in side

「ここがエヴァちゃんの家なんだ〜」
「エヴァちゃん言うな!?」
 家の中を見て感心している理華に、エヴァはんなツッコミを入れてたりする。
さて、話し合いが終わったエヴァ達に案内されたのはエヴァの家であるログハウス。
漫画で知ってはいるが……実際に見るとファンシーだよな? 人形が綺麗に並べられてたりとか。
「あはは、ごめん。でも、結構可愛いじゃない」
「な!? く、う、うるちゃい!?」
 理華に言われてエヴァが顔を赤くして怒ってるけど……もしかして、今噛んだ?
なんだろう? 今の一言に何か見えたような気がするのは――
「しっかし、これが吸血鬼の住処なの?」
「いや、エヴァぐらいなもんだと思うけどな」
 ミュウにそう言っておく。あ、仲間達はエヴァの家に着いた時にエヴァに頼まれて出している。
俺としては生体マグネタイトの消費を抑えたいんだけど、断ろうとしたらエヴァが実力行使してきそうになってさ……
うん、なだめるのが大変だったよ。魔法は使わないけど、暴れだしてさ。
落ち着かせるためにしょうがなくミュウ達を出したと……うん、なんでこうなるかね?
 で、今は食事を終えた所なのだが――
「しかし、お前達が悪魔と言われてもピンとこないな」
「そうかな?」
「ま、確かに見た目は妖精にしか見えないしな」
 エヴァに言われてミュウは首を傾げるけど、俺もある意味エヴァと同意権だったりする。
俺も女神転生とかデビルサマナーとか知ってなかったら、最初に会った時にミュウを妖精と思ってただろうし。
 そんな時に玄関のドアをノックする音が聞こえ、俺達はそこへ顔を向ける中、茶々丸は出迎えるためにドアを開け――
「マスター、翔太さんにお客様です」
「俺に?」
 茶々丸はそんなことを言うが、俺に客? 心当たり無いんだけど?
そんなことを考えてたら、その客が入ってきて……って、ネギに明日菜、このかじゃないか。
あれ? アキラに裕奈、千鶴も? はて? 俺、なんかしたっけ? あ、刹那と真名もいるや。
「俺になんか用?」
「あ、その……このかさん達を助けてもらったお礼をと……」
 聞いてみたらネギが答えるんだが……なぜか、エヴァをチラチラと見ている。
ん、待てよ? そういや、修学旅行前って話を聞いたな。つ〜ことは……ネギとエヴァが戦う頃の話か?
まぁ、コミックス通りかはわからんけど、様子からしてそう見えるな。
もし、そうならネギの様子を考えると……まだ、決着が付いたというわけじゃないってことか?
関わるわけじゃないけど、ちょっと気になるな。
「ええ、あの時はろくに御礼も出来ませんでしたから、改めてと思いまして――」
「ん? ちょっと待て? なんでお前達がそれを覚えている?」
 千鶴がんなことを言い出した時、エヴァがそのことに気付いたけど……
ん? 覚えているのは普通じゃないのか? 今のになんかおかしな所なんてあったっけ?
「どういうこと?」
「魔法使いというのは基本的に一般人には存在を秘匿するからな。
そのため、存在を知られた場合、記憶を消すのが普通なのだが――」
 理華の疑問にエヴァは千鶴達に視線を向けながら答えた。
ああ、そういや漫画でもそうだったっけ。ネギの場合、明日菜の特殊能力……魔法無効化体質だったっけ?
それのせいで出来なかったけど。そうなると千鶴達が覚えているのは確かにおかしいよな。
「ああ、私達も本来は記憶を消されるみたいだったんだけど……」
「なぜか、効かないんだって」
「効かない? どういことだ?」
「さぁ? 魔法使いの方々も戸惑っておられましたが……」
 アキラの話に裕奈がうなずき、エヴァが首をかしげるけど、千鶴もわからないようで首をかしげる。
あれ? エヴァさん、なんでこっちを見るの?
「どういうことだ?」
「俺にわかるわけないだろ」
 睨まれてるけど、わからないことはわからないのでキッパリと言っておく。
ちなみにこれは後でわかったんだが、どうも生体マグネタイトが関係してたらしい。
それを知るのはかなり後になるんだが……
「それで奴らはなんと?」
「事情を聞かされた上で内緒にして欲しいと頼まれました。まぁ、言いふらすとご迷惑が掛かるようなのでしませんけど」
「でも、驚いたな〜。お父さんも魔法使いだったなんて」
「うちもや。しかも、おじいちゃんはなんかお偉いさんみたいやしな」
 エヴァに聞かれて千鶴は答えるけど、裕奈は後頭部に両腕を回しつつそんなことを楽しそうに言っていたが……
ああ、そういや裕奈の父親って魔法使いだったんだっけ? でも、なんでか裕奈はそのことを知らなかったと。
あれ? もしかして、なんかやばい? いや、なんかそんな気がするだけなんだけどさ。
 で、このかも似た感じでうなずいてる。こっちは……どうなんだろうか? ちと不安を感じるけど……
「ところで翔太さんは何をしている方なんですか?」
「あ、それは私も気になる。戦ってた翔太さんって、かっこ良かったしね」
「そうなんですか?」
 アキラがそんなことを聞いてくると、裕奈も身を乗り出して聞いてきた。
ネギも気になって顔をこっちに向けてくるけど――
「俺? お前らと同じ学生だけど? ついでに言うと一般人」
「え?」
「ちょっと待て」
 答えたら明日菜が驚いてました。エヴァにも睨まれました。なぜに?
「ええ!? 翔太さん、学生なの!?」
「学生なのはまだいい! しかし、一般人というのはどういうことだ!?」
 驚く裕奈と怒ってるエヴァ。良く見るとネギやアキラにこのかも驚いてる様子。
明日菜はなんか疑わしげな視線を向けてるけど……でもなぁ……
「エヴァやネギ達には俺達がボルテクス界とはまた違う世界から来たって話したけど、そこじゃ俺は本当に普通の学生なの。
大体、俺がボルテクス界に来たのだって偶然だったんだぞ。いきなり、ボルテクス界に来ちゃって、元の世界に戻るために死にそうになって……
元の世界に帰れたと思ったら、今度は理華が飛ばされてさ。助けに行ったら、あのゴスロリボクっ娘に睨まれて……
気が付いたら冒険なんてする羽目になってたし……なんでこんなことになってんだろ?」
 思わず愚痴が出るが……いや、良く考えたら本当になんでだろうね? 俺、何かしたっけ?
確かに当たり前のように冒険してるけど、考えたら本当になんでだろう……
「翔太さん。ゴスロリボクっ娘って、もしかしてあの黒いドレスを着た女の子のことかい?」
「ああ……俺にボルテクス界と繋がった世界に世界の崩壊を止める物があるとか言ってたけど……
いや、確かにあったよ? でも、本当は俺が慌てふためく姿を見て楽しみたいだけなんだって。あれは……」
「大変……ですね……」
 真名に答えると刹那が慰めの言葉を漏らしてくれた。
あ、あいつのこと思い出したら、オニのことも思い出しちまった。思わず怒りが湧き上がるが、それを抑える。
ここで怒ったって、何も変わらないし……
「お前……それは本当に情けなさすぎるぞ」
「エヴァンジェリン……あえて言わせてもらう。私や刹那も直接会ったことがあるからこそ、翔太さんの気持ちが良くわかる。
あれは敵う敵わない以前の話だ。私や刹那は当然だが……たぶん、高畑先生でもそいつには敵わないと思う」
「なに?」
「威圧感……というか、存在感がとんでもないんだ。あれほどの存在感を出す者を私は知らないね」
 呆れるエヴァであったが、真名の話に訝しげに視線を向けた。
まぁ、話を聞いて改めて思ったけど、あいつって何者なんだろう?
「ああ、そういや刹那がボルテクス界に来るって話はどうなったんだ?」
「え? せっちゃん、どういうことや?」
 そのことを思い出して聞いてみる。それに驚いたのがこのかだ。
どうやら、話を聞いて無かったらしい。ネギや明日菜も驚いてたけど。
「はい。その……刀を直すために同行することになりまして……この刀は詠春様から頂いた大事な物ですし」
「お父様から? そうなんや……」
 刹那の話にこのかはどこかさびしげに見えた。
そういや、ネギがエヴァと戦っている最中なら、このかはまだ刹那の正体を知らないんだっけ?
しかし、ここで話すわけにもいかんだろうし……どうしたもんか?
「ええと……それで話は?」
「ああ、すまないね。とりあえず、私が一緒に行くことになった。後、もう1人付くことになってるよ」
 とりあえず、場を誤魔化そうと聞いてみると真名が答えてくれた。
しっかし、真名まで一緒に来るとはね。それにもう1人か……誰が来るんだろ?
「あの……翔太はん……せっちゃんを守ってや……」
「いや、刹那の方が強いと思うんだけど?」
 このかにお願いに思わず本音が漏れる。いや、俺は魔法はもちろん、気だって使えないんだよ?
あのミトラスに勝てたのだって、アリスやミュウが協力してくれたからだし。
「え〜? 私はすっごく強いと思ったけどなぁ〜?」
「そういえば、翔太さんはどこで戦いを覚えたんだい?」
「ん? 覚えたも何もいきなりボルテクス界に飛ばされて、んなの出来るわけないじゃん?」
 裕奈はそう言ってくれるが、それを聞いてか真名がそんなことを聞いてくる。
なので、俺は正直に答えたが……あれ? 刹那と真名とエヴァはなんでこっちを見てるの?
なに? その信じられないって顔は?
「つまり、実戦だけ……ということですか?」
「そうだけど?」
「それは……凄いね……」
 呆然とこっちを見る刹那に答えると、真名になぜか感心された。いや、だからなぜに?
「俺、なんか変なこと言った?」
「いや……普通は誰かに戦い方を教わったりするもんさ。
でも、翔太さんはそれをせずに戦い抜いている。あの悪魔の実力とかを考えても、それは大したもんだよ」
「そうなんだ……」
 答える真名にアキラが感心している。良く見ると千鶴や裕奈、ネギにカモなんかも同じ感じでこっちを見てるし。
でもなぁ……俺の場合は周りにそういう人がいなかったし、あのゴスロリボクっ娘に睨まれてたせいでしょうがなく戦ってただけなんだって。
けど、マジで命に関わるから……気を抜いたりとかしたらね。だから、そりゃもう必死だったよ?
 ちなみにこの時、エヴァの俺を見る目が変わっていたんだけど、そのことには気付いていなかった。
「あの、聞いてもいいでしょうか?」
「なに?」
「翔太さんはなぜ戦うのですか?」
 顔を向けると、右手を軽く上げる茶々丸がそんなことを聞いてくる。
この時、真名と刹那がなぜか真剣な顔をこっちに向けるんだけど、なぜに?
まぁ、2人は置いといて――
「ん? 死にたく無いからだけど?」
「はい?」
「は?」
 答えたら、なぜかエヴァと一緒に呆然とされました。良く見ると真名や刹那以外のみんなも同じだった。
「おい、死にたくないなら、なぜに戦う?」
「いや、だってさぁ……ボルテクス界と繋がった世界が崩壊するってことは俺達も死ぬかもしれないじゃん?
そんなのは嫌だしな。後、知り合いが死ぬのも嫌だし」
 エヴァに聞かれたんで正直に答える。するとなぜか真名と刹那はなるほどなという感じでうなずいていた。
エヴァの目つきも変わるんだけど……睨んでいるようにも見えるんですが?
「ショウタさんって……凄いんですね」
 ネギがなにやら尊敬の眼差しを向けてくる。でも、俺としてはその視線はすっごい痛いんだすけど。
ん? ちょっと待てよ?
「そうだ。エヴァ、ネギのことを鍛えてやってくれないか?」
「え?」
「ええ!?」
「は? なんでそんなことをしなきゃならんのだ?」
 俺の提案にネギと明日菜が驚き、エヴァは訝しげにこっちを見てくる。
「ちょ、ちょいと待ってくだせぇ!? エヴァンジェリンはアニキを――」
「そうよ!? 第一、ネギを襲ったりしたのに!?」
「その辺りは大丈夫だって。エヴァも性格に問題はあるが、悪い奴じゃないし」
「色々と待て!?」
 戸惑うカモと慌てる明日菜に俺は話すのだが、エヴァがなぜか怒っていた。
でもなぁ、漫画じゃそんな感じだったしね。
「私はこの呪いを解くために坊やの血が必要なんだぞ! その前になんでそんなことをしなければならない!?」
「え? どういうこと?」
「はい、マスターは――」
 怒り続けるエヴァの話が気になったようでアキラが問いかけると、茶々丸がそのことをアキラ達に話し始めた。
あ、でも呪いか……ん? ちょっと待てよ?
「あ〜、その呪いだけどさ、解ける人に心当たりあるんだけど――」
「なに?」
 そのことを思い出してエヴァに言ってみる。あの紫なら、エヴァの呪いを解くなんて簡単だろう。
確か、紫は能力も含めてチートだっていうのをどっかで見た覚えがあるし。あ、でもなぁ……
「それは本当か?」
「ああ、でも……解けるかどうかは会って見なきゃわからないけど……」
 気になるようで聞いてくるエヴァにそう言っておくけど……
そういや、紫は幻想郷を守るために穴に結界を張るとか言ってなかったっけ?
そうなると幻想郷に行けるかどうかわからんし……それ以前に紫が頼みを聞いてくれるかわからん。
どっかで見たものの中に、紫のうさんくささとか書いてあったのを思い出したしな。
「1つ聞く……なぜ、そんなことをさせる?」
「あ〜……ええと……俺がエヴァ達のことを知っていたのは話しただろ? それの関係でということで……」
 エヴァに聞かれたんで、考えてから答える。いや、こんな所でここは漫画の世界ですとか言ったらやばそうだと思ったんで。
でも、エヴァにはわかったようで、睨みつけるかのようにこっちを見てくる。
「何か……起きるのか?」
「ああ……そのためにネギに戦い方を教えて欲しいんだけど」
 意味ありげな視線のエヴァにうなずいてやる。確か、もう少しで修学旅行が始まるとか言ってたしな。
そこで起きることを考えるとネギを鍛えておいた方がいいと思ったんで。
いや、ここで漫画のことが起きるかどうかはわからんけど、念のためということで……
 ん? それって原作を変えることにならないかって? でもなぁ、なんか嫌な予感がするんだよね。
それに俺がこうしている時点で原作とは違うだろうし。
「どういうことだい?」
「あ〜……あんまり気にしないでくれ」
 真名に聞かれるが、誤魔化しておく。いや、漫画のこと話すのもなんだしね。
流石にこのか以外に怪しまれるけど。でも、話すと色々とね……
「そんなことをして、私になんのメリットがある?」
「とりあえず、エヴァが知りたいことがわかると思うよ?」
 睨んでくるエヴァにそう言ってから近付いて、エヴァの耳元に顔を近付け――
「ネギのお父さんのこととかね」
「なに!?」
 小声で言ってやると、エヴァは驚いてくれました。他のみんなは不思議そうにこっちを見てるけど。
「あやつは死んだのではないのか!?」
「そのことに関してはネギから聞いてくれ」
「え? なんでボクなんですか!?」
 叫ぶエヴァにそう言うけど、ネギは戸惑っていました。
だってさぁ、君のお父さんのことだしね? それにその杖って、お父さんからもらったもんだろ?
だからなんだけど……ちなみに明日菜達は何が何だかわからずにきょとんとしてるけど。
「ふ、ふふ……簡単にはくたばらんとは思っていたが……そうか、生きているか……」
「どういうことよ?」
「エヴァに聞いてくれ」
 なんか喜んでるエヴァに、明日菜が訝しげに聞いてくる。一応、誤魔化したけど。
あ、茶々丸がエヴァを見つめてる。「ああ、マスターがあんなにも嬉しそうに……」なんて言ってるけど、それは同意しておこう。
「いいだろう。坊やを鍛えてやろうじゃないか」
「ええ!?」
「だが、約束は忘れるなよ?」
「引き受けてくれるかどうかはわからないけどな」
 いきなりの決定に驚くネギだが、関係無いとばかりに話を進めるエヴァにそう言っておく。
なにしろ、あの紫が簡単に引き受けるとも思えないしな。ていうか、幻想郷に行けるんだろうか、俺?
その後、他愛のない話をする俺達なのでした。


 out side

 時間は夜遅く。ネギや明日菜達は寮に戻り、翔太と理華、ミュウはエヴァのログハウスの客間に通されていた。
なお、残りの仲魔はGUMPの中である。流石に残りの仲魔が寝れるスペースが無かった為であるが。
そんな中、エヴァは居間でたたずんでいた。そばにいる茶々丸が注ぐワインを嗜みながら――
「翔太……か……」
 ふと、エヴァは翔太のことを考える。最初は大したことない人間だと思っていた。
だが、高畑や刹那、真名が言うには素人だが強いという。素人という見立ては間違っていなかったが、強いというのは未だにわからない。
話を聞くと気や魔力を使っていないのに、使っているような動きをするというのだ。
なぜ、そんなことが出来るかは翔太自身もわからないようだが……だが、エヴァが思うことはそれだけではない。
 死にたくないために戦う。これが翔太が戦う理由の1つだが、普通に聞けばなんでその理由で? と思うかもしれない。
でも、エヴァにはわかる気がした。彼女もまた、吸血鬼という理由で命を狙われ……死にたくない一心で戦ってきた経験を持つ。
確かに死という物から逃れたいと思うのは大抵の者なら考えることだろう。だが、時には戦わねばならない時もあるのも事実だ。
翔太の場合、逃げ場が無い。世界が崩壊するのだから、当然とも言える。
実際にそうなるかはまだわからないが……だからこそ、戦っているとも言える。
まぁ、他に脅されているからとか、情けないと思う所もあるのも事実だが……
 また、話を聞いてると戦い方を誰かに教わったわけではないというのもエヴァの関心を寄せた。
エヴァも状況的な理由で誰かに教わらず、自分のみで戦い方を磨いていった経緯がある。それが悪いわけではない。だが――
「それがいつまで通用するかな?」
「マスター?」
 ふと、それが声に出てしまい、それを聞いた茶々丸は首を傾げていたが。
自分のみで戦い方を磨いていくというのは、時には偏りを生む。そして、それが戦闘に影響することだってある。
現にエヴァも魔法だけでなく、いくつか武術を習得している。戯れや暇潰しといった面もあるが、もしもの場合に備えてという理由もあるのだ。
翔太は今の所それをしている様子は無い。それが今後どう影響してくるか……エヴァが楽しみにしている所である。
(さて、あやつがどうなっていくのか……楽しみではあるな)
 なんてことを考えつつ、グラスに残るワインをあおる。エヴァがなぜこんなことを考えるのか?
それは翔太とは長い付き合いになりそうな予感がしたのである。それはエヴァの予想通りとなるが――
だが、もう1つの方で翔太はエヴァの予想を斜め上を行く感じで裏切ることになる。


 in side

「これが穴というものか……」
 ボルテクス界に通じる穴を高畑さんは興味深そうに見ていた。
さて、一晩寝て体力もそれなりに回復し、茶々丸の朝食を食べた後にボルテクス界に戻るためにエヴァ達と一緒に穴へと向かった。
ちなみにこっちじゃ休日なそうなので、エヴァも来ることが出来たんだけど。
で、そこには先に来ていた学園長や高畑さんに刹那と真名、それに魔法先生や魔法生徒達が来ていた。
穴の場所は先に教えていたしな。あ、良く見たらネギや明日菜にこのか、それにアキラに裕奈、千鶴までいるや。
それはそれとして、冒頭に至ると――
「空間が歪んでいるように見えるがの……あれを通って、ボルテクス界とやらに行くのかね?」
「ええ、そうです。ああ、一般の人が来ないようにしてもらえますか? ボルテクス界に行っちゃうと危険ですし」
「もちろんじゃよ。しばらくはここに結界を張り、監視を置くことになるじゃろうて」
 答えつつ、そのことを思い出して話すと、学園長はうなずいてくれる。
うん、一般人がボルテクス界に行ったら、危ない所じゃないしな。良く考えたら、俺って運が良かった?
後でわかったんだけど、俺が初めてボルテクス界に行った時にいた場所って、比較的弱い悪魔が多い場所だったみたい。
もし、麻帆良に通じる穴の周りにいるような悪魔がいる場所に出たら……うん、考えないようにしよう。
「さて、昨日話していたとおり、刹那君と真名君。それにもう1人が君に同行する。ミナト君」
「はい」
 学園長に呼ばれて前に出たのは1人の少女だった。
茶色がかったおかっぱの髪にベレー帽みたいな帽子を乗せ、ふちなしの眼鏡を掛けた可愛らしい女の子だ。
背は刹那よりちょっと高いくらい。スレンダーな体型で、セーラー服みたいな服を着ていた。なお、スカートじゃなくズボンだったけど。
「橘 湊(たちばな みなと)といいます。私はボルテクス界の調査で同行しますので……申し訳無いのですが戦闘は期待しないでください……」
 と、ミナトと名乗った少女は恥ずかしそうにそんなことを言い出した。て、調査? どういうことだろうと学園長に顔を向け――
「わしらとしても、ボルテクス界がどういった所なのかを確認しておきたいんじゃよ。ミナト君はその為に同行する。
申し訳無いが、頼めないじゃろうか?」
 なんて言い出した。でもまぁ、それはしょうがないのか? まぁ、気になるってのもわからなくはないかも。
俺もボルテクス界のことはあんまり知らないしな。
「まぁ、俺達も次の世界への穴を探さなきゃならないので、あちこち行かなきゃならなくなりますけど……
それでもいいんでしたら、別に――」
「ちょっと翔太? いいの?」
 答えようとした所で理華にまったを掛けられたが――
「昨日も話してただろ? 下手に断ると色々と疑われるかもしれないし」
「あ、そう……なのかな?」
 とりあえず、顔を近付けあって小声で話し合う。理華は納得してないような顔をしてたけど。
「良いかの? ま、わしらとしてはその方が助かるのじゃよ。その方が色々と調べられるしの」
「え? あ、そうなんですか……じゃあ、それなら……」
 いきなり学園長に言われたんで、思わずそう答えてしまう。でも、本当にいいんだろうか?
下手すると麻帆良に通じる穴の周りにいるのより強い悪魔がいる場所に行くかもしれないんだけど?
いや、その場合は流石に慎重になるよ? 流石に何度も大怪我とかしてないしね。自慢にならんけど……
「それでは学園長……お嬢様をお願いいたします」
「うむ、わかっておるよ。刹那君も気を付けてな」
 なんてことを考えてたら、刹那が学園長に頭を下げていた。しっかし、このかの護衛ほっぽいて本当にいいのかね?
「せっちゃん……」
「お嬢様……心配なさらないでください。すぐに戻りますから」
 心配そうな顔をしながら近付いてくるこのかに、刹那はそう言うんだけど……表情は明らかに暗い。
それだと心配するなって方が無理だと思うんだけど?
「あ、あの……翔太はん……せっちゃんのこと、守ってあげてな?」
「あ、ボクからもお願いします!」
 と、こっちに来たこのかにネギも慌てて頭を下げてきた。いや、前にも言ったけど、刹那の方が強くね?
「あ、ああ……まぁ、出来うる限りはな」
 でも、それを言ったら怒られそうな気がしたのでそう言っちゃうけど……
「そんじゃあ、俺達はそろそろ行きます」
「うむ、刹那君達をよろしく頼むぞ」
「そうよ。ひどいめにあわせたら許さないんだからね!」
「また、会おうねぇ〜」
「刹那さんと真名さんをお願いします」
「お気を付けて」
 そろそろ出発しようかと思って声を掛けると学園長にそんなことを言われたのはまだいいのだが……
明日菜、そんなことしないから。したら、色々とヤバイから。
なお、裕奈は元気良く右手を振っているし、アキラは心配そうな顔を向けながらそんなことを言ってくる。
千鶴は笑顔でそんな声を掛けてくれたけど。
「へいへい……じゃ、あれに触ってくれ。そうすれば、ボルテクス界に行けるから」
「は、はい……」
 刹那達にそう言ってから、俺達は麻帆良を去るのだった。
さて、これからどうなることやら――



 あとがき
さてさて、刹那と真名とミナトと一緒にボルテクス界を回ることになった翔太達。
期間限定とはいえ、そんな彼らに何が待っているのか? 次回からはそんなお話となります。
普通に見えた翔太は実はオニのことを引きずっており――
そんな翔太を見る者達がいたりとなにやら雲行き怪しい様子?
というわけで、次回からはボルテクス界冒険編となります。お楽しみに〜



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