新機動戦艦ナデシコ
黒き王子と福音を伝える者



第四話 火星に向けてレッツ・ゴー?



◆ナデシコ格納庫◆


ファレノプシスが格納庫に入ってくると、整備員が回りに集まってくる。
その中でもウリバタケはエステバリスとは違うフォルムのファレノプシスに
興味津々らしく、食い入る様に見ている。

「おいおい、何だ何だ何だ。
 もしかして新型かよ…
 エステちゃんより洗礼されている外装!
 それにあれはもしかして追加装甲かよ。
 くぅぅぅぅぅ、いいねぇ〜〜」

食い入るというより齧り付いている。
そこにアサルトピットからアキトが降りてくる。

「お、ナデシコの危機をを救ったヒーローの登場か」

降りてきたアキトにウリバタケは近づき

「よっ、お疲れさん。
 俺は整備班長のウリバタケ・セイヤだ。
 あんたのお陰で助かったぜ」

そう自己紹介をすると握手をした。

「ネルガル重工・機動戦艦ナデシコ所属
 ファレノプシスパイロットのテンカワ・アキトです。
 ウリバタケさん、これからよろしくお願いします」

「へっ、セイヤでかまわねーよ。
 それより何だこいつは。
 エステとは違うじゃねーかよ」

そう言ってウリバタケは改めてファレノプシスを見上げた。

「えぇ、俺専用機、機体名ファレノプシスです。
 コンセプトはエステと同じフレーム換装方式ですが、
 フレーム自体はファレノプシス専用ですね。
 今は飛行可能な高機動ユニットを装着しています」

「かぁーー!
 専用機ときたもんだ。
 いいねぇ専用機、漢のロマンじゃねーか」

「ははははは…
 元々ネルガルのテストパイロットでしたからね。
 開発部と一緒に実験等も兼て造ったんですよ。
 それがファレノプシス。
 弄くり過ぎて俺専用機になってしまったんですよ」

「ほぉー、チェーンのし過ぎで他のヤツが
 乗れなくなったって〜わけだ」

「そうですね。
 それと、これが仕様書になります」

アキトはそう言ってウリバタケに一冊の本を手渡した。

「おう、後で見とくぜ。
 整備の方は任せておきな、バッチリにしておくぜ」

「お願いします」

二人が話している前にプロスの映ったウィンドが現れた。

『テンカワさん、ブリッジの方に来てもらえませんか。
 パイロットをブリッジクルーに紹介しますので』

「わかりました」

「おう、行ってきな」

アキトはウリバタケと別れてブリッジに向った。

「てめぇーら、整備を始めるぞ。
 チンタラしてるとぶっ叩くぞ!」

「「「「ういっす!!」」」」

背後でそんな声を聞きながら。


◆ナデシコ通路◆

アキトがブリッジに向って歩いていると背後から声がした。

「アキトさん!」

「………」

「アキトさんもブリッジに行くんですよね。
 一緒に行きませんか?」

(怖い、背後を見るのが怖い!)

アキトはシンジが近づいてくるのを感じながら心で思った。
就航ギリギリ、それも攻撃されている所に急いで来たものだから
シンジに何を言われるかわかったものではない。

「……あ、あぁ、そうだな。
 …一緒に行こうか」

それでもアキトは観念してシンジを待った。
シンジが横に来るとアキトはチラリと横目で様子を伺った。

(あれ? 黒くない?)

「でもアキトさんもやりますねぇ」

シンジは歩きながらそう言ってニッコリ笑った。

「…え?
 ……何がだい?」

「何って…
 わざと遅れて来たんでしょ?
 ユリカさんに良い所見せる為に」

そう言ってシンジは首を傾げた。

「……え?」

「確かにユリカさんと艦内で偶然を装って出会うより、
 ナデシコの危機に颯爽と現れて危機を救う!
 劇的な再会にユリカさんは感動して更なる想いを募らせる!
 アキトさんも考えてるじゃないですか〜
 コノコノ、やるな」

肘でアキトを突つきながらシンジは笑って言った。

「……そ、そうなんだよ!
 シンジくんもそう思うだろ?
 やっぱりユリカとの再会は劇的にしたいなと思ってね〜」

アキトはウンウン頷きながら言った。

(おぉぉぉぉぉぉぉ!
 もしかして回避できる? 回避できるのかぁぁぁぁ!)

外見は冷静を装いながらシンジの話に合わせる。
心の中は冷や汗ダラダラ

「やっぱりそうだと思ったんですよね〜」

「いやぁ〜、シンジくんも分かってくれていて嬉しいよ」

二人で笑いながらブリッジに歩いていく。



「冗談言うなよボケ」

凍った

「え……?
 シ、シンジくん?」

横を見るとニッコリ嗤っていた。
そして瞬時に理解した。
全てバレていると…

「アキトさん、僕は聞いたんですよ?
 ネルガル重工エステバリス開発部に電話してね?
 いやぁ〜、もう快く教えてくれましたよ。
 親切丁寧に1から10まで全て。
 細部に至るまで全部何一つ欠ける事無くね」

「あ、あ、あぁぁ……」

シンジは嗤っているが、アキトはイヤイヤしていた。

「アンタ何考えてんの?
 就航直前まで遅れる事も誰にも伝えないで。
 木星蜥蜴に襲われるの分かっていながら」

「………うぅ」

「うぅ、じゃないだろアホ。
 ホントにアキトさんって僕の考えの斜め45度上をいきますね?
 わざとですか? もしかして。
 わざとですよね?」

「………すまない…」

シンジは次々毒を吐いていき、アキトは何も言えず。

「…はぁ〜〜〜
 まぁ何時もの事ですけどね」

アキト立つ瀬無し。

「そろそろブリッジに行きますよ。
 ユリカさん待ってるんでしょ?」

そう言うシンジはいつものシンジに戻っていた。

「そ、そうだな。
 余り待たせると向こうから来そうだな」

「ふふ、ユリカさんらしいんじゃないですか?」

「ははは、まぁな…」

その後のブリッジまでの会話は普通の話題等だった。


◆ナデシコブリッジ◆


「アーキートーーーーーー!!」

ブリッジに入るなりユリカがアキトにかけよってくる。

「アキト久しぶりだよね!
 元気してた?
 私は元気だったよ。
 逢えて凄く嬉しいよ。
 ユリカのピンチを救ってくれるなんて、
 やっぱりアキトは私の王子様!」

「ユリカ、相変わらずだな…」

マシンガントークにアキトも冷や汗を流す。
その時ユリカの背後にムネタケが近づいた。

「艦長?」

「はいぃぃぃぃ!」

先程の恐怖が染み付いているらしく声を掛けれただけで
ユリカは背筋を伸ばし会話が止まった。

「ブリッジクルーに紹介しないといけないんじゃ〜
 ないかしら?」

「その通りです!」

「じゃあ、しないとねぇ〜?」

「はいっ!」

「副提督もやりますなぁ」

(凄い…)

プロスが感心している。
アキトも感心。

「ムネタケさん、お元気そうですね」

その時アキトの後ろに隠れていたシンジが言った。
ムネタケはシンジの姿を見つけると驚いた。

「…もしかして碇?
 あなた碇シンジじゃないの!」

ムネタケはシンジに近づき握手した。

「副提督にムネタケさんの名前があった時はビックリしましたよ」

「なによ、碇もナデシコに乗っているなんて偶然… ではないわね」

「…まぁ、そうですね」

二人以外理解できない会話をしている。

「まっ、二人とも自己紹介をしなさい。
 クルーが待っているわよ」

ムネタケは話を切り上げた。
ここで会話を続けたら、自分もユリカと同じになってしまう。
それは避けたい。

「ネルガル重工・エステバリス開発部所属テストパイロット
 テンカワ・アキトです。
 ナデシコにはパイロット兼保安部要員として乗艦します。
 みなさん、よろしくお願いします」

「は〜い、質問」

アキトの自己紹介にミナトが手を上げた。

「何ですか?
 えぇと名前は…」

「私はハルカ・ミナト。
 操船を担当してるわ、ヨロシクねアキトくん。
 それで艦長との関係は?」

「それは勿論「静かにしなさい」

ユリカの叫びを遮るムネタケ。

「あぁユリカとは子供の頃の幼馴染なんですよ。
 火星では家が隣だったので。
 もう10年以上会っていなかったんですよ。
 ですから実際会うのは久しぶりですね」

「ふ〜ん、そっかぁ…」

ミナトはそれを聞きメグミに耳打ちをした。

「よかったわねメグミちゃん、まだチャンスはありそうよ」<サイズ変更-2>

「ミナトさん!」<サイズ変更-2>

「ほらメグミちゃん、自己紹介しないと!」<サイズ変更-2>

ミナトにからかわれたメグミは頬を赤くしている。

「あの通信担当のメグミ・レイナードです。
 テンカワさん、よろしくお願いします」

「こっちこそヨロシク。
 メグミちゃん」

アキトはそう言ってメグミにニッコリ笑った。

(こいつアホだ…)

それを後ろから見ていたシンジはため息をついた。
前方では各自が次々自己紹介を続けていた。

「碇さんも自己紹介お願いしますね」

プロスに言われてシンジは前に出た。

「僕は一週間前から乗艦していますので大体の方は知っていると思います。
 碇シンジと言います、皆さんよろしくお願いします。
 基本はコック担当ですがパイロットも兼任しています」

「質問です」

シンジの自己紹介にルリが手を上げた

「何ですかルリちゃん?」

「シンジさんIFSしてません」

ルリが言うと全員の視線がシンジの両手に注がれた。

「あぁ、それはですね…」

プロスは何か言おうとしたが何も言えなかった。
自分もシンジが乗る機体の事を何も知らなかった。

「僕にはIFSは必要ないですから」

「必要ない、ですか?」

ルリが聞き返す。

「はい、僕の機体はエステバリスではありませんから」

「ほえ、シンジくんそうなの?」

ユリカが不思議そうに聞いた。

「えぇ、僕の機体はE計画のものですから」

「「「「「E計画?」」」」」

全員首を傾げる。

「えぇ、E計画。
 ネルガルでも極秘中の極秘プロジェクト。
 機体の名前はエヴァンゲリオン…」

「「「「「エヴァンゲリオン?」」」」」

全員聞き返す。
その時

『プロスの旦那!』<サイズ変更+2>

突如ブリッジにウィンドが現れる。
相手は格納庫にいるウリバタケだった。

「何か問題でも起こりましたか?」

『何なんだよ、いったいアレはっ!』<サイズ変更+2>

プロスが聞くがウリナタケはそれ所ではないようで
ひどく狼狽てている。

「ウリバタケさん、どうされましたか?
 落ち着いてください」

『あ、あぁ……
 ファレノプシスをバラ…
 いやいや整備するついでに、E計画とやらの機体も
 見ようと思ったんだが…」

途中不穏な言葉が出てきたが、ウリバタケは話し出した。

「E計画、エヴァンゲリオンですか?」

『エヴァンゲリオン?
 …あぁ、機体名の事か。
 そのエヴァンゲリオンとかいうヤツ一体何なんだよ!』

「何、とは?」

プロスはウリバタケが何を言っているのか全く理解できなかった。

『生きてるんだよっ!』

「何がですか?」

まだ理解出来なかった。

『エヴァンゲリオンがだっ!!』<サイズ変更)+2>

「「「「「………」」」」」

『一見見た感じエステと似ているんだが、中は全部生体。
 外側だけが機械や装甲なんだよっ!』

「「「「「……はぁっ!?」」」」」<サイズ変更+2>

ブリッジクルー全員が最初ウリバタケの言葉の意味が理解出来なかった。
頭の中で言っている意味を理解すると全員シンジを見た。

「碇さん、どういう事ですか?
 説明が欲しいのですが」

(はっ説明!)

流石のプロスも慌てた。
途中電波が入ったが…
それを見ていたシンジは一度全員を見渡した。

「そうですね説明しましょうか。
 確かにエヴァンゲリオン、長いのでエヴァと言いますが
 エステバリスとは全く違います」

「「「「「…」」」」」

「正式名称は
 汎用人型機動兵器・人造人間エヴァンゲリオン
 そのプロトタイプです」

『人造人間……
 マジかよ…』

流石のウリバタケも言葉が出なかった。
ブリッジも水を打ったように静かだった。

「エステバリスはIFSを通して操縦者の意思をダイレクトに伝えて
 イメージで動かしますがエヴァは違います。
 エヴァの操縦方法はシンクロシステムです」

「シンクロシステムですか…」

プロスが呟く

「はい、シンクロシステムとは操縦者とエヴァの同一化です。
 素体との同一化によってエヴァを動かします。
 考えた通りに動かせる、そこはエステバリスと似ていますね。
 ただ操縦者がエヴァそのものになると考えてもらっていいですね。
 ですから僕にはIFSは必要無いんです」

シンジはエヴァの操縦方法の説明を終えた。
暫くブリッジクルーは無言だった。

『シンジ一つ聞きたいんだが…』

「何ですかウリバタケさん」

『つまりエヴァは誰にでも動かせるって事か?』

ウリバタケが聞くとシンジは真剣な表情になった。

「無理です」

『だが今の話を聞くと…』

「ウリバタケさん、絶対に僕以外の人をエヴァに乗せないでください。
 取り込まれますから」

『…取り込まれるだと?』

「えぇ、そうです」

『どういう事だ?』

「先程ウリバタケさんが言ったようにエヴァは生きています。
 そしてエヴァには自我もあります。
 その自我が操縦者を取り込もうとします。
 そうなったらもうその人は二度と戻ってきません。
 肉体も魂も全て取り込まれます。
 エヴァに喰われると言いかえてもいいかもしれませんね」

「「「「「……」」」」」

『…シンジ、お前は大丈夫なのか?』

「えぇ、僕は全く問題ありません。
 と言うより、僕以外は誰も乗れません。
 まぁ言ってみれば欠陥兵器ですね」

シンジはそう話を締め括ったが、相変わらず静かだった。

「ウリバタケさん、武器等はエステと殆ど変わりませんから
 そちらの整備お願いできますか?」

『おう、任せとけ!
 バッチリ整備しておくぜ』

そう言ってウィンドは消えた。
だがまだ静かだった。

「あの〜、一応説明終わったんですが…」

「…え、えぇ、ありがとうございます碇さん。
 衝撃的でしたから、はい」

プロスがそう締め括った。



〜数日後〜


◆ナデシコ通路◆


ブリッジクルーは集まるようにとの伝達が来たので
アキトは一人歩いていた。

「あっアキトーー!」

横の通路からユリカがこちらを発見し駆け足で近づいてきた。

「おっユリカもブリッジだろ?
 一緒に行くか?」

「うん!」

アキトが言うとユリカは満面の笑みを浮かべた。

「ごめんね〜、アキト。
 中々お話できなくて…」

「忙しいんだろ?
 しょうがないさ」

「うん、副提督が張り切っていて…
 私が頼り無いから『ビシバシ行くわよ』って言ってるの」

「ははは…
 まぁ頑張れよユリカ」

「うん!
 頑張るね」

ユリカはニコニコしっぱなしだった。

「そういえばアキト、お父さんとお母さんは元気にしてる?
 二人も地球に住んでるの?
 久しぶりに会いたいなぁ〜」

「……二人とも死んだんだ」

「え…」

ユリカの表情が固まった。

「ユリカが家族と一緒に火星を離れた日にテロ騒ぎがあったんだ。
 親父とお袋はそのテロに巻き込まれて死んだんだ」

「!!
 ごめんなさい…」

頭まで下げてユリカは謝った。

「いいんだよ、ユリカとはあれからずっと連絡も取れなかったしな。
 ユリカが謝ることじゃないよ」

「それでもアキトの事なら何でも知りたいよ…」

俯きながらもハッキリと言った。

「そっか、ありがとな…
 まぁミスマルおじさんに聞いてみれば何か分かるかもな」

「お父様に?」

「あぁ、当時俺たちは子供だったけど、おじさんは大人だろ?
 それに当時からおじさんは軍人だった。
 何か情報は持ってるかもな」

「そっか、そうだよね。
 今度会えたらお父様に聞いてみるね」

「そうするといい」

話が終わる頃にはブリッジの入口はすぐそこだった。


◆ナデシコブリッジ◆


ブリッジには既に全員主だった人は集まっていた。
副長のアオイ・ジュン、提督のフクベ・ジン、副提督のムネタケ・サダアキ
整備班長のウリバタケ・セイヤ、パイロットの碇シンジ、プロス、ゴート。
それにブリッジクルーのハルカ・ミナト、メグミ・レイナード、ホシノ・ルリ。
本当ならヤマダ・ジロウもこの場に居なければいけないのだが、コミュニケが
着信拒否になっていたので無視した。
アキトとユリカが最後だった。

「さて、皆さんに集まっていただきましたので話を始めましょう。
 話とはナデシコの目的についてです」

そう言うと途端にざわめきだした。
ブリッジにいない他のクルーは全員ウィンドで
話を聞いている。

「「「「「…」」」」」

「我がネルガル重工が独自に戦艦を建造した理由は
 木星蜥蜴と戦う為ではありません」

「じゃあ一体何の為なんだよ」

ウリバタケが聞いた。

「今迄ナデシコの目的を明らかにしなかったのは
 妨害者の目を欺く必要があったため。
 就航するまで目的を明かしませんでした…」

そこで一度言葉を止めるプロス。
ゴクリと唾を飲み込むブリッジ一同。

「我々が目指すのは火星だ」

フクベがプロスの言葉を引き継ぎ言った。

「「「「「火星!?」」」」」<サイズ変更+2>

辺りが再びざわめいた。

「火星?
 でも火星は木星蜥蜴に占領されたんじゃ…」

メグミが声を上げた。

「誰もそれを確認したわけではありません」

プロスはそう言った。

「それに木星蜥蜴が火星に進行してきた時、まだ多くの人々が植民していました。
 しかし地球連合軍はその人々を見捨てて地球に逃げて引き篭もりました。
 火星が木星蜥蜴に占領されたとの発表はその地球連合軍がしたものです」

「ミスター、しかし地球連合軍も全く抵抗しなかったわけではない」

第1次火星会戦で指揮を執っていたのはここに居るフクベなのだ。
その事を慮ってゴートが言った。

「あ、申し訳ありません」

「いや、構わんよ。
 連合軍が逃げ出したのは事実だからな」

フクベはそう言ったが隣ではムネタケが悔しそうに俯いていた。

「話を戻しましょうか。
 火星駐留艦隊の撤退後にも火星を脱出した民間のシャトルも多くあります。
 そしてアキトさんもその内の一人です」

「「「「「えっ!?」」」」」

全員の目がアキトを向く。

「あぁ、俺は確かに地球連合軍撤退後に火星を脱出した。
 元々俺はネルガル重工火星支社でのテストパイロットだった。
 木星蜥蜴が攻めてきた時、俺は家のあるユートピアコロニーにいた」

「「ユートピアコロニー!!」」

フクベとムネタケが驚きの声を上げる。
その名は自分たちの罪の証…

「俺はエステの情報を伝える為に火星を見捨てざるを得なかった。
 だが、その時まで多くの火星の人たちは確かに居た。
 そしてユートピアコロニーの近くには大規模なシェルターもある。
 そして他の場所にも幾つかシェルターはある。
 だから火星の人たちが居るのはほぼ間違いない」

「つまり我々の目的は火星の残された生存者の救出。
 それと資源の調査。
 それこそがスキャパレリプロジェクトなのです!」

「なるほどねぇ」

「ですから我々ナデシコクルーは以後地球連合軍とは別行動をとり
 火星へと向かいます」

「なっ!
 ならばナデシコは木星蜥蜴の攻撃を受けている地球を見捨てるのか!」

ジュンが声を張り上げた。
ジュン、ナデシコ初セリフ。

「ナデシコは民間企業ネルガル重工が開発・運営する戦艦。
 まぁ商船みたいなものですかねぇ
 ですから地球を護るのは地球連合軍に任せます」

「何故だ!
 これだけの戦艦があれば地球での戦況が引っくり返せるのに!」

ジュンはプロスに掴み掛かる勢いで詰め寄る。

「なら副長は火星の人々は見捨ててもいいと言うんだな!」

アキトがジュンを睨みながら言った。

「違う!
 そうじゃない!」

「ならどういう意味だ」

ゴートが二人の間に入った。

「落ち着けアオイ・ジュン、テンカワ・アキト。
 そこからは私が話そう。
 ネルガルは独自にナデシコを運営する見返りに地球連合と協定を結んだ。
 今、地球での木星蜥蜴との戦闘は月での小競り合いはあるものの
 膠着状態に入っている。
 軍の考えでは今の木星蜥蜴は第一陣に過ぎず第二次・第三次進行の
 準備を整えているというものだ。
 その進行が始まる前にナデシコで火星に向かい火星に残されている
 最先端技術を回収、再研究後に第二・第三のナデシコを製造する。
 そしてその戦艦は地球連合軍に最優先に渡すというものだ」

ゴートの筋の通った説明にジュンは沈黙した。

「ま、戦争よりはいいかな…」

「人助けですもんね」

「ナデシコ地球で運用しても勿体無いだけだしなぁ」

各々の意見が出る。
そして火星に向かうという目的に異論は無いようだ。

「ではミスマル艦長」

「はい!」

ユリカは大きく頷くと指差しポーズをして

「機動戦艦ナデシコ、火星に向けて出…」

「それは止めてもらおうか」

ドアが開き声が聞こえたとおもうと、数人の人間が
自動小銃を構えながら入ってきた。

「あ、あんたたちっ!」

ムネタケは入ってきた人間に見覚えがあった。
それはフクベ自分と共に保安部要員としてナデシコに来た軍人だからだ。

「おっと、動かないで頂きましょうか、ムネタケ副提督」

「あんたたち一体何考えてるのよ!」

「何、とはまた。
 これだけの性能を有している戦艦をわざわざ火星などに
 行かせるなど勿体無いではないですか。
 軍が徴集して地球の為に役立ってもらうつもりですよ」

「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!
 軍とは既に協定を結んでるのよ」

「いえいえ本気ですよ。
 まさか民間企業の戦艦がこれ程までに性能があるとは
 上層部も思っていませんでしたからね。
 地球連合軍指揮下で木星蜥蜴と戦ってもらう事になったんですよ」

「あんた、海賊行為そのものじゃないの!
 大体あんたたちだけで何が出来るのよ!」

ムネタケは怒りで顔を赤くしながら言った。
だが軍人にとっては柳に風。

「確かに私たちだけでは制圧されるでしょう。
 ですがね?」

そう言ってニヤリと嗤う。
その言葉と共に目の前の海中から地球連合軍戦艦が浮上する。

「ナデシコ前方5キロの海上に連合宇宙軍第3艦隊旗艦トビウメ
 護衛艦クロッカス並びにパンジー」

ルリの冷静な声で報告した。
モニターを見ていたジュンが呟く。

「トビウメって言ったら…」

『ユーリカーーーーーー!!」<サイズ変更+2>

モニターが切り替わり、立派なカイゼル髭を生やした連合宇宙軍の
制服を着た男が映った。

「お父様っ!」<サイズ変更+2>

ユリカが叫ぶ。

『おぉ、ユリカ…
 暫く会わないうちに、少し痩せたのではないか?』

「嫌ですわ、お父様。
 三日前にお会いしたばかりですわ」

『そ、そうか…
 そうだったな…』

ユリカは真面目な顔でコウイチロウに聞いた。

「それでお父様、一体どうなされたのですか?
 本艦はこれをり火星へと向います。
 もしかしてお見送りでしょうか?」

娘が艦長の顔になると、自分も地球連合宇宙軍提督の顔に戻る。

『その必要は無い。
 ナデシコは直ちに停泊し本艦の指揮下に入りたまえ』

「どういう事ですか? お父様」

『ユリカ分かってくれ。
 パパも辛いんだよ』

「ですが提督、ネルガルと連合軍の間では話は既についているはずですが。
 ナデシコはネルガルが私的に使用すると」

プロスが話に加わってくる。

『残念だが今の連合軍に木星蜥蜴の一群を殲滅できる戦艦を
 みすみす手放す程の余裕はないのだよ』

「わかりました。
 お父様、私もお話があります。
 そちらへ行ってもよろしいでしょうか」

「わかりました、交渉ですな。
 では早速そちらに伺いお話をしましょう」

「いかん、艦長!
 これは罠だ」

フクベ提督が反対する。

「ユリカ、提督の方が正しい。
 これ程の強力な戦艦は戦闘のプロである
 軍人が運用するのが正しい事なんだ」

ジュンはコウイチロウに同調する。
回りのクルーは白けた目をジュンに向けた。

『よかろう。
 ただし! 艦長とマスターキーは当方で預かる!』

「面白くない冗談ですね」

『なに?』

それまで黙っていたシンジが口を開いた。
冷たい口調で表情も冷ややかだ。

「マスターキーを預かる?
 僕達に死ねというんですか?」

『…どういう意味だ』

「言葉通りの意味ですよ。
 マスターキーを抜かれたナデシコは丸裸になります。
 移動することすらできませんよ。
 しかしこの海域には休眠状態のチューリップが沈んでいます。
 もしチューリップが動き出したら何もする事の出来ない
 ナデシコはそれで終わりですよ」

『…君は地球連合軍が信用できないのかね?』

「えぇ、全く信用出来ませんね」

『何だとっ!!』<サイズ変更+2>

さすがにコウイチロウは激怒し怒声を上げる。
その声にブリッジクルーは怯えるが、シンジは
全く動じていない。

「今迄地球連合軍がチューリップを撃墜したという
 報告はありません。
 せいぜい休眠状態にもっていっただけです。
 それも艦隊を多数組んでのことです。
 なのに3隻しかいないのに動けないナデシコを衛る?
 冗談以外のなにものでもないですね」

『ぐっ…』

冷ややかに正論を言うシンジに対して、コウイチロウは何も言えない。

「それともまた見捨てますか?
 護るべき民を見捨てて尻尾を巻いて逃げ出した火星のように」

『ぐっ!!』

コウイチロウは歯を噛み締めながらシンジを睨みつけた。
軍の汚点である火星を話に持ち出されたら何も言えない。
言い返すと自分の愚かさを証明するようなものだ。

「碇、その位にしてくれないかしら」

「…ムネタケさん」

シンジがムネタケを見ると淋しそうに少し笑っていた。
ムネタケはモニターに向くと

「ミスマル提督、私も碇と同じ意見ですよ。
 マスターキーを渡す事は出来ません」

『…ムネタケくん』

「例えどんな理由が地球連合軍に在ろうとも、
 ミスマル提督は海賊行為を容認しました。
 ですから逃げ出さないという保証はありませんわ。
 なにせ海賊ですからねぇ
 逃げるのは得意なんじゃありませんか?」

そう言ってムネタケは目を細め笑った。
それを見たコウイチロウは顔をしかめ

『…それが君の軍人としての意見かね?』

「えぇ、そう思って下さって結構ですわ」

二人は暫しモニター越しに睨みあった。

『……分かった。
 マスターキーはそのままでいい。
 但しナデシコクルー全員食堂に集まってもらおう。
 それと艦長は至急トビウメに来たまえ』

「ありがとうございます、ミスマル提督」

『…ムネタケくん。
 君の父上、ムネタケ参謀の顔に泥を塗る事に
 なるのではないかね?』

「あら、そんな事はありませんわ。
 パパならきっと『良くやった』と
 褒めてくれますわ」

ムネタケはニッコリ笑って言った。

『…そうか』

それだけを言ってコウイチロウは通信を切った。

「では艦長、トビウメへ参りましょうか」

「はいっ!」

「待ってくれユリカ。
 ボクも行くよ」

そういってプロス、ユリカ、ジュンの三人は
ブリッジから出ていった。

「すまないわね碇」

「え?」

「本当なら私が言わなければいけないのに。
 あなたに言わせてしまって、ごめんなさいね」

「いえ、僕もちょっと頭に血が昇ってしまって…」

「…でも私たちは確かに逃げ出したのよね
 護るべき火星の人たちを置去りにして…
 情けないったらありゃしないわね」

ムネタケはそう言うと、泣きそうなそして悔しそうに笑った。

「……ムネタケさん」

「さっみんな早く食堂に行きましょう。
 ダラダラしてるとうるさいわよ?」

ムネタケは声を明るくしてブリッジクルーに言った。

「そうですね早く行きましょうか。
 副長はトビウメに早くもトビウメに行きましたけどね」

そう言われてムネタケは溜息を吐いた。

「ほんと何で艦長と一緒に行くのかしらね…
 信じられないわ…」

「「「「ははは…」」」」

みんな乾いた笑いを浮かべた。


これ以降、シンジは怒らせると怖いと認識され、
ムネタケはオカマだけどクルー思いの良い副提督と
ナデシコクルー全員が認識し頼ることとなった。


◆ナデシコ艦内食堂◆


「あぁ〜あ、自由への夢はは数日で終わりか…」

ウリバタケは溜息を吐いてダレている。

「みんな諦めるんじゃない!!」

ヤマダが覇気の無いクルーを見渡して熱く語っている。
誰も聞いていないが…



ブリッジ三人娘はシンジの料理を待っていた。

「これからどうなっちゃうのかな…」

「まぁなるようにしかならないんじゃない?」

「そうですよねぇ〜」

「そうなのよねぇ…」

「…さっきのシンジさん、恐かったですね」

「恐かったわねぇ」

「はい…」

こっちもダレていた。

「お待たせしました」

暫くしてシンジが三人の食事を持ってきた。

「「「いただきます」」」

「ムネタケさん、コーヒーどうぞ」

近くに座っていたムネタケにコーヒーを差し出す。

「あら、ありがとう碇」

「シンちゃんの料理美味しいわねルリルリ?」

黙々と食べていたルリにミナトは言った。

「ルリルリ?」

「そうルリルリ、可愛いでしょ?」

「はぁ…」

「そしてシンジくんはシンちゃん。
 どう?」

ミナトがシンジの方を向いて問いかける。
だがシンジは固まっていた。

「…どうしたのシンちゃん?」

「………」

「シンジくん?」

「……あっ
 何でもないです」

シンジは少し寂しそうに言った。

「…もしかして嫌だった?
 シンちゃんって呼ばれるの?」

「いえ、そんなことはないですよ。
 ただ…」

「ただ?」

ミナトが問いかける。
シンジは昔を懐かしむ顔をしながら。

「昔に僕の事をシンちゃんって言ってた人がいたんです。
 その事を思い出してしまって…」

「「「…」」」

「その人がほんの少しだけミナトさんに似た感じでして。
 子供の様な人で、明るい人でした…
 まぁ生活能力は壊滅的でしたが…
 それを思い出したんですよねぇ…」

シンジは遠くを見るように語った。
その姿を見て三人は踏み込めないモノを感じた。

「何だ何だ何だぁ!
 みんな元気だせよー!」

松葉杖を突きながらヤマダが近づいてきた。

「よぉしっ!
 俺が元気の出るとっておきのビデオを見せてやる!!」

「「「「はぁ…」」」」

ヤマダがウリバタケに頼んで準備をしている。
そして始まるゲキガンガー3上映会。

「どうだっ!
 ゲキガンガー3、全三十九話!
 燃え燃えっすよっ!!」

悦に入っているヤマダ。

「どうだ少年、燃えるだろっ!」

シンジにヤマダが聞いてきた。

「少年って…
 まぁ感想を言うのなら…」

「「「言うのなら?」」」

「ゲッ○ーのパクりですね、これって」

「「「ゲッ○ー?」」」

「えぇ1970年代の日本のアニメですよ。
 ゲッ○ーロ○!
 その後も色々なシリーズが出てます。
 マンガ・アニメ・劇場版・OVAなど…
 僕はOVAの真(チェ○ジ!!)ゲッ○ーロ○ 世界○後の日
 などが好きですね〜
 アレは燃えますよ」

シンジのマニアック過ぎる話にヤマダですらついていけない。
1970年代って200年以上前だし…

「…シンちゃんってこういうの好きなの?」

ミナトが代表して聞く。

「アニメだけでなく映画や音楽も好きですよ。
 凄く古いモノが多いですけどね」

「そうなんだ…」

シンジの新たな一面を発見したミナトたちだった。
その後も流され続けるアニメを何とはなしに見るクルー一同。

『ゲキガンビーム!』

『ゲキガンカッター!』

「この武器は音声入力なのか?」

ゴートが聞く。

「違う!
 これが熱血なんだ!
 魂の迸りなんだ!!」

「そういうものか…」

「しっかし暑苦しいアニメだな…」

なんとなしに見ていたウリバタケが呟いた。

「この燃える展開!!
 今のナデシコにぴったりじゃねーかっ!!」

ヤマダがクルーたちに演説をはじめた。

「このシチュエーションに何も感じないのか!
 何とかしようと思わねぇのか!!」

「艦長がいないとねぇ」

メグミが呟いた。

「根性でなんとでもなる!!」<サイズ変更+2>

(((((こいつ無茶苦茶だ)))))

みんながそう思った。

「でも実際ナデシコが軍に編入されると
 あんたたち軍人よ。
 上の命令で戦争を続ける、拒否権なんて無いわよ。
 それでもいいの?」

ムネタケがクルーに問いかける。

「「「「「……」」」」」

「自分の未来は自分で掴まないと。
 他人から与えられた人生に意味は無いんですよ」

シンジは言った。

『ルリ・シンジ、タイヘン』

その時オモオイカネのウィンドが開いた。

「オモイカネ、どうしたんですか?」

『チューリップガ動キ出シタ』

「「「「「何っ!!」」」」」<サイズ変更+2>

クルーの間に衝撃が走った。

「どうしますか?
 動きますか、それとも流されますか?」

シンジはクルー全員に問いかけるように言った。

「はぁ、迷ってる暇はないってかぁ」

ウリバタケはそう言って立上り、整備班の顔を見渡す。

「ヤロウ共!
 格納庫に行くぞ!
 俺たちの船を軍人に好き勝手させるな!」

「「「「「ういっす!!」」」」」<サイズ変更+2>

「ならばブリッジには俺が行こう」

「私もブリッジに向かうわ」

ゴートとウリバタケも立上る。
シンジは辺りを見渡すと、各々が動き出したのをみて
微笑んだ。

(人格に問題があっても腕は一流ですか…)

「俺はファレノプシスでユリカを迎えに行こう」

アキトはそう言ってドアに近づいていった。
今迄カウンター側に居たが、そこにはホウメイガール5人もいた。

(…こいつ)

シンジ溜息。

「よーーーしっ!
 俺もエステで出撃するぜ!
 悪の木星蜥蜴を倒してやるっ!!」

「あんた足折ってるだろ…」

「しまったーーーー!!」

ウリバタケはヤマダを適当にあしらっていた。

「オモイカネは、各場所制圧の手伝いをして」

『OK♪』

そして全員が動き出した。


◆トビウメ艦長室◆

「ユリカ美味しいかい?
 まだまだあるから、好きなだけ食べていいんだからな?」

「はい、お父様」

ユリカはトビウメの艦長室でケーキを食べている。
目の前に詰まれたケーキの山。
その前でコウイチロウがデレデレと笑っている。

「はぁ… ユリカ…」

ジュンも呆れている。
ユリカはケーキを食べ終え、ナプキンで口元を拭く。

「お父様、お聞きしたいことがあります」

「なんだい、ユリカ?」

「アキトの事を覚えていますか?
 テンカワ・アキトを」

ユリカは真剣な表情でコウイチロウに聞く。
コウイチロウは普段滅多に見ない娘の表情に
少し戸惑うが、外見普段どうりだ。

「テンカワ・アキト?
 …テンカワ……
 はて、何処かで聞いた覚えはあるのだが…」

「…火星でお隣だったテンカワ一家の事です。
 お忘れですか?」

「おぉ、覚えているぞ!
 いやぁ懐かしいなぁ」

コウイチロウはポンと手を拍き納得した。

「では教えてください」

「何をだい?」

「何故アキトのご両親はテロで亡くなられたのですか?」

「何!?
 それはいつのことだい?」

「私たちが火星を発ったその日です
 お父様は理由をご存知ですか?」

「……う〜む…
 特に理由は思いつかないなぁ…」

「…そうですか。
 それともう一つあります」

「何だい?」

「お父様は…
 お父様はテロの情報を直前に入手していたのですか?」

自分で言っておきながらユリカは怖くなった。
もし知っていたとの回答であれば自分は…

「無い。
 それだけは絶対に無い」

「…」

「あの時は地球連合軍本部からの移動命令があったから
 地球に戻っただけだ。
 テロの話は私も地球に戻って初めて知ったのだ」

「そうですか」

それを聞いてホッと溜息を付いた。

『パンジーより入電!
 海中のチューリップが活動を再開しました。
 増援を求めています!』

「わかった、すぐブリッジに向う!」

通信を聞くとコウイチロウは瞬時に軍人の顔になった。
彼は娘が絡まなければ優秀な軍人なのだ。

「ユリカ、危険だからここで待っていなさい」

そう言って部屋を出て行った。
コウイチロウが部屋から出て行った後に
ユリカは紅茶を一口飲み

「ではナデシコに戻りましょうか」

「えっユリカどういうことだい?
 提督にナデシコを明け渡すんじゃないのかい?」

ジュンはユリカが言ったことが分らなかった。

「ほえ?
 ジュンくんなにいってるの?
 戻るに決まってるじゃない」

「なら何でトビウメに来たんだユリカ」

「それは勿論、アキトのご両親の事を聞くためだよ。
 それにユリカはナデシコの艦長さん。
 クルーを見捨てることは絶対にしないの。
 艦長が艦を降りるときは一番最後!
 コレは副提督の教えだよ」

ユリカはニッコリ笑って得意げに言った。
プロスもそれを見て

「では早く船に戻りましょう。
 チューリップも動き出したみたいですし」

「はいっ!」

元気良くユリカは返事をし走って行った。


◆ブリッジ前◆


「オモイカネ、中の状況を教えて」

『OK』

ルリの言葉にオモイカネはウィンドを開いた。
ブリッジ内の軍人の場所などが全て出ていた。

「中にいる軍人は三人か…
 では、五つ数えた後突入する」

ゴートはそう言って全員を見渡した。

「突入はあんたと私で「僕も突入しますよ」

ムネタケの言葉を遮りシンジが言った。

「なら私と碇にゴートで突入ね。
 オモイカネ、突入直前にブリッジ内の照明を
 全部落としてちょうだい」

『リョウカイ』

ウリバタケの作戦にオモイカネも同意した。

「では行くぞ。
 5・4・3・2・1・ゴー!」

ゴートのカウントで三人はブリッジに突入した。

「な、なんだっ!!」

「どうなったんだっ!」

突如照明が消えたブリッジ内の軍人は瞬間目が見えなくなり
戸惑った。
そこに突入した三人がウィンドで確認した場所に各自
一直線に走った。
ゴートは背後に廻り軍人を倒すと腕を極めた。
ムネタケは足払いを掛け倒すと首を極めて落とした。

「ぐはっ!!!」

シンジは軍人の腹を殴り吹っ飛ばして気絶させた。

「あららら…
 シンちゃんって強いのねぇ〜」

入口から見ていたミナトはその様を見て驚いた。
隣ではルリとメグミがウンウンと頷いている。

「さぁ、早くしなさい。
 敵は待ってくれないのよ!」

「「「はい!」」」

ムネタケの声と共に三人はそれぞれの席に着いた。

「格納庫の状況はどうなってんの?」

『おう!
 格納庫は制圧済みだ
 ヤマダの馬鹿が転けて怪我した位だ
 アキトはファレノプシスの起動準備中だ』

『ダイゴウジ・ガイだっ!!』

ウリバタケの報告がきた。

「通信士、チューリップと連合軍の状況を報告しなさい」

「チューリップから多数の機動兵器が射出されています。
 その数約400!
 チューリップの進路は、連合艦隊です!」

「ちっ…
 操舵士、ナデシコはディストーション・フィールドを張りつつ
 全速前進。
 チューリップと連合軍の間に入りなさい!」

「は〜い」

ムネタケは次々に指示を出す。
それに対してミナトとメグミはテキパキと動いている。

「艦長と通信は出来るの?」

「少し待って下さい」

『ユリカでーす』

ユリカがのん気な声で通信に出た。

「艦長、あんた今どこにいるの?」

『今はヘリに乗ってナデシコに戻るところです』

「ちょっと動かないで待ちなさい。
 通信士、格納庫のテンカワに繋ぎなさい」

「はい」

『こちらテンカワ・アキト』

「テンカワ、あんたトビウメまで艦長を迎えに行きなさい」

『はっ?』

「ヘリじゃ落とされてしまうわよ。
 それにトビウメにいるよりナデシコの方が安全なのよ」

『チューリップと機動兵器はどうするんだ?』

「それは…」

『それは僕が相手しますよ』

ムネタケの言葉をシンジが継いだ。

「碇、今何処にいるのよ」

『もうすぐ格納庫に着きます。
 アキトさんはユリカさんの迎えをお願いします。
 木星蜥蜴の相手は僕に任せてください』

『わかった』

シンジの言葉にアキトは頷いた。

「碇、大丈夫なのね?」

ムネタケが聞き返す。

『エヴァの力、見せてあげますよ』

シンジはニヤリを笑いウィンドを消した。

「…」

「ルリルリ、大丈夫だって。
 シンちゃんを信じましょう
 それにルリルリもシンちゃんを
 サポートしてあげてね?」

ミナトは少し不安そうな目をしていたルリに
優しく声をかけた。

「はい」

「オペレーター、対空迎撃用意。
 グラビティ・ブラストのチャージ開始!
 操舵士、そのまま前進。
 連合軍の盾になりなさい。
 通信士、状況を常に報告しなさい。
 どんな小さな事も見逃さないようにね」

「「「はいっ!」」」

ムネタケの指示に元気な返事で答える。

ルリのナノマシンの輝きが増す。

「オモイカネ、サポートよろしく」

『任セテ、ルリ♪』

『テンカワ・アキト、ファレノプシス出る!』

アキトはトビウメに向って飛んで行った。

「格納庫、もう一人のパイロットは出せるの?」

『あぁ、ヤマダか…
 あいつ骨折した足をまたやっちまったから無理だな』

ムネタケはウリバタケの報告を聞いて溜息を吐いた。

「使えないヤツねぇ」

「副提督。
 クロッカス・パンジー両艦がチューリップに向って
 引き寄せられています。
 このままだと飲み込まれます」

「何ですって!」

ルリの報告にムネタケは考え込んだ。

「通信士、クロッカス・パンジー両艦に
 クルーは全員退艦するように伝えなさい!」

「はい」

「もし愚図るようなら墜とすと脅しても構わないわ。
 それでも文句を言うなら撃ちなさい」

「え…」

「早くっ!」

「は、はいっ!」

「いいのか?」

ゴートが今後問題になるのでムネタケに聞いた。

「いいのよ。
 駆逐艦の推進力ではチューリップの牽引力に勝てない。
 ならばせめてクルーは助けないといけないわ」



トビウメの甲板上のヘリの中でユリカとプロスは
迎えが来るのを待っていた。

「マズイですねぇ
 クロッカスとパンジーが飲み込まれてしまいますよ」

「ナデシコには副提督も乗っています。
 私たちは信じて迎えが来るのを待ちましょう」

ユリカも戦場を見ながら言った。

「そうですな…」

アキトはトビウメ目指して、ほぼ一直線に飛んでいた。
進路上にいる機動兵器のみを墜とし、それ以外は無視した。

(前の時はチューリップのみだった。
 やはりシンジくんの言った通り変化が出てきたか)

アキトはトビウメの甲板上のヘリを見つけると
傍に着艦した。

『ユリカ、ヘリごとナデシコに運ぶ。
 戦場を横切るから揺れるぞ。
 しっかり捕まってろよ』

「了解、アキト。
 やっぱりアキトは私の王子様!」

ユリカはニッコリ笑って言った。
その時丁度ナデシコからエヴァが発進した。

「ほえぇ〜、シンジくん飛んでるよ〜」

「…飛んでますなぁ…」

ユリカとプロスは驚いていた。
ナデシコから発進したエヴァは背にトンボに似た
羽根を生やして戦場を飛んでいたからだ。
そしてナデシコブリッジでも驚きに包まれていた。

「あれがエヴァ…」

ムネタケから声が漏れた。
正面モニターに映るエヴァの戦闘はこれまでの
常識と違っていた。
ラビットライフルを両手に持ち敵機動兵器を撃っている。
それも狙ってではなく、流れるように撃つのだが
的中率が以上に高い。

「…オペレーター、シンジの的中率はわかるかしら?」

「はい、的中率96%です」

ルリが報告する。
その間にも次々と墜としている。
そして急制動・急発進・急上昇・急下降と
普通では在り得ない動作をしている。
通常ではGが掛かり出来ない動作だがエヴァは
その動作を繰り返して敵の攻撃を避けている。
そして動作の一つ一つが生物的な動作なのだ。
木星蜥蜴の兵器は最優先殲滅対象をエヴァにしたらしく
ほぼ全ての機動兵器がエヴァに向ってきた。

『こちらシンジ。
 ユリカさんは回収出来ましたか?』

「はい、今アキトさんとナデシコに戻っています」

『了解』

「碇、大丈夫なの?」

『何がですか?』

「Gよ」

『あぁ、問題ありませんよ。
 エヴァは耐G性能高いですから』

「そう、ならいいわ」

「チューリップより駆逐艦3隻出現。
 こちらに向って来てます」

ルリが新たに出てきた駆逐艦を報告した。

「そう、対空攻撃目標を敵駆逐艦に向けなさい」

「はい…
 …敵駆逐艦から攻撃きます。
 目標… エヴァです!」

ルリの報告に全員がモニターを見た。
シンジはヘリの安全を最優先する為にアキトの近くにいた。
エヴァの近くをファレノプシスが通っているため
シンジは近くの敵機動兵器を優先的に墜としていた。
そして駆逐艦の攻撃は、丁度背後からになる。

「マズイわ!」

ムネタケが叫んだように、もしシンジが避ければ攻撃は
近くのファレノプシスにも影響する。
アキトは問題ないかもしれないが、ヘリはどうなるか
わからない。

「シンジさん!」<サイズ変更+2>

エヴァがファレノプシスの盾になるように動いたのを見て
ルリが咄嗟に叫んだ。
ルリは何故か急に怖くなった。
今迄は何ともなかったのだが、シンジがファレノプシスを
護るように動いたのを見て咄嗟に叫びが出た。
そしてシンジの乗るエヴァに向けて十数本のレーザーが発射された。

「「「「「えっ!!」」」」」<サイズ変更+2>

戦場を見ていた全ての人間が驚きの声を上げた。
何故ならレーザーが中る直前エヴァの正面に赤い壁ができ
全てのレーザーが消失したからだ。

「……何いまの…」

「むむ…」

「うっそ〜…」

『何だ何だ一体』

「シンジさん…」

ブリッジでも格納庫でも呆れた声がでた。

『アキトさん、ヘリ大丈夫でしたか?』

『あぁ、問題ない』

「ちょっと碇!」

『何ですか、ムネタケさん?』

シンジとアキトの会話にムネタケが割り込んだ。

「あんた、今の何よ」

「今の?
 あぁ、今のはA.T.フィールドです』

「「「「「A.T.フィールド?」」」」」

「そうです。
 ABSOLUTE TERROR FIELD
 略してA.T.フィールドです。
 エヴァが使用する一種の防御壁です。
 そしてA.T.フィールドは…」

シンジは言いながら右手のラビットライフルを仕舞う。
そして右手を敵機動兵器に向けて振った。
一瞬赤い線が見えた後、線上の敵起動兵器が全て爆発した。

『攻撃にも使えます』

「「「「「……」」」」」

全員声が出ない。
今迄の兵器と一線を画すエヴァに驚いてばかりだ。
その時ブリッジのドアが開いた。

「皆さんお待たせしました〜
 ブイッ!」

「…はぁはぁ…
 ブイィ〜…」

元気なユリカの後ろには疲れたプロスがいた。

「「「艦長」」」

「ミスマル・ユリカ艦長。
 指揮権を返すわ。
 シッカリするのよ」

「はい!
 ムネタケ副提督、ありがとうございました」

ユリカは艦長席に向った。

「状況の報告をお願いします」

「現在、ディストーション・フィールドを張りつつ
 交戦、グラビティ・ブラストのチャージ終了済み。
 対空戦闘で敵機動兵器を墜としつつ、トビウメを護衛してます。
 クロッカス・パンジー両艦は既にチューリップに
 飲み込まれましたが、クルーは退艦済みです」

「ありがとう、ルリちゃん」

「どうするの艦長」

ムネタケがユリカに問いかけた。
ユリカは暫し考えるとウィンドを開いた。

「アキト・シンジくん」

『『何ですか?』』

「二人でチューリップ以外の敵機動兵器を
 全滅することは出来ますか?」

『…だそうですよ?』

『シンジくんはどうだい?』

『それは…』

『モチロン…』

『『可能だ(です)』』

二人はそのまま敵の群に突っ込んで行った。
各々が相手の背中を護りつつ次々と墜としていった。

「ミナトさん、ナデシコ最大戦速!
 進路、チューリップ!!」

「えっ、か、艦長?」

「艦長、どうするつもりなの?」

驚くミナトに真剣な表情で聞くムネタケ。

「チューリップはクロッカス・パンジーを墜とすのではなく
 飲み込みました。
 つまりチューリップ自体に攻撃能力は無い事になります。
 ならばチューリップに飲み込まれる直前に
 ゼロ距離からのグラビティ・ブラストで殲滅します!」

「……しかし失敗した時の修理費が…」

などと言いながらプロスは電卓で計算している。

「……勝算はあるんでしょうね?」

「はい!
 外は堅くても中は軟らかいと思います。
 口が閉じる前なら勝算は十分あります!」

ユリカは元気良くムネタケに答えた。

「艦長が決めたのなら、私に文句は無いわ」

「…りょ〜かい。
 行くわよ!」

ミナトの言葉と共にナデシコは加速を始めた。
アキトとシンジは敵機動兵器・駆逐艦を沈めて
ナデシコの動きを見ていた。
ナデシコと口を開けたチューリップが重なった直後。

「てえぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ユリカの号令と共にグラビティ・ブラストが発射される。
次の瞬間、グラビティ・ブラストがチューリップを貫く、
そしてチューリップは爆発し、海中へと落下していった。

「皆さん、ご苦労様でした」

ユリカは皆にお礼を言った。

「アキト、シンジくん。
 戻ってきてください」

『『了解』』

ユリカは二人に帰艦命令を出した。

『おう、てめーら、ヒーローが戻ってくるぜ。
 整備の準備はじめとけよ!』

『『『『ういっす!』』』』

格納庫でも二人の帰艦に合わせて、慌しく動き出した。

「ルリルリ、シンちゃん無事で良かったね〜」

「そうですよね。
 ルリちゃん、凄く心配してましたよね」

戦闘が終わりブリッジの空気も軽くなり、
ミナトとメグミがルリをからかいだした。

『ルリの大声初メテ。
 録画モシテルカラ何時デモ見レル』

オモイカネもその中に加わった。

「…オモイカネまで…」

ルリは下を向き頬を赤く染めている。

「シンちゃん戻ってきたら、お疲れ様って
 言ってあげたら喜ぶと思うわよ」

「きっと喜びますよね!」

『シンジ絶対喜ブヨ、ルリ』

「………はい…」<サイズ変更-2>

小さく、しかしハッキリとルリは頷いた。
暫くして二人がブリッジに入ってくる。

「アキトーーー!」

ユリカはアキトが入ってくると一直線に向い
アキトに抱きついた。

「うわっ!
 ユリカ、抱きつくなよぉ」

「アキト、アキト!
 凄くカッコよかったよー
 さすがユリカの王子様!
 ユリカ惚れ直しちゃった〜〜」

アキトとユリカの戯れ合いを見ていたシンジは
後ろに気配を感じて振り返った。
そこにはルリが立っていた。

「ルリちゃんどうかしたの?」

「…あの」

「なに?」

「…シンジさん、お疲れ様でした」

「あ…」

言われたシンジは嬉しくなった。
少しは仲良くなったが、わざわざ労いの言葉を
くれるとは思わなかったからだ。

「…ルリちゃんもお疲れ様。
 疲れていない?
 後で食堂に来てね、甘い物用意して
 待ってるからね?」

シンジはそう言って優しく頬笑んだ。

「はい…
 後で食堂に必ず行きます…」

ルリは俯いてそう言った。
ルリの後ろではミナトとメグミ、そしてオモイカネもが
ピースサインをして笑っていた。

「アキト、アキトーーー」

ユリカがまだアキトに抱きついていたが
背後にムネタケが来た。

「…艦長?」

「はいぃぃぃぃぃぃぃ!」

ムネタケの優しい問い掛けにユリカは
背筋を伸ばし敬礼までしていた。

「やる事あるんじゃないの?」

「勿論在ります!」

「じゃあ、しないとねぇ〜?」

「はいっ!」

完璧にユリカを手懐けているムネタケ。
その実力にクルーは恐れ戦いた。

「それでは艦長、改めて…」

プロスの言葉に全員が自分の席に戻っていく。
それを確認したユリカが号令をかける。

「それでは改めて。
 機動戦艦ナデシコ、火星へしゅっぱーつ!」

「の前に」

ムネタケの言葉に全員が転けた。

「副提督〜〜〜」

ユリカが恨めしそうにムネタケに迫った。

「ちょっと待ちなさい艦長。
 格納庫に繋いで頂戴」

「はい」

『こちら格納庫、何だい』

「掴まえた軍人そこにいるでしょ?」

『あぁ、いるが』

「海に落として」

『はあっ!?』

全員がムネタケの言葉に驚いた。

「言葉のアヤよ、ア・ヤ。
 まぁ実際ナデシコから退艦させてほしいのよ。
 居るだけで物資も消費するし無駄でしょ?
 それに安全面から考えてもねぇ」

『なるほどな…
 わかった、10分程で終わるから
 ちょっと待ってな』

そういってウリバタケはウィンドを消した。
暫くしてウィンドが開き

「終わったぞー
 取り合えず縛ったまま海に流したが問題無いだろ?」

「えぇ、それでいいわ。
 後はトビウメに通信しておけばいいでしょ。
 通信士お願いね?」

「わかりました」

ウリバタケは用事を終わらせると

「さぁ艦長いいわよ」

「は〜〜〜〜い」

ユリカは艦長席でいじけていた。

「こほん…
 では今度こそ!
 機動戦艦ナデシコ、火星に向けてしゅぱーーーつ!!」

「「「「「了解!」」」」」

移動を開始したナデシコを見送るトビウメ。

「ユーーーリカーーーーー!!<サイズ変更+2>
 カーーン・バーーーーーークッ!!」<サイズ変更+2>

叫ぶコウイチロウにクルーの視線が集まる。
そしてコウイチロウの隣には

「ユリカ…」

当然ジュン。





「艦長、そういえば副長は?」

ミナトがユリカの傍にいるはずの人間がいないのに気付き
ユリカに聞いた。

「ほえ?
 ジュンくん?
 何処に行ったんだろう…
 ルリちゃん、コミュニケで探してみて」

「はい…
 ………いません」

「「「「「はい?」」」」」

「アオイ・ジュンさんは、ナデシコに乗っていません」

ルリの言葉に全員の視線がユリカに集まる。
ユリカはその視線に冷や汗を流す。

「あはははは…」

「艦長、もしかしてトビウメに置いて来たんですか?」

メグミがとうとう言った。

「かなぁ〜〜?」

「「「「「……」」」」」

「あはははは…」

(((((憐れな…)))))

ユリカは頬を引きつらせながら笑っている。

「いいわよ、居ても居なくても同じなんだし」

ムネタケが止めを刺した。



続く…




機体設定

ファレノプシス
 
ネルガル重工がアキト専用機として開発した機体。
全高はエステより高く8m。
設計思想はアキトの情報からであり、ブラックサレナと同じ。
名前の由来は胡蝶蘭、花言葉は
「あなたを愛します、御身とともに踊らん」
機体色は白地に黄色と赤色の線が入っている。
見た目はブラックサレナよりスリムになっている。
ファレノプシス専用ユニットを装着する事で様々な環境での
戦闘を可能にする。

専用ユニット種類は
高機動ユニット・スナイパーユニット・ストライカーユニット
の三種類が今あるが、開発部では現在も他ユニットを開発中。


汎用人型機動兵器・人造人間エヴァンゲリオン

ネルガル重工と碇シンジの共同開発。
しかし情報等は碇シンジからであり、ネルガル側はエヴァの
システムは殆ど理解出来てない。
言ってみればネルガルは機材、環境設備等を提供した様なもの。
開発陣もシンジを合わせて4人のみ。
全長はファレノプシスと同じ8m。
エントリープラグを使わず、エヴァの後ろ首に裂け目を作り、
そこにシンジが入る直接シンクロシステムを使っている。










後書き
皆さん、こんにちは。 玖杜です。
…あれ? 今回はムネタケ活躍しすぎ?
と書いてる自分で思ってしまいました。
お陰で他キャラ影が薄くなってしましました。
まぁ今後もムネタケは前に出すと思いますが…
アキトの設定はアカツキ・アキト・シンジの三人で
作り上げています。
アキトが火星でテストパイロットをしていた等。

一応のファレノプシスとエヴァの設定は載せています。
もう少ししたら、より詳しく設定を載せる予定でいます。
エヴァはそのままではナデシコに乗らないので、シンジが
新たに作った設定でいます。
エヴァの全高って調べると40mから200mまであるみたいですが
この小説では40mとしています。

それとゲッ○ーです。
私がゲッ○ー大好きです。
まぁそれだけなんですが…

この小説書いている中で、前回と今回は最大の難所でした。
前回はTVのセリフを忠実に近づけていましたが、何てアホな
事してしまったんだろうと投稿した後に反省しました。
これではオリジナル性が出なくなってしまいますので、
今回はセリフ等はあまり気にしないで書きました。
ただ、キャラ毎のセリフって難しいんですよね…
書いて初めて分りました。
もう少し先まではTV沿いで書くつもりですが、
その先は殆どオリジナルになる予定です。
オリキャラも多く出ます。
設定もオリジナル設定になりそうです…
ただ矛盾等が出そうで怖いですが。
皆さん、見捨てずによろしくお願いします。

それと次回投稿の間空くかもしれません。
21日にグローランサーY出るので…
まぁなるべく早く投稿は出来るように頑張ります。
それもグローランサーYの出来次第です。
面白かったら…… すみません。

拍手下さった方・コメント下さった方、ありがとうございます!
見るたびに気力が沸いてきます!

それでは次の話も楽しみにしてください。
ではまた〜〜


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