SSを読む前にお話しておく事があります。

このSSではアキトのために過去をある程度操作しております。

正直設定の分からないことも多いため、後に原作と違う事が分かる部分もあるでしょうがご容赦ください。

後、魔法に関しては、私アルメニア語の辞典は持っておりませんので、現時点ではオリジナル魔法は難しそうです(汗)

最後に、日本語が世界で通じる矛盾に関してはツッコミ無しの方向でお願いします。(というか、その辺はネギま!自体がそうですしね)


ここは過去の世界なのかそれとも全く違った世界なのか。

その辺りのことはさっぱり分からなかったが、俺はとりあえず日本を目指す事にした。

ヒマラヤ山脈からインド国境を渡り中国へ、その後もさ迷い歩きながら旅を続けてきた。

そして……。


「まさか、わたしとごかくにやりあうなんて、あなたなにものアル!?」

「何者と言われてもな……」


俺はいつの間にか闘いに巻き込まれていた。

最初はただ見ているだけだったはずなのだが……。

この娘は俺をその辺で伸びているゴロツキの仲間だと思ったらしい。

俺、見た目は4歳なんだが(汗)


「それに、アナタのつかっている技、けんぽうじゃないアルね!?」

「それは否定しないが」

「そんな人がなぜわたしをねらうアルか!?」

「狙ってない、ただ通りがかっただけだ」

「うそ! ぐうぜんとうりがかった人がこんなにつよいわけないアル!」


金髪碧眼に褐色の肌、どう見ても中国人ではないように見えるが、彼女の拳法は凄まじい。

とても4歳程度の幼女が繰り出しているとは思えない。

とはいえ、さすがに練りこみが足りないのか、どの技も連携があまい。

それでも確かにごろつき10人を簡単になぎ倒したその腕はかなりのものだ。


ただ、中国拳法は基本的に相手の心理を読んで先の先、後の先を使い分ける厄介な武術だ。

大振りに見える動きも、遠心力や重心移動を使った次の一手への布石である事が多い。

無理して突っ込めば逆転されているというわけだ。


「次の一撃で決める」

「ふふーん、いままでそんなことをいってかったやつはだれもいないアルね」


俺は、彼女の目の前に倒れ込むように地面を蹴らない足運びで、低い姿勢のまま進む。

そして、近接した状態から腕をつかみ捻り上げようとするが、彼女は一瞬早く飛びずさった。


「くっ、たいきょくけんアルか!? わたしも少しはかじってるね、そうかんたんにはひっかからないアルよ!」

「ナギはこれで一瞬騙せたんだが、拳法使いには難しいか」

「ナギってだれか!? 今はわたしとたたかっているアル! しゅうちゅうするね!」


彼女は俺の動きに合わせて、震脚とともに拳を繰り出し、体を捻って拳を打ち下ろし、すくい上げるように掌底を繰り出す。

俺は、ぎりぎりのところでその動きを追いながら、どこか余裕があるのを感じていた。


「ふふっ、さっきいちげきでとかいっていたアルが、むりだったアルね。止めアル!」

「それはどうかな」


頃合を感じた俺は、その場に立ったまま動かずにいた。

彼女は深呼吸をし、俺の防御ごと崩そうとためを作りながら震脚を繰り出そうとする。

しかし、そんな彼女の動きが急に止まった。

拳をにぎった彼女は少しだけ震え、何かを言おうとしてからパタリと倒れる。




魔 法使いにできる事








課外授業その3 『幼年時代』


倒れた彼女をとりあえず近くの草むらで寝かせる。

そのまま放り出して行っても良いのだが、彼女が倒したゴロツキが仲間を呼んでこないとも限らない。

それでは流石に寝覚めが悪いので俺は目覚めるまで待つ事にした。

しかし、数時間は目を覚まさないと思っていた少女は数分ほどでバッと体を起こし構えを取る。


「はっ!? あれ、いったいどうしたアルか!? あんなわざきいたことないね。うでをつかまれただけで……」


俺はその姿を見て少し驚くものの、元気のよさに少し頬が緩む。

しかし、彼女の腕には俺の手の跡が赤く浮き上がっている。


「これは……はっけいのいっしゅアルか? きが付かなかったアル……」

「まあ似たようなものだな。これで少しは落ち着いたか?」


実際は体から過剰に捻出される魔力を発散するためにとりあえず手から出す方法を思いついただけだが。

その後ごろつきの類を倒す手段としても良く使うようになった。

ただ、魔力が無駄に発散されているので威力はあまり無いようだ。


「どういう事あるか?」

「俺はちょっと理由があって旅をしている。こいつらとは関係ない」

「……そうみたいアルね。こんなに強いひとをなかまに出来るほどの奴らともおもえないアル」


まだノビているゴロツキどもを見下ろしながら少女は呟く。

そして少女は俺のほうへと視線を向ける。

しかし、4歳にしてははっきりした物言いをする少女だな。


「だとしたらもうしわけないことをしたアルね。わたしここではちょっとゆうめいアルから……」

「仕方ないさ」


俺は何気なく笑いかけながら言う。

俺も後ろめたい事が無いわけじゃない。

肉弾戦で応えてやりたいと一瞬だが思ってしまった。彼女の強さが気に入ったのだ。

拳法使いに魔力で対抗したのはほめられた事じゃないが、格闘では決着がつくまで時間がかかりすぎただろう。

そうなれば、無傷でというわけには行かない、場合によっては肉を切らせて骨を絶つような接戦になったかもしれない。

つまりはそういうことだ。

無力化をしていなければお互い無傷とはいかなかっただろう。


「そういえばなまえをきいてないアル、わたしはくーふぇい、アナタは?」

「アキト、テンカワ・アキトだ」

「ふーんアキト……アキト……いいにくいアルネ……そうアル、あっきーってよぶことにするね♪」

「あっきー(汗)」


考えて見ればあだ名で呼ばれるのも久しぶりだが、プリンス・オブ・ダークネスの次があっきーとは(汗)

世の中何が起るかわからんな……。

それにしても、中国は広い。俺以外にもこれだけ使える4歳児がいるとはな。

俺はエセ4歳児だから当然だが、クーフェイ(古菲)は本当に4歳なのだろうから、凄まじい。


「それであっきーはどこへいくつもりアルか?」

「そうだな……とりあえず日本まで行くつもりだ」

「にほんってうみのむこうある……えっとひとりでアルか?」

「その通りだが」

「……むりアル」

「どういう事だ?」

「よっつじゃのりものにのれないね。ひこうきもふねものせてくれないアルよ」


……4歳児に諭されるとは(汗)

しかし、その辺を考えて無かったわけでもない。

確かに成人してもいないのに普通は海外旅行など無理だろう。

インド〜中国国境を越えるのとは訳が違う。

あそこの場合、人の通れない山奥を通れば国境を抜ける事が出来た。

もちろん警備はあったが、やはり奥地となれば間隔が長い。

俺も普通の体なら残念していた所だが、この体は魔力のせいか異常なまでに頑丈だった。

しかし、海を泳いでわたるというのは流石に無理があるだろう。

だが……。


「イカダでも作って渡るさ。うまくいけば港町で木船くらい買えるかも知れないしな」

「ふーん、いろいろかんがえてるアルね」

「4歳児とはいえ稼がないと生きていけないからな、少しは金の稼ぎ方も知っている」


そう、頑丈な体を利用して畑を耕したり、

工事現場で誰よりもよく働き、後で金を請求すればよほどのごうつくでない限りある程度金や物をくれる。

寺に厄介になれば一応宿代わりに出来るし、大きな町なら大道芸などもやったりした。

ここ一年で俺も旅の生活が板についてきたと言えよう。


「でも、もっといいほうほうがあるアルよ?」

「ん?」

「ここはくーふぇいのじもとね、かあさまにたのめばふねくらいなんとかなるアル」

「だがいいのか?」

「はい?」

「見ず知らずの俺を簡単に信用してもいいのかと聞いているんだが」

「ああ、こぶしをまじえたらみなともだちアルね♪」


そういってクーフェイはほがらかに笑った、4歳児に疑う事を知れという事のほうに無理があったろうか(汗)

母親には多分断られる事になるだろうし、別に問題はないかな。

ただ下手して警察沙汰は勘弁だが……。


「では、頼んでも良いか?」

「まかせるアル!」


軽い気持ちで付いてきた俺は、クーフェイの家の前まで来て、少し立ち止まった。

これは……。


「大きな屋敷だな……」

「そうアルか? んーぶきょうのもとじめだから稽古するところはひろいアル」

「武侠?」

「けんぽうかのだんたいアル」

「つまり、中国の拳法家の元締めなのか?」

「そうなるアルね」


クーフェイはたいして気にも留めない様子でそうはなす。

しかし、そうなると立場的にまずいかもしれない……。

下手をすれば中国にいる間中拳法家たちに付け根らわれる可能性があるな……。

出来れば勘弁願いたいものだが。


「ついたアル」


門から中に入り、玄関までは200m近く。

その間に鍛錬と思われる団体行動をいくつか目撃した。

ざっと100人はいるだろう、みなそれなりの使い手のようだ、幼年の俺では正面から戦うのは難しいかも知れない。

魔力を使えば別だが……。


「ささ、なかに入るアル」

「……ああ」


俺は少し緊張しつつ屋敷の中へと入った。

そこでは、一人の女性が出迎えてくれた。

凛とした空気を纏った女性だ、武術家なのだから当然かもしれないが、流石に隙が見えない。

そんな思いにとらわれていた俺だが、女性は俺を見た瞬間破顔した。


「あらあら、クーフェイったら、隅に置けないアルね♪ こんな年で男の子を連れ込むアルとは」

「おとこのこだとすみにおけないアルか?」

「もう、クーフェイ。もうちょっと慣用句も勉強しなきゃだめアルよ?」

「そういわれてもアル」

「まぁいいわ、おやつはクーフェイのお部屋でいいかしら?」

「おお、おやつがあるアルか!?」

「肉まん作っておいたわ、手を洗って食べるのよ〜」

「手を洗ってくるアル〜!」


クーフェイは走って手を洗いにいく。

俺はそれを見てから母親の方に振り向いた。


「あの……」

「あの子を倒したの?」

「……」

「どうりでね、あの子自分より強い人にしかなつかないアルから」

「それは……」

「あの子あんなにうれしそうなの久しぶりよ。3歳の時に近辺の子供をほとんどのしちゃって。

 今じゃ町外れのゴロツキを相手に戦っているっていう話を聞いていたアルよ」

「あー……」


否定も出来ないほどそのままだ。

とはいえ、4歳児の行動じゃないな。


「仲良くして上げてくれるとうれしいアル」

「はぁ……」


そういわれても反応に困る、急ぐ旅というわけではないが、やはり日系であるせいか他よりは日本の方が落ち着く。

ナデシコを降りてから住んでいたせいでもあるのかもな、平和な時間の象徴なのかもしれない。


「やはり失礼します」


俺は、最近また敬語を使いはじめている、大人を相手にする時にはこの姿でどうこう言っても無駄だからだ。

だが、久しぶりに使うのでぎこちない事も多く、時折変に聞こえたりもするらしい。


「どうして? あの子の事嫌いアルか?」


この場合はやはりというか少し意味合いを違えたらしい、俺は出来ればこのまま立ちさりたかったが、

丁度そのタイミングで肉まんを加えたクーフェイが戻ってきた。


「あむあむ、あっきーも肉まんくわないか? うまいアルよ」

「えっ」


クーフェイはそう言うと肉まんの一つを俺に押し付けた。

クーフェイは4歳児とは思えない食欲で既に2つめの肉まんを食べている。

俺は戸惑ったが、今更つき帰すのも失礼だと思い肉まんをかじった。

久々に食べるまともな料理は旨く、すぐに平らげてしまった。


「おおー、いいくいっぷりね♪」

「まあまあ、おかわりも用意しないといけないアルね♪」


こうしていつの間にか俺はクーフェイの家で夕食を頂いていたのだった。

やはり人間空腹には勝てないな(汗)


「そうアルか、テンカワさんは日本に行きたいアルね?」

「はい」

「なんとかなるアルか?」

「そうね、知り合いに頼めない事もないアルけど……」

「?」

「クーフェイもつれていってくれないアルか?」

「って!?」

「はう!?」


硬直する俺とクーフェイ、どうやらクーフェイも知らされていなかったらしい。

この母親は一体何を考えているのか?(汗)


「理由はなんです?」

「この娘も旅がしたいと前から言っていました。とはいえ一人で旅に出すにはあまりに若いアル」

「ですが、俺は自分で言うのも何ですが素性が知れませんよ?」

「貴方、見た目どおりの年齢ではないアルね?」

「!?」

「クーフェイのように強い子も、頭の良い子も世界中には時々いるアル。だけど、その両方を持った子はいないね」

「……」

「だからこそ、クーフェイにはよい勉強になると思うアルよ」

「それは……」

「それに、クーフェイは勘の良い子だから、悪い人はつれて来ないアルよ」

「……わかりました、しかし責任はもてませんよ?」

「大丈夫。そろそろ私たち日本へ行く事になっていたから、ちょっと早まっただけね」

「まさか」

「2ヶ月ほどしたらこの住所に預けに来てくれればいいアル」


嵌められた(汗)

元々日本へ移住する目的があったらしい、ただ時期的にまだ難しいので、先に行っていろという事らしかった。

本来お供が何人か着くらしいが、その代わりに俺を使うという事だった。

とはいえ、2ヶ月もどうすれば良いのかは少し不安ではあった……。
















それから、一週間後。

俺は京都の関西呪術協会へとやってきていた。

本当は魔法に関わる気はあまり無かったが、このままでは生活するにも厳しい。

4歳児を雇う現場というのは日本には殆ど無いようだったし、施設は正直願い下げだった。

火星の孤児院を思い出してしまうから……。


詠春が置いていったメモによるとここで間違いなさそうだが。

佐世保にも寄りたかった所だが、クーフェイを連れて行くほどのことも無い。

だいたい、あのアパートはここにはないのだから。


「ここアルか? あっきーのいきたいところって」

「一応な、尋ねて来るといいとは言われている」

「ふぇぇ……かわったたてものアルね」

「これは、神社だな……呪術協会だからなのかは分からないが……」


呆然と見上げる俺とクーフェイ。

そこには大小さまざまな木造建築が数十にわたって存在していた。

鳥居で仕切られたその内側は異空間を思い起こさせる。

暫くそうしていると、巫女を思わせる女性が近づいてきた。

そして笑顔で問いかける。


「すんまへんなー、ここは一般公開はしておへんのよ。迷子やったら案内するからおうちへかえろか」


どうやら俺たちが迷子だと思ったらしい、いや実際誰でもそう思うだろう。

4歳児二人だしな(汗)


「詠春はいるか? いたらテンカワ・アキトが来たと伝えてくれ」

「!?」


俺は極力無駄を省き、理解してもらうように言った。

流石にここの人間の名前を出せば気がつくだろうと。


「貴方何者!?」


巫女は俺を鋭い目で睨みつける。

秘匿でもされているのか? 詠春の名前は。


「名前は言ったはずだ。伝えてくれれば分かる」

「……分かったわ、そこを動かないでね」


俺を不気味そうな目で見つめた巫女はそれでも俺の言葉を伝えに言ったらしい。

まぁ当然な部分もある、しかし、こんな村まであるという事は、呪術とやらは信奉者が多いんだな。

しばらくして、戻ってきた巫女さんは恭しく一礼すると、俺たちを奥へと案内した。


「おお、くーふぇいたち入れるのか?」

「ああ、どうやら詠春の言っていたことは本当らしいな」

「あの……できれば詠春様の事は呼び捨てにしないで欲しいのですが」

「? ああ、立場があるというわけか」

「はい」


巫女さん俺を睨みつけたいた訳はそういう事か。

詠春はここでは立場があるというわけだな。


俺とクーフェイは案内されながら、周りの把握に努める。

クーフェイもこういう所はしっかりとしているな……?


「あっ、あのいえ中までまるみえアルね! いったいどうやって生活するアルか!?

 あっ、このすなおもしろいかたちアル! すなやまつくってもいいアルか!?

 こっちにはいけもアルある! なかのさかなたべてもいいアルか!?」


前言撤回、やはり4歳児だ。

クーフェイは中を走り回っては珍しいものを探していた。

触ろうとしたり、暴走行為で巫女さんたちにたしなめられてはシュンとなるのを繰り返している。


俺たちはそれでも案内されるままに、本殿と思しき場所までやってきた。

それにしても、ここまでの規模の場所となれば住んでいる人間も100人程度では無いだろう。

魔法、いやこの場合は呪術か。

関西と銘打っている以上は日本の関西圏だけでそれだけの規模があるということになる。

憶測ではあるが、世界規模では少なく見積もっても何十万人かは魔法に携わるものがいるという事になるのではないか。


「やあ、来たんだねテンカワ君。一年ほどでここまで来るとは流石と行ったほうが良いのかな?」

「その節は世話になったな。流石にヒマラヤの山奥に置いていかれるとは思わなかったが」

「あはは、あのバカはアレで精一杯なんですよ。正義とか大仰なのが嫌いですからね」

「それで、住む場所は提供してくれるのか?」

「ええ、構いませんよ。これでも一応私が長に就任していますので、何かと融通は利きます。入り婿ですがね(汗)」

「なるほど」

「ところで、そちらのお嬢さんは誰ですか?」

「ああ……」

「くーふぇいアル。こんどこっちにすむことになったね。でもまだすめないアルよ」

「?」

「この娘の親は日本に来る事になっているらしい、引越しの間ついでだから旅に連れて行くように言われたんでな」

「なんともはや、ナギみたいですね」

「どういう事だ?」

「ほうっておいても女の子のほうからよって来るような体質がですよ」


詠春はあきれたように額に手を当ててから。

ふうっと一息つく。


「まあいいでしょう。ちょうど娘の遊び相手も欲しかった所ですし。

 またナギに呼ばれてましてね。暫くは帰って来れそうに無いんです。

 暫くの間そちらのお嬢さん……クーフェイさんにもこちらで過ごして貰いましょう」

「おお、いいアルか!?」

「はい、今娘を呼びにやりますから仲良く……?」

「せっちゃん! せっちゃん。おきゃくさまやー!?」

「ああっ、お嬢さま!? むやみに走っては」


なにやら騒がしい声が聞こえてくる。

ドタンバタンと音を立てながら、この部屋へとやってくる気配がする。

多分詠春の娘なんだろうな。


「お嬢さま、そっちではありません!」

「えー、まえはここにお客さまとおしとったやんかー?」

「それは、お仕事のお客さまです!」

「それにしても今日はかたいなぁせっちゃん。いつもみたいにこのちゃんって呼べばええのに」

「今の私はお嬢さまの護衛ですから!」

「もう、ゆーずーが効かんのやから」


今の言葉遣いだけで頬を膨らましているだろ事が容易に想像できる。

またドタドタとした音がなり響きそのままの勢いで襖が開かれる。


「同い年のお客さまってここなん!?」

「お嬢さま!?」

「あっ、やっぱりここや!」


嬉しそうに飛び跳ねそうな勢いではしゃいでいる子は予想通り4歳児程度の少女で、

つやつやとした黒髪が腰の近くまで垂れている。

全く癖の無い髪というのも珍しい、よほど細い髪質なのだろう。

そして、服装は和服、それも七五三にでも行くようなデザインのものだ。

目は細くしか開いていないが、黒くて大きな瞳が見え隠れしている。

その隣で護衛のようにたたずんでいる少女も同じように4歳児程度だが、

俺たちを値踏みするかのように睨みつけている。

髪の毛は長く伸びた黒髪を左側にまとめて縛るという変わった髪形をしている。

バランスが悪そうに見えるが本人は気にしていないのだろう。

服装はまるで巫女のように赤い緋袴(ひばかま)を履いているが、竹刀をしている所を見ると護衛のつもりらしい。

強さとしては、クーフェイほどにもいっていないだろう。

詠春の話からも察するに二人ともクーフェイと同い年だろうな。


「こら、このか。まだ呼んだ覚えは無いですよ」

「ええやん、どうせすぐに紹介してくれはるやろ?」

「ならばきちんと自己紹介をなさい、お客様があぜんとしているだろう?」


俺はどちらかといえば表情を変えずただ座っていただけだが、隣にいるクーフェイは違った。

なにやら嬉しげにはねるように近づいていく。


「おー、これがほんもののおじょうさまかー! いや、はじめて見たアル。いろ白いアルねー。さわってもいいアルか?」

「えっ……あ」

「お嬢さまに近づくな下郎!」

「おー、こんどはサムライアルか? それともみこさんあるか? すごいアルー!」

「わっ、私にさわるな!」

「こらっ、お客様の前だぞ」

「クーフェイ。あまりはしゃぐな」

「「はい」」

「あー、ちょうしにのっちゃったアル。ごめんネ」


流石に長の言う事は皆聞くということか、それとも教育お父さんなのか。

三人がシュンとした所で話を再開する。


「それじゃ、今更な気もするがこのか、刹那君。自己紹介をなさい」

「そんな改まってていうのも照れるけどー近衛木乃香ていいます。よろしゅうに」

「桜咲刹那、お嬢さまの護衛をしています。お見知りおきを」


二人とも教育が行き届いているのだろう。

堂に入った自己紹介だ。

多分これが初めてではないな。お客に何度も挨拶をする立場という事か。


「おおーでは、こちらの番アルね? わたしはくーふぇい言うアルよ。今はけんぽうのしゅぎょうちゅうアルね」

「テンカワ・アキト。旅をしている。特技は頑丈な事かな」

「頑丈な事ですか……やはりアレが作用しているのですか?」

「そうだな、お陰でアレから怪我をした事も無い」

「そうですか……」

「なあなあ、お父さま。ないしょ話なん? うちにも教えてよ〜」

「これは、あー、テンカワ君から聞いてください。私はすぐに出ないといけませんので。

 部屋の案内も頼みますよー」


そそくさと、出て行く詠春。

……逃げたな(汗)

しかし、出て行く前に俺に耳打ちをしていった。

このかには魔法の存在について教えていないらしい、秘密にしてほしいと頼まれた。

まぁ頼まれなくても俺には出来ないが。

良くこんな場所で隠せるものだ。

ある意味感心してしまうな。

と思っていると、目の前にこのかの顔が迫っていた。


「あんなー、人の話はきちんと聞いたほうがいいえ?」

「ああ、すまない。ちょっと考え事をな」

「今度はきちんど聞いてな?」

「ああ」

「お部屋を案内するさかい、その後で一緒にあそぼな?」

「……わかった」

「あっ、今の間はなんやのー?」

「いやすまん、ちょっと遊ぶ事に慣れて無くてな」

「そうなんかー、なら一緒に遊んで慣れたらええやん。きっと楽しいえ」

「そうだな」


このかは楽しそうに笑う。

そもそもこの年で影がある方がおかしいのだ、とはいえ俺はもう26という事になるのだが(汗)

今更遊びの中に入っていくのは勇気が要りそうだ……。


こうして、俺は関西呪術協会に厄介になる事になった。


ただ、刹那という少女が俺の事を睨みつけていたのが気になったが……。


その理由が分かるのは少し先の事となる。















あとがき


ヤヴァイ……クーフェイはちょっと出すだけにして関西呪術協会編まで終わらせようとしてたのに。

このままじゃ、次回いっぱい関西呪術協会編になりそうだ(汗)

まだ後2つほどポイントを抑えておきたいのに……。

なかなか終れそうに無い(汗)


さて、今回は随分感想が来ていたのでうれしかったです。

でも、舞乙姫のほうお休み中だから早い事課外授業を終らせたいんだけどね(汗)

キャラがよく動いてくれるので長くなって困る……。

本編をやるかどうかについては最終回までの感想次第つー事にさせてください。

今のところいっぱいいっぱいですし(汗)

でも、感想のいただけるものを作れるようにがんばります!


とはいえ、元々リクエストではじめたSSだけに本編の展開はあまり考えて無いのも心配ですね(汗)

やる事になった場合、急いで練り直ししないといけないかも?(滝汗)


※補足します。


@前回のアキトが古代神人の血を引いているという話ですが。

これは、火星の古代文明と地球の古代文明が同じものであるとした場合のオリ設定です。

ナノマシンに関してはエヴァの血のは魔力で分解してしまうという事にしました。

乱暴な設定で申し訳ないです。

アキトもこの血を受け、また賢者の石のせいでナノマシンはほぼ消滅しています。


A刹那は15歳当時では古菲よりかなり強いようですが、強くなろうと思ったきっかけはもう少し先の予定です。

そのため、今は楽しんで武術をしている古菲に分があります。

あくまでオリジナル設定ですが(汗)


WEB拍手を下さった方感謝です!
そしてコメントを下さった方にはエネルギーを頂きました♪
これをもってまた次回に挑む事が出来ます!


4月16日

21:26 よかった…アキト×ナギがなさそうで、本当に安心した
ははは、ナギは目立つキャラですからね(汗)
アキトはこれから女の子達と知り合いになってもらう予定です。
 
22:41 とても面白いです。出来れば本編まで書いて欲しいです。
頑張っておりますが、できれば先に舞乙をなんとかしたいですね(汗)
でも、これの反響が大きければ並行というのも考えて見ます。
 
23:11 楽しませてもらいましたー、そして展開が気になる。それとエヴァは約600歳らしいですぞー
ごめんなさいー、誤魔化しておきました(汗)
でも、正直今からだと悪あがきにしかなっていませんが……(泣)
 
23:18 アキトリボーン化・・・・・少年アキトの旅は続く 
wwwそんな感じにも見えますね。今は女の子達と知り合いにさせる事を始めています。
ネギ君より先に親しくなる事が目標かな?

23:28 面白かったですよ!これ以上増えると大変でしょうから 
23:29 中編でも我慢しますwでは頑張って下さい! 
申し訳ないです。舞乙も進めないといけませんしね(汗)
でもがんばります!

23:29 本編も希望。読んでみたいです!
それは最終回までの感想次第ってやつにして置いてください(汗)
沢山いただければエネルギーになりますから!(本気です)

4月17日


0:34 すごく面白かったです、出来れば続けて欲しいです 
そう言っていただけると嬉しいです! 兎に角次回も早めに上げられるように頑張りますね♪

0:45 ちびアキトの女難。う〜〜ん読みたいかも。ではでは次回をお待ちしてますです 
女難と言えるのかどうか不明ですが、今はただ仲良くなっていけるように話を進めています。
全員となんて無理ですので、せいぜい数人ですが(汗)

3:03 ハーレム希望龍宮とエヴァ必須 
ははは、できるだけご期待に添えるよう頑張ります。

7:33 すんごい、好みです! 
7:34 すごく面白いし楽しいです!是非本編まで書いてください!
本編までいけるかどうかまだ分かりませんが、次回は早めに出すつもりですのでまた見てみてくださいね。
 
12:26 黒アキトなのに弱いところが面白い! 
楽しんで頂けて何よりです♪
ただ強さに関しては比較対照が強すぎるだけの事ですから、今回のを見ると印象違うかも?

12:49 三歳児を一人で置いてけぼり・・・・ガ━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
ははは、まぁただの三歳児じゃないのでw死なない事に関しては折り紙つきです♪
 
12:56 アキトには文化祭でのカシオペアVSボソンジャンプ(時間跳躍)が見せ場デスヨッ、と無茶な期待上げ(゚∀
ですねぇ、考えない事も無いんですけど。そこまでいける自信はないな(汗)
何年かかるか想像もつかない……。

20:32 面白かったです。できれば長編にって無理ですかね? 
20:35 とりあえず頑張ってください。次回に期待してます。 
はい、頑張ります。
長編にするには平行連載にしないといけないんですけど、問題はやる気が持続しづらい事なんですよ。
やっぱりだんだんと感想っていうのは減っていきますからね。
それを糧に書いている私としては、辛い限りです。

21:02 むむむっ、おもしろいっ!ってことでやはり長編になる 
21:03 ことを期待してます! 
とりあえずこの中篇の連載の終わりに発表させていただきたいと思います。
なんといっても、続けるという事は力がいりますので。

22:34 最近ネギまのクロス読むのにはまっているものです 
22:35 この小説が本編まで行くことを切に願いますw 
そう言っていただけると、書いている甲斐もあります。
でも、長編にするには結局テンションの持続が問題でして。
サルもおだてりゃ木に登るじゃないですが、感想は力の糧です。


4月18日


1:17 設定がめっちゃおもろいし、興味深い!!ぜひ本編まで続けて欲しいです♪ 
ありがとうございます! 頑張れる限り頑張りますね♪ 次回もよろしく!

15:57 エヴァちゃん、アキトの血を吸ってしまった。ナノマシン入りなのに。
ははは、ナノマシンはエヴァの血の力で消滅した事にして置いてください(汗)
テキトーで申し訳ない。
 
23:45 自分としては、本編まで頑張ってほしいです。 
その辺は気力次第という事で、出来れば最後までお付き合い願えれば幸いです。


4月19日


14:24 続き楽しみにしてます。 
頑張ります! 今回のはようやく女の子達が出てき始めました。
ちょっとネギの世界らしくなってきたかな?

20:26 面白いです。長編でないのが本当に残念です。 
中篇ですが、最後までお付き合い願えれば幸いです。

4月21日


0:51 いやーー^^面白いっすよーw できればつづけてほしいっす 
そうですね、感想が続けば頑張る事が出来ると思います。
というか、私はそのために書いている人なので(爆死)


次回も頑張りますのでよろしくです!


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