どうも、ヨシカツっす。

今なら友人がいたり恩師がいたり、気になる隣人がいる程度にはここにも馴染んできたと思います。

まー、世の中上手く行く事のほうがまれというけど、プロになれるかはまだまだ怪しい限りですが。

デュエルそのものは楽しんでやっている現状です。

夏休みには帰りますんで、早々。


父さん母さんはどうやら元の世界だいたいと同じ人間のようなので手紙を出したりする。

最近、なぜか女の子からの手紙が家に届くらしい、一度遊びに来たとか言っていた。

銀髪で可愛い子だが、利発な子で、俺の事を恩人だと話していたとの事。

ってそれ、イリーニャじゃん!

いつの間にか俺の実家調べられてる!?

ちょっ、一体どういう方法で……、いやあの姪バカの会長の仕業か!

ったく、何をやらせてるんだか……。

無くなった恋人を蘇らせるためにあれだけやった人だ、

そりゃまーこれくらいやるかと納得してしまう俺もいるが……。


そう、ペガサス・J・クロフォードは一時期失われた恋人をソリッドヴィジョンを使って蘇らせようとしていた。

それはもうGXの世界においてはかなり昔の話なので、語る事でもないが、

このデュエルモンスターズのアニメ世界において彼は恋人の事をどうにか乗り越えデザイナー兼会長としてやっているが、

原作の遊戯王において、彼は死んでいるのだ。

イリーニャが姪というのも実は本当かどうかは微妙なところだ、

何故なら、銀髪と言う部分は共通しているものの、今思えば顔つきはシンディアに似通っていた。

特にあの前髪の半分が後ろに向かって飛んでいる感じが(汗

恐らくは、イリーニャはシンディアの身内なのではないだろうか。

そう考えればむしろ、ペガサスの入れ込みようもよく分かるのだ。

もちろん、だからといって家の場所を探しだされた事を帳消しにする気はないが……。




あれから、十代は立ち入り禁止区域に出入りしていた事がバレ、退学をかけたタッグデュエルをする事が決められた。

(タイタン戦は元々クロノス教諭が指示して行わせた事であるため、タレコミもその線と思われる)

十代と翔のタッグは、原作においては勝利を収めているものの、翔の自信のなさを克服するため、

兄であるカイザー、丸藤亮とのデュエルをする必要があった、それも少なくとも翔に近しい誰かが。

十代はクロノスにそれを求めに行くが、断られる。

まあ、クロノスがドロップアウトを嫌っている事もあるが、実際カイザー亮へのデュエルは順番待ちな所もある。

3年同士でもうるさいのに下級生、それも一年の申し込みは通りにくい事請け合いだった。



「それが何でこんな事に……」



そう、何故か俺の目の前に立っているのはカイザー亮。

十代の前じゃなく俺の前、しかも互いにデュエルディスクを構えていた。


事の起こりは、十代に相談を受けた事だった。

翔に自信をつけてやりたい、

兄に使用禁止されているパワーボンドの事を克服させてやりたいという十代の言葉に俺も打たれ、

取りあえず俺なりに手伝う事を約束する。

知っている事ではあるが、十代は本気だったし、真剣だった。

だから俺も俺なりに手段を探してみる事にした。


橋の下への事は別ルートから話が上がってくる事は分かっていたから俺はあえて正攻法で挑む事にした。

大徳治先生にお願いしたのだ、ブルー寮のクロノス先生ほど近くはないが、握りつぶされる心配もない。

すると、大徳治先生が校長先生に報告、

校長先生はカイザーのサイバ流における師匠と言う事もありとんとん拍子で話しが進んだ。

しかし、問題が一点残っていた。

それは、俺は確か十代の対戦願いを言ったはずなのだが、受理されたのは俺の対戦願いだったのだ。

どこでどう間違ったのだろう?

この頃の十代に勝てない俺がカイザーに勝てる訳がないじゃん……orz



「えーっ、えー!? なんでヨシカツ君がお兄さんとデュエルするの?」

「さあ、何でなんだろうね……(泣)」

「うらやましいぜ! 俺も絶対デュエルしてもらわないとな!」



あー、確かに俺もいずれは挑みたいと思っていたけど。

もっとこう、強力なデッキが完成してからにしたかった。

だって、ボコボコにされるのが分かってるじゃん……。



「デュエルを申請したのは天谷佳克(あまやよしかつ)、お前でいいんだな?」

「……ああ! 俺だ! 全力で挑ませてもらう、よろしく!」

「ふっ、来るといい」



俺が、及び腰に見えたので確認したんだろうが、俺としてもここで引いたら何のためにデュエルを申請したのか分からない。

せめて、翔に伝えられるように、全力で相手を読んで闘わせてもらおう。

幸いにして相手のデッキ内容はおおよそ把握している訳でもあるし。



「「デュエル!」」


佳克:LP4000  亮:LP4000



開始の掛け声と共に一瞬だけカイザーの視線が翔に向けられたのが印象的だった。

しかし、そんな事を考えている余裕はない。

今回に限っては来てほしくなかった先攻ターンが来てしまった。

やっぱりこの辺お約束なのかね。



「俺のターン、ドロー!」



今回の手札はと、ふむ、モンスターカードは2枚、

荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


残りの手札は突進と後はトラップばかりだが、今回も悪くない引きだな。



「俺は荒野の女戦士を守備表示で召喚! カードを一枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン、ドロー」



サイバードラゴンを出してくる事は分かっているからな。

モンスターを場に残すつもりなら俺のデッキに荒野の女戦士よりいいカードはそうない。



「相手の場にモンスターがいて、俺の場にいない時、サイバー・ドラゴンを特殊召喚する」

サイバー・ドラゴン:効果モンスター/星5/光属性/機械族/攻2100/守1600


「5つ星モンスターを生贄なしで召喚だって!?」

「お兄さんのデッキはあのサイバードラゴンを中心に組んであるっス。

 だから、攻撃力が半端じゃないんすよ!」



おっ、十代が騒いでるな、自分が戦いたくてうずうずしているんだろう。

俺もこういう緊張感は嫌いじゃないけどな。

しかし、やはりサイバードラゴンの効果はOCGのものか。

アニメのサイバードラゴンは最初の頃、特殊召喚ではなく通常召喚できるというものだった。

だから、もう一体出てくる心配はいらなかったんだが。

警戒しとかないといけないな。



「俺は手札からマジックカード、エヴォリューションバーストを発動。荒野の女戦士を破壊する」

「なっ!?」

「俺はカードを一枚伏せ、マジックカードタイムカプセルを発動。

 デッキからカードを一枚除外する、そして2ターン後のスタンバイフェイズ、

 タイムカプセルを破壊しカードを手札に入れる。

 ターンエンド」



おいおい、攻撃してこないのかよ。

確かに、荒野の女戦士を潰されたのは痛かったが、まだ通常召喚があるだろうに。

それとも、向こうもまだ様子見をしているのか?



「俺のターン、ドロー!

 俺は、速効魔法サイクロンを発動! タイムカプセルを破壊する!」

「トラップ発動! マジックジャマー、手札を一枚捨ててマジックの効果を無効にし破壊する。

 サイクロンは無効化される!」

「なるほど、そのための伏せカードってわけか、俺の手札にマジックカードはない」

「フッ」



全く、よく考えてるな、チラッとしか見えなかったが今墓地に送ったのは恐らくサイバードラゴン。

つまりは、これもまた布石という事なんだろう。

そして恐らく、このターン、サイバードラゴンが破壊されるだろう事も頭に入っているだろう。

まったく、流石カイザーだよ。



「俺は鉄の騎士ギア・フリードを召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


「バトル! サイバードラゴンに攻撃!」

「えっ、攻撃力がサイバードラゴンより下だよヨシカツ君!?」

「それくらいわかってるって、翔は心配性だな! 速効魔法突進! ギア・フリードの攻撃力が700ポイントアップ!」

鉄の騎士ギア・フリード:攻撃1800→攻撃2500


「行け! 鋼鉄の手刀! サイバードラゴンを破壊!」

「クッ」

亮:LP4000→LP3600


「サイバードラゴンを破壊した、凄いよヨシカツ君!」

「ほら翔、デュエルの邪魔しちゃ悪いぜ、話しかけるのはあとでも出来るだろ」

「あっ、うんアニキ」



時々翔に視線を向けるカイザー、全く俺の事なんてオマケなんだろうな。

だが、そう簡単に勝てると思うなよ。

俺だって全力なんだ。



「俺はカードを一枚伏せてターンエンド」

「俺のターン、ドロー。俺は手札からマジックカード強欲な壺を発動、カードを二枚ドローする」



手札が2枚になった、やるつもりか?

しかし、今の手札ではサイバーツインドラゴンを用意しているとサイバーエンドは出せないはずだが……。



「俺は、サイバードラゴンを特殊召喚、サイバードラゴンで鉄の騎士ギア・フリードに攻撃。

 エヴォリューションバースト!」

「トラップカード発動! 和睦の使者!

 このターン戦闘によってモンスターは破壊されず戦闘ダメージを受けない!」

「カードを一枚伏せてターンエンド」



なんだ? 結局サイバーツインドラゴンを出さなかった?

いや、もしかして……出せなかった。



「察しがいいな、お前のプレイング、俺が何を出すのか予見しているようだった。

 次のターン俺が何を呼ぶのかもな。だから、俺はあえて違う道を選んでみた。

 だが、次のターンで終わりであることには違いない、どちらが勝つにしろ……な」

「全く、流石はカイザーだよ、そんな涼しげな顔してよくやる。

 俺のターン、ドロー!」



おっ、来てるな、拘束解除が、ならこのターンで出来うる限りの事をしておこう。

次のターンをしのぎ切るためにもな。



「俺は、マジックカード拘束解除を発動!

 鉄の騎士ギア・フリードを生贄に、デッキから剣聖−ネイキッド・ギア・フリードを特殊召喚!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:効果モンスター/星7/光属性/戦士族/攻2600/守2200


「更に、トラップ発動! 鎖付きブーメラン!

 その2つ目の効果を発動!

 このカードを装備カードとして剣聖−ネイキッド・ギア・フリードに装備!

 攻撃力は500ポイントアップする!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:攻撃2600→攻撃3100


「ネイキッド・ギア・フリードに装備カードが装備された時、その効果を発動! モンスター一体を破壊する!

 俺が選択するのはサイバードラゴン!  サウザンドソードブレイカー!!」



サイバードラゴンは破壊され墓地へと落ちて行く。

今までのサイバードラゴンも含め3体が墓地に行った事になる。

これは……。だとしても、今の俺に防げるカードはない。



「ネイキッド・ギア・フリードでダイレクトアタック! ネイキッドブレイド!」

「ぐぉぉぉぉぉ!!」

亮:LP3600→LP500



「おっ、お兄さんが……、そんな……」

「へぇ、ヨシカツやるなー」


「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

「俺のターン、ドロー」

「元からこのターンにかけてたのか?」

「まさか、お前が強かったと言う事だろう」

「それは光栄だな」

「フッ、思ってもいない事を」


「お兄さんがヨシカツ君を認めてる?

 そっか……相手の事を認めないと……独りよがりなデュエルじゃ駄目だったんだ……」



カイザーはまた翔に視線を向けて少しだけほほを緩める。

はぁ、やっぱ俺はオマケ扱いか。

まあいい、俺としても、簡単に勝てるような相手とは思っていない。

しかし、俺は2枚のトラップカードを仕掛けている、ドレインシールドに炸裂装甲だ。

これをどう捌くカイザー?



「俺は、タイムカプセルを割り、カードを手札に加える。

 俺が手札に加えるのは、異次元の宝札!」

「なっ!?」

「ふふっ、パワーボンドだと思ったか?

 読まれているというのも面白いものだな。

 異次元の宝札が除外領域から手札に加わった事により、互いにデッキから2枚ドローする」



くそ、やられた。

確かに最初からあのマジックジャマーとエヴォリューションバースト、サイバードラゴンにタイムカプセルと5枚も使っている。

その上に、手札を捨ててマジックジャマーを発動したのだ、その時既に手札はゼロだった。

それが今は手札3枚まで回復している……これはかなりまずい……。



 そしてマジックカード、魂の解放を発動!

 サイバードラゴン3枚と荒野の女戦士を除外する!

 そして、トラップ発動、異次元からの帰還! ライフを半分払い3体のサイバードラゴンをフィールドに召喚する」

亮:LP500→LP250

サイバー・ドラゴン:効果モンスター/星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

サイバー・ドラゴン:効果モンスター/星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

サイバー・ドラゴン:効果モンスター/星5/光属性/機械族/攻2100/守1600


これは、俺が十代に対して行ったコンボと同じ。

流石にこの程度、出来て当然というわけか。

しかし、フィールドに並んだ銀色のドラゴンがまぶしい。



「俺はマジックカード大嵐を発動!

 自分と相手フィールドのマジックトラップゾーンにあるカードを全て破壊する」



なっ!?

大嵐なんてデッキに入れてたのか!?

ったく、詐欺をされた気分だぜ……。

分かってはいたが、十代に対するプレイングと違いすぎる……。



「そしてマジックカード発動!

 パワーボンド! 3体のサイバー・ドラゴンを融合しサイバー・エンド・ドラゴンを融合召喚する!」

サイバー・エンド・ドラゴン:融合・効果モンスター/星10/光属性/機械族/攻4000/守2800


「更にパワーボンドの効果、このマジックカードによって融合召喚されたモンスターの攻撃力は倍になる!」

サイバー・エンド・ドラゴン:攻撃4000→攻撃8000


「あ……」

「サイバー・エンド・ドラゴンで剣聖−ネイキッド・ギア・フリードに攻撃!

 エターナル・エヴォリューション・バースト!!」



おーおー、巨大な三頭のメカ竜の口から巨大なビームが3本も。

こっちのフィールドビームで何も見えないじゃないか……(汗

ネイキッド・ギア・フリードの攻撃力は3100、サイバーエンドが8000だから4900のダメージ。

1キルもいい所だな(泣)


佳克:LP4000→LP0



「なかなか楽しかったぞ」

「そりゃどーも、俺も楽しめたよ」



カイザー亮はその一言だけを残して、去って行った。

翔に自信をつけさせ、リスペクトデュエルについて教えると言う事は成功した。

もっとも、十代は結局灯台の下でカイザーとデュエルしたが。

いやまあ、普通にチャレンジしてみたかったみたいだ。

しかし、レッド亮の前でやったのは失敗だったかもしれん。

俺の名前が次の日にはアカデミア中に広がっていたんだからな……。





あとがき

手札消費の激しいデッキだと、どうしても見せ場を作るのにターン数が少なくなりがちでして。

特にできるだけ原作で出ていないカードを出したくないので(汗)

先々崩れる予定ですが・・・(滝汗)



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