その日俺は学園長の部屋に泊り込んで、色々とこの学園の事を聞いていた。

なるほど、この麻帆良学園都市は一種の結界であり、魔法界の一つといっていい場所のようだ。

ただし、表向きは普通の学園の集合体であり、魔法は秘匿(ひとく)されているらしい。

中でもこの麻帆良学園本校女子中等部は三学年合わせて2000人を越えるというマンモス校だ。

基本的にはお嬢様学校というほどの選別はしておらず、しかし偏差値は高いらしい。

そんな学校に俺を編入させようとしたわけの一つは、他の学校と比べて魔法関係者が多く、

また、事実として共学化を望む声が上がっているかららしい。

PTAなどは反対しそうな気もするが、どこかから圧力がかかっているとかいないとか。

その辺りはぼかされて、学園長からは聞き出せなかった……。

実質、俺がここに通う理由は無いに等しいのだが……超達の近くにいる必要があるのは事実かもしれない。



「さて、明日は色々とやってもらうぞ。はよう寝ておけ」

「分かった、しかし、あまり無茶な事をさせないでくれよ」

「ホッホッホッホ、それは明日のお楽しみじゃ♪」



この年寄りは何かたくらんでいるなと感じさせるには十分な表情。

だが、俺は学園そのものには興味ない、恐らくハカセや超だけが利用している何かがあるはず。

出きれば先ず怪しい場所の絞込みからはじめないといけない。

ここで宿を借りられたのは嬉しい事だが、幽霊生徒にならせてもらおう。


俺は現状を軽く認識していた、まさか同級生が全て魔法関係者というわけでもあるまいと。


しかし、その時の考えが甘かった事を俺は後々後悔することになる……。







魔法使いにできる事







ホームルームその2『学校へ行こう』



次の日、俺は本校女子中等部のでかい講堂の壇上で自己紹介をさせられていた。

学園長の紹介からはじまり長々と俺は壇上でい続ける羽目になった。

2000人以上の女子中学生に注目されるというのは、かなり疲れる。

もちろん、半数近くが余所見したり、自分たちで小声で話したり、中には立ったまま寝ている器用な娘もいるが、

それでも俺はこれだけ沢山の人間の前で話した事は無い、心を落ち着ける事は出来たが、それでも異様な熱気が俺に向かっているのが分かる。

俺は場違いな印象をどうしても拭いきれずにいたが、俺にとってはいつもの事でもあるので適当に受け答えだけして流す事にした。


それから、教室へと案内するために教師が迎えに来たのだが、ふと見ると知った顔だった。



「やあテンカワ君、前にイギリスに行って以来だね」

「タカミチか? 久しぶりだな」



元ナギパーティの若手、現在は教師をしていると聞いていたが……。

イギリスにも何度か訪れた事がある。ネギ達と親交があったせいで、俺も知り合いになった。

まぁ、最初に会った時は殆ど話もできなかったからな。

しかし、タカミチも年を取ったな……まだ二十代のはずだが無精ひげとオールバックと眼鏡の取り合わせは三十代を思わせる。

年齢相応の風格を持った事が無い俺としては羨ましい限りではある。

この体になる前の俺でも、無精ひげを生やしたら貧相になっていただけだろう事は想像に難くない。



「それで、テンカワ君は何をしに日本へ?」

「個人的な事だ」

「でも確かテンカワ君は修行中の身じゃなかったっけ?」

「その一環だと思ってくれて構わない、ただ、それだけでもないがな」

「なるほどね」



そんな会話を交わしつつ、教室へと向かう、俺にとってはあまり意味のない授業だが、初日から休むというのもあまりいい気はしない。

それに、ここの先生達の何割かが魔法使いであった事には少し驚いた。

今俺が騒ぎを起こせば、教師をしている魔法使い達を敵に回すことになる。

今の時点で事を荒立てる必要も無いという事ではある。

そんな事をつらつら考えているうち、1−Aというプレートのかかった教室の前についた。

タカミチが教室に入っていくと、ザワザワしていた声が静まり、起立、礼、着席との声が聞こえる。

タカミチの教師ぶりも堂が入っているな、まだ初めて5年程度の新任教師とは思えない。



「さて、今日は君達に新しい友達を紹介しよう、とはいっても、既に講堂で見ていると思うがね」

「えー!?」

「ちょっと待ってください!」

「うちって、女子校じゃないですか、男の子なんていいんですか?」

「でも、ちょっと格好よくなかった?」

「えーそうかな?」

「静まりなさい、既にこのクラスへの編入は決まった事です。さあ、テンカワ君」



タカミチに呼ばれたので、俺は教室に入る。

注目の視線が痛い、とはいえ、むしろぶしつけな視線や、嫌悪の視線には慣れているつもりだ。

しかし、好奇心で覗き込んでくるような目が一番多かった。

さっきとは、また違った意味で困る状況だ。

とりあえず、タカミチに進められるまま自己紹介を行う。



「テンカワ・アキトだ」

「!?」

「それで終わり!?」

「無口君!?」



反応はそれぞれだが、俺の事を歓迎しているとは言いがたい、このまま距離を詰めずにいられればそれに越した事は無い。

しかし、超が普通に学校に出てきているとは。

それに、俺に向かって手を振っている……、なめられているな……。

俺が一瞬口を開きかけた時、つかつかと俺に近づいてくる女生徒がいた、ロングヘアをおかっぱ風に駆り揃え、腰の辺りまで伸ばした髪が綺麗に流れている。

表情は、糸目に近い目を目一杯開いているようで、その瞳には何か炎が揺らめいているようだ、

明らかに俺に対して何か言いたい事がある顔だな……。

そのまま、俺が待っていると、少女は俺の目の前で足を止める。

そのまま振りかぶって、俺の頬をバチーンと音がするほどに叩いた。

俺は、うかつに避けてここで超や一般生徒に俺の事を知られる事を警戒したのだが、何故頬を叩かれたのか分からず戸惑う。



「おい?」

「なんで!? なんで、ウチに一言もいわんとイギリスに行ってもーたん!?

 ウチ、あの後ずっとあっくんの帰りをまっとったんよ?

 せっちゃんもあの時からウチに構ってくれへんし、ウチ……ウチ……」

「すまん……」



その少女はそのまま俺の胸に飛び込んで泣き始めた……。

本当はすぐに分かっていた、この女生徒がこのかだろうと、だが俺はしがらみをあまり作りたくなくて見ないふりをしていた。

だが、流石にそれを許してくれるほどこのかもお人よしではなかった、という事か。

だが、こんな状況で泣き出されるのは困る。

俺は教室の中で注目を集められ針のむしろ状態だった。



「まぁなんだ、テンカワ君とこのかさんは積もる話もあるだろうし、ちょっと教室から出てなさい」

「……は?」

「先生ありがとう」

「一時間目はロングホームルームだから、二時間目までには帰ってきなさい」

「はい、じゃあいこかあっくん」

「あっああ……」


俺はどうしていいのか分からず聞き返すが、このかは簡単に話を受けたようだ、タカミチからはとっとと出て行けという視線を感じる。

俺としては、派手な学園生活はご遠慮したいのだが、この調子では上手く行きそうにないな(汗)

そんな事を考えながら、このかについていくと、中庭らしき場所へと案内された。



「なぁ、あっくんは何のためにイギリスへ行ったん?」

「俺はずっと人を探している、あの時はそのヒントがイギリスにあると思っていた。だから向かった」

「それって、どんな人なん?」



このかは身を乗り出すように俺に質問を投げかける。

ナギの事を直接聞くなら、俺よりもむしろこのかの父親に聞いたほうが早い気がするが……。

まあ、仕方ないだろうな、この場合。



「簡単に言えば、傍若無人の塊だな、だがまぁ、助けられてしまった。

 あいつは、相手のいう事を聞かないヒーローといった所か」

「そないな人おるん? それで、その人は……女の人なん?」

「男だが……?」

「もしかして、あっくんそっちの趣味が!?」

「いや待て、どうしてそんな話になる?」



二人で木陰のベンチに座りながら、話しているのだが、今一かみ合わない。



「だいたいあの当時俺達はまだ4歳だったんだぞ? 恋愛云々が分かるはずもないだろう?」

「それはそやけど、あっくんはかなり若年寄やったからなー」

「若年寄……」



言いえて妙という奴か、結構核心を突かれているな。



「それに、ウチかてもうその時……」

「何か言ったか?」

「ううん、何でもあらへんえ?」

「兎に角、もうその時手がかりを手に入れた以上逃げられる前に行かねば間に合わなかったからな」



半分嘘ではあるが、ソレを悟らせないようにしつつ、話を進める。

このかは、きょとんとした目で見ているが、俺としてはこれ以上伝えようがない。



「逃げる?」

「そういう奴だと言う事だ」

「そうなん、でも……そうしたらもう、会ってきたんやね?」

「いや、結局会うことは出来ずに、また世界中を追い掛け回すはめになった」

「それで、見つけたらどうするつもりなん……?」

「ぶっ飛ばしてやりたいな。勝手に助けてほったらかしにした奴を……」

「そっか、お礼が言いたいんやね」

「ははは、まあそれでも間違いじゃない、借りっぱなしは性に合わないからな」



このかは少しほっとしたような顔をして、にこりと微笑んだ。

心配事が今の会話の中にあったとは思えないが……もしかしたら、俺のことで心配をかけていたのかもしれないな。



「それで、住む所やけど、この後どないするん?」

「確かお前のじいさんが寮を用意してくれるらしいが……隣の共学の寮かなにかじゃないか?」

「そっか、んーっ……そや! うちちょっと用事できた、先に教室に戻っといて」

「……分かった」



教室に戻ってみれば、俺が帰ってきたとたんにまた騒がしさが爆発的に広がっていた。

そもそも、男の生徒は俺一人なのだから仕方ないのだろうが、異常なまでの関心だなと思う。

考えてみれば、俺は少女といえばルリちゃんやラピスを基準に考える癖がある。

しかし、この世界に来て以来、その基準がいかに間違っていたかと言う事を思い知らされている。

ユキナちゃんの事を騒がしい子だと思っていたが、最近はあれが普通なんだろうと考えを改めている……。



「ねぇねぇ、なんで女子校に転向しようって思ったの?」

「恋人募集中?」

「静かにしなさい! 転校生に迷惑ですわよ」

「いんちょこの子気に入ったの?」

「ばっ、そんなわけないでしょ! 私の理想は……ちっちゃくて可愛くてって何言わせますの!!?」

「自分から言ってるんでしょ?」

「なっ言いがかりはおやめなさいアスナさん! ……自分はオヤジ趣味のくせに!! 知ってるのよ高畑先生の事!!」

「うっぎゃー!? その先は言うんじゃねぇ、この女!!」

「やりますの!?」

「やってやろうじゃん!!」



いつの間にか、乱闘騒ぎに発展している教室内を呆然と見ていたのだが、そんな中俺を睨んでいる目があることに気付いた。

その髪型を見ただけで誰なのかはわかっている、ツーテールのような形の横縛りを一つだけしている人間はそういない。

以前より気の練り方が上手くなっている事が分かる、まるで気配を感じさせないほど澄んだ気の発散をするようになったんだな。

俺は人垣を抜けてその人物、刹那を見る、確かにこのかに近付いていないのだろう、

その雰囲気はむしろ人を寄せ付けないようなものになっていた。

鬱屈した何かが体内に醸成したような、そういうものを抱えているのを感じさせる。



「放課後、西の森に来て下さい」

「(コクリ)」



恐らく、俺との決着を望んでいるのだろう、前回は勝ち逃げに近かったからな。

そうしていると、後ろに気配が生まれた、いや元からあったものが急激に膨れ上がったと言うべきか。

兎に角、その動きに逆らわないように、体をそらして、スウェーバック風に回避する。

通り過ぎていったのは、とび蹴りだった。

とび蹴りを放った相手は、クルリっと一回転してから着地、片手を顔の前に添えて、片手を前に突き出す。

片足を上げたまま立つその姿は、かなり様になっていた。



「やはり、あっきーアルか?」

「クーフェイ? お前もここに通っていたのか?」

「そうアルね、そういうあっきーは今までどこに行ってたアル?」

「まあ世界中転々とな」

「相変わらず飛び回っているアルか? でも、暫くはここにいるアルよね?」

「ああ」

「ならば、勝負アル! あっきーも実力を上げたと思うアルがそれは私も同じネ」

「受けてやりたいのは山々だが、既に先約がいるからな」



そう言って俺があごをしゃくると、クーフェイは理解したのか一つ頷くと、



「大分鬱憤たまっていると思うから、気をつけたほうがいいアルね」

「やはりそうか」

「刹那は溜め込むタイプアルからね、でも私と戦う前にやられるのは許さないアルよ」

「努力しよう」



その日は騒がしくも飛ぶように過ぎていき、放課後の時間となる。

このかに俺の住む寮へと案内してもらう予定だったが、ある事があるといって先に帰ってもらい、

地図だけもらって寮の位置を把握してから、西にある森へと向かう。

森自体は大規模なものではなく、1km四方程度のものだが、少し岡地になるため、人の出入りが少ない。

刹那が指定してくるのにふさわしい場所と言えるかもしれないな。



「さてと……」



森の手前で気配を探る……もう来ているようだな、僅かに気配の揺らぎが感じられる。

とはいうものの、森の生木が邪魔をして正確な位置が把握できない。

かなり腕を上げたようだし、精神的にもただのお遊び剣術ではないと言う事か。



「さしずめ迷いの森か?」



俺は、歩きながら時々魔力を放出し、刹那に場所を知らせる。

もちろん、とっくの昔に把握されているだろう。

だが、かく乱と言う意味ではこの戦法も役に立つ。



「なかなか慎重ですね」

「当然だ、前とは違うんだろう?」

「このかお嬢様を守るために、私は全てを犠牲にしてきたつもりです」

「それで俺を越えたのか試したいと言うわけだな?」

「はい、付き合っていただけますか?」

「遠慮なく全力でかかってこい、俺も全力で応えよう」



森の濃密な空気の中から突然現れたかのような刹那と俺は正面から対峙する。

どの程腕が上がったのか、そして、どのくらいの闇を抱えたのか、興味がある。

俺は、放散して来た魔力に方向性を与えるため、呪文を唱える。



アングィス・ルスクス ・クルエントゥス

「させません!」



俺が呪文を唱え終わる前に、刹那は俺の目の前まで到達し、仕込み杖から刃を抜き放つ。

俺は体制を低くして、一刀を避けると、そのまま、足払いに移行した。

しかし、刹那は飛び上がりつつ翼を展開し、それを避ける。

もちろん、俺は追撃の魔法を放つ。



輪郭を持て食らえ、血と、血脈を持って、天空よりいでよ契約の王。滅空放散


ブォォォーーー!!!




凄まじい熱風が巻き起こり、森を引き裂くほどにかき乱す。

炎が生まれるほどに熱は無いが、それでも普通に触れれば火傷をしかねない熱風が森全体を吹き荒れる。

それによって、空中に逃れた刹那は一瞬体制を崩す。

俺は素早く指輪の力を発動した。



我求めるは、蹂躙の牙



女性の顔を象ったその指輪から、まるで鞘のように、剣を引き出す。

それは、巨大な斬馬刀、馬を切り裂き騎馬を切り殺すある意味歩兵の最終兵器。

しかし、同時にこの剣は軽い、魔力によって構成されるらしいことはわかっているが、俺もそれ以上は知らない。

ただ、あの時の泉の妖精が持っていた剣と同じものだと言う事を知っているだけだ。



「それが貴方の剣ですか?」

「ああ、そんな所だ」

「しかし、仕掛けていた符をあんなふうに無効化されるとは、流石です」

「やはり、結界の類か」

「それだけでもないのですが、それは戦えばわかる事です」

「そうだな」



俺と刹那は同時に踏み込む、以前の動きなら憶えてはいたが、流石に今は同じとはいかない。

歩法も完璧にこなしている刹那はスピードだけなら俺よりも速い。

俺が3歩踏み込む間に4歩目を踏み入れた刹那は、抜刀に会わせて何かを仕掛けてきた。



「秘剣、百花繚乱!」

「クッ!?」



先ずは一刀が来る、抜刀術としてその剣速はかなりものだが、何とか剣ではじいた。

しかし、その後に無数の桜の花びらが舞い散る。

花びら一枚一枚がまるで刃のように俺に襲い掛かり、小さな傷を負わせる。

俺が体制を整えなおした時は、既に刹那は次の攻撃に移っていた。



「神鳴流奥義・百烈桜花斬!!」

「なっ!?」


先ほどの桜の花びらを更に飛ばしながらの連続攻撃、突き、薙ぎ、切り、払い、そして大上段からの振り下ろし。

体のばねを極限まで使った、連続攻撃に俺は防ぎきれずに吹っ飛ばされる。

剣が普通のものなら確実に折れていただろう。



「流石に、以前とは違うな」

「当然です。貴方もこの程度ではないですよね?」

「そうだな……ならば木連式抜刀術と魔法の組み合わせ、試してみると良い」



言葉を言い終わると同時に俺は加速する。

更に、魔力を全開にし肉体の能力を引き上げる。



「オオーー!」

「はぁぁぁ!!」



俺は、会わせて向かってくる刹那に下段から振り上げながらの一撃を放つ、刹那はそれを体を振って回避、

更に振り上げた俺の剣の下から剣を振り上げる、しかし、俺は勢いごと刃を返し体を捻りながら跳ね上がった刃を振り下ろす。

剣と剣が衝突し一瞬火花を散らす。

刹那は腕力勝負は不利と見たか、跳びずさるように距離を開く。

しかし、俺はそのまま刃を振り下ろした。

剣先から魔力の刃が出現し、刹那を追う。

刹那はその剣を迎撃しつつ態勢を立て直しにかかるが、魔力の刃の後ろには俺が既に迫っていた。




ドシュドシュドシュウッー!!



「ッ!?」
              かざのこと
「木連式抜刀術、奥伝。風琴(改)」



俺は一瞬にして刃を無数の風に変換して放つ。

木連式本来の風琴は風を刃にする音速の剣を放つというもので、剣先がその速度に達するほどに操れたのは開祖のみとされる。

しかし、俺のそれは魔力によって風の動きを操って更にそれを加速している。

身体能力も魔力で一時的ならかなりの所まで上げることが出来る。

だが、元々魔力で作った剣は消滅する事になる。

無数の風の刃は刹那に到達、それを切り刻んだ。



「違う……ダミーの類か」

「変わり身の術はあまり得意ではないのですが……」



そう言いつつ木陰から姿を現す刹那、恐らくあの百烈桜花斬を撃った直後に入れ替わっていたのだろう。

いや、それだけではないらしいな……。

気配が周囲に4つ、いや5つか……。



「本当はこの森には私の名前を書き込んだ符が20枚あったのですが、

 最初にあの熱風で5枚まで減らされてしまいました。

 目くらましとしては一番いい手だと思ったのですが、あと通用するのはこの一度きりと言ったとこでしょうか」

「なるほど、だから全て出してきたというわけか」



とはいえ、本当に残り4つとは限らないのだろうがな。

なるほど、弱い気配ばかりだ、多分本人の能力の数パーセントしか受け継がないのだろう。

しかし、本人も気配を殺している以上その力はほぼ同じに見える。

俺はそれを見分けるよりも、時間を稼ぐ必要があった



「そうくるか……だが、その状態では何も出来ないだろう?」

「そうともいえません、こんな体でも足止めくらいには使えます」



そういうと同時に刹那のコピー達は一斉に襲い掛かる。

止まっている一体が本体なのか攻めている中にいるのかは分からないが、現時点では全員がゆるゆるとした攻撃で俺を攻める。

符術で作ったコピーは衝撃にあまり強くない、だから俺がカウンターで一撃を入れるごとに一体づつ減っていく。



「全部ダミーか」

「さあ、どうでしょうか?」

「無駄口を」



俺は正面の刹那に拳を突き入れる。

すると、正面の刹那も同時に消滅した。

やはり……。



「時間は十分に頂きました!」

「上か!?」

「ご名答、神鳴流決戦奥義 真・雷光剣!!



かなりの上空から翼をたたんで急降下しながら、刹那は俺に最高の一撃を食らわれるべく迫る。

刃は遠くで振り下ろされたが、その衝撃は雷光となって俺に迫る。

そして、俺のいる場所を中心に半径10mを吹き飛ばし、焼き払いながら刹那はゆっくりと着地する。

俺は……。



「流石だ、今ので肋骨が数本いかれたな……」

「なっ!?」



俺はその刹那の背後にいた、もちろん、ボロボロになっている。

服装も上半身は殆ど裸と言って良い状態だ。

実際息をしているだけでも苦しい、よくぞあんな技を習得したものだと思う。



「確かに仕留めたはず……貴方のことですから死んだとは思いませんでしたが、戦闘不能になる程度の攻撃にはなったと思ったのですが……」

「確かに、まともに食らえばな」

「だがあのタイミングで……」

「奥の手だ。今からそれを見せてやるよ」



俺はまた斬馬刀を腰だめに構える。

刹那も俺の攻撃を食らわないよう、また止めを刺すために剣を納刀状態に戻した。

俺は、もう一度魔力で身体能力の強化を行う。

そして、次の瞬間刹那の懐へと飛び込んでいた。



「クッ、神命流・浮雲……ガハッ!?」



俺はそのまま刹那に剣の腹を思い切りぶち当てる。

そして、体勢を立て直そうとする刹那の前に剣先をつきつけた。



「なぜっ急にそんな……もしや手加減を!?」

「いや、俺としても出したくなかった奥の手でね……クッ……」



思わず俺は膝をつく、肋骨の痛みもだが、筋肉が悲鳴を上げていた。

普通は、魔力や気で能力を増加する、しかし、それは肉体そのものを強化しているのではない。

一種のフィールドを作って保護し、結果を吊り上げているといえる。

この時点で既に10倍程度の身体能力となる、もっともそれは刹那やカエデ達でも出来ることだ。
                           まとい
しかし、それに合わせて木連式肉体操作術<纏>を発動する。

<纏>は筋肉の使用限界のリミッターを自己暗示で無理やり外すものだ。

つまり、強化された状態でリミッターを外した動きをするわけだ、そのスピードは数十倍という事になる。

だが当然その反動も普通の<纏>とは比べ物にならない。

地面に倒れこみつつ俺は言う。



「正直、反動がきつい……」

「そう……なのですか、しかし、そんな奥の手があるとは……」


刹那もまだ起き上がれずにいる、気の防御を完全にぶち抜いたのだ、ただでは済んでいないだろう。

しかし、両方とも倒れっぱなしではマズイな、それに俺は寮に入る以上初日からいないでは格好がつかない。

さて、どうしたものか……。



「ふむ、なかなか面白い見世物だったぞ」

「アキト様は肋骨一本骨折一本にひび、かなりの筋肉疲労があります、刹那さんも肋骨二本骨折、気の放出しすぎでダメージが出ています。

 すぐに医者にかからなければならないレベルだと判断しますが?」

「そうだな、折角面白いものが見れた礼だ、茶々丸運んでやれ」

「了解しましたマスター」

「いや、ちょっと待て。俺は今日寮に……」

「そっ、そうですそんな事をしてもらう言われは……」

「黙って運ばれてろ、貴様らみたいな面白い奴らにくたばられては、私が退屈する」



妙に威圧感のある表情で俺達を見てからエヴァンジュリンは茶々丸に俺達を抱えさせて近くの病院へと連れて行った。


流石にあれだけのぶつかり合いだ、結構魔法関係者にはバレバレなのかもな……。












あとがき


いやー、なんていうか割と戴いた拍手コメントを反映した内容になっていたかと思います。

なんとか次回でクーフェイと話をすれば全員と再会したことになるかなw

本編は次々回からって言う所でしょうか。

それで、シークレット投票の結果ですが。

登場OK         4
士郎同伴ならOK    2
番外編限定ならOK  3
絶対だめ        4

見事に割れました...............orz

いや、むしろフェイトネタは全面禁止とかだったら諦めもつくんですがね……。

ちょい役でどっかで出すかなーとか考えてしまうじゃないですか(笑)

まぁネタだけは練っておきますねー。


WEB拍手沢山頂きましてありがとうございます♪
今回かなりやる気が出ました!
その割りに遅いとか突っ込みを戴くと痛いのですが、頑張りますのでお許しをorz


10月19日
22:44 1 待ってましたw とうとう続編ホームルーム開放ですね 
22:45 2 全生徒が31人ではなく32人になるわけですねw 
22:45 3 最初の再開がエヴァ様だったとはw以外です 
22:46 4 そして楓・・wやっぱり怒ってましたねwそして甘党 
22:46 5 ジジイ登場 やっぱり悪巧みがお好きな見たいで・・・・・ 次回は編入のお話ですかな? 
22:47 6 次回の更新を楽しみにしてます お疲れ様です 
どうにかこうにか再開っすー、とはいえネタがまだまだ安定しないんで怖いのですがw
まぁとりあえずアキトには生徒になってもらいました!
今後はそれぞれのキャラごとにネタをかましていけると良いなーと思っております。

23:18 続き待ってました!!!凄く楽しみです!!!これからも頑張ってください。
はいな、がんばりまっせー! とはいえ、自分のスピード遅いっすorz

23:27 学園長との会話ですが、最初にこのかの爺だと言っていて更にこのかが自分の孫だと言ってますが?わざわざ同 
23:27 じ事を2度言う必要あったのでしょうか?アキトが理解していないと思ってたんでしょうかね 
はい、私のミスです、修正しておきました。元々消すつもりだったんですけどUP時見つけそこねましてね。

23:54 騎士王だしたらいろいろ偉いことに・・・・・・そうなるとヘビとかロリ魔女とか犬とか金とか出す羽目に 
23:55 なるのでは?もはやネギ×ナデではないきが・・・・・ 
ははは、まぁあくまでネタとして面白いのか聞いてみたかっただけですので。
お嫌でしたら仕方の無いことです。

10月20日
0:01 なんというニヤニヤ小説w応援してます
ありがとうございます。まぁこれからもそんな感じですwよろしくお願いしますねw
 
1:24 王子王子と言われてアキトは何も感じんのですかいノー?なんか違和感が。
こりゃおじさん一本取られましたワイ、そんでは次回でもちょっとイベントお越しておきますかのう。
 
2:15 遂に来ました!本編へのプロローグ、ども7月2日に書き込みさせていただいたものです。 
2:20 それにしてもアキト、あのクラスでだと千鶴や千雨と仲がよくなりそうw 
2:29 某姫騎士王と士郎はかなり出してほしいです、士郎は用務員あたりで、彼の別名〈ブラウニー)なのでw 
ふむむ、難しいと思いますがもう少しそちら人気でしたら考えます。
現状では騎士王を一発屋風にちょこっと出すのが限界かなぁ……。

7:34 やったーーー、これを待ってたんです、感動です 
ありがとうございます。今後も続けていけるように頑張りますね!

9:40 お疲れ様っす!続きを期待してます!!!がんばってください^^
こうして応援していただけること、大変嬉しいです! 今後も頑張りますねー♪

10:47 某騎士王の登場を検討と書いてあるだけで士郎を出すとは全く書いていない気が。某騎士王だけならどんとこい 
10:47 なんですけどねぇ。……士郎嫌いだし 
まぁその通りなんですけど、やっぱり厳しい感じですね。ある程度予想してましたので一発屋にするかなーとか考えてますが。

10:56 大食い王が出たらアキトは飯炊き決定に・・・・やはりでないほうが 
12:51 騎士王……ですか、見てみたい気もしますけど番外編とかに留めておいた方がいいような 
ははは、まあそれも一つの形ですね。そういやアキトずっとまともに料理させていないな、本編ではその辺りにも触れてみるかな。

14:23 祝!ホームルーム開始。わーぱちぱちぱちw 
14:26 数少ないネギナデクロスに騎士王ですか?…他の方も仰有ってますが外伝的な方がよいかと。 
14:28 まぁ、士郎が出なければ。アキトと士郎は水と油みたいなものでしょうしね。 
14:29 それにしても本編…超が非常に可愛いんですがw 
ホームルームの開始をお祝いいただき感謝です! 
騎士王はまぁネタですんで、嫌な人もいるかとは思いまして、そういう意味で投票っぽいことをしてみたわけです。
現状では一発屋かなぁと考えております。
超、確かにw ちょっとやりすぎカモと思いますが、まぁ同じ未来人ですし、どこか気を許してるのかも?
つーか抱きつくのが癖になったっぽい(汗)

15:00 某騎士王登場・・希望します。
一応一発屋でほぼ決定しております。長期出演は難しいかな(汗)

15:18 劇場版の北辰との一騎打ちでは両機とも浮いているだけでローラーダッシュは使ってませんよ。一目瞭然。
ふむむ、エステバリスにそんな機能あったんですねー、ちょっと不思議ですよ。
 
16:21 ・・・・・・ヒロインに・・・アスナを加えたりとかは・・・やはり無理ですか・・・? 
16:22 やっぱりメインヒロインぽいアスナなので、ssではヒロインになる機会があまり無いのがとても残念で・・・ 
16:23 アキトは実年齢は30代ですし、逝けるかなー?とか思うんですがどーでしょう! 
16:24 あとはやっぱりアキトのスキル「天然誑し」を発揮すれば・・・!w 
16:24 色んな意味で続きを楽しみにして待ってます^^ 
ふむむ……アスナをヒロインにするとネギのフォロー役がいなくなるような気が……。
でもま、そういう声が多いようなら考えます。
このままではハーレム一直線ぽいしorz

18:42 よっっっしゃあぁぁ!!連載が再開したぁぁ!ひゃっほぉぉ!!! 
ありがっとぉ! つーか、テンション高いですなーw 私も頑張らねばと思いますw

18:41 正義の味方・・・!衛宮を思い浮かべる人が多いと思いますが! 
18:42 私は人外ロリにメロメロになってるどこぞのペド探偵を思い浮かべました!www 
18:43 良いデスヨネ「デモンベイン」・・・ほら、あちらもロボですしw 
18:44 リョウメンスクナとかサクッと渇かず餓えず無に還りますヨw 
18:46 それをやったらアキトのキャラが薄れてしまいそうですけどねw 
18:47 アンケートについて、取り敢えず黒い鳩さんがやりやすいように書いたら良いと思いますよー 
うむーデモベは私も好きですよー。
でもアキトと人外ロリはマジヤバっすよwアキトはロリキラーだしorz
どっちかってーとペド探偵と西博士に光臨してもらったら笑いが止まらないっぽいけどw
西博士は正直自分でやってみて思うのですが難しいです。
なんというか、頭が良くないとあの変な文面を完成させられないorz

22:18 アキトは何人落とすのか? 
22:19 個人的には、茶々丸を落としてほしい 
ふむむ、面白そうですね、いっぺんその辺をアンケートしてみますか。

23:42 アキトの取り分「ネギの取り分以外」なのでになるのでは?アスナとかは一様本編のメイン?ヒロインですし  
23:43 やはり 楓 クーフェイ はアキトと契約ですか? 
23:43 このか 刹那 はネギの取り分?ですからw 
wwww結構考えてますねー、とはいえ、いっぺんその辺りはアンケート取ってから決めてみます。
アスナすらアキトにって言う人もいるんですから、結構面白いアンケートになるかも?w

23:43 クロス作品を増やすのはやめておいた方がいいのでは?と戯言 
23:53 セイバーさんの件は図書館島で暴走召還とかでええんちゃいます? 
現状ではそんな感じですねー、どういう場面で使うかは決っていませんが一発キャラ程度にしておきます。

10月21日
0:26 茶々丸の動力源は魔力で補充方法は魔力を込めながらぜんまいを巻くだったような・・・ 
その通りなんですが、WIKIで調べた所によると初期はバッテリーだったそうです。
漫画版では2巻からぜんまいが頭に着いているシーンがありますから漫画版スタート時にはもうぜんまいだったのかもしれないですね。

11:32 某騎士王だけ登場とゆうのはどうですか? 
11:34 でも某騎士王と士郎はセットのほうがいいんですかねぇ 
まぁそんな感じです。とはいえ、一発屋程度な感じになりそうですが。

12:04 原作無視でアキトハーレムの一員化なら出さないで欲しいです。 >騎士王
12:05 後アスナとネギの関係も壊して欲しくなかったり
12:06 とにかく続きが楽しみです
そういう人も多いだろうと予測していたんですが、むしろ出すなという人が微妙に少ないのでびっくりです。
とりあえず現状ほぼ出し方は決っております。
アスナも多分そうだと思うのですが、アンケートしだいかなぁ(ニヤリ)

12:56 物語的にはアレですが、超一味からとっととサレナを奪取して頂きたいww 
サレナを早期に登場させるようにして欲しいということですね、しかし、現状一番問題なのはサレナの登場方法かなぁ。
茶々丸化では、光りあふるるの二番煎じになってアレというご意見も多いですし。
いっそ完全に生物化でもするか? 妖怪化とかw

21:56 再会待っていました。 
21:58 今まで立てたフラグの回収、他の3人との再会が楽しみです。 
今日はその3人に一応再会しましたー、とはいえクーフェイは次回に持ち越しですがw
後寮の話とかもやれば一話くらい潰れるかな?

10月22日
9:06 これからも頑張って書いてください期待してます
はいな、がんばりまっせー。
 
9:27 さらにクロスとなると、話がまとまらなくなりそうなのでできればやめておいたほうがよいのでは 
難しいかどうかはアレなんですが、とりあえず一発屋とあいなりましたw

18:19 続編待ってました。ネギが来る1年前の麻帆良でどんな事が起こるのか期待しています。 
イベントとかはたいした事はないですよ、単にフラグ回収だけかな?w

10月24日
22:21 できれば生徒たちだけでなく、魔法先生方との対話も見てみたい気がします。 
22:21 アキトはああいう頭の固い方々と相性が悪そうですしw 
本編にいったらその辺りに触れるのも良いかもしれませんね。がんばらさせていただきます!

10月25日
20:55 早くも続きがきになるw 「この書き込みはps3です」 
20:56 ドッチボールの面々もでそうなw 
ははは、そこまで出すのは実はしんどいかもだけど、武術大会の面々はちと出すかもですねw

10月26日
0:24 某騎士王さんですか・・・難しいっすね、まあ鴉さんが無理なく執筆できるほうが 
0:24 個人的には優先だと思いますけど、できれば出してほしいな〜 
0:25 とても面白かったです。続きに期待期待! 
どうもありがとうございます! 騎士王はなんとか一回だけ出すかもですw
とはいえ、本編に入ってからの話でしょうがw

17:54 このか はアキトを覚えているか! 
憶えていました、つーかこのか幼い頃の事は良く憶えているようですしねw

21:47 このかにビンタの一発でもくらいそうですなアキトは 
23:49 いあ・・・ ビンタより抱き付く可能性がw 
23:50 それともこのか ハンマーか! 
上の二つ頂きましたw(爆) ネタの提供感謝ですw

10月27日
9:38 刹那とクーフェィは確実に攻撃しますね・・・・・・・・・ 
刹那には既に攻撃されました、クーフェイはどうしよう?
戦闘もいいけど、彼女今回は魔法知ってるかもですからねー。
その辺りどうしようかな?

23:17 続きがきになるーーーー! 
一応頑張りましたー、見てやってくださいませw

10月28日
8:42 テンカワスマイルの威力はあるのですか?
難しい事を聞きますねー、ふむ、一応それっぽい事はアリかもですが、あんまりあからさまなのはする気はないです。
既に現状あんまり必要性がないですしw


さて、今回もちっと皆様にお聞きしたい事があります。
アキトに対しヒロインは誰が良いでしょうか?
回答は複数可ですw
31人全員とかそれ以上とかもアリではありますが、私的にイベントこなすのがしんどいかもですがw
逆に一人もいなくても可ですw
簡単に言えば、出番をどうしようかなーと考えてますので、アンケート次第ではイベントが増減するかもですw
そんなわけで、このアンケートも答えてくれると嬉しいです。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m

感 想はこちらの方に。

掲示板で 下さるのも大歓迎です♪



戻 る

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.