「…………兄さん」

 軟禁部屋の窓から、リサは落下するユニウスセブンを見ていた。所々で光が弾けて見えるのは、戦闘が行われている様だからだった。リサは、やはりユニウス セブンが自然に軌道がズレたのではないのだと目を細めた。

「(やはり人の手によるもの……みたいですね)」

 レンの勘は当たっていたのだと、リサは息を吐く。

「リサちゃん」

「…………何でしょう?」

 その時、部屋の扉が開かれエリシエルが入って来た。リサは、片方しかない目でジロッと彼女を見る。急に睨まれ、エリシエルは少し驚く。リサ側からしてみ れば、ザフトの軍人だし、レンと昔の知り合いのようだから警戒しているのだ。普段は兄の奇行に厳しいツッコミを入れるが、割とブラコンだったりする。

「待機とかしていなくてよろしいのですか?」

 赤服なのに、と何やら皮肉めいて言うリサに、エリシエルは冷や汗を浮かべながらも笑顔で椅子に座った。

「私は元からこの艦の配属じゃないし、今の私には何も出来る事が無いんだもの」

 ギプスで固められた右腕を見せて苦笑いを浮かべる。

「じゃあ見張りですか?」

「ん〜……そんなんじゃないわ。ただ、お話がしたくて来ただけよ」

「暢気ですね。一応、私は海賊ですよ? いつ貴女を人質に取ってグラディス艦長達を脅迫してもおかしくないのに……」

「でもレンの妹でしょう?」

「?」

 そう返され、リサはキョトンとなる。エリシエルはニコッと笑って言った。

「レンの妹だったら、私も安心できるから……」

「…………随分とウチの愚兄を信じられているんですね?」

「ええ。だから、今回の件、レンが出た時から何の心配もしてないわよ」

「…………」

 何の迷いも無く答えるエリシエル。リサは、二人の間に何があったのか分からないが、少なくとも彼女はレンを深く信頼しているのは間違いなかった。リサ は、何となく嫉妬を感じながらもハァと溜息を吐く。

「ねぇリサちゃん。レンがザフトを抜けてプラントで何をやっていたか教えてくれる?」

「…………別に構いませんが、そちらも兄さんが昔どんなだったか教えて下さい」

「え? リサちゃん、妹なのに軍人の時のレンを知らないの?」

「…………私、二年前からの記憶がありませんから」



機動戦士ガンダムSEED Destiny〜Anothe Story〜

PHASE−05  世界が終わる時



 凍りついた大地の上空で戦うレンのラストとキースのクライスト。ビームサーベルとビームランスがぶつかり合い、ザフトやジン、そしてカオス、ガイア、ア ビスも手が出せなかった。

「下がれ、キース! 今は、貴方と戦ってる場合じゃないんだ!」

<何故かね? これ程、楽しいショーは無いじゃないか!>

 高揚した声で言い放つキースに、レンは舌打ちした。すると、クライストの肩アーマーからビームポッドが飛び出し、ラストに向けて四方八方から発射され る。しかし、その時、レンの中で何かが弾けた。

 すると、レンの目には、ビームが全てスローで見えるような感覚に陥り、周囲に何が起こっているのか手に取るように分かった。そして、信じられない動きで 全てのビームを避けてクライストに突っ込んで行く。

<ふ……>

 しかし、ドラグーンを突破されたのにキースは動じる事無かった。そして、彼の中でも何かが弾け、ラストのビームサーベルをビームランスで受け止めた。

「!?」

<どうした? この程度で驚いている訳でもなかろう?>

「そりゃそうだな……」

 レンはフッと笑みを浮かべると、再びクライストのビームランスとぶつかり合う。しかし、その時、大地が深く割れた。

「<!?>」

 見ると、ジュール隊のMSがメテオブレイカーを設置していた。ユニウスセブンの凍りついた大地は、真っ二つに割れたのだった。



<グゥレイト! やったぜ!>

 割れたユニウスセブンを見て、回線からディアッカの喜びの声が入って来る。イザークも安堵したように表情を綻ばせた。が、そこへ通信回線から懐かしくも 聞き慣れた声が飛び込んで来た。

<だがまだまだだ! もっと細かく砕かないと!>

 その声に二人はハッとなって驚く。

<アスラン!?>

「貴様ぁ! こんな所で何をやっている!」 

 かつての仲間であり、ライバルであり、ZAFTを抜け、オー部に亡命したアスランが何故かザフトのMSに乗っているので、イザークが声を荒げた。が、ア スランの対応は前と何ら変わらなかった。

<そんなことはどうでもいい! 今は作業を急ぐんだ!>

<あ、ああ!>

「分かっている!」

 それぞれ返し、三機のザクは並んで移動する。メテオブレイカーを持っているのは、ディアッカのザクウォーリアだ。

<相変わらずだなイザーク>

「貴様もだ!」

<やれやれ>

 久し振りの再会だが、全く変わってない二人のやり取りに、ディアッカは、呆れた様子でコキコキと首を鳴らした。と、そこへインパルスと交戦していたアビ スが、彼らを狙いにやって来た。

<イザーク!>

「うるさい!」

 警告するアスランをイザークが怒鳴り返す。

「今は俺が隊長だ! 命令するな、民間人がぁ!!」

 そう叫ぶと、イザークのザクファントムはビームアクスで、アビスのビームランスを叩き斬る。そこへ、アスランのザクウォーリアのビームトマホークが左足 を切り裂いた。

 そこへ、今度はカオスがやって来たが、アスランの連射で翻弄すると、イザークのビームアックスがシールドを真っ二つにした。応戦しようとしたカオスだっ たが、今度はアスランのビームトマホークで右腕をもぎ取られた。



 シンは、唖然としていた。自分達が戦って致命傷を与えれなかった三機を見事な連携攻撃でアッサリと退けたアスラン達に。何よりも、新型MSではなく、量 産のザクで圧倒したのだ。

 伝説のエースと呼ばれてもおかしくないアスランの操縦技術。そして、彼と同期で今は若干19歳ながらに一戦艦の隊長を務めるイザーク。

「(すげぇ……あれがヤキン・ドゥーエを生き残ったパイロットの力かよ)」

 ピピピピピ!

「!?」

 突如、センサーが鳴り、シンはハッとなって振り返るとジンが迫って来ていた。斬機刀を振り上げ、インパルスを切り裂こうとしていた。

「(しま……!)」

 しかし、迫って来たジンは、突如、横から飛んで来たビームによって破壊された。驚愕するシンだったが、彼の目の前にジャスティスが現れる。

<ボサッとするな! 死にたいのか!?>

「! その声……!?」

 ピッとモニターにシュティルの姿が映り、シンは驚愕した。

<ん? …………お前、シンか?>

「あんた……シュティル? シュティル・ハーベストか!?」

<なるほど……ザフトの最新鋭機のパイロットか。成長したな……>

 フッと笑みを浮かべて言うシュティルに、シンは驚きを隠せない。

「な、何やってんだよ!? アンタ……何で海賊なんかに!?」

<大人の事情だよ、坊や>

「っ!!」

 シンは、ギリッと歯を噛み締めた。

「プラントで一人だった俺に士官学校の推薦してくれて、生活を助けてくれたアンタを……新しい家族だと思ってたのに……!」

 シンは、ギロッとモニターのシュティルを睨み付けた。

「何で海賊なんてやってんだよぉ!!」

<シン……!>

 インパルスはビームサーベルを抜いてジャスティスに襲い掛かる。しかし、ジャスティスは二つあるビームサーベルを抜くと、まずインパルスのビームサーベ ルを持っている腕を切り飛ばした。

「何!?」

 そして、次の瞬間、もう一本のビームサーベルをインパルスの頭の前でピタッと止めた。

<シン、言い訳はしたいが今はこの問題を片付けるのが先だ>

「…………」

<お前の気持ちも分かるが、少しは状況を見据える視野を持て>

 シュティルは苦笑し、インパルスからビームサーベルを引いた。その時、何処からか帰還を示す信号弾が飛んだ。

「<!?>」

 それは、彼らが追っていたボギーワンと呼んでいる艦だった。




「ようやく信じてくれたのか」

 ミネルバのブリッジでは、信号弾を見てデュランダルが安堵の言葉を漏らす。彼らは、敵艦に国際救難チャンネルを通じ、この戦闘はテロによる行為で、プラ ントの意志ではないと説明し、この場での撤退を求めた。

「そうかもしれませんし、別の理由かもしれません」

「別の理由?」

「高度です」

 タリアのその言葉にアーサーは「あ!」と声を漏らした。

「ユニウスセブンと共にこのまま降下していけば、やがて艦も地球の引力から逃れられなくなります。我々も命を選ばねばなりません。助けられる者と、助けら れない者」

 そう言ってスクリーンを見ると、ユニウスセブンはジュール隊によって、かなり細かく砕かれたが、それでも地球にとっては脅威だった。だが、これ以上、作 業を続けると地球に引かれて燃え尽きる可能性があった。 

「こんな状況下に申し訳ありませんが議長方はボルテールにお移りいただけますか?」 

「え?」

 タリアのその台詞にデュランダルとカガリは驚く。

「ミネルバはこれより大気圏に突入し、限界までの艦主砲による対象の破砕を行いたいと思います」

「ええ!? か、艦長……それは……」

 アーサーの驚いて上げる言葉を無視し、タリアは話を進める。 

「何処まで出来るかは分かりませんが。でも出来るだけの力を持っているのに、やらずに見ているだけなど後味悪いですわ」

「タリア、しかし……」 

「私はこれでも運の強い女です。お任せ下さい」

 そう笑顔で言われると、デュランダルは目を閉じて頷いた。

「分かった。すまないタリア、ありがとう」 

「いえ、議長もお急ぎ下さい」

 そう言われ、デュランダルは席を立つとカガリ達を促した。

「では代表」

「私は此処に残る」

「「え?」」

 カガリの言葉にデュランダルとタリアが同時に声を上げた。

「アスランは、まだ戻らない。それにミネルバがそこまでしてくれると言うのなら、私も一緒に!」

「しかし、為政者の方にはまだ他にお仕事が……」 

「代表がそうお望みでしたらお止めはしませんが……」

 脱出するよう勧めるタリアだが、デュランダルにそう言われ、更にカガリの意志の強さを見ると、諦めたように溜息を零した。

「!? 九時の方よりユニウスセブンに向かって熱源が接近します!」

「! 何ですって!?」

 その時、レーダー担当のバートが声を上げると、ユニウスセブンに一発の陽電子砲がぶつかり、更に細かく砕かれた。砲の飛んで来た方角から、海賊ワイ ヴァーンの戦艦ドラゴネスが、その主砲を露にして迫って来たのだった。



「ドラゴネス!」

 突如、飛んで来た陽電子砲に驚いたが、レンはそれが自分の味方のものだと分かり声を上げた。それと、ほぼ同時にミネルバがユニウスセブンと共に降下し、 破砕作業を行うという指令があった。

<どうやら限界高度のようだ……ふふ、ネオ君も良い判断だ>

 すると、回線からキースの嫌味ったらしい声が聞こえ、レンは眉を顰める。

<では私も撤退するとしよう、レン。余り地球は好きではないのだが……また会える事を楽しみにしているよ>

「ふん」

 そう言い残し、クライストは飛び去って行った。

「さ〜て、私もミネルバに戻るとする……ん?」

 その時、レンはユニウスセブンにまだ残ってメテオブレイカーを取り付けているザクと、片腕を失っているインパルスを発見した。




「うっしゃあ! もう一発、ブレスかますぜ!」

 ドラゴネスのブリッジでは、ラディックが落下するユニウスセブンを指差して叫んだ。

「ロビン! 粉々になるまで撃ち続けろよ!」

「ちょ、ちょっと待つッス、艦長! まだユニウスセブンの上にMSがいるッス!」

「何ぃ!?」

 モニターを見ながら声を上げるロビンにラディックは驚愕する。既にユニウスセブンは大気圏に突入している。そんな所で未だに破砕作業を続けているなど愚 かしい行為にも程があった。

「何処の馬鹿野郎だ!?」

「ザク一機と未登録のMS一機! それと〜………」

「あん? どうした、早く言え」

「えっと〜……レンのラストッス」

「「何ぃ〜!?」」

 表情を引き攣らせて報告するロビンに、ラディックとアルフレッドは同時に声を上げた。

「ジャスティス回収完了〜」

 キャナルだけは、シュティルが無事に帰って来た報告をするが、ラディック達の耳に届いてなかった。



「何をやってるんです!」

 シンは、未だにメテオブレイカーを設置するアスランの元へとやって来て声を上げた。

「帰還命令が出たでしょう! 通信も入ったはずだ!」
 
<ああ、分かってる。君は早く戻れ>

 淡々と答えて作業するアスランに、シンは叫ぶ。

「一緒に吹っ飛ばされますよ! いいんですか!?」
 
<ミネルバの艦主砲と言っても外からの攻撃では確実とは言えない。これだけでも……>

 死ぬかもしれないのに未だに作業を続けるアスランに、シンは呆れながらも彼のイメージを変えた。彼のイメージは、脱走兵という仲間を見捨てた臆病者とい うものだったが、こうして地球の為に命の危険を顧みないアスランに少しばかり尊敬した。

 しかし、そんなアスランが何でオーブなどという偽善的で嘘で塗り固められたような国にいるのか理解できず、苛立ちもした。

「貴方みたいな人がなんでオーブになんか……」

<アスラン! シン君>

 その時、レンのラストもやって来てシンは驚愕した。

「! アンタ! アンタもまだ残ってたのか!?」

<ウチの艦もミネルバと破砕作業を行う! 此処は早く離脱……!>

 その時、彼らのコックピットにアラートが鳴り響いた。すると、ジンが三機、彼らの元へと迫って来た。

「また新手か!」

 すると、回線を通してジンのパイロットの声が届いた。シン達は散会して、それぞれのジンを引き付ける。

<うおおおおおおおお!! これ以上は、やらせぬぞ!>

<我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!>

「娘?」

 通信回線から届くテロリストの声にシンは眉を顰める。 

<何を……?>

 同じ通信を聞いていたのだろう、アスランが割って入ってくる。

<此処で無惨に散った命の嘆き忘れ、討った者等と何故、偽りの世界で笑うか! 貴様等は!>

 その言葉はシンの胸に深く突き刺さった。

<軟弱なクラインの後継者どもに騙されて、ザフトは変わってしまった! 何故気付かぬか!> 

「!?」

 その言葉に彼らは、このジンのパイロット達がザフトで、そして“血のバレンタイン”によって大切なものを失った人達だという事を悟った。そして、彼らに はユニウスセブンを落とす理由があるという事も。

<我等コーディネーターにとって、パトリック・ザラの取った道こそが唯一正しきものと!>

 その言葉に、アスランは動揺したのかジンの重斬刀がザクの右腕を叩き切った。

<滅ぼす道が正しい筈なんて無い!!>

 が、次の瞬間、レンは叫び、まず一体のジンを破壊すると、ビームサーベルでジン達の両手を切り裂き、間一髪でアスランは助かった。

<ぬぅ! 貴様ぁ……!>

 そのジンがラストに向かって突っ込んで来た。両腕をもがれたから残るのは自爆で道連れという魂胆だろう。だが、それを読んでいたレンは、上昇し、ジンの 背後を取り、ブースターを破壊した。

 すると、そのジンはユニウスセブンに落下し、爆発した。その際の衝撃でアスランの設置していたメテオブレイカーが発動し、ユニウスセブンが更に二つに割 れた。

<くっ! しまった!>

<憎んで復讐して何になる!? それで死んだ人間が帰って来るのか!?>

「!?」

 レンのその言葉にシンは目を見開くが、テロリストは更に言い返した。

<痛みを知らねば世界は変わらぬ! ならば、我らはその引き金となる!>

<それで、また悲しみを繰り返す気か!?>

<若僧が知った口を!!>

 あくまでも言葉を聞き入れようとしないテロリストに、レンは目を閉じ、穏やかな口調で言った。

<失う悲しみも、誰かを憎む事も知ってるさ>

 ズバァ!!

 そう言うとラストは一瞬で突っ込んで来たジンをビームサーベルで切り裂いて破壊した。アスランは、その爆炎を複雑な表情で見ていたが、すぐにアラートが 鳴ってハッとなった。

<まずい! 高度が!>

「アスランさん!」

 損傷が激しいザクが重力に引っ張られ、地球に落ちて行く。インパルスが追いかけて、ザクの手を掴むが、二機とも地球に向かって落ちて行った

<くそ!>

 片腕しかないインパルスにザクを引っ張りきれる訳が無い。レンは舌打ちし、即座にザクとインパルスを追いかけ、その手を掴んだ。

<先輩!?>

「アンタ……!」

<さ、流石に二機分支えるのは無理っぽいかも……シン君! 私と一緒にシールドを壁にして地球に下りるぞ! アスランは私達の後について来い!>

「な……!? 何でアンタの言う事なんか……」

<一番、生存率の高い方法だ!>

 ザクの右腕がもぎ取られた時に、シールドも破壊された。故にラストとインパルスの二機で先に突っ込み、アスランのザクはどちらかの機体に掴まった方が効 果的だった。

「くそっ!」

<行くぞ!>

 レンがそう言うと、まずインパルスの手を離して先頭に出る。その隣にインパルスが来て、二機がシールドを前面に押し出した。アスランのザクは、インパル スの足に掴み、そのまま三機は地球に降下していった。


 
「三機とも地球に落ちたッス!」

 ドラゴネスのブリッジでは、ロビンがレン達の機体が地球に落ちて行くのを確認すると、ラディックは艦内放送のボタンを押して言った。

「オラァ! 全員に告げるぞ! 今から俺らもユニウスセブンを破壊して、そのまま地球に下りる!!」

「「えぇ!?」」

「マジか〜?」

 ブリッジで驚きの声が上がると。恐らく艦全体でも驚きの声が上がっているだろう。

「レンが地球に落ちたんだ! 見捨てられっか! 全員、何かにしがみついてろ!」

 そう言って艦内放送を切ると、ラディックは全員に指示を飛ばした。

「ロビン! ブレスはミネルバが陽電子砲を撃ってからだ! そこと同じ所を撃っても意味がねぇ! もう片方を撃て!」

「了解ッス!」

「アルフ! 落下の時は船体の向きに注意しろよ!」

「おうよ!」

「キャナル! レンのレーダーはちゃんと追っとけ!」

「アイヨ〜」

 ブリッジ全員の表情が引き締まった。



「ひょっひょっひょ! ラディックめ、地球に下りるときたか!」

 その頃、ドラゴネスの格納庫では地球降下という事で大騒ぎになっていた。皆、大気圏突入に備え、何かにしがみ付いている。そんな中で、ドクター・ロンと シュティルは、笑みを浮かべていた。

「まぁレンとリサの事もあるし、ミネルバも地球に下りるそうだからな」

「地球に降りるなんぞ10年振りじゃて」

「ふ……」




 やがてミネルバの陽電子砲が放たれ、ユニウスセブンが砕け散る。

「今だ! てぇーーーーっ!!」

 ラディックが叫ぶと、ロビンはドラゴネスの陽電子砲を撃つ。ドラゴネスの陽電子砲はミネルバ同様、先端に設置されており、竜の口が開いたようにして現れ るから、ブレスと呼ばれている。

 ミネルバと違う位置に放たれた陽電子砲はユニウスセブンを粉々にした。



 その日、地球に多くの流星が降り注いだ。それは、かつて戦争の切っ掛けとなった悲しみの墓標の欠片で、それらは容赦なく地球に落ち、多くの被害をもたら すのだった。




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