アティは俺にそのことを言われて初めて気付いたかのように言う。



「あ……そう、ですよね……なんでこんなに……」

「やはり不安になっているのだろう、色々あったからな」

「そうですね……でもそんなに気にしているつもりはなかったんですけど……」

「今日は早めに休んだらどうだ? 授業中のこともあるしな」

「あう……もう、そのことは忘れてください!」



赤くなるアティを笑って見送り、しかし、何かあったのだろうと踏む。


今の状況で彼女が落ち込むのはまずい。


帝国軍のこともそうだが、喚起の門に関しても落ち着いて当たらねば彼女が傷つく事になるのは容易に予想できる事だった……。







Summon Night 3
the Milky Way




第八章 「臆病であるという事」第二節



今日は私は青空学校の事を相談しに、ゲンジさんの庵にやってきました。

まあ、昨日のことがばれてないか探りにという意味もあったりしますが……。

案外に教師が教えることというのは多岐にわたっていて、バランスよく教えるというのが難しいんです。



「そうか、数学はまだ急がない方がいいかもしれんの」

「はい、スバル君もパナシェ君も数え方の基礎をきっちりやったほうがいいと思います」

「では、歴史はどうじゃ?」

「ようやく聖王国の建国までこぎつけました。

 でも、それ以前のことは分かってないことも多くて……あやふやな授業になってなければいいのですけど」

「まあ、仕方ないじゃろ。しかし、この世界の歴史はワシには分からんからな」

「あっ、はい。後帝国語は書き取りを教えています。もうだいだい形になってきたと思います」

「そうか、しかし、この帝国語とやらはアルファベットに似ておるな。源流は同じか? いや、すまんな。わき道にそれてしまった」

「いえ、それで後は音楽と美術なんですが」

「ふむ、それも大事じゃろうが、理科はいらんのか?」

「理科ですか?」

「科学技術に関する授業やらじゃが、ホレそこのラトリクスでつかっておるような」

「あーそういうのは、私では教えられそうに無いです」

「なに、そんなに難しい話でもないわい、もっと基礎を教えればいいだけじゃからな」

「基礎ですか?」

「ああ、例えばマキを燃やして暖を取るじゃろ、あれはなぜ暖を取れるかわかるか?」

「えっと、なんでなんでしょう……」

「端的に言えば、燃えるという現象は熱を発するという事じゃ」

「え?」



確かに、燃えたら熱いですけど、それははしょりすぎな気がします。

教える立場の人がそれでいいのかと私が困った顔になると。

ゲンジさんは少し顔を和ませて、



「まあ、難しく考えんでもよい。つまり原因があって結果がある、科学技術とはその集大成にすぎん」

「はあ……」

「なんなら、もっと細かく言ってやろうか?

 燃えるという現象でもっとも代表的なものは空気中の酸素が炭素と化合して二酸化炭素を作り出すという事じゃ。

 化合には熱が伴う、火とはつまり酸素が化学反応しているその課程にすぎん。

 つまり、酸素さえあれば大抵のものは燃えるゆえ危険でもあるがな。

 どうした?」

「いえ、ごめんなさいやっぱりさっきの説明で十分です」

「そうか、まあようはこの原因からはこの結果が生まれるという事を教えてやれば今後の生活でも生かせるじゃろ」

「そのとおりですね、では今後理科の授業を入れてみます」

「うむ、期待しておるぞ」



ゲンジさんは苦手ではありますが、教育と言うものを教えてくれるこの島唯一の人です。

それに異世界の学校制度は進んでいて、私には勉強になることばかりです。

時々複雑すぎて理解できないのが玉に瑕ですが……。

でも、こんなに教育に詳しい人ですもの、もといた世界でもいろいろな人に教える立場にあったのでしょう。

だとしたら……。



「ゲンジさんは元の世界に帰りたいと思わないんですか?」

「さほど帰りたいとは思っとりゃせんよ。向こうの世界でのワシの役目は終わったようなもんじゃからな」

「え?」

「一教師として最後まで勤め上げたし、孫の顔も見ることが出来た。

 バアさまに先立たれどうするかと迷った矢先にここに喚ばれたのじゃよ」

「……」 



それは確かにそうなのかもしれません。

普段言動が力強いですから、忘れがちですが、ゲンジさんはもう80歳近いお歳だとか。

特殊な種族や年を取らない魔法を使っている人を除けばゲンジさんのお歳で元気でいる人は殆ど見かけません。

でも、それだけに今はお孫さんや教え子の人達に囲まれて暮らしていてもおかしくは無いのに……。



「そんな顔をするでない、このバカタレめが! ここは余生を過すには悪くない場所じゃぞ。

 やることもなしにぼけっと生き続けるよりは、ずっと充実しておるわい」

「ゲンジさん……」

「そのうえ、お前という若造教師の教育だってせにゃならんのだぞ。まだまだ楽隠居は出来そうにも無いわい、わっはははは!」

「そ、そうですよね!? これからも、よろしくご指導願います!」

「うむ」



心なしかゲンジさんが元気になった気がして私も嬉しかったです。

ゲンジさんには今後も良き師でいて欲しいと思います。

私はお茶をご馳走になってから、ゲンジさんの庵を離れることにしました。










最近気になっていることがある、ラトリクスの内部事情という奴だ。

アルディラが管理しているのは実はラトリクス全体から見れば一部地域に過ぎないという事だ。

別にアルディラの力が無いというわけではなく、稼動状態にある施設が少ないというだけの事ではあるのだが。

つまり、以前は多数の人間がここを使っていたという事であり、それは科学技術の恩恵を享受していたという事だ。



「召喚士達の宿泊施設や実験場が建てられていると聞いているが……」



言葉に出して周辺を伺いながら進む。

この辺りはラトリクスでは南部に位置する地区だ。

以前アティが迷い込んだ位置からかなり東に行った辺りにある。

以前は完全な施設図があったらしいのだが、召喚士達を追い出した際に図面も紛失したらしい。

中央タワーからなら見えてもおかしくないのだが。

ビル群のせいで、それらが視界から隠されており、何があるのか完全には把握し切れていないとの事。



「つまりは、コソコソするにはもってこいというわけだ」



俺は、北辰が生きていたという事実が分かって、動揺している。

それは、また奪われるのではないかという恐怖であり、復讐への歓喜であり、殺意である。

それを冷静に分析している自分にも呆れているが、それでもそういった感情を出す場がこの島には少ないのも事実。

俺にとってはこの場所は丁度いいうさ晴らしの場になりうる。



奴の事だ、俺に対して何かを仕掛けてくる事は目に見えている……。

しかし、俺は奴を殺したはず……いや、死体を確かめたわけではないか。

だとしても恐らく、そういったことは関係ないだろう。

俺自身もとの世界では死ぬのを待つばかりだったのだ、この世界で力を手に入れている可能性は高い。



「ならば、俺は……」



今の全力は来てすぐの頃よりは少し落ちている、奴と正面切って戦うのは辛い。

しかし、そうする事で奴の目が俺だけに行くというならそれでもいい。

だが……奴の残した台詞が気になる。


気を高め、かなり無茶な修練をしつつ考え事を続ける俺は、ふと見ると自分がガレキの山の上にいる事に気付いた。

ここはスクラップを寄せ集めて処理する施設か……しかし、稼動している感じではないな。

今は殆ど置きっぱなしか。



「もしもし……そこのお方……」

「ん?」

「ここです、ここ! このガレキの下にいるのであります」



俺は、機械音声にしてはユーモアのある声を耳にして足元を見る。

そこには、ロボットと思しき顔が埋まっていた。



「ふむ、まだ動いているのか」

「はい、であります! 助けて欲しいのであります!」

「……」

「ああ、無視して行こうとしないで欲しいであります!」



なんとも哀れっぽい声を出すロボットだな。

俺はそのロボットをよく見る、黒いロボット……見た感じの無骨さから恐らくは戦闘用だな。



「で、どうして欲しいんだ?」

「聞いてくださるのですか!?」

「あくまで簡単にできる事ならな」

「ありがとうございます! 宜しくお願いします!」

「先ずは言ってからにしろ、駄目かもしれないぞ」

「あ、はいすみません。実はソーラーーパネルが破損してエネルギーを供給できないのであります」

「ふむ」

「それで、エネルギーを少し頂きたいのと、私を太陽の元に出して欲しいのであります」



確かにそれほど手間のかかる事でもない。

ガレキは細かいものが多いので、蹴っ飛ばせば体の大部分は外に出た。

そして、バッテリーだが、俺のつけているバイザーの暗視ゴーグル機能のために常備しているバッテリーを一つくれてやる。

またメイメイの店にいくのは面倒だが、黒いロボットというとついブラックサレナを思い出してな……。



「こんなものでいいか?」

「ウマイであります!! 感激であります!! 数十万時間ぶりの補給! 大変に、おいしゅうございます!!」

「よく動いていたものだな」

「この状態になってから、その程度の時間は軽く経過したであります。

 本気はその間、予備の電源で最低限の機能を保持していたわけでありますな……」



軽く10年以上か……。

予備バッテリーが潤沢な上に、使用電力がかなり低くないとそうはいかないだろうな。

しかし、やはりこの区画はアルディラの管理下には無いという事だな。

物騒な物が残ってなければいいが。




「ごちそうさまでした。ええと……」

「アキトだ」

「アキト殿ですか、確かに記憶いたしました!

 私の事はヴァルゼルドと」

「ヴァルゼルドか覚えておこう」

「感謝するであります! アキト殿……。

 本機はこれより、補給したエネルギーで自己修復機能を作動させるであります。

 修復が終わり次第、このお礼は必ずさせていただきます!」

「気にするな、唯の気まぐれだ」

「気まぐれでも、私は助かったのであります! ですから感謝は変わらないのであります!!」

「……勝手にしろ、俺は帰る」

「はいっ! おやすみなさいであります!!」



なんとも破天荒なロボットだな、正直クノンよりも感情は豊かだ。


しかし、この島にはまだまだ知らない事があるようだな……。

















ゲンジさんの庵から帰って見るとキッチンからおいしそうな匂いと喧騒が漏れてきました。

これは……ああ、今日はオウキーニさんが来る日ですね。

私はお手伝いをするべくキッチンへと向かう事にしました。



「おいしそうな匂いですねー醤油ですか?」

「ああ、アティはん、お邪魔しとります」

「あ、先生おかえりー♪」

「何か手伝う事ありますか?」

「そやなー、じゃあ、これちょっとあえといてくれますか?」

「はい♪」



数種類の野菜を適度な大きさに切って、酢味噌にあえるだけの簡単な料理です。

どのみち、もう料理も終盤のようですし、大した仕事は残ってないという事でしょう。

その証拠にソノラの見ている鍋からは香ばしい匂いが漂ってきます。



「ソノラはん、そっちの具合はどうでっか?」

「うん、エビはいいカンジにゆだってきたみたい。真っ赤になってきてるよ」

「そんなら、鍋から出して水でさあっと洗っといてください」

「りょーかーい!」

「オウキーニさんが料理に来てくれるようになって、ご飯が楽しみですよね?」

「ホントだよねえ」



ソノラは嬉しそうに応じます。

やはり、オウキーニさんの料理はみんな気に入ってるんだなーと思います。

アキトさんの作ってくれた料理も良いと思うのですが、最近はタルト以来食べてないですし……。

でも、オウキーニさんの料理が刺激になっているとは感じます。

時々アキトさんとオウキーニさんが話している所を見かけますしね。

そんな事をふと考えていると、ソノラが話を続けている所でした。



「順番で集落を回るから毎日ってワケにはいかないのが残念ではあるんだけどなー」

「ユクレス村でも、風雷の郷でも、大人気ですもんね」

「そないにほめてもらうと困りますわ」



オウキーニさんは照れているみたいです。

でも、実際美味しいのは確かですしね。



「いっそのこと、海賊はやめちゃってお店を開くっていうのはどうですか?」

「うんうん、そしたら毎日でも通っちゃう♪」

「お店でっか……それも、ええのかもしれまへんな……」



そういわれて、さっきまで楽しそうに話していたオウキーニさんの声は少しだけ沈んだ物になったような気がします。

理由は分かりませんが、店を持つつもりは無いのだろうなという事だけは察せられました。













「なあ、あんさん……」

「ん?」



オウキーニは最近の恒例になっているように、料理を振る舞いユクレス村に帰るようだ。

俺はそのオウキーニを送っていく役を振られた、正確にはオウキーニに指名されたわけだが。

今日は島の外に出る事が出来ない理由について相談するとアティは言っていたが、考えて見れば俺は外の世界についても何も知らない。

丁度良かったとも言える。

だが……。



「あんさんが料理をせえへん理由ってなんどす?」

「料理……手慰み程度ならしているぞ、前にアティ達にタルトを振舞った事もある」

「でも、普段はせえへんのでっしゃろ?」

「……まあな」

「ウチかて一応料理人のはしくれです。あんさんが本当は料理をしたいと思っている事くらい分かります」

「そうかもな」



オウキーニは真剣な目で俺を見ている。

料理人……確かにオウキーニは料理人だろう、彼の料理は日本料理のようでいて、かなりアレンジが入っている。

創意工夫という点において十分料理人たりえる。旨いのだからなおさらだ。



「あんさん、なんか理由があって料理をやめてるんでっしゃろ?」

「……」

「もし、それが人を殺したからというような理由やったらウチも変わらしまへん」

「!?」

「ウチらは海賊でっせ、それも仁義の塊みたいなカイル一家と違う、汚い事もしてきてます」



オウキーニは真剣な目を崩さず、それでいてどこか諦めた風に、しかし、誇らしげに語る。



「ウチは店を開く事は出来ん、でもそれは人殺しやからと違う、ジャキーニ一家である事を辞めるつもりが無いからですわ」

「だが……」

「自分を追い詰めるのは簡単です。今まで間違ったことなんて誰でもぎょーさんありますさかい。

 でも、自分のやりたい事を続けるのは難しいでっせ。

 しがらみ、トラウマ、立場、人間関係、色々な理由でやりたい事がでけへんようになる。

 やけど、あんさんホンマにでけへんのですか?」

「それは」

「あんさんは迷っているように思います。やから言っておこうかいなと思って。

 余計なお世話かもしれまへんが、やりたい事が出来るのは今だけやないかと思うんです。

 やから精一杯やりたい事があるならやったほうがええ思います」

「ああ、そうだな」

「あかん、なんか説教臭くなってもうた、海賊がする話やおまへんな」



オウキーニは苦笑して少し早足になる。

俺は歩幅を変えず、少しだけ離れて言葉を返す。



「まあ、元テロリストに説教を垂れる海賊というのもいいんじゃないか」

「シャレになってませんわ、笑いの勉強した方がええんとちゃいまっか?」

「関西出身じゃないんでな」

「関西、はて、ああ……。あんさんのいた異世界ですか」

「そういうことだ」



オウキーニの言葉は関西弁に聞こえているが、そもそも、この世界では俺は意思疎通のために魔法がかかっているそうだから、信用できない。

よって、関西人云々について突っ込むことは出来ないという事だ。

どうでもいい事ではあるが……。



「そうだな、今度は俺が何かご馳走してやるよ」

「そうでっか、楽しみにしとります。もっとも同じ料理人として評価は手加減しまへんけどな」

「はは、そうだな真剣勝負という事で」

「では、ここまで送ってもうたら十分です。一応ウチもそこそこ腕は立つつもりやさかい」

「じゃあ、また次の料理当番の時に」

「その時には料理期待しておりますで」

「ああ、料理人に食べさせられるだけの料理を用意しておくよ」



オウキーニと俺はふと笑って、そして別れた。

以前も思ったが、オウキーニはかなりできる奴らしい、戦闘はそこそこだが、

料理、それにあの艦長の命令を部下に伝達する係りとして、参謀的なこともこなす。

オールマイティに能力の高い人間だという事だ、人のいい外見に騙されると痛い目にあう。

しかし、料理人としての真剣さは見習うべき物があるかもしれない。

前向きに料理をして見ることを考えるべきかもしれないな。











アキトさんがオウキーニさんを送っていった後、私達は食堂で集まっていました。

島を出ようとして押し戻されるといったジャキーニさん達の言葉。

アズリア達は気がついていないようでした。

現時点ではカイルさんのこの船も修理が終っていないので確かめる術はありませんが、恐らく間違いないでしょう。

先ずそういう点から話し合うようです。



「島を出ようとすると嵐に押し戻されてしまう……ジャキー二さんの船はそのせいで使い物にならなくなっちゃったんですよね」

「言ってる連中が連中だから、疑わしいとは思っちゃいるんだが。今は、試しようも無いしな」

「ここが実験施設だった事を考えれば結界がはってある可能性は充分ありえます。

 外的の侵入を防ぐだけでなく、召喚獣が逃亡することを防ぐために」

「檻ってことか……」



確かに、檻という考え方は否定できないです。

召喚士達の実験場であったとして、これだけの規模です。

表立った派閥がやっていたなら直に噂になったでしょう。

それを防ぐためにも出入りは出来ないに越した事は無いですからね。

でも……。



「……でも、私たちあの嵐を抜けて島に入れちゃってるんですけど???」

「それも恐らく剣の力によるものでしょう。これは私の推測に過ぎませんが。

 その剣と、この島にはなんらかの因果関係があるのかもしれません」

「ともあれ、試してみるまでわからねえってことか……」



確かに海賊船が直ったとしても、ぶつけるのはやめておいた方がいいですし、何か上手く試せる物があれば……。

ってあれ?

何か大事な事を忘れている気がします。

……ああ、そうだ。



「島の人ならしっているんじゃありませんか? だったら、サハギンさん達とかに聞いてみれば……」

「俺はいつらにはもう会いたくないが、確かに一理あるな」

「いえ、それはやめておいた方がいいと思います」



ヤードさんが私達を止めます。

それは結構真剣な表情で、私達も緊張します。



「どういう意味ですか?」

「推測に過ぎませんが、この島の住民は結界の事を知らないか、あるいは故意に忘れさせられている可能性があります」

「おいおい、そりゃ一体……」

「先ほども言ったでしょう、この島は檻である可能性があると」

「はい、ですがそれを知らないというのは……」

「つまり、その事を知っていれば何とかして結界を破ろうとするでしょう、

 1年や2年では難しいかもしれませんが少なくとも10年以上この島はこのままでしょう。

 それだけあれば抜け道を見つけていても不思議ではない」

「それは……」

「ですが、島の住民からその手の言葉が出た事はありますか?」

「いや、そういえば無いな……」



確かに、島の人達から外に出ようとして何かしたとかって言う話は聞きませんね。

それに、この船の修理を手伝ってもらっていますが、結界などについては全く何も言われていません。



「でも、ほらスバル君やパナシェ君が学校に来てくれるのは外に出る事を前提にしてるじゃないですか」

「それに、単にジャキーニ達が嘘を言ってる可能性もあるだろ?」

「確かに、そういう面があるのも否定できません。

 しかし、逆に島の住民が外に出ないようにそういう知識は消されている可能性もあります。

 そして、もしそうである場合そういう質問は命取りになる可能性があります」

「命取り?」

「いくらなんでも……」

「そうです。結界の事を島の住民が知れば、島中がパニックに陥る可能性が高い。

 更に自分達がなぜ今まで試さなかったのかを考え始めた場合、今までの術の反動で暴走する可能性も……。

 もちろん、そういう事を考えないようにさせられていた場合はですが」

「はあ」

「まあ、別に今すぐ聞く必要は無いし、ヤードのいう事も分からなくはねぇ。暫くは黙っておくとするか」

「そうですね、確かにそういう可能性も否定できません」



ゼロではないという程度にですけど。


しかし、ヤードさんは深読みしますね、いつもこうだと疲れそうに思えますが……。


でも、そうですね……今までの事を見つめなおして見るのはいいかもしれません。


それと、やはりこの剣について調べて見たいと思い始めていました。
























あとがき


SS今回のでストックは完全に打ち止めw

また自転車操業に逆戻りです。

一週間に一回ずつを目指していきますが、今後も続けていけるかどうかは気力次第かな(汗)

拍手は最近返事をしていない事大変申し訳ないです。

勿論確認はさせていただいております。

でも、わりあいギリギリでやっていますので……。

ってまあ、いい訳ですよね申し訳ない。

8章連続で刊行できるよう頑張りますorz




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