アーク・ファイブの決闘王









マジック&ウィザースというゲームを知ってるかな?

最近ではもう聞かない名だと思う、同じゲームだけど今はデュエルモンスターズという名で広まっているから。

僕がゲームを始めた頃は、まだマジック&ウィザースだった頃で、

トレーディングカードゲームマジック・ザ・ギャザリングを元にしたゲームだった。

最も、今や面影もないんだけど……。


ともあれ、もう一人の僕である名も無きファラオを元の時代にお繰り返し、その後も色々なデュエルをした。

精霊の世界へも行ったし、別次元と思しき世界へも行った、色々な相手とデュエルを繰り返し。

もう一人の僕と再会し、またデュエルを一緒にするようになった。

これでいいのかなとも思ったけど、なんでももう一人の僕は元の時代でするべきことは全て終わらせたらしい。

その後も、色々な世界でデュエルをしながらとうとう元の世界に戻ってきた。

以前一度だけ、十代君の時代に戻れたこともあったんだけど、あれ以後かなり時間がたってしまった。


もう、童実野町はネオ・ドミノシティとなっていたが既に遊星君はいなくなっており。

彼が使っていたシンクロと呼ばれる召喚方法も存在を一応確認できるもののほとんど見かけない状況のようだ。

現在、デュエルは隣の舞網市が中心となっているみたい。

当然、決闘王なんていうのはもう誰も知らない。

それぞれのプロリーグごとにチャンピオンはいるものの総合チャンピオンというのはいないらしい。


あまりの変わりように、僕は呆然とした。

当然僕の家はもうなくなってるし、このままだと生きることすら難しいかもしれない。


『相棒……』

「気にしないで、もう一人の僕。あれだけ長い間いろいろな世界に行っていたんだから。

 僕らが浦島太郎になっちゃうのも仕方ないし、お爺ちゃんなら心配いらないよ」

『ああ、そうだな。だけどなんとか家と食べ物は確保しないとな』

「それは……うん、そうだね。だけど、どうすればいいんだろう?」


ネオ・ドミノシティを通り抜け、舞網市へと向かう。

そう、身分証明の出来ない僕達にできるのは、恐らく……。


「今持ってる現金を質屋に持っていってみよう」

『おい』


100年以上前の通過なんだから、もしかしたらと思って持っていった所。

3432円が2万円以上になった。

うん、なにをするにも元手がいるからね。

ついでにカードを1パックだけ買ってみた、デッキに入れてみよう。


「後は、ホテルに僕が泊まれるかだよね」

『そうだな……』


僕は背が低いから年齢的にはもう成人してるはずなんだけど中学生くらいにしか見えない。

身分証明があれば100歳越えってわかるけど……そんなの誰も認めてくれないだろうし。

結果的に僕が寝泊まりできる場所は限られる。


「ねぇ、にーちゃん。何してんの?」

「え?」


うろうろしていると、気になったのか青い髪の少年が声をかけてきた。

小学生低学年くらいに見えるけど、身長の差はそれほど大きくないのが辛い。


「さっきからうろうろしてるからさ」

「あー、その。どこか泊まれる所ないかなってね」

「泊まれる所かー。知らないこともないけど」



純真そうな顔をしていたその子の顔が突然ニヤリと歪む。

彼はどうやら何か僕にもとめているようだ。


「にーちゃん名前は何ていうの?」

「武藤遊戯だよ」

「へー、遊戯にーちゃんか、僕は紫雲院素良、そらって呼んで!」

「でそらは一体僕に何をして欲しいんだい?」

「遊戯にーちゃん、デュエル強いでしょ? 僕そういうの判るんだ。

 だから、もし僕に勝ったら教えてあげる。

 どう?」


なるほど、と思う。

彼は恐らくかなりの自信があるのだろう。

実際、デュエリスト特有の凄みがある。

僕はもう一人の僕と相談する。


『ああ、良いと思うぜ。ただし、俺がやる』

<何か思う所があるの?>

『そうだな、それに今のデュエルを知りたいというのもある』

<わかった、任せるよ>


僕ともう一人の僕の主導権が入れ替わる。

身長も何故か少し伸びる。

髪型はまだしも、肩幅とか身長が変わるのは少し煤けた気分になるものだ。

だけど、もう一人の僕は久々の外界ということもあり楽しそうだ。


「へー、今までと違って見た目から強そうだ」

「御託はいい、かかってくるんだな」

「いいよ、やろうか」

「「デュエル!!」」


遊戯LP4000

素良LP4000



「俺の先行! ドロー!」


カードを引こうとしたが、カードが出てこない。

俺は思わずデュエルディスクを見るが、故障でもしたのだろうか?


「何やってんの、先行1ターン目でドローできるわけないじゃん」

「え、そうなのか?」

「もしかして、旧いルールしか知らない?」

「……わかった。行くぞ」


少し恥ずかしいが、仕方ない。

このまま負ける訳にはいかない。

ルールを確認しながら戦うしかないか、幸いデュエルディスクが使える以上、問題はないはず……。


「カードを一枚伏せ、翻弄するエルフの剣士を召喚!」


翻弄するエルフの剣士 効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200




どうやら、エキスパートルールやマスタールールではないようだ。

デュエルディスクが衛星を通して受信したルールを確認するとマスタールール3となっていた。

なるほど、所々ルールが変わっているようだな。

召喚時に破壊されない効果が使えなくなっているとか、神のカード等も使いづらいな……。

召喚を無効にされない効果というのは別枠になっているようだ。

その上、ドロー補助のカードはデッキ内のものが軒並み使えなくなっている。

手札には天使の施しがあるが、使ったらルール違反になる……。


「じゃ、僕のターンだよ! ドロー!」


素良と名乗った少年は、楽しそうにプレイしている。

どんな手で来るのか。

お手並み拝見だ。


「とってもキュートなヌイグルミモンスター! ファーニマル・ドッグを召喚!」


ファーニマル・ドッグ 効果モンスター

星4/地属性/天使族/攻1700/守1000


召喚されたのは、つぶらな瞳の犬のヌイグルミ、確かにかわいいがクリボーだって負けてない。

『クリクリ〜♪』


「ファーニマル・ドッグのモンスター効果! デッキからファーニマル・オウルを手札に加えるよ!」


手札を補充してきたか、俺に見せたそのカードはレベル2のモンスター。

ドッグの効果も強力なものだった、ならオウルも効果の強いモンスターなんだろう。


「ファーニマル・ドッグで翻弄するエルフの剣士に攻撃だ〜♪」


攻撃も可愛い感じになっているが、攻撃力1700、確かに翻弄するエルフの剣士にとっては不利な攻撃だ。

それくらいの計算はしているのだろう、だが俺だって対処を考えてない訳じゃない。


「トラップ発動! 六芒星の呪縛! 効果対象となったモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない!」

「むー、なら、永続魔法トイポットを発動だよ!」


ファーニマルドッグの攻撃が通らなくなった事については、気にしていないようだ。

だとすれば……。


「トイポットの効果発動! 手札を一枚墓地に送り、デッキから一枚カードをドローする!

 そのカードがファーニマルモンスターだったら特殊召喚できるんだよ♪

 僕の引いたカードは、ファーニマル・ウイング! だから守備表示で特殊召喚するね♪」


ファーニマル・ウィング 効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻 100/守 100


「ターンエンドだよ♪」



やはり、カードの効果が効率的になっているな。

俺の知るカードはもっと、カード効果のシナジーが薄い物が多い。

油断していると直に負けてしまうかもしれないな。


「俺のターン、ドロー!」


引いたカードは……バフォメット!


「翻弄するエルフの剣士を生贄にバフォメットを召喚!」


バフォメット 効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800


「バフォメットの効果発動! 幻獣王ガゼルをデッキから手札に加える!」


まだまだ、相手の手の内は見えない、そんな時はやはりこいつらだ。


「そして、魔法カード融合を発動!」

「えっ!?」

「フィールドのバフォメットと手札の幻獣王ガゼルを融合! いでよ! 有翼幻獣キマイラ!!」


有翼幻獣キマイラ 融合・効果モンスター

星6/風属性/獣族/攻2100/守1800

 
「有翼幻獣キマイラでファーニマル・ドッグに攻撃! 幻獣衝撃粉砕(キマイラ・インパクト・ダッシュ)!!」

「くぅぅ!」


素良LP4000→3600


「ターンエンド」


「へへっ、そう来なくっちゃ! でも融合なら負けないよ♪

 僕のターン、ドロー!」


融合で負けないか、なるほど。

素良も融合を使う、それも恐らくメインとして使うんだろう。

お手並み拝見だな。


「僕はトイポットの効果で手札を一枚墓地に送り一枚ドロー!

 ドローしたのはエッジイップ・シザー! ファーニマルモンスターじゃないから墓地に送るね」


今墓地に送ったモンスター、明らかにファーニマルとは毛色が違うモンスターのようだ。

キーカードのように見えるが、一体どういう……。


「手札からファーニマル・オウルを召喚!」


ファーニマル・オウル 効果モンスター

星2/地属性/天使族/攻1000/守1000


「ファーニマル・オウルの効果発動! デッキから融合魔法カードを手に!」


モンスター効果が便利になってるな……。

つまり、融合モンスターも俺の知る程度ではないということか?


「墓地のエッジイップシザーの効果発動! 手札を一枚デッキに戻して表側守備表示で特殊召喚!」


エッジインプ・シザー 効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守 800



「なに!?」


強いモンスターというわけではないが、墓地召喚がゆるい。

毎ターン墓地から戻ってこれるってわけか。


「魔法カード融合を発動! 悪魔の爪よ野獣の牙よ! 今一つとなりて新たな力と姿を見せよ!」


さっきまでとはノリが完全に違う、今までのが演技なのか両方本当なのかはわからないが。

カードに精神が影響されているのか?


「手札のファーニマル・ベアとフィールドのエッジイップシザーを融合召喚!

 表れ出ちゃえすべてを切り裂く戦慄のケダモノ! デストーイ・シザー・ベアー!!」


デストーイ・シザー・ベアー 融合・効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守1800


「バトル! デストーイ・シザー・ベアーで有翼幻獣キマイラに攻撃!」

「チィ!」

遊戯LP4000→3900


「有翼幻獣キマイラの効果発動!

 有翼幻獣キマイラが破壊され墓地へ行った時、素材となったモンスターを一体墓地から特殊召喚する!

 俺はバフォメットを守備表示で特殊召喚!」


バフォメット 効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800


「追撃できなかったかー、でもこちらも効果発動!

 デストーイ・シザー・ベアーは戦闘で破壊したモンスターを墓地から特殊召喚して装備することができる!」

「なにぃ!?」

「更に、装備したモンスター一体につき攻撃力が1000アップする!」


攻2200→3200


「攻撃力3000を越えた……」


普通に低級モンスターを2体融合しただけでこれほどの強さを持っているとは。

しかも、これだけということはありえないはずだ。


「ターンエンドだよ♪」


攻撃力3200のモンスターを倒すにはそれなりの方法が必要だ。

デッキを信じる、それだけが今の俺にできること。

だから……。


「俺のターン、ドロー!」


引いたのはビックシールドガードナー

今の状況をひっくり返すカードはまだない。

仕方ないな。


「モンスターを伏せてターンエンド」



「僕のターン、ドロー! キタキタキタ!!」


素良が思い切り喜びの表情を表している。

これは、このターンで終わらせるだけのカードが揃ったということか。


「魔法カード、魔玩具補綴を発動ッ!! このカードの効果でデッキから融合魔法カードとエッジ・イップシザーを手札に!」


な……、さっきの融合の状況からすれば恐らく、これでもう一度融合ができるということ……。


「手札のエッジイップシザーとファーニマル・ウィングを融合! 

 悪魔の爪よ猛禽の翼よ! 今一つとなりて新たな力と姿を見せよ!

 表れ出ちゃえすべてを引き裂く至高のケダモノ! デストーイ・シザー・タイガー!!」


デストーイ・シザー・タイガー 融合・効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻1900/守1200


「デストーイ・シザー・タイガーの効果発動! 融合素材モンスターの数だけ相手フィールドのカードを破壊できる!

 といっても、そっちにあるのは一枚だけ、裏守備モンスターを破壊!」

「くっ……」


ビックシールドガードナーが……これでフィールドはがら空き……。


「更に、デストーイ・シザー・タイガーの効果、

 フィールドのファーニマル及びデストーイモンスターの数X300ポイントデストーイモンスターの攻撃力を上げる!

 僕のフィールドにはデストーイ・シザー・ベアー、デストーイ・シザー・タイガー、ファーニマルオウルの3体!

 よって900ポイントアップする!」


デストーイ・シザー・ベアー

攻3200→4100


デストーイ・シザー・タイガー

攻1900→2800


確かにこれなら、勝利を確信してもおかしくない。

凄まじい制圧力だ。


「これで終わりだね! デストーイ・シザー・ベアーでダイレクトアタック!」

「手札より、クリボーを捨てて戦闘ダメージを0にする!」


これで、手札に残っているのは天使の施し一枚のみ。

使えない以上無いのと同じだ。


「なっ……でも、デストーイ・シザー・タイガーとファーニマルオウルの攻撃は受けてもらうよ!」

「ぐぁぁぁぁぁ!!!?」


遊戯LP3900→100


「ターンエンド」


タイガーが2800でオウルが1000、ほとんど偶然だが100残った。

フィールドにカードはなく、手札には使用不能のカードが一枚。

相手側には大型モンスター2体と小型1体、手札はない。

この状況で逆転が可能なカードは……。


「俺のターン、ドロー!!」


なるほど、このカードなら使えるかもしれない。

ジリ貧になるより、一発逆転にかけるのが俺のやり方だ。

それにしでも、このカードを普通に召喚できるようになっているのはいいな。


「俺はクリバンデッドを召喚!」


クリバンデット 効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 700


「エンドフェイズ、クリバンデッドの効果発動!

 自身を生贄にデッキから5枚のカードをドローしそのうち、魔法か罠カードを1枚手札に加える!

 ターンエンド!」


これでまた、俺のフィールドはがら空き。

だが、このまま終わるつもりはない。

このカードと次のドローで逆転してみせる!


「へぇ、この状態からどうにかする気なんだね、楽しみだな〜♪ どんな手で来るんだろ?

 でも、僕のモンスター達の攻撃を耐えられればだけどね!

 僕のターン、ドロー!」


この状況は、素良にとってはほぼ勝利確定だろう。

だが、素良は笑っている用に見えて、目はまだ俺の動向を伺っている。


「じゃあ、そのままバトルだ! 僕のモンスター達でダイレクトアタック!」

「俺は、墓地の超電磁タートルを除外してバトルフェイズを終了する!」

「なるほど、さっき墓地に送っていたんだね。

 じゃあ、僕も墓地のファーニマルウイングの効果発動!

 墓地のこのカードを除外して、一枚ドロー! そしてトイポットを墓地に送る事でもう一枚ドロー!

 更に、トイポットを墓地に送った事でデッキからエッジイップ・シザーを手札に加える!」


なっ、ドロー補助のカードでもないのに、既に効果を使った後のカードで3枚ドロー……。

圧倒的なカードパワーだ、強欲な壺や天使の施しより強力だと言っても良いくらいに。


「そして、手札のエッジイップシザーとファーニマルマウスを融合!

 悪魔の爪よ野生の飢えよ! 今一つとなりて新たな力と姿を見せよ!

 表れ出ちゃえ! 追いかけ食らう暴食のケダモノ! デストーイ・シザー・ウルフ!!」


デストーイ・シザー・ウルフ 融合・効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2000/守1500


3体目のデストーイモンスター、熊、虎、狼。

攻撃はもう出来ないはず。

これはつまり、攻撃力の増強狙いか。


「更に、手札からファーニマル・ペンギンを召喚!」

ファーニマル・ペンギン 効果モンスター

星4/水属性/天使族/攻1600/守1100


「そして、ファーニマル・オウルを守備表示に!

 これで3体のデストーイ・モンスターは攻撃力1500アップ!」


デストーイ・シザー・ベアー

攻4100→4700


デストーイ・シザー・タイガー

攻2800→3400


デストーイ・シザー・ウルフ

攻2000→3500


「これで、ターンエンドだよ♪」


デストーイモンスターは一体一体はそれほど攻撃力が高いわけじゃない。

融合で出す事を思えばだが。

それが3000を遥かに超える攻撃力となっている。

だが、崩す事自体はそれほど難しくない。

ファーニマルモンスターを先に崩せばいい、しかし、それではデストーイモンスターが残ってしまう。

つまり、このままの素良のターンが来れば終わりだということだ……。


「俺のターン、ドローッ!!」


魂を込めたこのカード、逆転できるか否かはまだまだ賭けの要素が強い。

しかし、デッキを信じればできるはず!

これは!? さっき入れたこちらのカード!

いける!


「手札より、貪欲な壺の効果発動!

 翻弄するエルフの剣士、クリボー、バフォメット、

 ビッグシールド・ガードナー、クリバンデッドをデッキに戻し2枚ドロー!」


来た! しかし、普通のデュエルで使って良いのだろうか?

だが、これしかない!


「永続魔法、魔力倹約術を発動! これにより魔法発動に関するコストは不要になる!

 更に、手札からエルフの剣士を召喚!」


エルフの剣士 通常モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200


3枚に増えた手札も残り1枚、しかしこのカードさえあれば……。


「俺は魔法カード魔力倹約術によりライフコストを無視しレジェンド・オブ・ハートを発動!

 クリバンデッドの効果により墓地に送られた、ティマイオスの眼、クリティウスの牙、ヘルモスの爪の三枚を除外し。

 フィールドのエルフの剣士を生贄に、合神竜ティマイオスを融合デッキより特殊召喚!」


合神竜ティマイオス 融合・効果モンスター

星10/光属性/戦士族/攻 ?/守 ?


フィールドに巨大な竜が現れる。

このモンスターはまともとはいえない強さを持っている。

だが、正直このレベルでないと今のデュエルについていけそうにない……。


「ねぇ、このモンスター何なの? すごいすごい! かっこいい!!」

「俺のデッキのエースの一つだ」

「へぇ、何枚もエースがあるんだ」

「デュエルを続けるぞ」

「うん!」


デュエルはいつも真剣だ、だから、許せとは言わない。


「合神竜ティマイオスでデストーイ・シザー・ベアーに攻撃!」

「迎撃だー! トーイ・シザー・ベアー!」

「合神竜ティマイオスの効果発動! バトルフェイズ中、攻撃力・守備力はフィールドの一番高い攻撃力と同じになる!」

「えっ、つまり」

「デストーイ・シザー・ベアーと同じ4700になる! 行け! ジャスティス・ソード!!」

「えぇぇぇl!? 相打ち!?」

「モンスターが減ったことによりデストーイモンスターの攻撃力が300下がる」


デストーイ・シザー・タイガー

攻3400→3100


デストーイ・シザー・ウルフ

攻3500→3200


「更に、合神竜ティマイオスの効果発動!

 このモンスターが戦闘破壊された時、3人の伝説の騎士をデッキから特殊召喚する!」


伝説の騎士ティマイオス 特殊召喚・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2800/守1800

伝説の騎士クリティウス 特殊召喚・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2800/守1800

伝説の騎士ヘルモス 特殊召喚・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻2800/守1800


「伝説の騎士ティマイオスでファーニマル・ペンギンに攻撃! ジャスティス・ソード!!」

「うぁぁ!?」


素良LP3600→2400


「モンスターが減ってデストーイモンスターの攻撃力が下がる」


デストーイ・シザー・タイガー

攻3100→2800


デストーイ・シザー・ウルフ

攻3200→2900 


「伝説の騎士クリティウスで・デストーイ・シザータイガーに攻撃! ウィズダム・ソード!!」

「がっ!?」


同じ2800の攻撃力なので相打ちにしかならないが、あれを残しておくのは不味いだろう。


「デストーイ・シザー・タイガーがいなくなったことで、デストーイ・シザー・ウルフの攻撃力上昇がなくなる」


デストーイ・シザー・ウルフ

攻2900→2000


「デストーイ・シザー・ウルフに、伝説の騎士ヘルモスで攻撃! フリーダム・ソード!!」

「ぎぃぃ!!」


素良LP2400→1600


俺はバトルフェイズを終了しメインフェイズ2に移行する。

そして、また新しいカードを使う。


「更に、クリバンデッドの効果で墓地に送った最後の一枚。

 錬金融合をデッキに戻し、シャッフルした後一枚ドロー!」


引いたカードは……これでなんとかなるといいが。


「装備魔法、稲妻の剣を伝説の騎士ティマイオスに装備しターンエンド!」


伝説の騎士ティマイオス

攻2800→3600


俺の打てる手は全て打った。

こちらのフィールドには伝説の騎士ティマイオスと伝説の騎士ヘルモス、

素良のフィールドにはファーニマルオウルが残っている。

後は、素良がどう出るかだな……。


「やったな〜僕のターン、ドロー!!」


声はともかく目は真剣だ。

多分、向こうの最後の切り札が来るはず。


「キタキタキタ! 行くぞ! 僕は手札から魔玩具融合(デストーイフュージョン)を発動!

 このカードはね、墓地にあるモンスターでデストーイを融合できる!

 墓地のデストーイ・シザー・ベア、デストーイ・シザー・タイガー、デストーイ・シザー・ウルフを除隊して。

 悪魔宿りし玩具よ歯向かう愚民を根こそぎ滅ぼせ!! 融合召喚!

 現れいでよ、全ての玩具の結合魔獣! デストーイ・マッド・キマイラ!!」


デストーイ・マッド・キマイラ 融合・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2000



「デストーイ・マッド・キマイラはね、相手モンスターの数X300ポイント攻撃力があがるんだ!」


デストーイ・マッド・キマイラ

攻2800→3400


「結構楽しかったよ! でも、前のターンで倒しきれなかった君の負けだよ!

 行け、マッドキマイラ! 伝説の騎士ヘルモスを攻撃!」

「伝説の騎士ヘルモスのモンスター効果発動!

 ヘルモスが攻撃を受けた時、墓地のモンスターの効果を使う事ができる!

 俺が選択するのは合神竜ティマイオスの効果!

 フィールドで最も高い攻撃力と同じとなる!

 フィールドで一番高い攻撃力は稲妻の剣を装備した伝説の騎士ティマイオス!

 つまり攻撃力3600になる!」

「なにぃ!?」

「迎撃しろ! ヘルモス! フリーダム・ソード!!」


「ぐぅぅぅ!!?」


素良LP1600→1400


「俺のターン、ドロー!

 そしてヘルモスでファーニマルオウルを攻撃!」

「がっ」

「ラストだ、ティマイオスでダイレクトアタック!!」

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっっ?!!」

「ふう……俺の勝ちだ」

「まっ……まいった」



尻もちをついた素良に手を貸す。

本当にギリギリだった。

というか、クリバンデッドの効果がなければ確実に負けていた。

運が良かったとしか言えないデュエル。

この先、俺もこの時代のルールに適応しないとな。

<そうだね、もう一人の僕>

口出ししないでくれてありがとうな。


その後、俺達は素良に遊勝塾という場所に案内されアクションデュエルなるものを知ることになる。


そして、またデュエル漬けの日々に戻るのだが、それは別の話。











あとがき


13週年記念ということで、とりあえず書いてみたのですが。

実はネタ不足でとりあえずという感じなんですよ……。

ま何か面白いもの探しておきますねー!



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