「貴様らもいたのか……」
「そりゃま、俺達も用事があるからな。で、お前達はジュエルシード狙いか?」
「いや、ここに来たことで我らの目的はほぼ達成された」
 どこか笑みを浮かべたような様子を見せる怪人の返事に、問い掛けた士は嫌な予感を感じた。
ハッタリというのは無いだろう。怪人は基本的に目的の為に行動しているように見えるのだから。
となれば、返事に嘘は無い可能性が高い。となれば――
「目的がほぼ達成って、お前達の狙いはジュエルシード集めることじゃないのか?」
「それは間違っていない。だが、それもここへ来たことで達成された」
 そう答える怪人の返事を聞いて、問い掛けた士は嫌な予感を増大させる。
最初、怪人達はジュエルシードを得る為に狙いやすい所から狙ったと感じた。
現に誰もまだ手に入れてなかったジュエルシードを手に入れた様子を考えると、そう考えてしまうのだ。
そんな中、豪華な装飾を持つ怪人が持ついくつものジュエルシードが浮かび上がり、輪を作るようにして回転を始める。
「な、なんだぁ!?」
『え? なにこれ!? 保管してるジュエルシードが、きゃあ!?』
「エイミィ!? 艦長……母さん!?」
 それと共に士達がいる場所が大きく振動を始めたことに雄介やなのは達が驚いた。
同時にクロノの横に投影されていたモニターに映るエイミィが悲鳴と共に消えてしまう。
そのことにクロノは慌てて呼び掛けるが、モニターが再び投影される様子が無い。
しかも、変化はそれだけにとどまらなかった。
「ジュエルシードが集まっているだと!?」
 その光景に麗華は驚きを隠せなかった。なにしろ、回転していたジュエルシードの数が増えていたからだ。
その光景に士と海東以外の誰もが困惑する。落ち込んでいたプレシアとフェイトですら、その異常さに顔を向けていた。
「あれはアースラ保管していたジュエルシードじゃないか!? なんで、あそこにあるんだ!?」
「まさか……あいつらはジュエルシードを使えるというの……」
 その光景にクロノが叫び、プレシアが呆然とする。
というのも、アースラやプレシアが保管してジュエルシードが回転している中にあったからだ。
その証拠にジュエルシードの中で輝くギリシャ文字で書かれた数字の刻印が自分達が保管していたのと一緒だった。
「やり方を知っていれば、このようなことも出来る。そして、我らの願いを叶えることも――」
 と、怪人がそんなことを告げると、回転していたジュエルシードの輝きが増していく。
その光景になのはや雄介達はただ呆然と見ているしかない。ある2人を除いて――
「これで……これで我らの願いは叶う……この世界を滅ぼすという願いが……」
「そんな……なんで? なんで、そんなことをするの?」
 怪人の言葉になのはが思わず問い掛ける。わからなかった。なぜ、世界を滅ぼそうとするのかを――
「邪魔だからだ」
「え?」
「邪魔だからだ。我らが生きるには今の文明は邪魔なだけだ。だから、滅ぼす。無かったことにする。ただ、それだけだ」
「そんなことで世界を滅ぼそうというのか!?」
「我らには十分な理由だよ」
 怪人の言葉にクロノは怒りをあらわにする。怪人達の理由は単純にして明快。だからこそ頭に来る。
いくら自分達が生きる為とはいえ、それ以外を全て滅ぼすというのは許されることでは無い。
その一方でなのはは理解出来なかった。なぜ、自分達が生きる為にそれ以外の全てを滅ぼそうとするのかを。
幼いというのもあるだろう。だが、理解出来ないのはある意味当然かもしれない。
ただ、邪魔だから。それだけの理由で自分達以外を滅ぼそうとする怪人達の考えを推し量ることなど。
「さぁ、見るがいい。世界が滅んで行く瞬間を」
「あ……」「しまった!?」
 怪人が話ながら両手を高く上げる。その様子になのはは思わず声を漏らした。
何をしていようとしているのか、先程まで怪人が話していたからわかる。
同時にもう間に合わないことも……クロノが慌てて魔法を放とうとするが、すでに遅すぎる。
その瞬間、なのはは絶望の底に落とされたような想いに駆られ――
『『アタックライド――ブラスト!!』』
「ぐあ!?」「「「「ぐぼぉ!?」」」」
 電子音の後に光弾がマシンガンのように放たれ、ジュエルシードを掲げる怪人と周りにいた怪人達を撃ち飛ばした。
その光景になのはやユーノ、クロノやアルフが呆然とする。そして、それを成した士と海東はというと――
「まったく、勝手なこと言ってんじゃないっての」
「まったくだね」
 銃に組み替えたケースを肩に掲げつつ呆れた様子を見せる士の言葉に、海東は同意したかのようにうなずいていた。
そのことに呆然とするなのは達。というのも、士と海東には絶望の色が見えないのだ。
「しっかし、お前らも馬鹿だよな。俺達がいない所でやりゃいいものを」
「そうそう。それにボクとしても世界を滅ぼされるのは困るんだよね。手に入れてないお宝がまだまだあるってのに」
 で、士と海東はというと肩をすくめながらそんなことを言い合っていたりする。
まぁ、士の言うとおり怪人達もそうしたかったのだ。だが、それを実行するにはジュエルシードの数が足りなかった。
そこでプレシアが持つジュエルシードのそばまで行き、発動させようとしたのだ。結果は上手く行った。直前で士と海東に邪魔されるまでは……
「後、簡単にペラペラと話しすぎだ。早い話、お前達の願いを叶えさせなけりゃいいんだろ?」
 銃となったケースを向けつつ、士はそう言い放つ。
といっても態度こそいつも通りに見えるものの、内心はどうしたものかと悩んでいたが。
なぜなら、怪人達がここで事を起こしたのは士にしてみれば運が良かったという他ない。
怪人達がジュエルシードを集めていたのはわかっても、ある程度の数をそろえれば良かったというのは士にとっては予想外だったのだ。
そのおかげで完全に瀬戸際に立たされるはめとなった。唯一の救いは怪人達に願いを言わせないことだが――
「で、どうするんだよ? 流石に数が多いぞ」
「なんとかするしかないだろ。海東、何人か呼び出せ」
「しょうがないなぁ」
「つ、士さん、どうする気なんですか?」
 それでもどうにかしようと雄介に答えつつ海東に指示を出す士はケースからカードを1枚取り出していた。
そんな中、なのはが問い掛けてきた。どう見たって数は怪人の方が圧倒的だ。そして、怪人が強いのもわかってる。
その状況ではいくら何でも勝ち目が無いように思えてならないのだ。
「なんとかするしかないだろ」『アタックライド――イリュージョン!!』
「な、なんとかって――」
 カードをセットし4人に増えながら答える士だが、問い掛けたなのは目を見開くはめとなった。
なのはにしてみれば何を言ってるんだという感じだ。とてもではないが、なんとか出来るような状況には思えない。
『仮面ライド――電王!!』『フォームライド――電王、ロッド!!』『――アックス!!』『――ガン!!』
「まぁ、色々と方法を考えてやるだけやってみてダメなら次の手。そんな感じでやっていくだけだ」
『仮面ライド――龍騎!! ファイズ!! キバ!!』
「そうだね。次があるなら、完全な負けって訳でも無いし」
 別の仮面ライダーに変身する士の言葉に同意するように、他の仮面ライダーを呼び出す海東がうなずく。
そんな2人をなのははじっと見つめていた。見てみると2人は圧倒的な差があるはずなのに、絶望した様子を見せない。
といっても士は内心どうしたものかと悩み、海東はどうやってジュエルシードを奪い逃げだそうかと考えていたのだが。
しかし、なのははそんなことを知らず、そんな2人を凄いと思い――自分もそんな2人のようになれればと思ったのだ。
「で、いつまでへたり込んでる?」
 そんな中、士はフェイトへと声を掛ける。フェイトは呆然としたまま顔を向け――
「お前さんは母さんをどうしたいんだ?」
 士の問い掛け。それに対し、フェイトは思わず考えてしまう。
母であるプレシアは未だに呆然としている。先程までの怒気が嘘のように。
それこそ、いつも怒っていた母ものでは無く、自分の記憶にある優しい母の姿に思えた。それを考えたら、士の言っていたことも一理あるのかもと考える。
母はアリシアを生き返らせようと必死になるあまり、何かを見失ってしまったのかもしれない。その何かはフェイトにはわからない。
幼いというのもあるのだろうが、プレシアがどんな想いを抱いていたかまでは推し量れなかったのが大きい。
それでも、今の母の姿が自分の記憶の中にある母だと思えたのだ。
「フェイト、ちゃん?」
 だから、フェイトはある決意を胸に立ち上がる。戸惑うなのはに笑顔を見せてから、プレシアへと顔を向け――
「お母さん……私は……私はあなたがどう想おうと、私はあなたの娘です」
 真剣な眼差しでそう告げたのだった。その瞬間、士の腰にあるケースが開き、そこから1枚のカードが飛び出す。
そのカードを士が手に取ると、なのはとフェイトが持つ杖が交差する形で描かれているのが見て取れた。
「決意表明はいいが、奴らが来るぞ!」
「まったく、少しは待ってくれてもいいんだがな」
 麗華の言葉に士はため息を吐いた。良く見れば怪人達が襲い掛かろうとしているのだ。
士は飛び出たカードをケースに戻しつつ、分身した自分達と共にそれぞれ武器を構え――
「とりあえず、奴らを一カ所に集めろ。そこで一気に叩く」
「一気にって、出来るのか?」
「ああ、なんとかな」
 訝しげな顔をするクロノの問い掛けに指示を出す士はそう答えた。実際、先程までは手が無かった。
だが、今のカードが現れたことでその手立てが出来たのである。後はその為の準備をするだけであった。
「そういうわけだ。無闇に突っ込むなよ」
「はい!」「わかった!」
「奴らをつぶせぇ!?」
 士が掛けた言葉になのはと雄介が返事をすると、全員が怪人へと向かっていく。
それと共に豪華な装飾を持つ怪人の怒号に、怪人達も一気に押し寄せてきた。
「は!」「おりゃあ!」「ふん!」
「ぐが!?」「がぁっ!?」「ごはぁ!?」
 分身している士や雄介、麗華に海東や他の仮面ライダー達が自身の拳や武器で怪人達を押し返し――
「ディバインバスター!!」「はぁ!!」
 一方でなのはも魔法による砲撃や、持っている杖を鎌状にしたフェイトによって怪人達は押し返されていた。
むろん、クロノによる魔法の砲撃やアルフの格闘による援護、ユーノの防御魔法による守りがあるのも大きい。
「くそ! まだ来るのかよ!?」
 だが、倒しているわけでは無い上に続々と怪人達がやってくるので、現状は怪人達が増えていく一方だった。
そのことに雄介は焦りを見せるのだが――
「いや、逆にこっちの方が都合がいい。考えも無しに突っ込んでくるから詰まってるしな」
 が、士は紫の電王を残して分身と変身を解いてディケイドの姿に戻りながらそんなことを言っていたりする。
建物内の通路が広いと言っても限度があり、一度に何十体もの怪人が通ろうとしてるので半ば詰まっているような状態だった。
それ故に怪人達は壁を破壊して現状を打開しようとしているが、士はそれを見過ごす気は無い。
「というわけだ。なのは、フェイト、準備しろ」
「え、あ、はい!」「わかり、ました」
 その光景を見つめながら、士はケースから2枚のカードを取り出して指示を出す。
その内の1枚は先程飛び出てきたカード。それを見た瞬間、なのはとフェイトにそのカードに関する知識が流れ込んでくる。
そのことになのはは戸惑いながら、フェイトは一瞬迷ったもののうなずく。
「なるほどね。じゃ、こっちも乗りますか」
『ファイナルフォームライド――リュ・リュ・リュ・龍騎!! ファ・ファ・ファ・ファイズ!! キ・キ・キ・キバ!!』
「痛みは一瞬だ」
「て、撃ったぁ!?」
 それを見た海東は銃にカードをセットすると、呼び出したライダーを撃ち抜いてしまう。
そのことに雄介は驚くのだが――
「待て、あれは……士と同じだと?」
 が、次に起きた光景に麗華は目を見開くような思いを抱くこととなった。
というのも撃ち抜かれた仮面ライダーが変形を始めたからだ。まるで自分達が士の力を受けて変形するように――
直後、1人は赤い龍の姿となり、もう1人は巨大なキャノン砲、最後の1人もコウモリにも見える巨大な弓に変形した。
「おわ!?」
「それを向けておいてくれ。後は引き金を引けばいいから」
 その後にキャノン砲を雄介に、弓を麗華に渡してから海東はそう伝えつつ、更にカードを取り出す。
『ファイナルアタックライド――デ・デ・デ・電王!! リ・リ・リ・リリカル!!』
『ファイナルアタックライド――リュ・リュ・リュ・龍騎!! ファ・ファ・ファ・ファイズ!! キ・キ・キ・キバ!! ディ・ディ・ディ・ディエンド!!』
 そして、士と海東が更にカードをセットすると、士は紫の電王と共に銃となったケースを両手で構え――
その士の右になのは、左にフェイトが付いて2人とも杖を構えた。それと共になのはの杖の先端にある飾りの下に桃色に輝く光の翼が現れる。
海東も持っていた片手で銃を構えるとその先で何枚ものカードが輪になり、それがいくつも並んで怪人達へと向かっていく。
雄介と麗華も持っていたキャノン砲と弓を構えると、赤い龍も口に巨大な炎を生み出し――
「スターライトォ、ブレイカァー!!」「サンダースマッシャー!!」
 士が引き金を引くと共になのはは桃色に輝く巨大な光の濁流を、フェイトは雷を纏った黄金に輝く光の柱を――
士もまた2人に負けないほどの赤く輝く巨大なエネルギーの塊を撃ち出す。
海東もなのは程に無いにしろ、銃から光の濁流をカードの輪を通るようにして放ち――
雄介は海東と同じように光の濁流を、麗華は巨大なエネルギーの塊を撃ち放っていた。
「な、ば、馬鹿なああぁぁぁぁぁぁぁぁ――」
 それらに豪華な装飾を持つ怪人と怪人達が呑み込まれていく。
それによっていくつもの爆発が起き、それらが消えていくと怪人達の数は数えるほどにしかいなくなる。
それで不利と悟ったのだろう。生き残っていた怪人達は静かに去っていくのが見えていた。
「どうにかなったな」
「しかし、ジュエルシードをどうするかだ。あれでは近付くのも困難だぞ」
 安堵のため息を吐く雄介だったが、クロノは苦い顔をしていた。
実際、彼の言うとおり21個のジュエルシードは未だに輪となって宙に浮き、まばゆい輝きを放っていた。
それに離れても威圧感のような物も感じ、このままではマズイというのはわかるのだが――
「じゃあ、なんとかして封印しないと!」
「ダメだ! 今、影響を与えたら暴走するかもしれないよ!」
 なのはの言い分にユーノが待ったを掛けた。なにしろ、ジュエルシードから感じる力が異常なのだ。
下手なことは最悪の事態を招くとユーノは考えたのである。それはクロノも同じ故に苦い顔をしていたのだが。
「私が斬魔剣を使えれば……」
 一方で麗華が悔しそうに声をもらした。エヴァ達の世界で神鳴流という剣の流派がある。
その神鳴流は魔物などの討伐も行うので、倒す為に様々な技が存在した。
斬魔剣はその中の1つであり、本来の技の目的とは違うもののジュエルシードの力を断ち切ることも可能とも言える。
しかしながら、この技は気というエネルギーを用いなければならない。麗華は気を扱う才能がほぼ皆無な為、その技を習得出来なかったのだ。
どうするべきか……誰もがそのことで悩んでいた時だった。
「う、ぐっ……かはっ!?」
「お母さん!?」
 咳き込むのが聞こえ、誰もが顔を向けてみるとそこにはうずくまるプレシアの姿があった。
そのことにフェイトが慌てて駆け寄り、クロノも慌てて通信を開こうとするのだが――
「くそ! ジュエルシードの力のせいで通信が開けない!」
「お母さん! お母さん! あ――」
 通信が開けずに顔を歪ませる中、フェイトがプレシアに触れる。そこで気付く。
プレシアがいる床に赤い物が広がっているのを――
「お、おかあ……さん?」
「ふ、ふふ……いいのよ、これで……いいの……だから……」
 それを見て不安になるフェイト。そんな彼女を押しのけるようにプレシアは立ち上がる。
口元から一筋の赤い物を垂らしながら、アリシアが収められたカプセルへと近付き――
「そう……私はアリシアといつまでも一緒に……好都合なのよ……このままジュエルシードが暴走すれば……私とアリシアは……
だから……あなた達は……さっさと出て行って……」
「悪いがそいつは出来ない相談だ。あれをなんとかしなけりゃ、俺達も危ないからな」
「ダメだ! 力が強すぎて下手に近付けない!」
 疲れ果てながらもどこか満足げな顔のプレシアに士はそう言い放つものの、現状はまずいものだった。現にクロノがジュエルシードの力の強さに表情を歪めている。
もっとも、近付けたとしても先程ユーノが言ったとおり下手に手を出すことが出来ない。ジュエルシードの暴走はそれこそ世界の終わりなのだ。
だからこそ迂闊なことが出来ず、助けを呼ぼうにも未だに通信が出来無い、八方塞がりな状態であった。
それがわかったのだろう。なのはやユーノも不安そうな顔をしてしまう。
そんな中、フェイトはジュエルシードとプレシアを交互に見つめていた。
このままでは母であるプレシアに自分……なのはや士、アルフ達が危ないのはわかる。
でも、どうすればいいのかわからない。助けたいのに、その方法がわからないのだ。
お母さんもみんなも助けたいのに……なのに――
「いや、いや……助けて……お母さんもみんなも……助けてよぉ!?」
 だから、思わず叫んでしまう。心のそこからの願いを――
そんなフェイトの願いに呼応するかのようにジュエルシードの輝きがより強さを増していた。
「な、暴走!?」
「ええぇ!!?」
「いや、何か……変だ」
 その光景にクロノはそのことに思い当たり、なのはは驚いてしまう。
しかし、ユーノがそれを否定した。確かに輝きは強くなった。強くはなったが、恐れていたことが起きていない。
ユーノはそのことに気付いたことで思わず漏らしてしまったのだが――
「「きゃ!?」」「うわ!?」「うお!?」「くっ!?」
 不意にジュエルシードがカメラのフラッシュのような輝きを放った。そのことに士とプレシアを除く誰もが悲鳴と共に顔を背けてしまう。
だが、その輝きも一瞬で終わり、そのことに気付いた者達は再び顔を向けてみた。
宙に浮いていたジュエルシードはそこには無かった。といっても無くなったのではなく、床に落ちていただけなのだが。
「な、なんだったんだ?」
 そのことに気付いたクロノが思わず疑問の声を漏らす。世界が終わるかもしれない程の力は今は全く感じられない。
あの力を感じたが故に最悪の事態も考えていたのだが、ふたを開けてみるとあまりにも呆気なさ過ぎる終わり方だった。
だからこそ疑問に思う。それだけの力が何も起こさずに消えていくものなのかと。
「あ、え? これ、は――」
「お母さん?」
 ふと、プレシアの疑問の声が聞こえてくる。フェイトの声も聞こえてくるが、それもどこか戸惑ったものに聞こえた。
そのことに疑問に思った士達は振り返り――思わず固まる。
女性にこういうことを言うのは失礼なのを承知で言えば、プレシアは実年齢よりも若く見えた。
が、今のプレシアは前よりも若く見える。普通の服装ならば、若者に見えると断言出来るほどに。
その為かフェイトは今のプレシアの姿に戸惑っていたのだ。しかも、変化はそれだけではない。
「なっ、アリシア!?」
「お姉、ちゃん?」
 何かが割れる音が響き、プレシアは慌てて顔を向ける。
フェイトや士達も顔を向けるとアリシアが入っていたカプセルが割れ、アリシアが光に包まれる形で宙に浮いている光景があった。
良く見るとアリシアの背が伸びているように見える。それこそ、フェイトと変わらないくらいに。
「ん、あ……あ、れ?」
「は?」
 そのアリシアが寝ぼけたように目を開けようとする光景にクロノは思わず声を漏らした。
無理もない。アリシアはすでに死んでいる。その死んでいる人間がこうして目を開けることなどまずありえない。
だが、アリシアの目は開かれ――
「お母……さん?」
「アリ、シア?」
 プレシアを確かに見つめていた。そのことにプレシアは驚きに目を見開きながら声を漏らす。
アリシアが立っている。()の地、アルハザードに行かなければ蘇らないと思っていた自分の娘が――その事実にプレシアは驚きながらも信じられずにいたのだ。
「どういう、ことだ?」
「そういや、あいつらジュエルシードを願いが叶えられるようにしたって言ってたな。たぶん、その状態だったから、フェイトの願いが叶ったんじゃないか?」
 同じように目を見開いて驚くクロノに士はいつもの調子で答えていた。
確かに怪人達はそんなことを言っていたが、まさか本当に願いが叶うとは……誰もが予想外だったこともあり、半ば呆然としていたのである。
ある1人を除いて――




 あとがき
そんなわけで……え〜2年ぶりとなりました(2014年12月20日現在)マジですみません^^;
まぁ、言い訳をさせてもらいますとやる気が出なかったとしか……仕事や環境が変わったりとかなんやらかんやらあったのもあるのですが――
もう、アイデアは出てくるのにやる気は全く出ない状況でした。はい、本当に言い訳で申し訳ないです。
ちなみに現在も同じような状況です。遠出……したいなぁ……(給料がだだ下がり&最近は下がってきたとはいえ、ガソリン代の高騰で出来ない)
さて、次回の予定ですがなのは編最終回。そして、次の世界は――森の中?といった感じです。というか、伏線回収改(おい)
ではでは、次……はいつになるんだろうか(遠い目)



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