まいどどうも、ヨシカツでーっす!

俺自身の事で変わった事といえば、なんと! チートの代名詞、強欲の壺をようやく手に入れました!

それから、攻撃の無力化も追加! これで、そうそう戦闘破壊されなくなった……かな?

まだ、他のカードはデッキ調整していないけど、強欲の壺と攻撃の無力化だけは優先的に入れてみたw

代わりに強欲な瓶と弱体化の仮面のほうはおさらばしました。


十代達は明日タッグデュエルだと言う事で、自分たちの部屋でデッキを詰めているようだ。

十代達の部屋は3人部屋でなんと恐怖の3段ベッドが置いてある。

隼人が一番上で、真ん中に翔、一番下に十代という……。

というか、天井の高さ的に隼人はどうやって出入りしているのか不思議だ……。


ともあれ、彼らもそこそこカードは持っているはずだから、2つや3つのデッキは組めるかもしれないな。

だって、翔って、前の試験の時レアカードのはずの死者蘇生を3枚頭に巻いてお祈りしてたし。

つーか、死者蘇生って最初死んでるってことじゃね?

試験で最初から死んでてどうするよw

それはともかく、そう言ったわけで明日は俺も彼らのデュエルを見に行く事になっている。

だいたい内容は同じだろうとは思うが、見に行かないのも友達がいが無い奴みたいだしな。


そういえば、先週は隼人の退学騒動があったな、同室じゃない俺は参加出来なかったが、どうにかなったらしい。

酔っ払いデッキとちゃぶ台返しはちょっと見てみたかった気もする。


またまた、イリーニャから手紙が来ていた。

現在彼女はアメリカのデュエルスクールとやらに通っているらしい。

詳しい住所も書かれていたが、正直よく分からん。

ただ、この間作ったと言うエリアをメインにしたデッキでアメリカの地方デュエル大会に出ると言う事だそうだ。

その前にデッキ調整をしたいので来週には来ると言う風に書かれていた。

その程度でいいのなら俺としても問題ないので返事には来ても問題ない事を伝えておいた。

ただ、実家のほうにいきなり行った事については追及の文面を入れてある。

とはいえ行動力がいくらあろうとも所詮はお子様、話はこれ以上進まないとは思うが。


そうそう、ペガサス会長の手紙もまた同封されていた。

”来週はワターシも行きますのでよろしくデース”お前本当に世界的な大会社の会長か……(汗


そうした返事をアカデミアの授業中にこっそり書きあげた俺は、授業後どうするかを考える事にした。

とはいっても、出来るだけ早く三沢と友達になっておくと言う事が今は優先だと思う。

彼は光の結社編ではかなり役に立ってくれるはずだ。

その次までは今一信用できないが……。

彼が光の結社編でわざと負ける事になるのは、究極的には自分に自信が無かったからだ。

スポットライトを浴びたいなどと、最初から思っていたわけじゃない。

この事については受けあってもいい、彼がそう思い始めるのは自分がスルーされる事が増えるセブンスターズ編からだ。

いつの間にか、彼は物語からおいてけぼりになる事が増えていた、

最初の兆候が出るのは遊戯のデッキが展示されるという頃か、それよりも前だったのか今一覚えていないが、

”あれ、三沢君いたんすか?”そう翔に言われたのが初だった気がする。

アレのせいで、彼が光の結社に行ってしまうほどに人気を欲するようになって行くのだと思うと泣けてくる。

だから今度こそ……。



「あら、ヨシカツじゃない」

「お、天上院か……」

「こんな所でどうしたの?」



ここは、灯台近く、そういえばカイザーと明日香の密会がよく行われていた場所だな。

初期の頃、あれを見て普通に明日香とカイザーがカップルにしか見えなかった記憶がある。

実際はカイザーは明日香の兄吹雪の友人で、行くえ不明の吹雪の情報を交換していたと言う事のようだが。

実直な兄の友人で自分と同じ理由で探し物を手伝ってくれる上に秘密を共有している存在で、

社会的地位が安定していると言える彼の事を好きにならなかったのだろうか?

ちょっと気になる所ではある。

そういえば、吹雪のデッキってどんなだったっけ?

ダークネスの頃のレッドアイズデッキは覚えてるんだけど……アレ?

彼もしかして、吹雪の状態でデュエルしてない……?

いやいや、一応一度闘っているはず。光の結社入りした明日香を止めるために、

想い出のブランコとかいう通常モンスターを復活するカードを使っていたよーな。

でも、デッキ内容はさっぱり思い出せん。

そういえば、タッグフォースではなぜか獣族のデッキを使っていたような気もするな(汗

後は、漫画版のスフィアデッキは強かった。

あっちではカイザーより活躍していたなw



「どうかしたの?」

「いや、散歩しているだけだよ。今は俺もやることが無いというか明日はほら」

「ああ、彼らの応援に行くのね? なら今日は暇ってことかしら?」

「そうなるな」



ぼーっと2人で灯台を眺める、恐らくだが、明日香の考えている事は分かる。

吹雪はここによく来ていたはずなのだ、あの性格、アロハを着てサーフィンをこよなく愛する彼だ、

いつもとは言わないが、かなりの時間をこの近辺で過ごしていたに違いない。

だから、昔兄さんはこーだったとか、あーだったとか顔に出していないが考えているだろう。

そういえば、あの兄の性格、後からの設定かと最初思ったが、JOINのサインは闇のデーモンデッキの回に出てきている。

最初からあーだったと言う事だろう、なかなか深い話だ。



「そういえば、残りライフ250までカイザーを追い込んだって本当?」

「そう言う噂が広まっているらしいな、

 最もあれは、カイザーがパワーボンドの準備をしている間だったから出来た事だ。

 彼も本気じゃなかった」

「それでも、今までカイザーのライフをそんなに追い込んだ人はいないわ」



明日香はあえて俺の前でカイザーと言っている、これはカイザーとの関係を探られないためのものだろう。

まあ、俺にはどうでもいいとまでは言わないが、別に気にする事でもないのにな。

しかし、確かに明日香は凄いな、主に胸が……、これで15歳とは信じられん……(汗



「サービス精神旺盛だっただけさ、どちらにしろ今の俺の実力じゃとてもじゃないが彼に勝てない」



というよりデッキ的にまず無理です。

せめて、帝デッキならフィールドを破壊しまくってサイバードラゴンの余地をなくす事が出来るかもしれないが。

ただその場合、ヘルに目覚めてキメラティックされるかもしれないけどね(汗



「謙遜も行きすぎると嫌みよ、万丈目君に勝ったと言う話も聞いているけど?」

「えっ?」



あの時は誰にも見られていなかったはず……。

もしそんなことが知れ渡れば、彼が更に追い込まれてしまう事になりかねない。

そうなると、ノース校にきちんと行ってくれるかわからなくなる。

まあ、多分他につてなんてないだろうから行くだろうとは思うけど……。



「十代の影に隠れてるけど、貴方もかなりの実力者よね?」

「一応、そこそこはデュエルが出来る自負はあるが」



明らかに明日香は俺が隠している事を聞きたがっている。

理由は恐らく、兄が失踪した謎につながりうるあらゆる可能性を模索するため。

初期の明日香はその可能性があるとなればどこにでも行く行動派だったなそう言えば。



「私の顔に何かついてる?」

「いや……ふぶ……なんでもない」



マズッ、吹雪もこんなに思われてれば幸せだなっていう考えの一部が口に出てしまった。

気まずい……、明らかに今ので明日香のスイッチを入れてしまったな(汗

おうおう……睨んでる睨んでる……。



「今吹雪って言おうとしなかったかしら?」

「さあ、不文律にかかわる事とは言おうとしたが」

「そう……どうやら答えてくれる気はないみたいね」

「答えるも何も……」

「いいわ、一度デュエルして見たいと思っていたの。その実力見せてもらいましょう。

 私が勝ったら、兄さんの事を聞かせてもらう!」

「……参ったね……、応じないわけにもいかないか」

「「デュエル!」」


佳克:LP4000  明日香:LP4000



デュエルに応じたのは、このまま放置しておけば、俺の事を探り始めると感じたからだ。

明日香がどの程度の探査能力があるのかは分からないが、

もしも俺がこの世界の住人としておかしい事がばれたらこの先俺の人生どうなるか想像もできない。

デュエルで勝てば明日香もそれ以上あまり突っ込んでは来れなくなるはずだし、

負けても適度に情報を出して誤魔化す事は不可能じゃないはず。

あまり情報を与えすぎるとセブンスターズ編そのものに影響してどういう展開になるか予想出来なくなる可能性もあるが。

その辺どうするかは頭の悩ませどころではある。



「私のターン! ドロー!

 私はエトワール・サイバーを攻撃表示で召喚! カードを一枚伏せてターンエンド!」

エトワール・サイバー:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1200/守1600



「俺のターン、ドロー!」



彼女のデッキはサイバー・ガールというなんというかフィギュアスケートの選手みたいなモンスターがメインだ。

エトワール・サイバーは顔色が鉛色でサングラスをかけている以外はほとんどアイススケートの選手。

まあ、そういうネタなのだろうとは思うが。

しかし、初期の彼女のデッキならドゥーブルパッセが伏せられている可能性が高いな。

効果内容は自分モンスターへの攻撃をダイレクトアタックに変える事で、

攻撃対象にされたモンスターはダイレクトアタックが出来る、相打ちの罠だ。

永続罠スピリットバリアと合わせればそれなりに使えるが……。


さて、本当かどうか試してみるのに向いたモンスターが手札に来ている。

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


というか、こいつしかいない訳だが(汗

その代わり、破壊されても戦士の生還も手札に来ているのでさほど問題ない。

攻撃を防ぐトラップもある。

十分この方法を試す事が出来るだろう。



「俺は手札から、鉄の騎士ギア・フリードを召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


「ギア・フリードでエトワール・サイバーに攻撃! 鋼鉄の手刀!」

「十代といい、伏せカードくらい気にしなさいよ!

 トラップ発動、ドゥーブルパッセ!

 相手モンスターの攻撃をダイレクトアタックに切り替える!」

『オオォッ!』

「くぅっ!!」

明日香:LP4000→LP2200


「そして、攻撃対象になったモンスターは、ダイレクトアタックする事が出来る!

 エトワール・サイバーはダイレクトアタック時、攻撃力が600アップ!」

エトワール・サイバー:攻撃1200→攻撃1800


『ハァッ!! フゥッ!!』

「グッ!!?」

佳克:LP4000→LP2200


「なるほど、モンスターを守って相打ちでダメージも与えるというわけか」

「トラップを気にせず攻撃してくるなんてバカな事をするからよ」

「そうかな? 罠は早めに使わせておいた方がいいだろう?」

「フンッ」

「カードを2枚伏せてターンエンド!」



互いにダメージを受けるので、結構厳しいトラップと言わざるを得ない。

因みに、エトワール・サイバーの攻撃力アップはOCGでは500に調整されている。

だが、個人的に言わせてもらえば、普通に1800以上の攻撃力の戦士族は沢山いる。

融合があったと思えば儀式もある、しかし、どちらもシナジーカードやサポートカードは少ない。

一般人には使いにくいデッキと化しているのは十代以上だ。

まあ、出番の関係上仕方ないのかもしれないが、ヒロインとはいえ出番は十代、万丈目、カイザー、翔らに劣る。

二年目はエドと斉王、ティラノ剣山がいたし、三年目はヨハン、ジム、オブライエンらの濃い面子に埋もれた。

だから、出番は実はそれほど多くない。

だからかどうか、明日香のカードはOCG化されてないカードが多い。

特に儀式召喚するサイバー・エンジェル、韋駄天、弁天、荼吉尼らはまるまるOCG化していない。

荼吉尼はまだいいのだが、韋駄天、弁天に至っては、レベルに見合うパラメーターですらないためか。



「私のターン! 私は、手札のブレードスケーターと、フィールドのエトワール・サイバーを融合!

 サイバー・ブレイダーを融合召喚!」

サイバー・ブレイダー:融合・効果モンスター/星7/地属性/戦士族/攻2100/守 800


「そして、サイバー・ブレイダーでギア・フリードを攻撃! グリッサード・スラッシュ!」



サイバー・ブレイダーはフィギュアスケート風に滑ってきたとおもったら途中で凄い勢いで回転を始める。

基本、サイバー・ガールの攻撃はフィギュアスケートの蹴り。

当然スピンして加速をつけてから蹴るつもりなのだろう。

しかし、



「そっちこそ不用心じゃないのか!?

 トラップ発動! 炸裂装甲! サイバー・ブレイダーを破壊!」

「そうかしら、私はちゃんと用心してるわよ? 即効魔法融合解除!

 サイバー・ブレイダーを融合デッキに戻し、墓地から融合素材となったモンスターを特殊召喚する!

 エトワール・サイバー、ブレード・スケーターを守備表示で特殊召喚!」

エトワール・サイバー:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1200/守1600

ブレード・スケーター:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1400/守1500


「サイバー・ブレイダーが失われた事により、炸裂装甲は不発に終わる!」

「くっ!」

「カードを一枚伏せてターンエンド」



なんというか、凄い気迫の感じられるデュエルだ。

明日香はそれだけ本気ということなのだろう。

しかし、難点として、既に彼女の手札はゼロだ。

まあどうせチート気味な手札増強をしてくるだろうが、それでも、回数には限界がある。

ならこちらも、十分勝ち目がありそうだな。



「俺のターン! ドロー!」



モンスターカードが来なかったか。

モンスターが一体きりというのはちょっとばかりやりづらい。

アニメではよくあるが、一体だと破壊されればがら空きになるから困る。

クロス・ソウルや罠はずしが手札に来ているが、使いようのない状況だ。



「俺は、ギア・フリードでエトワール・サイバーを攻撃! 鋼鉄の手刀!」

「くっ!」



エトワール・サイバーが破壊されて墓地に行く。

ブレードス・ケーターのほうが基本攻撃力は高いが、

通常モンスターであるブレード・スケーターなら黙する死者で復活が出来る。

復活のしにくい効果モンスターを先に潰すのは常套手段と言える。

黙する死者のデッキ投入は初期の通常モンスターが多い融合型のデッキにおいては割とみられた傾向だ。

十代もヒーロー専用復活カードであるオーバーソウルをデッキに入れるまではよく使っていた。



「ターンエンド」



困った話だが。

手札に残っている4枚ものマジックカードで伏せたいと思うものはなかった。

クロス・ソウルや罠はずしに戦士の生還、そして稲妻の剣。

どれも相手ターンでは使えないし、

装備魔法カードを破壊する効果のあるギア・フリードには稲妻の剣は装備出来ない。

まあ、一応伏せてあるのは突進なので攻撃力2500未満の敵なら戦闘破壊はされないだろうし、

手札には戦士の生還もあるので、除外されない限り戦線維持は可能だろう。



「私のターン! ドロー!

 マジックカード強欲な壺を発動! デッキから二枚ドロー!」



やっぱり来たか、だがまあ強欲な壺くらいなら大したことはない。

十代は更に悪夢の蜃気楼と、バブルマンという3つのドローコンボがあるしな。

それと比べればはるかにましだ。



「手札からサイバー・チュチュを召喚!」

サイバー・チュチュ:効果モンスター/星3/地属性/戦士族/攻1000/守 800


「そして、フィールドに伏せた速効魔法アレグロ・トゥールの効果を発動!

 モンスターが召喚された時、フィールド上のトラップ・マジックを一枚破壊する!」

「速効魔法発動! 突進! ギア・フリードの攻撃力がエンドフェイズまで700ポイントアップする」

鉄の騎士ギア・フリード:攻撃1800→攻撃2500



なるほど、さっきまで伏せていたのは召喚した時に発動するサイクロンのようなものなわけだ。

しかし、前のターンで俺が召喚しなかった(出来なかった)から発動出来なかったという訳だな。

だけど、サイバー・チュチュか……セブンスターズ編で使われるカードは既にデッキにあると言う事だな。

まあ、彼女が中途半端なデッキを組んでいるとも思えないが。



「そして、サイバー・チュチュのモンスター効果発動!

 相手フィールド上にこのモンスターより低い攻撃力のモンスターがいない場合ダイレクトアタックが出来る!

 バトル! サイバー・チュチュでダイレクトアタック! ヌーベル・ポアント!」

「うおっ!?」

佳克:LP2200→LP1200



そういやそうだった、明日香にはダイレクトアタック出来る効果のカードが多かった。

下手な事をしてるとこちらにいくらモンスターがいてもダイレクトアタックで沈められかねんな。



「カードを一枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」



ドローしたカードはトラップカードの迎撃準備、手札には相変わらずモンスターが来ない。

決め手が無い状況が続くのは正直困るが、明日香だってあの状況ではかなり難しいだろう。

今は確実に倒せるモンスターに攻撃していくしかないだろうな。

サイバー・チュチュは攻撃表示、ブレード・スケーターは守備表示。

となると、サイバー・チュチュに攻撃するのがいいとは思う。

だが、伏せてあるカードがドゥーブルパッセだった場合、俺の残りライフは200になってしまう。

こういう時トラップ・マジックを破壊できるカードが不足しているのは痛い。

しかし、サイバー・チュチュを破壊せずに置いておけば次のターンもダイレクトアタックを食らうことになる。

迎撃準備で防げればいいが……。

やはり多少不安でも攻撃するしかないな。



「バトル! 俺はギア・フリードでサイバー・チュチュを攻撃! 鋼鉄の手刀!」

「速効魔法発動! プリマの光!

 サイバー・チュチュを生贄に、デッキからサイバー・プリマを召喚!」

サイバー・プリマ:効果モンスター/星6/光属性/戦士族/攻2300/守1600


何!?

速効魔法で召喚しているのに特殊召喚じゃないだって?

つまり、その魔法で召喚しても効果が発動可能ってわけだ。

確かサイバー・プリマの特殊効果は召喚された時に表側表示のマジックカードを全て破壊するだったな。

ってあれ、テキストが違うアニメ効果は特殊召喚でも発動するようになってる!?

まあ、俺のフィールドに表側表示のマジックカードはないが。



「フィールドに変化が起きた事により、バトルを巻き戻す!

 ギア・フリードで、ブレード・スケーターを攻撃! 鋼鉄の手刀!」

『オォォォ!』

「くっ!」



いい体型してるんだけど、なぜか頭に髪がないブレードスケーターが墓地へと消える。

後残っているのはサイバー・プリマだけだが、厄介だな。

モンスター破壊系のカードは来ていないし、モンスター自体延々引けずにきている。

幸いにして未だにギア・フリードは破壊されていないが、時間の問題という気もするな。

何より残りライフ1200じゃダイレクトアタックが怖い。



「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」



さて、どうする?

彼女の引きが十代に匹敵するレベルである事はドローパンの回で証明されている。

次のターン、やばいカードが来る確率は五分五分ってところか。

彼女はまだ追い込まれていないからな。



「私のターン、ドロー!

 バトル! サイバー・プリマでギア・フリードを攻撃! 終幕のレヴェランス!!」

「トラップ発動! 攻撃の無力化! 敵一体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!」



勢い込んで攻撃してきた明日香のサイバー・プリマは動きを止める。

ここで押しこめなかったのが悔しいのだろう、明日香は少し苦い顔をしている。

まあ、伏せトラップが攻撃反応型だから対応できたと言う所か。



「なかなかやるわね……」

「そいつはどーも」

「私はこのままターンをエンドするわ」

「俺のターン、ドロー!」



最初の頃の調子のよさはどうしたのか、最近引きがあまりよくないな……。

モンスターが来ない状況が4ターンも続くとは。



「ギア・フリードを守備表示に変更しカードを一枚伏せてターンエンド」

鉄の騎士ギア・フリード:攻撃1800→守備1600



「私のターン! ドロー!

 引きが良くないようね、そろそろ決められるかしら?」

「大きなお世話だ!」

「なら遠慮はしないわ儀式魔法、機械天使の儀式を発動!

 フィールドのサイバー・プリマを生贄にサイバー・エンジェル−韋駄天−を儀式召喚!」

サイバー・エンジェル−韋駄天−:儀式・効果モンスター/星6/光属性/天使族/攻1600/守1800


「サイバー・エンジェル−韋駄天−の効果発動!

 墓地にあるマジックカード一枚を手札に加える!

 私が選ぶのはマジックカード強欲な壺! そのまま強欲な壺を発動! デッキから2枚ドロー!」



あっ、これはちょっとやばいか?

デッキが凄い勢いで回り出すというのは、アニメではよくある話だ。

伏せカードで対応できるかどうかだな。



「手札から死者蘇生を発動! 墓地からサイバー・プリマを特殊召喚する!」

サイバー・プリマ:効果モンスター/星6/光属性/戦士族/攻2300/守1600



本来なら特殊召喚で表側表示の魔法が破壊されたりするんだろうけど、

やはり俺のフィールドには表側表示のマジックカードはない。



「バトル! サイバー・プリマでギア・フリードに攻撃! 終幕のレヴェランス!!」

「トラップ発動! 攻撃の無力化!

 このターン俺のモンスターは戦闘では破壊されず。戦闘ダメージも受けない!」

「そのギア・フリード本当にしぶといわね……カードを一枚伏せてターンエンド」



確かに、一応戦士の生還も手札にあるけど、もうギア・フリードが倒れたら俺すぐライフが尽きそうだしな。

ギア・フリードが完全に命綱化してるよ……。



「俺のターン、ドロー!」



来た、来た来たキター!

この状況では一番来てほしいカードが来やがった!

こういう千日手みたいな状況を打開して逆転っていうカードはそう多くないからな。



「マジックカード発動! 拘束解除!

 デッキから剣聖−ネイキッド・ギア・フリードを特殊召喚する!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:効果モンスター/星7/光属性/戦士族/攻2600/守2200


「更に、装備魔法稲妻の剣を装備! 攻撃力が800アップ!」

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:攻撃2600→攻撃3400


「そして、ネイキッド・ギア・フリードの効果発動!

 このモンスターに装備カードが装備された時、モンスター一体を破壊する!

 俺が破壊するのはサイバー・プリマ!」

「……ッ」



サイバー・プリマは再び墓地へ、なんというか御苦労さんな事だ。

まあ、俺としても伏せカードが何か気になる所ではあるが……。

まさか、聖なるバリア・ミラーフォースのように、モンスターを全滅させるトラップは張っていないはず。

この頃の傾向として、そう言うのを張るのは雑魚のほうと相場は決まっている。



「俺は手札からマジックカード戦士の生還を発動! 鉄の騎士ギア・フリードを墓地から手札に戻す。

 そして、そのまま攻撃表示で召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


「バトル! ネイキッド・ギア・フリードでサイバー・エンジェル−韋駄天−を攻撃! ネイキッドブレイド!」

「トラップ発動! 炸裂装甲! ネイキッド・ギア・フリードを破壊!」



なっ、このタイミングでそんなトラップを引いているとは……。

まあミラーフォースではないだけましではあるが。

剣聖様が墓地へと消えて行く……チャンスだったんだけどなー。



「ならギア・フリードでサイバー・エンジェル−韋駄天−を攻撃! 鋼鉄の手刀!」

「くぅッ」

明日香:LP2200→LP2000


「ターンエンド」



サイバー・エンジェル−韋駄天−が墓地に行った事により、明日香のフィールドはガラ空きになった。

しかし、俺のライフは1200、明日香の引き次第ではまたまた逆転という事もありうる。

互いに決め手を欠いてるな……。



「私のターン、ドロー!

 私はサイバー・ジムナティクスを守備表示で召喚!

サイバー・ジムナティクス:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻 800/守1800


「ターンエンド」



なんと……、流石にドローソースがないんじゃ無茶はできないのか。

しかし、1800の防御力、俺のデッキに残っているカードでそれを超える事の出来るためのカードは3枚しかない。

ガーゼットかコマンド・ナイト、そして今回デッキに入れたカードだ、どれかが来てくれる事を祈ろう。



「俺のターン、ドロー!」



手札に来たのは……エルフの剣士……微妙な……。

まずいな、次のターン彼女がジムナティクスの効果を使えば当然ギア・フリードは破壊される。

毎ターンモンスターが来ればまだいいが……。



「俺はエルフの剣士を守備表示で召喚!」

エルフの剣士:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200



とりあえず盾代わりにする事しかできん……。

次のカードがモンスターカードでない事を祈ろう。



「ターンエンド!」

「私のターン、ドロー!

 私は手札から融合回収を発動! 墓地の融合魔法カードと融合素材モンスター1体を回収する!

 私が回収するのは、ブレードスケーター!」

「なっ!?」



今のは不味い、手札が2枚になった、そして一枚がモンスターカードだって!?

ジムナティクスの効果は1ターン一度だが、ブレードスケーターの攻撃力は1400、

エルフの剣士の守備力を越えている……攻撃表示にしておけばよかった(汗



「融合魔法カードを墓地に捨て、サイバー・ジムナティクスの効果発動!

 ムーンサルト・ランディング! ギア・フリードを破壊!」

「うっ!?」



不沈艦のようだった、ギア・フリードが沈んで行く……。

このデュエルを支えていたカードだったのに……。



「更にブレード・スケーターを攻撃表示で召喚!」

ブレード・スケーター:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1400/守1500


「そして、サイバー・ジムナティクスを攻撃表示に!」

サイバー・ジムナティクス:守備1800→攻撃800



「バトル! ブレード・スケーターでエルフの剣士に攻撃!

 アクセル・スライサー!」

「ちぃ!」



エルフの剣士がブレード・スケーターの腕に生えた剣で切り刻まれる。

俺のフィールドはガラ空きになってしまった。



「サイバー・ジムナティクスでダイレクトアタック! パド・ブレ!」

「グハッ!?」

佳克:LP1200→LP400



何か一瞬5人に分身したように見えたジムナティクスは攻撃してきたときは一人だった。

まあ、何にしろ生き残った事だけはセーフと言わざるを得ない。

しかし、残りライフ400……逆転の一手なんてあるのだろうか?



「俺のターン! ドロー!」



俺は無心でドローをする、正直何が来れば逆転につながるのかすら今は良く分からないからだ。

手札に来たカードを見てから考えるしかあるまい。

そのカードは……。



「手札から強欲な壺を発動! デッキから2枚ドローする!」



いろいろ引いてきたせいでカードが揃いやすくなったのか、いいカードがそろい踏みだ。

これならいける!



「自分フィールドのモンスターの数が相手フィールドよりも2体以上少ない時、

 このカードは手札から特殊召喚する事が出来る!」

「えっ……」

「魔道ギガサイバーを特殊召喚する!」

魔道ギガサイバー:効果モンスター/星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200


「更に! コマンド・ナイトを攻撃表示で召喚!」

コマンド・ナイト:効果モンスター/星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900


「コマンド・ナイトの効果発動! 自分フィールド上にいる戦士族モンスターの攻撃力を400アップする!」

魔道ギガサイバー:攻撃2200→攻撃2600

コマンド・ナイト:攻撃1200→攻撃1600



明らかに悪者なギガサイバーと、武装は重厚なもののどことなく温和なイメージを受ける金髪女性が並び立つ。

ギガサイバーを召喚出来るとは思っていなかったが、コマンド・ナイトの攻撃力の上昇効果はやはり強力だな……。
 

「コマンド・ナイトでサイバー・ジムナティクスを攻撃! タクティクスチャージ!」

「つっ!!?」

明日香:LP2000→LP1200



攻撃力800しかないジムナティクスを攻撃表示にしたせいで、ダメージも大きいというわけだ。

コマンド・ナイトは召喚すれば400攻撃を上げるので実質攻撃力は1600だといっていい。

墓地へと消える筋肉な女性はちょっと恨めし気にみえた。



「魔道ギガサイバーでブレード・スケーターに攻撃! ギガンティックナックル!!」

「キャー!?!?」

明日香:LP1200→LP0



これまたちょうど、ブレード・スケーターの攻撃力が1400、ギガサイバーが2600なので1200のダメージ。

こうまでぴったりだと、ちょっと薄気味悪いが……。

ともあれ、これで勝利ということだな。



「なかなか楽しいデュエルだったぜ」 

「参ったわね……まさかあそこから逆転されるなんて」

「まあそれでも、かなりいい線いってたわけだし、少し教えてやるよ」

「えっ?」

「といっても俺が知っているのは、天上院吹雪と直接面識があるからじゃない」



そう前置きする。これは事実だ、アニメで知っているだけの事にすぎない。

この世界に置いて全てがアニメ通りの流れになるのか今の所判別のしようはない。



「それでもいいわ、何でもいいから教えて」

「口外はしないでくれよ?」

「ええ……」

「表に出ないデュエルをする地下組織の一つの事を小耳にはさんだだけだが、

 そのデュエリストのメンバーに天上院吹雪という名があった」



明日香は目をむいて俺に食ってかかる。

そりゃまー、生死不明だったんだしな。

生きてるってわかっただけでも楽にはなっただろう。



「その組織はどこに行けば接触できるの?」

「細かい事は知らない、俺も又聞きだ、

 ただレアなカードを求めて地下でデュエルをしているらしいからいずれはここも狙って来るかもな」

「レアなカード……?」

「この学校も研究施設とかいろいろあるだろ?」

「そう……ね、ありがとう」

「いや、いいんだがあまり突っ走りすぎるなよ。

 一対一になるとは限らないんだ、そういう組織はまともにやってくるかどうかわからない」

「……気をつけるわ」



微妙なラインだが組織名も晒していないし、接触する事は難しいだろう。

何せいきなり接触なんてしたらセブンスターズがエイトスターズになりかねない。

そうでなくても、いろいろ面倒なのに……。

って、そういえば……また三沢に接触し損ねた!!?





あとがき

長いといっても、今のコンボなんかと比べればまだ説明が少ない分短いですけどねw

次回はオリキャラの出番なので、本編は半ばお休みです。

とはいえ時間的には動いているんですがねw



押していただけると嬉しいです♪

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