斑君!」

「私と組んで、デュノア君!」

「一緒に組もう、ヘイズ君!」

女子達にもみくちゃにされながら少年は考える

一夏と組むべきか、事情からしてシャルルと組むべきか・・・

「すいません。僕はシャルルさんと組むことになってますので・・・」

「ちょっ、シュヴァンツ!!?そんな事、まだ言って無かった・・・」

「騙して悪いですけど、犠牲になってください」

「じょ、冗談じゃ・・・・・た、助け・・・」

一夏はゾンビに食われる人間の様に女子達の中へと埋もれてゆく





数分後、一夏はボロボロの状態だった

そして、一夏のペアの座を勝ち取ったのは・・・・

「よろしくね、織斑君♪」

「あ、ああ・・・・・よろしく」

同じクラスの相川清香だった

クラスメイト、実習の時に一番手での名乗り、と一夏に確りと覚えてもらった強みがあったからか

裏では熾烈な争いがあったに違いない

「・・・・・・・」

そして一夏を恨めしげに睨みつける人物がいた

「・・・・・・・・」

「箒、どうしてそんなに怒ってるんだ?」

「別に怒ってなどいない!!」

「やっぱり怒ってるだろ」

「怒ってないと言っているだろ!」

ムキになって声を張り上げる箒と、彼女が不機嫌な理由を分かっていない一夏

「織斑君って、予想以上に鈍感なんだね・・・・」

「ええ・・・それが一夏さんですから」

うわぁ、と目の前の痴話喧嘩を見ながらボヤく清香

ソレに苦笑しながら応える少年

「はいはい、痴話喧嘩もそこまでにしてよね」

「全くですわ。これじゃあ治るものも治りませんわ」

「なっ!?ど、どこが痴話喧嘩だ!」

「「「「全部」」」」

「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

少年、鈴、セシリア、シャルルに言われて箒は一気に赤くなる

「ははは、何を馬鹿な事を言ってるんだよ」

だが、一夏は何を馬鹿なことを言っているんだという表情で笑っていたのだった







少年は保健室からの帰り道、シャルルと一緒に歩いていた

「まだ箒さんは素直になれませんか・・・・」

練習では、結構素直になっているのに・・・と少年は調教もとい訓練の内容をもっと恥辱的にハードなド変態にして、小さな羞恥心程度吹っ切れる様にしようかと考える

“でも、おねだりにエロダンス・・・これ以上となると・・・スカトロ、浣腸か”

少年は知識としては知っているが、彼自身も未経験のプレイである

放尿や尻穴を舐める行為はした事はあるが、脱糞は恋人であるスミカですら行った事の無い未知の領域である

“テレジアさん達なら経験はあるのかな?”

自分の知っている人物でも、あれ程の性豪はいないだろうと思われる夫婦

彼らなら経験した事はあるのだろうか?

まぁ、ミスターテレジアなら妻の脱糞姿を見ても綺麗だとか言ってそうではある

そんな結構変態な事を考えていると隣を歩いていたシャルルが口を開いた

「シュヴァンツ、助けてくれてありがとう」

「え・・・?」

「保健室でトーナメントのペアだって言い出してくれたの、すごく嬉しかった」

「ああ・・・・一夏さんには犠牲になって貰いましたが」

この世界に来てからキャラが少し変わったかなと思ってしまうが、ミッションという事を時折意識しているからだろうか?

「トーナメントまでは連携重視の訓練ですね」

「そうだね。それじゃあ、また明日」

「ええ・・・・また明日」

シャルルは自分の部屋へと戻ってゆき、少年は・・・・・・

「さて・・・と」

自室とは別の部屋を目指してゆく






「織斑先生、いますか?」

コンコンとドアの戸を叩きながら問いかけるが返事が無い

約束した筈なのに、と少年は首を傾げる

少し心配になったのでドアノブに手をかけると鍵がかかって無かったらしく開いた

「失礼しますよ・・・?」

そのまま部屋に足を踏み入れると千冬は寝ていた

スーツ姿のままでベッドに横になっており、近くには空になったビール缶が散乱している

多分、酔って寝てしまったのだろうと少年は思った

このままにしておくのも余り宜しくないので部屋の鍵をかけてから彼女へ寄った

「起きてください。スーツ姿のままで寝るのはどうかと___んむっ!?」

優しく声をかけながら手を伸ばした途端、彼女に腕を掴まれベッドに引き込まれる少年

突然の事に何事かと思うが、思考の続きは押し付けられた彼女の唇によって中断された

「ん・・・んぅ・・・」

唇から伝わるアルコールが鼻腔や口腔を刺激し、ゆっくりと溶かされてゆく様に感じながら少年も彼女の背中に腕を回す

お互いに抱き合い、濡れた肉を重ね合わせるだけで体中の力が抜けて、いつまでもこうしていたいという欲求が湧き上がる。

重なった唇の間で二つの舌が触れ合うと、にゅるにゅると擦り合わせ始める

少年の手がゆっくりと移動し、中指が千冬の背筋をつぅ・・・となぞる様にして下がってゆく

指の腹で擽る様にしながら、タイトスカートに包まれた尻肉を優しく撫でる

「んっ・・・」

擽ったさが入り混じった愛撫にピクンと体を跳ねさせながら、深く舌を絡め合わせる彼女と少年、二人の劣情に染まった視線が重なる

少年の小さな手がスカートの中へと侵入し、タイツとショーツによって守られた尻肉を狙う

ザラりとしたタイツの感触を感じながら彼は引き締まりながらも柔らかさを感じさせ尻肉を揉む

「はぁ・・・んんっ・・・」

触り心地の良い柔肉が掌でぐにぐにと形を歪め、千冬は甘い息を吐き出す

もう片方の手で髪を優しく撫でると心地よさそうに瞳を潤ませ、甘える様な視線で少年を見つめ返す

じゅるじゅると下品な音を立てて唾液を貪り合う二人の口元を溢れた唾液が濡らす

お互いに奥まで舌を相手の口腔内へと潜り込ませ根元を擦り合わせる

二枚の舌が絡まり合い螺旋を描く様に動いて、ぐちゅぐちゅと唾液を攪拌してゆく

「はぁ・・・はぁ・・・・」

ゆっくりと顔を離すと銀色の糸が二人の口元から伸びてゆき、ぷつりと切れる

少年を見つめる千冬の瞳は怒っている様にも悲しんでいる様にも見える感情を映し出していた

「千冬さん・・・」

「不安だったんだ・・・お前が私に見向きもしなくなるんじゃないかと思って・・・」

縋り付く様に少年の服の裾を掴む千冬は、普段の気丈な様子からは想像も出来ない程に弱々しかった

「ごめんなさい、千冬さん。一番愛する人が二人もいる僕は酷い男です・・・・・でも、貴方を愛している事だけは絶対です」

少年は千冬を抱きしめ耳元でそう囁いた

嗅ぎなれた香りとは違う芳しさの香りが密着した彼女から漂ってきて、少年を酔わせる

「なら、それを証明してくれ・・・」

「はい・・・貴女を愛させて貰います」

親に捨てられてから甘える事を許されなかった彼女が弱さを見せ、唯一甘える事ができる存在

それが『シュヴァンツ・リンクス』として此処にいる少年である




少年は抱きしめていた手を一旦離すと、身を起こした

眼下には恥じらいと媚が混じった目で見つめてくる千冬に優しく微笑むと、その衣服に手を伸ばす

スーツを脱がし、シャツのボタンをゆっくり外してゆく

だが荒ぶる感情が理性の制御を拒み、手が震える

理性に押さえつけられながらも荒れ狂う感情が、素直になって欲望のままに眼前の牝を蹂躙しろと叫んでいる

衣服を引き裂き、ボタンを引きちぎり、貪りたいという衝動がぐっと堪える

全てのボタンを外し終え、シャツを開くと黒い下着が視界に映った

淡雪のような白い肌を包む黒いブラから溢れた乳肉が本能を刺激し、剛直がズボンを突き破らんとばかりにいきり勃って痛い

続いてスカートもベルトを外して脱がすとストッキングとショーツが露わになる

黒いストッキングに覆われた美脚は無駄な脂肪など無く、引き締まったカモシカの様に綺麗な脚と言う表現が合う

「やっぱり千冬さんは綺麗です・・・」

「そ、そうか・・・・・・嬉しい」

まるで少女の様な笑みを浮かべる千冬に心がキュンとする

背筋を何かが駆け巡り、全身の毛がブワッと逆立つ様な感覚

射精直前の感覚とも似ているが快楽は無く、代わりに感情が燃え上がる様に沸き立つ

「後・・・可愛いですよ。凄く」

「か、かわ!?」

自分には似合わないと思っていた言葉を言われて、千冬は一気に羞恥などの感情で違う意味で真っ赤に染まる

ここら辺はやはりスミカと同じ存在であると言えよう

「本当に可愛いです。可愛くて大好きです」

「そ、そんなに言うなぁ・・・ひゃあん!」

耳元で囁かれ恥ずかしさの余り抗議しようとするが、ふぅ・・・と耳に息を吹きかけられて可愛い悲鳴をあげてしまう千冬

少年は耳たぶをはみながら、左胸へゆっくり手を這わせる

「はぁう・・・・」

ブラ越しに乳房の柔らかさを掌で確認する様に撫で、少し硬くなっている乳頭をレースで擦ったり、カップが隠しきれていない白い乳肉を指先で擽る様に動かしたりする

「んあ!・・・あっ、ああん!」

もう片方の手は下の方に伸ばされ、引き締まった太腿をさわさわと撫でていた

五指の腹がストッキングのざらついた生地越しに太腿を這い回り、ショーツに包まれた女陰や陰核にも伸びて擦り上げる

「あ、んんっ!・・・」

ブラを外すと白く豊かな乳房が弾力によって上下に弾み、乳首が桃色のふるふると振られる様に軌跡を描く

両方の指先が露わになった乳首を摘み、上下に優しく扱くと充血して硬くなってゆく。くりくりと指の腹で転がしながら少年は顔を近づけ吸い付いた

「はああっ!す、吸われ・・・やぁぁん!」

両手で乳房を寄せるように押し上げ、両乳首を吸い上げると僅かに甘い味を感じる気がした

そのまま軽く噛んで手を離すと、豊満な乳房が重力に従おうとするが乳首によって吊りあげられた状態となり千冬は痛みギリギリに近い快感に啼いた

「ひぐううッ!ち、ちぎれる!ちくびちぎれるぅ!」

だが甘噛みであった為に両乳首はゆっくりと少年を歯に擦り上げられながら抜けた

引っ張り上げられた乳首がピンクから更に赤く充血しており、ふるふると震えながら強く自己主張していた

今度は右の乳房を舌で優しく愛撫する

ぬらぬらと光る舌がヤスリで磨く様に硬く勃起した乳頭を擦り、舌先が乳輪を円を描く様になぞり上げる

「あっ!ああっ!・・・んぅ!」

ちゅうっと窄めた唇で乳首を吸い付きながら、舌先で先端をつんつんと突っつく

緩急をつけた愛撫に千冬は片手でシーツをぎゅっと掴み、もう片方の手で少年の頭を抱え込む様にして身を震わせていた

鼻で呼吸をすれば、彼女の汗と体臭が入り混じった牝の香りが鼻腔を刺激して興奮を掻き立てる

下の方に手を伸ばして確認すれば、溢れ出した愛液が染み出して下着とストッキングを濡らしていた

「もうこんなに濡れて・・・気持ちいいんですね」

「そんなこと・・・はぁっ、んんぅ!」

愛撫によって快感に喘ぎながら、乳房から顔を離した少年の言葉に羞恥心が刺激され千冬は顔を逸らすが、耳朶まで紅く染まっていた

女陰を撫でるとぬるりとした愛液が下着から染み出してくる

下着越しに挿入する様に指先を沈み込めて秘肉の感触を確かめる様に動かし、女陰の形をなぞる様に滑らせ

「くぅあああああっ!!?」

ショーツを押し上げて強調する様にそそり立っている肉芽を摘んだ

いきなり緩やかな快楽から刺された様な鋭い刺激に変わり、千冬は体をびくんと跳ね上がさせ目を大きく開いて嬌声を上げる

同時にぷしゅっ、ぷしゅっと繊維を貫いて愛液が噴き出してゆく

「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁぁぁぁ・・・」

熱い息を吐きながら絶頂に身を震わせる千冬の表情を視界に収める少年が、くすっと微笑を浮かべて彼女の股間を弄っている左手を離すと、粘り気のある汁にまみれた指先がショーツとの間に糸を引いてゆく

ペロリと小さな舌で自らの指を、猫が毛づくろいをする様に舐めると彼女の味がした

口内でゆっくりと味を確かめる様に含んでから、ゴクリと飲み下すと鼻腔に牝の香りが広がる

「はぁ・・・千冬さんのエッチな汁、美味しいですよ」

「っ〜〜〜〜〜〜!!?」

笑顔でそんな事を言われた千冬は恥ずかしさに硬直してしまった

そんな様子を少年は可愛らしく思いながら彼女へと口づけを落とした






「それじゃあ、こっちも脱がしますよ?」

こくんと千冬が頷くと、ストッキングを脱がした少年の手が愛液を吸って重さと黒さを増したショーツにかけられた

するりとショーツが下ろされ、少年の視線が彼女の淫口にぶつかる

薄めの陰毛が淫口から吐き出された愛液によって萎びれており、剥けて晒された肉芽がふるふると震えている

「はぁん!・・・あ、はぁ・・・」

眼前でひくひくと蠢く淫口に中指と人差し指を挿し込むと、ぬちゅぬちゅと音を立てて肉襞が嬉しそうに絡みついてくる

調べる様に膣壁を擦りながら指を一回転させるとチョキの形に開いた

くぱっと開かれた淫口が指の間から糸を引きながら奥を覗かせている

「ほら、千冬さん。こんなに濡れてますよ」

「・・・あぁっ!いうなぁ!」

淫口から愛液がぷちゅぷちゅと音を立てて溢れ出す。肉襞を細い指先が擦り立てて彼女の性感はどんどん昂ぶってゆくが、上手い具合に加減された抽送は物足りない切なさを覚えさせた

「ふあっ、あっ!あっ!あぁ・・・」

「ふふっ・・・凄くエッチな顔ですね・・・」

ぬぷんと引き抜かれた指を舐めながら千冬を見下ろすと、物足りなさによって無意識に牡へ媚びる牝の表情を浮かべている

それを見た少年は体の内から湧き上がる興奮を抑えきれず、ズボンとパンツをおろして限界だと叫ぶ肉棒を露出させた

解放された肉棒からは先走りが垂れて、力強くそそり立っていた

「じゃ、いきますよ」

「んっ・・・来てくれ」

少年は肉棒に手を添えて亀頭と淫口を触れ合わせると






「はっ・・・ああああああああああああっ!!!」






一気に腰を突き出して肉棒を膣肉を押し広げていった

二度目ではあるが最初の時に五回以上は連戦したお陰か、膣内は平均を大きく超えるサイズの肉棒を受け入れて締め上げている

「はぁん!はっ、あぁん!んあっ!あっ、ああっ!!」

「・・・前よりも、気持ち良い・・・っ!」

彼女の腰に手を回して腰を振る少年は、以前よりも膣内の具合が良くなっている事で直ぐに射精してしまいそうな快感に耐えながら膣壁を抉る様に抽送している

肉と肉を打ち付け合う音を部屋に響き、肉棒によって掻き出された愛液がベッドのシーツを濡らしてゆく

肉棒に突き上げられる千冬の豊満な乳房が上下に揺れるのを眺めながら、子宮へ亀頭をぶつけると甲高い声を上げて仰け反る

「はあぅ!!」

「ぐっ!ううっ・・・」

突き込んだ瞬間に膣内がきゅっと締まり襞が絡みつき、体の内側から何か引き抜かれそうな快感に歯を食いしばる少年

千冬は前回何度も連戦したとはいえ回数的には二度目であり、性に対しては初心者である為、少年の肉棒によって貫かれ染め上げられてゆく快感に翻弄されるばかりであった

子宮を押しつぶさんとばかりに肉棒が奥深く突き込まれ入口をノックし、カリ首が一際気持ちいい場所をゴリゴリと抉る様に擦り上げる度に思考はが溶かされ、悦楽に蕩けた嬌声を上げてしまう

少しばかり年の離れた少年に好き放題されているのだと思うと少しばかり恥ずかしさが襲いかかるが、同時にどうしようもない被虐感が彼女を一層興奮させてしまう

「あっ、ああう!はぁっ!はぁん!」

少年は彼女の手を取ると自らの掌と重ね合わせて指を絡める。所謂恋人つなぎをすると肉棒を掻き回す様な動きに変えて、膣壁を磨くように亀頭が何度も襞を擦ってゆく

だが、ずっと千冬の膣内を味わう余裕など少年には無く意外と呆気無く限界を迎えそうであった

「ち、千冬さん・・・・もう・・・・限界・・」

「あっ、あぅ!わ、私も・・・あ、はっ!んああっ!」

一度目の限界を迎えそうな少年は子宮口を抉る様に肉棒を回転させたり、激しい抽送で何度も膣内を貫くと、その動きに合わせて彼女の豊満な乳肉が激しく揺れ跳ねる

「やあっ!あっ、ああ!!んああああああああっ!」

絶頂の予兆を感じて蠢く膣内では白濁した愛液が肉棒を覆って膣肉が襞で絡みついてくるのを引き剥がす様に引き抜いてから、思い切り子宮へ突き込んだ瞬間

全身が激しく燃え上がっている様に熱い快感が千冬の中で弾けた





「あっ、はっ・・・・・ああああぁぁぁぁぁあああぁぁっ!!!!」

「うああああああっ!!はっ、ああああああああ!!」

快感がぱぁんと弾けたように爆発すると、その爆発が連鎖的に全身へと広がってゆき連続した絶頂を初めて味わう千冬はがくがくと体を震わせて牝汁を垂れ流す

絶頂によって一気に締まり離さんとばかりに絡みついた膣襞を削り取る様に肉棒が引き抜かれ、ポッカリと空いた膣口から噴き出す愛液。それに合わせるかの様に白濁液が鈴口から吐き出されてゆく

びちゃびちゃと降りかかる熱い性の迸りは千冬の体中を白く染め上げてゆく。腕、顔、腹、脚、股間、と体中につけられる牡の匂い、むせ返る様な芳香が彼女の脳内を犯していった





「こ、こんな格好で・・・・」

「いやらしくて素敵ですよ」

ベッドの上で四つん這いになり少年に尻を向ける千冬が羞恥で弱々しい声を上げる

秘裂が白い指先によって広げられると、餌を前にして涎を垂らす犬の様に愛液を溢れさせ、先ほど注がれなかった精を求めて蠢く膣が雄の視線に晒される

一度達した程度で満足しない少年の肉棒が、より力を増してメキメキという音でも聞こえてきそうな程に反り返り、早くこの中に挿れろと主張している

「覚悟はいいですか?僕は出来てます」

「ひあっ!?」

肉棒が尻に押し当てられ千冬は可愛らしい悲鳴で啼いた。そのまま谷間をなぞるようにしたへと下がってゆき、にちゅと濡れた膣口と触れ合う

「来て・・・・・」

そこには切なそうな表情で媚が混じった視線と声で雄を求める一人の牝がいた

こちらを見つめる淫欲に満ちた彼女の視線が自分を蹂躙して欲しいと叫んでいる

ゴクリと生唾を飲み下した少年は、己の内側から爆発した様に噴き上がった衝動に従った

「かっ、はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

ドスンと槍で串刺しにされたかの様に強烈な感覚に千冬は目を見開いて叫びに近い嬌声を上げた

子宮から伝わった衝撃で肺から叩き出された空気が口から吐き出され、魚の様に口をパクパクさせて酸素を求める

「はっ・・は、あああうっ!!ま、待て・・!苦し、んはああああっ!!?」

強烈な突きに喘ぐ千冬が懇願しようとするが、一気に肉棒が抜けていった。膣肉がめくりかえされ、内蔵が引っ張り出されてゆく様な快感に身を振るわせたのも束の間、再び突き込まれて子宮を揺さぶられて、引き抜かれる

ひたすら肉棒によって激しく蹂躙される獣同然のピストンに彼女は

「あはぁぁぁっ!あっ!あっ!あんっ!すごいっ!すごいっ!きもち!いいぃぃ!」

喜悦に染まった表情で嬌声を上げて、夢中で快楽を貪っていた

少年の背丈に見合わぬ大きさの肉棒が、女になって間もない膣を容赦無しに貫いて開拓してゆき、最奥にある子宮を叩きつけられる

突きこまれた肉棒の先端が子宮の入口を突き破らんとぶつかり、引き抜かれては雁首が浅い襞を深く抉る様に引っ掻き、千冬は体を突っ張らせ蕩けた声を上げた

彼女の嬌声と共に膣内の媚肉が痙攣して少年に強烈な快楽をもたらす

「うぐぅぅぅっ!?ち、千冬さん。イっちゃったんですね。おま○こが痙攣しっぱなしですよ」

「私、イってる!イキ続けてる!!イクのとまらない゛い゛い゛い゛い゛っ!!」

普段の凛とした佇まいの彼女とは別人だと思える位、絶え間無い連続絶頂の快楽に溺れている様子に少年の興奮も掻き立てられ、抑えきれずに本能のままに激しく抽送を行い、ばちゅん、ばちゅんと肉棒が突き込まれる度に膣からぶしゅっ、ぶしゅっと愛液が噴き出してゆく

「んおああぁぁっ!!む、むねは!!ああう゛う゛う゛う゛っ!ちくび!ちくびだめぇぇぇ!!」

荒い息を吐きながら少年は千冬の背に覆い被さり、抽送に合わせてたぷたぷ揺れる彼女の胸を両手で鷲掴みにすると指先で母乳を絞るように乳首を扱き、下へ引っぱり伸ばす。更に両方の乳首を片手の指で摘んで転がしながら、空いた手で充血した彼女の勃起をこねくり回して、押しつぶす

膣を容赦無く貫かれながら敏感な部分を弄り倒され、性交経験二度目の彼女にとって過剰過ぎる快楽の奔流は様々な物を崩壊させた

「あ゛ーっ!あ゛ぁぁ!!あっ!あっ!あああああぁぁぁーーーっ!!」

犬の様に舌を出し涎を垂らしながら啼きつづける千冬の股から愛液とは異なる液体が流れ出し、ベッドのシーツにシミを作ってゆく

絶頂続きの膣から噴き出す愛液と、結構酒を飲んだらしく長い放尿によってベッドのシーツはぐっしょり濡れていく

秘肉を貫かれながら、乳首と勃起を弄られるに快感に加えて、放尿という排泄の快感が追加された彼女は半分ほど意識が飛びかけており、蕩けさせられた脳内では火花の様に弾ける大きな予兆を感じていた

少年も絶頂で痙攣し続ける膣内の快楽に我慢の限界が近かった

「ち、千冬さんっ、僕も、そろそろ・・・イキます・・!」

千冬の脳内ではバチバチバチと煌く白い火花のスパークがどんどん増えてゆき、今までにない強烈な何かが体中を満たして上ってくる感覚に体を震わせていた

彼女の引き締まった尻肉と少年の腰をがぶつかり合ってパンパンパンと激しく肉の打ち付け合う音、行為の激しさに今にも壊れてしまいそうなベッドの軋む音、お互いの淫らな声が室内に響き渡る

「イクっ!イキますっ!千冬さんのおま○こに出します!!」

「あひっ!あっ、ああっ!!い、イクっ!イクぅぅぅぅっ!!」

ラストスパートをかける少年は、片手で挟んで扱いていた両乳首を思い切り引っぱり、もう片方の手で勃起を摘んで押し潰す。同時に受けた痛み寸前の激烈な快楽電流が一気に彼女の脳へと駆け上がり白い火花が大爆発を起こした瞬間

「くうっ・・・うああああああああああああッ!!!!!」

「お゛ひっ!?あ゛っ!ああああああああっ!!あオオおおおォォォォォォォン!!」

子宮に灼熱の様に熱い精を注がれ、白目を剥いた千冬は獣の様な絶叫を上げて果てた。膣口からは大量の潮が噴出している。覆い被さられて押さえ込まれた体は快楽の逃す事も出来ずに全て受け止めるしかない。何度も言う様だが千冬自身の性交経験は二度目である。そんな彼女がこれ程強烈な快楽に耐えれる訳もなく

「あ、あぁぁ・・・・・・・・・」

注がれ続ける少年の精を感じながら千冬は力無くベッドに倒れ込んで失神するのだった

それでも結合したまま尻は高く掲げられ、肉棒を咥え込んだまま精を注がれ続ける膣からは潮が噴き出していた。溢れた白濁が零れ落ちるベッドのシーツからはアンモニアの匂いが鼻腔を刺激し、少年の精にまみれた女体からは淫臭を放っていた

体を痙攣させ白目を剥いて鼻水と涎を垂らしたアヘ顔晒して失神する千冬の様子は無様としか言い様がない

「ふふっ・・・千冬さん、とっても綺麗でいやらしいですよ」

そんな彼女を少年は心から愛おしく思いながら、ちゅっと千冬にキスを落として後始末をするのだった







そして六月の最終週

IS学園は学年別トーナメントが始まりを迎える

それと時を同じくして誰もいない地下施設に一つの影が忍び込んでいた

「これよりミッションを開始します」

『うん。予定通り、アレを回収してきてね〜』

お気楽そうな女性の声を聞きながら、彼は己の依頼を果たすべく動き出す



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