僕たちの独立戦争 メカニック講座2

火星宇宙軍 艦艇編


――再び後書きならぬ、前書きです。

幾つか指摘がありましたし、リクエストもありましたので懲りずに書いちゃうか〜なんて思いました。

当然ながらこのSSでの設定になりますので細かいツッコミはご容赦を(核爆)

特に設定書いてる暇があるなら本編書けというのは非常に痛いので勘弁して下さい(滝汗ッ)


―――ファーストシリーズ―――

ユーチャリスTをベースにダッシュが記憶していたナデシコシリーズの資料から派生した火星宇宙軍・第一世代戦艦。

相転移エンジンはユーチャリスU内部にある小型プラントから生産された物をそのまま使用している。

このエンジンは古代火星人がユーチャリスTのエンジンを基に改修した物であり、非常にコンパクトでハイパワーでもある。

出力はナデシコに搭載されているエンジンの1.25倍、大きさは約三分の二という優秀な物。

後にイネス博士率いる元ネルガルスタッフとクリムゾンスタッフが共同で解析、再設計した物が次世代艦のエンジンになる。

またナデシコが試作艦であり機能を詰め込みすぎたという点を考慮してダッシュが機動性、火力、収納性に分化し再設計。

そしてジャンパーが活用するという点を基に木連の跳躍砲、ナナフシの武装を付け加えた戦艦を設計する。

その結果、高機動戦艦、重砲撃艦、空母、転送爆撃艦、超長距離砲撃艦の五種類の戦艦が誕生した。

この五種類の戦艦は王道十二星座の名を冠して火星宇宙軍の戦艦の基礎となっていく。


高機動戦艦――アリエス、アクエリアス――

ユーチャリスTの機動性を活かす事を主目的に開発された二隻の戦艦。

ナデシコが相転移エンジン二基搭載されているのに対して火星宇宙軍の戦艦は空母を除いてどの艦も三基搭載されている。

これによってナデシコのエンジン一基を1として合計出力2に対して、3.75という二倍近い出力を引き出す事になる。

また強襲という利点に焦点を置いた事で機動性を何よりも重視されて為にユーチャリスTよりも速度が出るようになった。

グラビティーブラストが固定式2門、可動式2門搭載。

対空迎撃用にレーザーファランクスがあるが、これはミサイル用になっている。

機動兵器にはミサイル、レールガンを主軸に行い、対戦艦用ともいえる武装だった。

ディストーションフィールドの影響で連合軍の艦艇はミサイル、レールガンが中心になっている為だった。

当然のようにディストーションブロックも搭載されている。

余談ではあるがこの世界ではYユニットがまだ開発されていない為にウリバタケがまだ考案しておらず、

火星宇宙軍独自の防御システムになり、全ての艦に搭載されていた。

艦載機としてエクスストライカー6機まで搭載可能である。


重砲撃艦――タウラス、レオ――

火力の集中というコンセプトで開発された戦艦であり、グラビティーブラストの砲門を六門装備する砲撃戦を想定している。

前方に固定された四門の砲門と可動式の砲門を二門装備している。

六門を連射する事で敵艦隊の大打撃を与える事を考えられた戦艦である。

相転移エンジン三基に核パルスエンジンを予備に一基搭載。ファーストシリーズの中では最大の火力を誇る戦艦である。

火力を重視した事で艦載機の搭載スペースが減少し、三機しか搭載できない。

その為に防空システムは他の艦よりも充実させると同時に装甲がどの艦よりも厚めになっていた。

機動性については少々劣るがグラビティーブラストの広域放射はどの艦よりも広くなっている。


空母――キャンサー、ライブラ、ジェミニ、ビスケス――

固定式グラビティーブラストを一門装備した空母であり、火星宇宙軍では主力ともいえる艦でもある。

固定式グラビティーブラストと対空用の迎撃システムだけという武装だがストライカーシリーズの収納性を優先したのだ。

火星宇宙軍機動兵器エクスストライカーの母艦として行動できる事は最大の打撃力を有する事に他ならない。

ファーストシリーズの他の艦艇は最大でも6機しか搭載できないが、この四艦は30機まで搭載可能だ。

ナデシコが上から見るとH状の形状に近いが、この4艦は凹状の形状をしていた。

後部スペースを増設する事で空母としての収納性を向上させたのだ。

また現在は発進口がジャンプゲートに改修され、ボソンジャンプによる奇襲も可能となった。

相転移エンジンを用いる事で無限の航続距離を持つ機動兵器にジャンプシップの利点を組み合わせる。

その事がどれだけ恐ろしい事なのか……地球はまだ知らない。


転送爆撃艦――カプリコーン、バルゴ――

追尾式機動爆雷をジャンプアウト可能とした雷撃艦といわれる艦である。

開発当初は機動爆雷を放出するだけの艦であったが、ジャンプナビゲートが可能になった事で敵陣の中央に転送する。

その為に超長距離の観測用の光学機器や索敵機器の強化が必須になり、開発が遅れていた二艦でもあった。

遅れて配備された戦艦だがその能力はボソンジャンプを初めて軍用に転用した艦として名を遺すかもしれない。

可動式グラビティーブラストを二門装備という少し貧弱な武装に見えるが、ある意味もっとも厄介な戦艦だろう。

敵の位置と目的地を知れば、その航路に爆雷を転送散布していく……非常に危険な戦艦かもしれない。

機動兵器はエクスストライカー三機が搭載可能、内一機は索敵用に改修された物が搭載されている。


超長距離砲撃艦――スコーピオ、サジタリアス――

ナナフシと呼ばれた超長距離砲撃可能な砲台を基に開発された火星宇宙軍の艦艇である。

重力波レールガンという武装はナデシコのフィールドを貫くほどの威力にダッシュが注目し、移動砲台とした戦艦になった。

第二次木連攻撃に使用されたがその後、転送爆撃艦の完成と同時に光学機器と索敵機器の改修が行われた。

その結果、超長距離の射程の延長が出来るようになり、移動砲台型の戦艦という面が更にクローズアップされる。

主砲である重力波レールガンはチャージに時間が掛かり、連射が不可能という問題点があった。

その機能故に大気中での活動時は一気に性能がダウンする点が今後の改善点でもある。

それをカバーする為に二門の大口径レールガンと、長距離用のミサイルを装備している。

一応、グラビティーブラストも二門装備しているが射程の関係上あまり活躍の機会がない。

大気中で性能がダウンする相転移エンジンを如何に上手く活用するかが火星宇宙軍の命題とも言えるかもしれない。

現在、開発局が大気中でも性能がダウンし難くなるように試行錯誤している。

最も有力な手段としてエンジン部を密閉して人工的に真空状態にするという意見が最有力である。

だが、メンテナンスに手間が掛かるという問題を如何に解決させるかが今後の課題であった。

この艦もエクスストライカー三機、そして内一機は索敵用である。

現在、格納スペースを増設して、防空用の艦載機の数を増やそうかと言う意見が出ている。


―――セカンドシリーズ―――

新型の相転移エンジンを搭載した次世代艦の試作とも呼ばれる四隻の戦艦。

エンジンブロックを密閉するという意見を採用し、大気中でも性能を低下させずに活用できるように試作された。

四隻の内、三隻は《マーズ・ファング》が地球で運用し、その稼動データーを取っていた。

ユーチャリスUの性能を分散して、それぞれの方向で発展させる事で開発期間を縮小。

四つに分散された機能――格闘戦、長距離砲撃、収納性、その他に分類され、四隻として誕生した。


格闘戦艦――トライデント――

ユーチャリスUのディストーションブレイクを装備した格闘戦艦という位置付けになる。

ディストーションブレードを追加装備する事で前面に強力な鏃のようなフィールドを展開する。

そのフィールドを使用して敵陣の突破を可能にした強襲突撃艦としての面を持つ。

セカンドシリーズはユーチャリスUのシステムを基に設計された為に全てに於いて性能がファーストシリーズと一線を引く。

グラビティーブラストの集束システムは従来のものより高まり、射程も延長している。

広域放射も可能で、範囲を更に拡大する事も出来る様になっていた。

また全ての艦にジャンプゲートを装備、機動兵器、機動爆雷の転送も可能になっている。

機能を増やした為にナデシコよりも大きさは増し、1.3倍くらいに全長が伸びている。

グラビティーブラスト固定式2門、可動式2門に対空迎撃システム装備。

また対艦用大口径レールガン二門が装備されている。

艦載機エクスストライカー8機が搭載されている。


長距離砲撃艦――ランサー――

現状で最も集束率を高めた砲門を装備した長距離砲撃艦。

特にスナイパーモードと呼ばれる状態での砲撃は貫通力は従来のものよりも二倍増しで射程も延長されている。

フィールドの影響で戦艦、チューリップをどうしても近距離からの砲撃でないと破壊出来ない点を改善するのが主目的。

エクスストライカーのグラビティーランチャー、ボソン砲以外での破壊目的を模索した結果でもあった。

重力波レールガンの連射性能がない欠点を別の視点から改善したというものかもしれない。

可動式砲門3門、レールガン2門装備、対空迎撃システムあり。

艦載機6機が搭載可能である。


空母――チャリオット――

対艦攻撃機エクスストライカーの母艦として開発された大型空母。

ジャンプゲートを搭載し、転送爆撃艦としての側面も持つ。

グラビティーブラストは一門固定式だが、広域放射と連射性能は向上している。

後方からボソンジャンプで機動兵器や機動爆雷を転送するのが仕事だろう。

その能力故にどの艦も運用を改めて考えなければならないと火星宇宙軍士官は考えている。

エクスストライカーを最大で50機搭載、火星宇宙軍ではユーチャリスUの次ぐ大きさの艦である。


潜航艦――ファントム――

強襲揚陸艦をドッキングさせた奇襲、強襲を主目的としたステルス性能が非常に高い戦艦だが……金喰い虫でもある。

建造費が馬鹿にならないくらい掛かるのがネックであり、現状では一隻しか建造されていない。

その理由としては鏡面装甲であるミラーシェードにある。この装甲は非常に制作に時間と経費が掛かる。

一定の電流を流す事で鏡のように周囲の景色を映し出す為に宇宙空間という広い場所では完全に景色に溶け込むのだ。

その為に装甲に傷が付く事は許されず、扱いには慎重にしなければならない。

建造中に傷が付く度にやり直しという部分もあり、作業員は非常に精神的に疲れる事になった。

潜水艦の装甲と同じだな……傷付けば水圧で圧壊するという潜水艦以上のデリケートな装甲と作業員が話していた。

メンテナンスに手間が掛かるが戦力としては非常に使えるので扱いに困るというのが士官達の見解だった。

幸いにも出航すれば、常時フィールドを展開するのでスペースデブリ等で傷付く事はないから一安心だが、

戦闘後、港に停泊中は必ずチェックしなければならない点が面倒ではあった。

鏡面装甲自体は非常に強固ではあるので戦闘には支障はないのが救いかもしれない。

可動式砲門3門、固定式(強襲揚陸艦スペクター搭載分)1門、対空迎撃システムあり。

副砲にレールガン2門、機動爆雷転送機能ありと言った多機能艦としての側面もある。

索敵用艦載機2機搭載、強襲部隊用に装甲服アサルトハンマー40機、スペクターに搭載。

L2コロニー攻略時は艦載機と弾薬の分を減らして、デビルエステを搭載していた。

ファントムは拠点攻略の要とも言える戦艦という位置付けになるかもしれない。


この他に第二次火星会戦で鹵獲した木連の戦艦がある。

ブロック方式を採用している木連の戦艦をブロック毎に分解して解析。

ナデシコに採用したYユニットの簡易版とも呼ばれる増設ユニットを設計した。

これを用いる事でレーザー装備からグラビティーランチャーへの換装も可能になり、戦闘力の向上が決定的になった。

グラビティーランチャーは一点集束型であるが故に貫通力、射程の延長というメリットがある。

これによりエンジン出力は低いが攻撃力は格段に上昇する事になる。

現在急ピッチで換装を進めている……来るべき決戦の為に。

その事を木連も地球も知らない……。








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