機動戦艦ナデシコ 逆行のミナト
 
 
第十一話 気がつけば『お友達』?
 
 
 
 
ブリーフィングルームに廃墟の映像が流れ出す。
「クルスク工業地帯。アタシたちが生まれるずっと前は軍需産業、とりわけ陸戦兵器の開発で盛り上がっていた土地よ」
キノコの作戦説明が続く。
「このクルスク工業地帯を木星蜥蜴が占拠したのよ。その上奴等ったら今までどの戦線でも使われたことのない新型兵器を配備した」
「その新兵器の破壊が今度の任務というわけですね、提督?」
キノコの説明を受けてユリカが内容を確認した。
「そうよ。司令部では『ナナフシ』と呼んでいるわ。今まで軍の特殊部隊が破壊に向かったが、三回とも全滅」
「なんと不経済な……」
その言葉に眉根を寄せて端末をいじるプロスペクター。
「そこでナデシコの登場! グラビティブラストで決まりぃっ!」
自信満々で『ぶいっ!』などとやっているユリカ。
「そうか! 遠距離射撃か!」
「そのとーり!」
作戦を理解したジュンの言葉に力強く頷くユリカ。
「安全策かなぁ……」
「経済的側面からも賛成しますよ」
呟くエリナに、端末で計算しながら賛同するプロス。
「それにエステバリスも危険に晒さずに済みますもんね」
メグミもそれに賛同する。
「そうそう!」
さらに『ぶいっ!』を増やすユリカ。
「まわりくどいなぁ、メグちゃん。それを言うなら『アキトさん』じゃないの〜?」
その言葉を聞きつけたミナトが訂正する。
「そ、そうですね」
「あら〜、言うわね〜」
テレながら肯定するメグミに『ごちそうさま』と言った表情のミナト。
対照的に怒気を孕ませているのはルリである。
どうやらミナトはルリとアキトの仲を進展させるのみならず、ルリのライバルまで用意しようとしているらしい。
恋愛が大変なものだと知らなければ『愛する』事を勘違いしてしまう事を危惧したのである。ぶっちゃけ、ストーカーにならないようにするためだ(笑)。
「アキトは私のだよぉ!」
聞き捨てならなかったのか、ラピスが反論する。
「あら、選ぶのはアキトさんよ? アキトさんがそんな幼児体形になびくとは思えないけど?」
大人気ない反論をするメグミ。
ちなみにブリーフィングルームのほかのメンバーは、その場からそろそろと離れており、残っているのは当事者の二人とルリだけである。
「二人とも……」
「「ひぃっ!?」」
ルリが掛けた声に思わずおびえる二人。
普通に話しかけただけのはずのルリの声はそれほどまでに……『黒』かった。
「そろそろ作戦空域です。持ち場に戻らないといけませんよ?」
「「ご、ゴメンなさいっ!!」」
最敬礼で謝罪する二人。
ナデシコに帰ってきたルリは色々な意味でも成長しているようだった……。
 
 
「では直ちに作戦を開始します!」
ユリカの号令一発、各々が部署に戻る、あるいは指示を出そうとする。
しかしそれに釘を刺すようにミナトが発言した。
「ところで〜、相手の兵器の射程はどのくらいなの〜? グラビティブラストの射程より長かったらどうしようもないと思うんだけど〜」
「え?」
その瞬間、ナナフシのブラックホール砲がナデシコを貫いた。
一応記憶を元に、以前よりナデシコを離していたミナトだったが、記憶よりも遠距離で中てられてしまったのだ。
 
「状況知らせぇ!」
叫ぶゴートに各部署から報告が入る。
『なんだか判らんが、何かが相転移エンジンを貫通してったぞ! 整備の人間が一人消滅して、一人が半分持ってかれた!』
一番深刻だったのはウリバタケからの報告だった。火星行きからここまでで初めての艦内における人的損害が発生したのだ。
「は、『半分持ってかれた』って!?」
『言ったとおりだ!』
ジュンの問いに叫ぶように答えるウリバタケ
「ナデシコ、墜落します」
「総員、対ショック姿勢!」
騒動の中、ルリの冷静な声とユリカの叫びが響き……、地響きと共にナデシコは不時着するのであった……。
 
 
各部の修理を大急ぎで行うナデシコクルーたち。
不時着の仕方が良かったのか、損傷事態は酷くはない。
ただしメインエンジンである相転移エンジンが一基破壊されたのはいかんともしがたく、ナデシコの高機動性が損なわれた上にディストーションフィールドやグラビティブラストの使用もできない今の状況はいいカモである。
この事態を予測していたミナトであったが、ナナフシの予想以上の射程に歯噛みするのだった。
 
 
ユリカは艦長としてクルーの死の状況を確認しなければならず、遺体を安置してある部屋に来ていた。
二人死んだが一人は消滅、もう一人は半分しか残っていないので別段霊安室などを用意するわけではなく、格納庫の片隅の部屋に安置されていた。
「では艦長……」
「は、はい……ふぅぅっ」
プロスの言葉に安置された遺体のシーツを捲くるユリカ。そして……。
バタン! と気を失う。
体の左半分が消失した整備班員の遺体を見て卒倒してしまったのだ。
だが……ユリカには、これが元で戦う事に対する覚悟が、ミナトの知る過去では火星のシェルターを潰した事で発生する覚悟が出来るのだった。
ナデシコが絡んだ事態でサツキミドリの職員や火星でフクベも死んでいたが、艦内においてクルーを亡くした事……すなわち自分の作戦ミスで人を死なせて初めてその覚悟が生まれたのだった。
 
 
 
ブリーフィングルームに再度集まったブリッジクルーとパイロットたちの表情は悲壮感が漂っている。
ナナフシがマイクロブラックホール砲などというとんでもない兵器であることが判ったからだ。
リロードに十二時間かかるとはいえ、動けないナデシコには脅威である。
「全滅したと言う特殊部隊はアレにやられたのかしら?」
「いいえ。そんな話は聞いていないわ。あの兵器の実態が判らないから調べるついでに破壊するような任務だったしね」
ミナトの言葉を否定するキノコ。
「だとすると……敵は他に戦力を持っている、と言う事になりますね」
ユリカがあごに手を当てて考え込む。
「ウリバタケさん、ナデシコは動けますか? それも十二時間以内に」
『十二時間〜!? 無理に決まってんだろうが! 相転移エンジン一基完全にオシャカで、もう一基もその時の影響でブローしかかってんだ! 今動かしたら確実にこの一帯が相転移しちまうぞ! 核パルスエンジンだって不安定なんだぞ!』
修理中の整備班を指揮しているウリバタケからは絶望的な返事が返ってくる。
「『この辺り一帯が相転移』って……」
「消えてなくなっちゃう、ってことね〜」
青くなるメグミに気楽を装って返すミナト。
そんな一同を見回したゴートがクリップボードに目を向けて重々しく発言する。
「では作戦を説明する」
 
 
作戦としては、ナデシコの全エステバリスを使用してナナフシに肉薄し破壊、というシンプルなものであるが、敵の総戦力が不明なためかなり危険な賭けとなっている。
しかし、やらなければ十二時間後には再チャージを終えたナナフシに隠れている丘陵ごと消滅させられるのだ。
重力波エネルギーは距離的に届かないためバッテリー消費の激しい空戦フレームや0G戦フレームではナナフシまでは届かない。
そのため本命の砲戦フレームと護衛の陸戦フレームを三機ずつ出す事になった。
「正直、ナデシコの直援を無くす事は甚だ遺憾ではあるが、他に手段が無い。幸い、近くの連合軍基地から新人ばかりではあるがエステバリス部隊を一個中隊回してもらえる事になった。ナデシコのエステバリス部隊がナナフシに近づくにつれ、こちらへの敵の影響は減ると予想される。こちらを気にせずにナナフシに向かって欲しい」
ゴートの言葉は不安さを微妙に増させるのだが、それでもないよりはいい。だがそれよりも……。
「新人って、間に合うのか?」
リョーコの言葉に頷くゴート。
「うむ。後数時間ほどで到着するはずだ。ちょうど諸君とは入れ違いになる計算だ。他に質問は? ……では作戦を開始する!」
こうしてナナフシ攻略戦が開始されるのだった。
 
 
 
「おらぁぁぁぁっ! 砲戦のカノンは前半が徹鋼弾、後半が爆裂弾だ! 間違えんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉっ!」
拡声器で最終調整をする整備班に渇を入れるウリバタケ。
格納庫に向かったパイロットたちがそれを横目に見ながら各自のエステに乗り込もうとした時、アキトはウリバタケに呼び止められた。
「おう、テンカワ。ちょっといいか?」
「何です、ウリバタケさん?」
「お前の砲戦フレーム、ちょっと細工してあって、他の機体より索敵能力を上げてある。トラップの発見とかに上手く使えよ。こいつがマニュアルだ」
そう言ってアキトは手書きのマニュアルをウリバタケから受け取った
「あ、はい。判りました」
「ちなみにアイデアの元はミナトさんだ。感謝しとけよ?」
「えっ? は、はい!」
ミナトのアイデア、と聞いて真剣にマニュアルを見るアキトであった。
 
 
 
そして整備の終わったエステに乗り込んだアキト達は出撃していく……。
『うらやましいぞ、テンカワ・アキトぉ〜っ!』
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うらやましいぞ、テンカワ・アキトぉ〜っ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
そんなシュプレヒコールを背に受けながらであるが……。
 
 
出撃していくアキト達の背中を見送ったミナトはウリバタケに話しかける。
「ねえ、ウリピー。ちょっと相談があるんだけどいいかしら?」
「おう。何だい、ミナトさん?」
ハンドマイクを肩に担いで戻ってきたウリバタケが応える。
「今回の件で思ったんだけど、エステバリスってもっとバッテリーでの活動時間を増やす事は出来ないの?」
「今のフレームじゃあアレが限界だな〜。もっと効率が良くなれば長時間動けるようになるが、今のバッテリーと各フレームの出力じゃあバッテリーの容量を増やすとデッドウェイトの方が多くなって軽快性が消えちまう。軽量・高機動がウリのエステにはアレが精一杯なのさ」
肩をすくめて『お手上げ』というジェスチャーをするウリバタケに提案をするミナト。
「じゃあいっその事、装甲板を薄くしてその下にバッテリーを付けてバッテリーを装甲板と兼用にするとか?」
「……ん〜。いいアイデアのように聞こえるが、被弾したらそこからショートしてアクチュエーターやアポジモーターが破損しかねんし……そもそも装甲のように消耗速度が早いパーツに何度も使用するパーツを使うわけにも…………。待てよ。装甲板じゃなきゃいいんなら…………一番被弾しても痛まない場所って言うと…………、あそこなら消耗頻度はバッテリーと変わらんし、C整備による交換タイミングもほとんど一緒だ……。それにあそこと兼用できればより少ないパーツで構成できるようになる…………」
「もしも〜し、ウリピ〜?」
いきなり考え込みだしたウリバタケに声をかけるも、自分の世界に行っているらしく、返事が無い。
 
それから数十秒ほどして……。
「そうか! その手があったか!!」
振り返ったウリバタケがミナトの両手をガシッと掴む!
「あんがとよ、ミナトさん! これで連中の活動時間や出力を大幅にアップできそうだ! ようし、オモイカネ!」
<なんでしょう?>
「プロスさんは何処だ?」
<被害と修理状況の確認のためエンジンブロックにいます>
「あんがとよ、オモイカネ! じゃ、ミナトさん、悪いがこれで失礼するぜ!」
そう言ってウリバタケは走って行った。
 
 
エンジンブロックまで全力疾走していったウリバタケはクリップボード片手に状況を確認するプロスを見つけた。
「おう! いたいた! プロスさんよ!」
「何ですか、ウリバタケさん?」
ものすごい勢いで走ってきたウリバタケがプロスの元に着くやいなや、ぜえぜえと息を切らす。
息を整えたウリバタケは勢い込んでプロスに話し出す。
「さっきミナトさんと話してて思いついたんだが、エステのバッテリーでの活動時間を上げるアイデアを思いついた! すぐに本社に連絡とって材料の選定を始めてくれ!」
「本当ですか? では早速連絡を取ってみましょう。……しかしまたミナトさんですか……。本当にあの人のおかげで細かい改良が進んでいきますね〜」
「まったくだ。確かミナトさんは元社長秘書だったっけ?」
「はい。戦艦の操舵資格をお持ちでしたのでスカウトしたんですが……。ここまで来るとナデシコに乗っていただけたのは天運としか言い様がないかもしれませんねぇ」
「彼女のおかげで痒いところに手が届くアイデアが色々だ。こちとら改造屋の魂が震えてしょうがねぇ!」
「ではウリバタケさんのアイデアの有効性次第ではミナトさんにはまた特別ボーナスを出すことになるでしょうね……」
「だが、それに値する事をやっている。ほんと、彼女はこのナデシコの女神様だな。それも可愛い妖精二人を引き連れた」
「そうですねえ。じゃあ私の部屋に来てください。本社と連絡を取りましょう」
「おお、そうだった」
そう言って二人は通信室に向かっていった。
 
 
 
医務室(別名イネス研究室。略してイ研)に呼び出されたミナト。
「イネスさ〜ん、来たわよ〜」
「よく来てくれたわね。さ、中へ入って頂戴」
中へ招きいれたミナトに椅子とコーヒーを勧め、対面に座るイネス。
「さてと…。これで彼らがナナフシを攻略するまでナデシコは暇になるわけだけど……。ミナトさん、貴女一体何者?」
「何者…ってどういうことかしら?」
イネスの質問を、コーヒーの香りを楽しみながら聞き返すミナト。
「未来で起こる出来事をずいぶんと知っているようだから。まるで見てきたかのように、ね」
どうやら今までミナトがやってきたことを調べたらしい。隠すつもりも無かったのだから調べればすぐに判るのだが。
出航直前に追加された緊急起動システムに暴徒鎮圧用テイザー。こじれる前に話を進めたビッグバリア。予定に無かった全力運転による不具合の洗い出し。
他にも色々あるが、機材にしろ行動にしろ全て『先読み』しただけとは思えない程の的確さで準備されていた。
まるで知っているかのように行動していたのだから、気づく人間は気づいたろう。むしろ遅かったくらいである。
「イネスさん……。貴女は『未来の記憶』って信じる?」
「『未来の記憶』?」
静かに微笑むミナトを怪訝そうな顔で睨むイネス。
「そ、『未来の記憶』。……私は貴女が何故アキト君に親近感を抱くのか、貴女が今から二十年前以前の記憶を無くした理由とかを『未来の記憶』で知っている……と言ったらどうする?」
試されている、と感じたイネスはミナトに対して身構えた。
それを見たミナトは柔らかく微笑んだ。
「とって食いやしないわよ……。でもまだそれを教えるわけにはいかないの。貴女が自分で糸口に気づくまでは、ね……」
そう言ってコーヒーを飲み干すとミナトは立ち上がった。
「今話せる事は、私がナデシコに害を成す気は無いと言うこととこの戦争を早く終わらせるためにはボソンジャンプが何なのかを解明する必要がある、ということだけ……」
「ボソンジャンプの解明……」
呟くイネスに肯くミナト。
「そう。だからよろしくね、イネスさん。……アキト君やルリルリたちを救えるのは貴女だけかもしれないから……」
そう言ってミナトは部屋を出ていった。
一人残されたイネスは呆然と呟く。
「アキト君たちを救う…ってあの子たちにいったい何が起こるっていうのよ……」
本当に未来を知っているのだろうか……。そんな想いがイネスを捕らえてやまなかった……。
 
 
 
同時刻、ブリッジ━━━
 
「そう言えば……ライカさんって、なんでオペレーターに? 元シスターだって聞きましたけど……」
「そうですね〜。そういえば不思議ですよね〜。何でなんですか〜?」
メグミとユリカの言葉に笑って答えるライカ。
「ウチの教会は孤児院もやってるんだけど……あまり治安のいいところじゃないせいか、寄付などが集まらなくてね……。いつもみんなお腹を空かせているのよ……。育ち盛りの子も多いから教会の管理は他の人に任せて私が出稼ぎに出る事にしたの」
「そ、そうだったんですか……」
「ええ。まあアリスンちゃんは子供だけどしっかりしているからいいとして……問題は九郎ちゃんとアルちゃんよね……」
「その二人に何か問題が?」
「九郎ちゃんは孤児院の人間じゃないのに毎日ご飯をたかりに来るし、探偵なんてヤクザな商売をやってるし、アルちゃんを毎日毎晩可愛がっているし……。アリスンちゃんが襲われないかと思うと心配で心配で……。手を出したらお仕置きするようにアルちゃんには言ってあるんだけど……」
その言葉を聞いたクルーたちの脳裏に浮かんだ疑問は……
((((((((一体どういう奴なんだ、そいつは?))))))))
であった。
 
 
 
イネスとの話を終え、ブリッジに戻ってきたミナトはなにやら盛り上がっているクルーたちを見て、ふと思った事を傍らに居た聞いてみた。
「……ねぇ、エリナ」
「何ですか、お姉様?」
ミナトに顔を向けるエリナ。
「ナデシコって『性格はともかく能力は一流』がスカウト基準よね?」
「は? …はいそうですが……?」
『いきなり何を……?』と言った表情で答えるエリナにさらに尋ねるミナト。
「ということは、新しく来たオペレーターの娘たちやあのキノコ、ひいてはアカツキ君やエリナ自身も『能力は一流でも性格に問題あり』ってことよね?」
「……え……?」
その言葉に目を白黒させた後、青い顔になっていくエリナ。
……その事に思いつかなかったのか、意図的に忘れていたのか。
あるいは自分がこの……はっきり言って『変人』たちの一員として見られるとは思っていなかったのか。
……でもねエリナ君……、君も立派に『変人』だから。着せ替え好きとかはもう病気の域だし。
「そ、そんなことあるわけないじゃないですか!? アカツキ君やあのキノコはともかく、プロスペクターは有能な経理だし、私やお姉さまは数少ない戦艦の操舵士の技能を持っているからこの艦に居るのであって『性格に問題あり』なんてことは決して……」
必死に言い訳するエリナの言葉を『はいはい』と聞き流すミナトであった……。
つか、ひどい言いようだな雇い主に対して。
 
 
そしてまたもコスプレさせられるブリッジクルー一同。
(前回と違うのは……ルリルリとラピスの服装よね……)
そんなことを思いながら他のクルーを眺めるミナト。
そう、確かに大人のクルーは新しく来たオペレーターも含めて全員第二次大戦時の軍人のコスプレである。
魔乳のライカだけは軍服ではなく、従軍看護婦の格好であったが……胸のサイズがギリギリで何時弾けるか判らない状態であった。
もちろんそれを見た男性クルーのかなりの数も弾けそうであった。色々な意味で。
そんな中、ルリとラピスの服装はというと……
「何でそんな落ち武者ルックなのよ!? この二人にはこっちの方が似合うに決まってるでしょ!」
「何を言う!? そんなゴスロリの服装で戦闘なんて出来る訳ねぇだろぅが! 戦いに準じた服装の方が良いに決まっているだろうが!」
なぜかエリナとウリバタケがルリとラピス(二人は『フェアリーズ オブ ナデシコ』と命名されているらしい)の服装のことで言いあっていたのだった。
「遊んでるんじゃないわよ、あんたたち!!」
キノコの言葉も聞き流され……時間は静かに過ぎていった。
 
結局、服装についてはどうしたかと言うと……本人たちの希望により、なぜかアキトの制服(だぼだぼ)を着る事になった……。
 
なお、その少し後に到着した増援のエステ部隊の面々は、そのコスプレを見て呆れたことは言うまでもない。
敵の襲撃が無かったことは、本当に幸いだったのだろう。
 
 
 
代わってナナフシへ向け進軍中のナデシコエステバリス部隊━━━
 
 
まずは山越えのルートを進む六人。
 
「しっかし、退屈だよな〜。静かに歩いているだけなんてさ〜」
「そうだね〜」
リョーコの言葉に同意するヒカル。
「よーし! なら俺が元気になるモノをかけてやろう!」
「私たち、今隠密行動中……。五月蝿いのは仕事の邪魔……」
ヤマダの台詞を速攻で叩き潰すイズミのツッコミが光った。
「そーそー。敵さんに見つかったら厄介だもんね〜」
その言葉を受けて口を開こうとしたイズミをリョーコが制する。
「だからといってイズミのギャグを聞く気はないからな。むしろ禁止だ!」
「同じく」
「同意〜!」
「俺も行動不能になるのは不味いと思う……」
リョーコの言葉に同意するアカツキ・ヒカル・アキトの三人。
結局一番賑やかなヤマダと、危険なイズミが静かになったため進軍はスムーズにいっていたのだった……。
 
 
第一の関門、川
 
「おい、川があるぞ」
「じゃあ、ゴムボートの出番だねぇ。僕に任せてくれ」
すぐに展開されたゴムボート。
「じゃあまずはレディーファースト、と言う事で」
「おう、遠慮しねぇぞ」
「ありがとー、アカツキ君」
「ありがと……」
そして三人の陸戦フレームが乗りこむ。……かなり丈夫なゴムボートなんだな、これ。
「で、次は僕……」
「待った」
乗ろうとしたアカツキをリョーコが止める。
「食料濡らしたくねぇから、アキトを乗せたほうがいいんじゃねえか?」
「賛成〜!」
「サル顔の大泥棒……それは三世……」
結局、アカツキとヤマダは川の中を歩く羽目になった。
当然だがアカツキはアキトに対し少し腹を立てていたりする。ヤマダはどうでもいいようだった。
 
 
第二の関門、崖登り
 
「崖だな」
「崖だねぇ」
見上げるリョーコとヒカルのエステ。
「それじゃやりますか?」
「そうだな」
まずアカツキとヤマダが陸戦フレームの三人娘を崖の上に連れて行き、安全を確保。
その後、アキトをアカツキとヤマダが持ち上げてさっさと移動。
 
 
第三の関門、地雷原
 
いかにも……な平原を前に佇む六機のエステバリス。
「な〜んかありそうな感じだよね〜」
全員の言葉を代弁するようにヒカルが言った。
「ちょっと見てみようか? なんかウリバタケさんが俺の砲戦フレームに色々細工してたらしいから」
「細工ぅ〜?」
アキトの言葉に胡散臭げなリョーコの声。
その声をバックにぱらぱらとマニュアルをめくるアキト。
「え〜と……。あ、これだ」
マニュアルを仕舞い込み、IFSに手を当てて目的の機能を作動させるアキト。
アキトの砲戦フレームの反動軽減用パイルバンカー改が地面に突き刺さる。
そこに追加された振動センサーを使って周囲の索敵を開始する。
「動体反応なし……。爆発物反応あり……。……ここ、地雷原だ」
アキトの砲戦フレームのモニターには地雷の位置が表示されていた。
「げ!? それじゃあここを回避していかなきゃダメなのか?」
リョーコの嫌そうな声を受けながらさらに確認するアキト。
「今ちょっと確認してるけど……。あ、この地雷……」
「どうした?」
アキトの声音が変わったことに気づいたヤマダが尋ねる。
「ああ。この地雷、どうやら対人用みたいだ。対機動兵器用じゃない」
「対人用〜?」
ヒカルが聞き返す。
「うん。今調べたけど、該当するタイプがデータベースに有った。この地雷の火薬量だったらエステが壊れる事は無いよ。……まあ、バランス崩して転ぶ事はあるかも知れないけど……」
「ふ〜ん。じゃあ、そのまま突っ切っても大丈夫なわけだ」
「ああ。少なくとも砲戦フレームの装甲なら問題ない」
短気なリョーコらしい言葉を肯定するアキト。
「でもさ〜、あんまりドンドコやっちゃうと蜥蜴ちゃんに見つかっちゃわない?」
ヒカルの危惧ももっともである。
「そうだね……。テンカワ君、地雷の設置されていないルートは?」
「そこを通るしかないか……」
アカツキの言葉にルートを探し出すアキト。
 
測定を終えたアキト機からデータが送られ、もっとも地雷の少ないルートで進軍する一行だった。
 
 
 
行程の三分の二を終えたところで最後の休憩と食事に入る一行。
「「「「「ねぇ〜、ごはんまだ〜?」」」」」
欠食児童か、お前らは。
「はいは〜い! もうちょっと待っててくれよ〜!」
そう言って鍋を振るうアキトをリョーコが静かに見つめていた。
 
 
食事を終えて、ローテーションで睡眠に入る一行。
ヒカルとヤマダ、イズミとアカツキ、リョーコとアキトと言う具合に分かれて休憩に入ることになったので、アキトは寝る前に鍋を洗いに行っていた。
「まったく……。みんな良く食うから作り甲斐があるよ……」
ぼやきかそれとも喜びか、そんなことを呟きながら鍋を洗うアキト。
そんなアキトに背後から近づく影があった。
「よ、ようアキト。俺もちょっと料理してみたんだけど……味見してくれねぇか?」
そこにはちょっと顔を赤らめたリョーコがいつの間に作ったのか、一人前のチャーハンがあった。
「あ、さっき材料少し分けて欲しいって言ったのはコレ?」
チャーハンを見たアキトがリョーコに尋ねる。
「あ、ああ。お前が楽しそうに作っていたから……そんなに楽しいのかな、って思ってな」
ちょっとぶっきらぼうに言うリョーコ。
だがそれはミナトの持つ『未来の記憶』より各段に素直である。……ミナトは知る由も無いが(笑)。
「判った。でも俺もまだ見習いだからね。大した事は言えないよ?」
そう言って皿を受け取るアキト。
「いいさ。いきなりホウメイさんに見てもらうよりマシだ」
そう言ってアキトの隣に座るリョーコ。ルリが見たらブリザードが吹き荒れ、ラピスが見たら騒ぎだすシーンである(笑)。
「じゃ、頂きます」
ぱく、とリョーコの料理を食べるアキト。
むぐむぐ……と味わうアキトに戦闘以外では珍しく真剣な表情を向けるリョーコ。
「ど、どうだ?」
ごっくん……と飲みこんだアキトが評価を始めた。
「う〜ん……。全体的に火を通しすぎだね。あと場所によって味があったりなかったり。上手く混ざっていないんだと思う」
「そ、そうか……」
凹むリョーコに「でも」と言って続けるアキト。
「火の通しすぎは焚き火だから仕方ないし、味付けに関しては慣れてないからだと思うよ。ナデシコに帰ってから練習すればもっとよくなるさ」
「そ、そうか!?」
アキトの評価に喜ぶリョーコ。
「なにより……ユリカの料理と違って『食べられる』しね」
その言葉に微妙な表情になるリョーコ。アレと比べられるのは女としてのプライドに関わるらしい。
もっともそれに気づかないのが『鈍感王』アキトのアキトたる所以であるが。
むしろ読者の方々にはリョーコの料理が『食べられる』ことに驚く人もいると思うが……何のことは無い、リョーコは味付け過剰なだけで、今回渡された材料では『過剰』までもっていけなかっただけである(笑)。
ナデシコに帰ったあと、アキトがルリとラピスとメグミとリョーコの料理合戦に巻き込まれるのは当然の帰結かもしれない……。
 
そんなほのぼのした空間にヒカルの声が響く。
『リョーコちゃん! アキト君!』
スピーカーの声が聞こえると同時に着弾音が聞こえた。
「何だ!?」
即座に皿を投げ捨て臨戦態勢になる二人。
『敵さんのお出ましよ』
イズミの冷静な声が続く。
そして川の対岸からキュラキュラといった金属音と重量物が向かってくる音が聞こえ……新たな轟音が響いた。
『二人とも早くエステに乗れぇ!!』
ヤマダの声に二人は全力でエステに向かうのだった。
……鍋を担いで……。
 
 
 
「敵襲ですか!?」
驚きが走るブリッジ。
『ああ。敵さんの映像を送るぜ』
そう言ってリョーコが送った映像には多数の戦車が映っていた。
『車洗い……それは洗車……』
「「せんしゃ?」」
ユリカとジュンの二人が聞きなれない単語に首をかしげた。
「知らないのも無理はないが二世代前の陸戦主力兵器だったな」
ゴートが簡単な説明をする。
『そう! ハイカラに言えばAFV! アーマードファイティングビークル!』
なぜか力を入れて解説するウリバタケ。
「なるほど……戦車で地上の守りとは考えたわね」
「現地調達・有効活用。敵も経済的な戦い方をする。我々も見習いたいものです」
感心するキノコとプロスの脇ではさらに熱くなって解説を続けるウリバタケと「マニアは引っ込んでなさい!」と怒鳴るエリナの攻防が続いていた……。
 
 
 
襲い掛かる戦車軍団に応戦する陸戦フレーム。
『アキトとロン毛とヤマダは先に行け!』
『すまない!』
『判った!』
リョーコの言葉に首肯するアカツキとヤマダ。
『アキト!』
「……すぐ戻る。それまで待っててくれ!!」
焦れたリョーコに怒鳴られ、苦い顔でアキトは決断した。
ここで虎の子の砲戦フレームで残るよりさっさとナナフシを撃破してから援護に回ったほうがいいと判断したのだ。
 
そして砲戦フレーム三機はナナフシへ向かってひた走った。
『しかし意外だねぇ。ヤマダ君が『俺は残る!』なんて言わないなんてさ』
『ヒーローたるもの、背中を預ける仲間は信頼するさ。アイツらならやられない。そう信じたから俺は俺の役目を果たすんだ!』
アカツキのからかいを熱血理論で粉砕するヤマダ。
ミナトの調教により、きちんと状況判断できるようになっていたのだった!
……『教育』じゃないところがちょっと怖いが。
『いいのかい、テンカワ君?』
「俺もガイと同じだよ。だからこそ……」
レーダーに複数の反応が現れ、その居場所が自分たちの侵攻ルートと重なる。
「さっさと終わらせて皆を助けるんだぁぁぁぁぁっ!!」
無駄弾を使うわけにはいかない砲戦フレームで格闘戦を選んだアキトは思い切った行動に出た。
それは戦闘にいるアキトが敵戦車のキャタピラにアンカークローを打ち込んでキャタピラを千切るというものだった。
これでその戦車は旋回以外出来なくなる。
さらにその戦車を続くヤマダとアカツキがすれ違いざまにクローを引っ掛けてひっくり返していく。
『おおっ! これぞ三位一体! ジェットストリームアタックと言う奴だな!!』
嬉しそうにいうヤマダだが……お前ゲキガンマニアだろうに……。
 
 
そして発射予想時刻十分前にどうにかナナフシの前にたどり着く。
『ちょっとやばい展開だよねぇ……』
アカツキの引きつった声。
その理由は……目の前に立ちはだかる『超大型戦車』だった。
さっきのようにひっくり返そうにも、まず間違いなくパワー負けする大きさに加えて大型砲三門、中型砲四門、ガトリング砲四門という重武装。砲の稼動範囲が少ないのが不幸中の幸いと言えなくもないが、ナナフシに向かうための橋をを完全に塞ぐ巨体が相手では回りこむなんていう芸当はできない。
『アキト、アカツキ』
ヤマダが真剣な表情で二人に呼びかける。
「なんだよガイ?」
あまり見ないヤマダの表情に怪訝な顔をするアキト。
『俺が囮になる。お前らは先に行け』
「バっ!? 無茶言うな! 一人で押さえられるわけないだろ!?」
ヤマダの提案に対し、今度は噛み付くアキト。しかしヤマダの決意は変わらない。
『『囮』だって言っただろうが! どの道、もう余計な事をしている時間はない! お前ら二人の火力があれば何とかなるはずだ! 俺もコイツを落としたらすぐに行く!』
「だからって!」
『行くよ、テンカワ君!』
さらに噛み付こうとするアキトをアカツキが止める。
「けど!」
『弾を温存しなければならない以上、近接格闘戦がメインになる。そしてこの三人の中で近接格闘戦能力が最も高いのは彼だ! 一番合理的な判断なんだよ!』
「くそっ……! 死ぬなよ、ガイ!!」
そう言って超大型戦車を乗り越えてナナフシに向かうアカツキとアキト。
二人を見送ったヤマダの口元に笑みが浮かぶ。
『死ぬわきゃねぇだろうが……。俺は正義の……
ヒーローなんだぜぇ!!
超大型戦車の注意を引くべく徹鋼弾を打ち込むヤマダ。
しかし撃ち込んだ弾は傾斜している装甲に弾かれてしまう。それが戦車が長く陸戦兵器の主力として存在した理由である。
二次元戦闘……すなわち相手との高低差がない戦場においては貫通力の有る弾を如何に受け流すかが重要になる。例え最新型の砲戦フレームと言えど流石に地面に足を着けた状態ではどんな強力な砲弾でも弾かれてしまう。
その弾数を持って面で攻撃してくる超大型戦車の攻撃を動きの鈍い砲戦フレームでかわし続けるヤマダ。これだけでも彼の非凡な才能が伺える。
そのよう状態で数分間ほど膠着状態が続く。砲戦フレームの火力では今のままでは装甲を貫けないのだ。
しかし……。
『あいにく俺のゲキガンガーは戦車じゃないんでなぁ!!』
僅かながら持つ跳躍力を使って砲弾と戦車の装甲が垂直になるところまで飛び上がり撃ち込まれた徹鋼弾は装甲を貫通し、一発でエンジンを破壊した。
『人間様を甘く見るんじゃねぇよ、キョアック星人!』
そう言い捨ててヤマダもアキト達の後を追った。
 
 
『いいかい、テンカワ君? まず徹鋼弾でナナフシの装甲に風穴を開けた後、ミサイルをその穴に打ち込んで穴のサイズを拡げる。その後に本命の爆裂弾を撃ち込む』
「判ってる! 照準、リンクするぞ!」
『オーケーオーケー! じゃあ、三、二、一、ゼロ!』
「いっけぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
二機の砲戦フレームから撃ち出された弾丸が次々にナナフシに食い込んでいく。
『お次はこれだ!』
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
二機の肩からミサイルが発射され、徹鋼弾で開いた穴に飛び込んでいく。
そして爆発がさらにその穴を広げた。
「トドメだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
『食らえ!』
開いた穴に爆裂弾が飛び込んで行き……加速器と思われる部分の回転が止まる。
「やった……のか?」
『だと思うけど……』
止まった事に安心して気を抜いた二人に通信が入った。
『やっほ〜! 二人とも大丈夫〜?』
『こっちは四人とも無事だぜ!』
コミュニケに映るのはリョーコ・ヒカル・イズミの三人。
そしてその三人を腕やら肩やらに乗せて運んでいるのは、ヤマダの砲戦フレームだった。
『いや〜もう敵が多くてバッテリーが持たなくてさ〜』
あっけらかん、と話すヒカル。
『んでもってウリバタケに戦車の弱点を聞いてSマインを使って鹵獲したんだけどよ〜、これが途中で燃料切れになりやがって……』
言葉を続けるリョーコ。
『歩いていこうかって相談していた時にヤマダ君が来たのよ』
珍しく寒いギャグ無しで発言するイズミ。
『それでタクシー、と言うわけだ。やったな! アキト! アカツキ!』
心底嬉しそうな顔でヤマダがサムズアップする。
 
 
 
全てを終えてナデシコに戻ろうとした一行。
しかし、殆どの機体はバッテリーがなく、ナデシコに戻る事もままならなかったため、安全の確保を確認の後、ナデシコからヘリを飛ばしてもらう事となった。
帰りのヘリの中では今までいまいちギクシャクしていた男たちが妙に仲良くなっていた。
それぞれを戦友として認め合った結果である。
もっとも……ヤマダの熱血癖は変わらないし、アカツキがアキトをからかうように突っかかるのも変わってはいないが……。
そしてリョーコはアキトに料理を教わる約束をして、ヒカルたちにからかわれていた……。
 
 
 
アキトたちのナデシコ帰還後、ある意味ナデシコ恒例にしてお約束のバレンタイン騒動が発生したが……、内容についてはまた別の機会に……。
一つだけ言えるのは、チョコレートをもらえても不幸になる人間が一人以上いるということだけである。
 
なお、ルリの学校・私立シルフェニア学園中等部ではルリが誰にチョコをあげるかでトトカルチョが始まっていたが結局誰も貰えず、『誰にもあげない』に賭けた友人の一人勝ちだったと言う……。
 
 
 
 
あとがき
 
ども、喜竹です。
先日少将に昇進しました。中将までは後一歩だったんですが……、土壇場でフラグがへし折れました(涙)。
 
それはさておきクルスク工業地帯の話ですが……こんなんなりました(笑)。
友情というよりはメグミとリョーコの参戦発表(笑)。
ルリの不安は増すばかり?
でもヤキモチぐらい焼かないといい女にはなれないでしょうからねぇ。
また実はエリナはナデシコに乗ったり乗らなかったり、という風にしていますがこれは寄港するたびにネルガル本社や佐世保のドックへ行ったり来たりしているという設定のためです。
でないとカキツバタが完成しませんし。
当然、エリナのいない時のアカツキはのびのびしてます(笑)。
ナデシコらしいですねぇ……(しみじみ)。
 
 
さて、バレンタインにチョコをもらえて不幸になるのは一体誰か!?
……ま、あの二人は確実でしょ?
 
あと、ルリの通う学校の名前は『私立シルフェニア学園』に決定しました(大笑)。
イベント絵の企画に絵を描けない私はこういう形で応援するしかないので……。
ではバレンタインの作品をお楽しみにしてください。
何とか間に合わせます。

 

 

押 していただけると作家さんも喜びます♪

<<前話 目次 次話>>


喜竹夏道さんへの感想は 掲示板へ♪




作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.