ようやく俺も、切り札となるカードをいくつか手に入れた。

ただそのまま回すには、生贄の確保が難しいのも事実、最低限特殊召喚カードは多めに積んでおく必要がある。

セブンスターズ編の間はノーマルのデュエルが減るため、

DPの荒稼ぎと言うわけには行かないが、そこそこ貯まったのでカードを補充してみた。

引き当てられた特殊召喚系のカードは5枚、そのうちいくつかをデッキに加えた。

地属性デッキというものは奥が深いというか、これと決めたフィニッシャーを上手く扱えるデッキに再構成する事になる。

そのため、今までのデッキから半分近くを変更するハメになった。

通常モンスターを6枚ばかり詰め込んで、蘇生を行えるカードを入れた。

普通なら中途半端なカードは回らないこともあるが、その価値は十分にあるとは思う。



「融合魔法カードはあえて使わないようにするからそれほどには重くならないはずだが」

「でも、フィニッシャーは半分くらい廃業ね」

「ある程度は仕方ないさ、メガロックドラゴンとか面白くはあったけど、毎回岩石族ばかり引くとは考えにくいしね」



デッキ調整に付き合ってくれたアウスが言うが、まあ正直これ以上はどうしようもない。

このデッキは決まれば強いコンボがいくつか埋まっている、以前よりは回転しやすさもあがっている。

このデッキなら、カイザーと対決しても、勝てる可能性もあるかもしれない。

まあ、引きのよさ次第なところはあるが。



「ともあれ、間に合ってよかった。時期的に見てそろそろのはずだからな……」

「時期的に?」

「あー、いやこっちの事だが」

「ふぅん、まあいいわ。それで、なぜこんな廃寮の地下室にいるの?」

「まあ、言えばタイタンの捜索」

「……直接は知らないけれど、十代が倒したデュエリストよね」

「ああ」



奴は、明日香を狙ってくる、それはアニメにおいての事だが、この世界に来てからアニメとの違いはさほど大きくはない。

かなりの確率で狙ってくるだろう、そして、兄の記憶を餌にデュエルを仕掛けるのだ。

闇のデュエルの中では、カーミュラほどではないものの、危険度の高いデュエルだ。

まあ明日香とは差ほど親しいわけではないが、それでも危険な目にあうのは出来ればとめたい。

それに、代わりに俺が出ればいいだけのこと。

俺も怖い部分はあるが、奴のデーモンデッキは基本的に怖いとは感じない。

知らなければ怖いが、知っていれば怖くないというわけだ。

ダークパセオもデーモンズマタドールもメタを張るほどのカードじゃない、後は奴のセンス次第。

俺のセンスを超えていたなら、俺も闇の世界行き、そうでなければ俺の勝ち。



「ちょっとしたズルかもしれないが」

「ズル?」

「そっ、相手のデッキをある程度知ってるからね」

「それはズルなの?」

「え?」

「十代はヒーローデッキを使う事を皆知っているでしょう?

 三沢のピケル、クランデッキも中身は知れ渡っている。

 それでも彼らは勝っている、その意味はなに?」

「デッキを知っていても必ずしも全てが見えるわけではないってことか?」

「ええ、むしろ、知らないから負ける、知っていれば勝てるというのは負けた時の言い訳」

「きっついな……」



確かに、遊戯王の主人公達のデッキはある程度回が進めば大抵知られてしまう。

それでも彼らが勝ち続けるのは、引きのよさが一番の理由ではあるが、知っていれば勝てるというものでもない。

トラップやマジックの発動タイミング一つとっても、かなり結果が違っていたりする。

本当に上手いデュエリストは相手の発動タイミングを予測して、無効化や、カウンターを行う。

又逆に相手の攻撃なりを使って、自分のコンボを演出したりもする。

そこまでの事が本当にできるデュエリストがアカデミアに何人いるかは別として。



「わかった、その辺の事は考えないことにするよ」

「ええ」



ともあれ、俺は今回、タイタンを待つ事にする。

今言った事以外にも、理由があるからだ。

タイタンは実際に闇にのまれるシーンのある唯一のデュエリスト。

あの人あの後復活できたのだろうか?

その心配は今でもある。

何のかんの言っても、実際に死人が出た事はないGXの世界において、唯一行方不明な人だ。

真実悪人ってほどでもないだけに、それに、理事長にこき使われただけの人なのに。

理事長も恐らくあの後すっかり忘れていたのではないだろうか……(汗)

出来ればタイタンの事は、事が終ったあとにでも理事長に出してやるように頼んでおきたい。



「10時を回った、これからいつ来るかはわからないが、奴は数日中には来るはず……」

「そう言ってここ数日泊まり込みだけど、寮のほうは大丈夫なの?」

「まー、レッド寮は寮則が緩い事でも有名だから、昼はきちんとアカデミアに出てるし大丈夫だろう」

「本当にゆるゆるね」



まあ、何れはイエローに上がるつもりなので、その時はあまり長旅は出来ないが。

2年時にはそういうイベントはなかったと思うから問題ないだろう。

逆にブルーになると、案外まともに出席していない奴もいるようだが。



「気配がする……、なるほどこれは……闇の気配ね」

「へぇ、そんな違いがわかるのか」

「ええ、入ってくるわよ」



その言葉が終る頃には、タイタンが幽鬼のようにどこからともなく出現した。

巌のように背の高い男が真黒な黒服にマント、顔の上半分を覆う仮面をしている。

まー確かにマジシャンっぽい服装ではある。

恐らくは、闇の世界とやらを移動してきたのだろう。

そうして、後からふらふらしつつ、光彩のない瞳で催眠術にかかったような状態の明日香が現れる。

少し明日香の大きな胸に見入っていたら、隣のアウスに睨まれた。

確かにアウスも大きいよと、心の中で謝っておく。



「まーさか! まさか先客がいるとはな」

「ああ、待たせてもらった。セブンスターズのデュエリスト、タイタン」

「ほう、俺の名を知っているとは、これは驚いた」

「何ちょっと調べればわかる事さ」

「ふむ、それで? それで君は一体私に何の用かね?」

「いやちょっと聞きたい事があってね」

「聞きたい事だと?」

「ああ、っとその前に、明日香が目を覚ますぜ?」



そう、俺とタイタンがやり取りをしている間に明日香が目覚める。

そして、同時にアウスは姿を消した。

アウスはその辺わきまえてくれているというか、単に他の人の目にあまり触れられたくないのか。

ともあれ、どうにかタイタンの興味をこちらに向けることには成功しつつある。

後は、明日香をどういいくるめるか。



「タイタン! それにヨシカツ?」

「ああ、タイタンとデュエルを先にさせてもらおうと思ってね」

「待って! デュエルをするのは私よ! 兄さんの記憶を戻すためには他に方法がないの!」

「勝利したら吹雪さんの記憶を戻してもらう、負ければカギを渡す。そういうルールでやるんだね」

「ええ……その通りだけど……」

「なら、賭ける物は同じでいいから、俺に先にやらせてくれ」

「どうして……?」

「新しいデッキの調整を兼ねてね、それに、明日香にとっても悪い話じゃないだろ?

 俺が勝てばそれでよし、負けても相手のデッキを確認する事が出来る」

「それはそうだけど……、でも命の危険だって……」

「決まったかね?」

「ああ、俺からだ」



明日香はまだ不満というか、自分で兄の記憶を取り戻したいという思いがあるからかもしれないが、

とにかく多少不満げではあったが、一応俺がやることを認めてくれたようだ。



「さて、楽しくやろうぜ。タイタンさんよ!」

「フン、ただの前菜が偉そうな口を!」


「「デュエル!!」」



佳克:LP4000   タイタン:LP4000



「私の先攻、ドロー!」



タイタンの奴さっさと片付ける気まんまんだな。

だが、急いては事をし損じるじゃないが、精神的に追い詰めるのがタイタンの闘い方だったはずだ。

そう言う意味では失敗だろうな。



「私は、インフェルノクインデーモンを召喚!」

インフェルノクインデーモン:効果モンスター/星4/炎属性/悪魔族/攻 900/守1500


「そして、フィールド魔法、万魔殿(パンディモニウム)−悪魔の巣窟を発動!

 これにより、デーモンと名のつくモンスターによるライフコストはゼロとなる」



行き成り来たな、まあ、こちらの方は破るのは別にむずかしくない。

とはいえ、インフェルノクインデーモンはアニメとOCGでは色々と効果が違う。

OCGでは、自分ターンのスタンバイフェイズに発動し、エンドフェイズに切れる効果も、

好きなタイミングで発動でき、相手ターンも続く。

もちろん次の自分のターンでは元に戻るが、当然また自分のターンで強化する事が出来る。

つまり、実質永続効果だということだ。

この辺はアニメのスカイスクレイパーの効果と似ている。

アニメのスカイスクレイパーもヒーローの攻撃力は戦闘前に上昇し、

そのまま攻撃力が上になるモンスターがいなくなるまで相手ターンもお構いなしに続いた。



「インフェルノクインデーモンの効果発動!

 デーモンと名のつくモンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップする!

 私はインフェルノクインデーモンの攻撃力をアップ!」

インフェルノクインデーモン:攻撃900→攻撃1900


「ターンエンド」



伏せカードを置かなかった、かなりこの布陣に自信があるんだろう。

理由はわかる。

攻撃力の高さもがが、デスルークデーモンの存在だろう。

やられるたびにデスルークデーモンを手札に呼び込み、墓地のデーモンを手札にもどす。

これにより、ガジェットに近い機能を持つコンボとなる。

まあ、これくらいでやられてやる訳にはいかないが。



「俺のターン、ドロー!」



俺が引いたのは、

巨大ネズミ:効果モンスター/星4/地属性/獣族/攻1400/守1450

ギガンテス:効果モンスター/星4/地属性/岩石族/攻1900/守1300

地霊使いアウス:効果モンスター/星3/地属性/魔法使い族/攻 500/守1500

メガロックドラゴン:効果モンスター/星7/地属性/岩石族/攻 ?/守 ?

マジック、トラップはリビングデッドの呼び声と突進、突進の使いどころをどうするかが難しい所だな。



「俺は巨大ネズミを守備表示で召喚」

巨大ネズミ:効果モンスター/星4/地属性/獣族/攻1400/守1450


「ターンエンド」

「まともな攻撃モンスターも引けなかったのか! これで、俺の勝ちは決定的だな!」

「ヨシカツ!?」

「明日香もまあ見てなって、俺も弱い訳じゃないんだぜ」

「ふん、私のターンドロー!

 私は、ジェノサイドキングデーモンを召喚!」

ジェノサイドキングデーモン:効果モンスター/星4/闇属性/悪魔族/攻2000/守1500


「インフェルノクインデーモンの効果が切れるが再度、自らの攻撃力を1000上げる」

インフェルノクインデーモン:攻撃1900→攻撃900→攻撃1900


「バトル! インフェルノクインデーモンで巨大ネズミを攻撃! 滅殺!血煙り吹雪!!」

「ぐっ!」



巨大ネズミがインフェルノクインデーモンの放ったブレスというか血煙りの中に囚われて消える。

ライフダメージはないので、特に痛みはないが、デーモン系はなかなか嫌な攻撃をしかけてくるな。



「墓地に行った巨大ネズミの効果発動!

 デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスターを特殊召喚できる!

 俺が特殊召喚するのは激昂のムカムカ!」

激昂のムカムカ:効果モンスター/星5/地属性/岩石族/攻1200/守 600


「更に、激昂のムカムカの特殊効果、手札の枚数×400ポイント攻撃力を上げる。

 俺の手札は4枚、よって攻撃力は1600アップ!」

激昂のムカムカ:攻撃1200→攻撃2800



ここの所、一番ネズミからよくリクルートするのが激昂のムカムカなのはお約束。

やはり、攻撃をストップする能力が凄まじい。



「クッ! 手札から天使の施しを発動! 3枚ドローし2枚墓地に捨てる」



今捨てたカード、一枚はダークビショップデーモン、

そしてもう一枚はプリズンクインデーモン……、なるほど、攻撃力増幅のコンボにする気だな。

インフェルノクインデーモンと同じように、このカードが墓地にあり、パンデモニウムがあれば、

自分のスタンバイフェイズで攻撃力を1000上げる事が出来る。

両方の効果を合わせれば、ジェノサイドキングデーモンの攻撃力は4000まで上げられる計算だ。

とはいえ、次のターンまでパンデモニウムがあればの話だが。



「そして、カードを一枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」

激昂のムカムカ:攻撃2800→攻撃3200


今伏せたカードが攻撃を防ぐためのカードである確率はかなり高い。

タイタンのデッキにはあのカードがあったはずだ。

下手に攻撃はできないな……。

ならやはり、この手が一番だろうか。

因みに、こっちが引いたのはメカニカルハウンド、結構重い状態だな今の状況。



「俺は墓地の巨大ネズミを除外し、ギガンテスを特殊召喚する!」

ギガンテス:効果モンスター/星4/地属性/岩石族/攻1900/守1300

激昂のムカムカ:攻撃3200→攻撃2800


「バトル! ギガンテスでインフェルノクインデーモンを攻撃! ギガス・クラブ!」

「合い討ち狙いだとぉ!?」

「そう言う事だ、両者のモンスターは破壊され、墓地に行ったギガンテスの効果が発動する!

 フィールド上のトラップマジックを全て破壊! ギガス・トルネード!!」

「なぁ!? まさかぁー!?」

「そう、万魔澱と伏せカードを破壊する!」



伏せカードはやはりデーモンの咆哮、

迂闊に攻撃すればこちらのモンスターが戦闘破壊される事になっていただろう。

ライフコストがあるとはいえ、戦闘破壊出来る効果であるのは強い。

戦闘破壊する事によって効果を発動するモンスターも多いからな。



「そして、激昂のムカムカでジェノサイドキングデーモンを攻撃!! アンガー・シザース!!」

「ぐおおおーー!??!」

タイタン:LP4000→LP3200


「ターンエンド」

「ちぃ! この程度でいい気になるなよ! 私のデッキの新しい切り札を見せてやる!!

 私のターン!! ドロー!!」
 


確かに、今回の彼のデッキの目玉はまだ出ていない。

しかし、どうやって召喚して戦うつもりなんだ?



「手札からマジックカード強欲な壺を発動! デッキから2枚ドローする。

 そして、デーモン・バンデリジェーロを召喚!」

デーモン・パンデリジェーロ:効果モンスター/レベル3/闇属性/戦士族/攻撃力900/守備力600


「デーモンパンデリジェーロが召喚に成功した時、効果発動! 相手フィールド上のモンスター一体を破壊する!

 当然破壊するのは、激昂のムカムカ!」

「くっ!?」



来たか、アニメオリジナルデーモン群、OCG化しなかった理由は今一よくわからないが。

かなり使えるカードが多かったのを覚えている。



「そして、マタドールの儀式 ダークパセオを発動!

 フィールドのデーモンパンデリジェーロと手札のデスルークデーモンを生贄に!

 現れろデーモンズ・マタドール!」

デーモンズ・マタドール:効果・儀式モンスター/レベル6/闇属性/悪魔族/攻撃力0/守備力0


「そしてフィールド魔法ダークアリーナを発動!」



フィールドが暗闇につつまれる。

これで、有視界戦闘が難しくなった、とはいえ、デュエルの場合宣言が必要になってくるので、あまり関係ないのだが。

ともあれこのフィールド効果は厄介だな。



「手札を一枚伏せてターンエンド」



かなり無理なデュエル運びをしたものだな……。

確かに、デーモンズマタドールとダークアリーナのコンボは強力だが、手札を使いきってしまうとは。

しかし確かに、拘束力のあるコンボでもある。

デーモンと名のつくカードがないプレイヤーは攻撃目標を選択できず。

また、表側表示モンスターは必ず攻撃しなくてはならない。

つまり、ダークアリーナがある限り、うかつにモンスターを召喚出来ないという事になる。



「俺のターン、ドロー!」 



だが、対策がない訳じゃない、手札には来ていないが……。

まあそれならば時間稼ぎをするしかない訳だが。

問題は裏守備で出せるカードはリバースモンスターのみというところ。

ん?

手札に来たのは、アウスか……。

悪いな、こんな使い方をして。



「俺はモンスターを一枚伏せ、カードを一枚伏せてターンエンド」

「ほう、デーモンズマタドールの効果を知っていると言う事か」

「あからさまでもあるしな、攻撃力ゼロのモンスターをただ置いておくわけがない」

「ふむ、その通りではあるな、ならば、私のターン、ドロー!

 これはこれは、面白いものを引いた。私はデーモン・ピカドールを召喚!」

デーモン・ピカドール:効果モンスター/レベル4/闇属性/戦士族/攻撃力1600/守備力1300


「そして、バトル。

 デーモン・ピカドールはフィールド上にダーク・アリーナが存在する場合、相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。

 行け! ダーク・ストアー!」

「グッ!!」

佳克:LP4000→LP2400



攻撃力1600でのダイレクトアタック、確かにこいつは厳しい。

というか、かなり痛い……ライフが半分以下になっていないのでまだましという所か。

しかし、後2ターン続けばそれだけでアウトだ。

だが、裏守備のアウスは生き残った。

これは案外使えるかもしれないな。



「ターンエンド」

「俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードは、ハイパーハンマーヘッドこいつはデーモンズマタドールを排除するのにうってつけだ。

折角だから披露せねばなるまい。



「俺はハイパーハンマーヘッドを召喚!」

ハイパーハンマーヘッド:効果モンスター/星4/地属性/恐竜族/攻1500/守1200


「そしてバトル! うなれ! ヘッドバンキング!」

「ふん、デーモンを持っていない以上、バトル先の選択権は私にある。

 私が選択するのは、デーモンズピカドール!」

「待っていたぜ、その時を! 速攻魔法突進! ハイパーハンマーヘッドの攻撃力が700アップ!」

ハイパーハンマーヘッド:攻撃1500→攻撃2200


「何!?」


そう、最初に引いたカード突進、使えるタイミングがなくて手札に眠っていたが、今が使い時だろう。

ダイレクトアタックなんかされても困るからな。



「くっ!?」

タイタン:LP3200→LP2600



「ターンエンドだ」



今一コンボがつながらない、俺はアウスを見るが、アウスは表情を変えない。

つまり、これはアウスの介在する事ではないという事か。

それはつまり、単に俺の運が悪いか、もしくは、ダークネスの力が少々なりとも影響しているのか。

どちらにしろ、今の所有利に進んではいる。



「私のターン、ドロー。デーモンズマタドールが封殺されてしまうとはな。

 だが、私のデーモンデッキがそれだけのデッキだとは思わない事だ。

 デーモンズ・マタドールを生贄に、冥界の魔王ハ・デスを召喚!」

冥界の魔王ハ・デス:効果モンスター/星6/闇属性/悪魔族/攻2450/守1600


「互いのフィールドにデーモンと名のつくモンスターがいなくなった事により、ダークアリーナの効果は失われる。

 しかし、ハ・デスはそんな事はものともしない! 

 バトル! 冥界の魔王ハ・デスでハイパーハンマーヘッドを攻撃! 六式冥界波!!」

「グォッ!?」

佳克:LP2400→LP1450



今のは効いた……一瞬吐血するかと思ったほどだ。

精神ダメージだそうだから、肉体そのものにダメージはないはずなんだが。

ハイパーハンマーヘッドは本来、墓地に落とされても、戦闘破壊出来なかったモンスターを手札に戻す効果がある。

しかし……。



「冥界の魔王ハ・デスの効果により、悪魔族に破壊されたモンスターの効果は無効となる!」



そう、それゆえ一時期は、帝モンスターを殴り倒し、

墓地から復活する黄泉ガエルを封殺するためのメタとしてよくデッキに入れられていた。

OCGで人気のカードという事は当然この世界においても使い勝手のいいカードという事になる。

タイタンのデーモンデッキに入っていた事は驚きではあるが、悪魔族には違いない。

全く、面倒なモンスターだな……。



「ターンエンドだ」

「俺のターン、ドロー!」



とにかく、まだ手札アドバンテージでは勝っている。

俺としてはそれを生かさない手はない。

俺はまたアウスを見る、このコンボは少しばかりアウスに申し訳ない気がしたのだ。

それに、上手くいっても、その後が厳しい。

生き残り工作がかなり面倒だ。

だが、このままやられる訳にもいかない。

アウスのほうも、ゆっくりとうなずいた。



「俺は荒ぶるアウスを守備表示で召喚!」

荒ぶるアウス:効果モンスター/星4/地属性/魔法使い族/攻 800/守1500


「裏守備の地霊使いアウスを生贄に、荒ぶるアウスの効果発動!

 手札からメカニカル・ハウンドを特殊召喚する!」

メカニカル・ハウンド:効果モンスター/星7/地属性/機械族/攻2800/守1500


「メカニカル・ハウンドで冥界の魔王ハ・デスを攻撃! グランド・ハンティング!!」

『行け、機械の猟犬』

「がぁっ!?!?」

タイタン:LP2600→LP2250



アウスの号令で、メカニカル・ハウンドがハ・デスに喰らいつく。

何だかこうしてみると、メカニカル・ハウンドがアウスのペットみたいだな……。

だとするとアウスって……いや、考えるのよそう。



「ターンエンド」

「わっ、私のターン、ドロー!!

 クッ、クククク!! 私の引いたカードは死者蘇生!」



死者蘇生?

墓地のモンスターの中で攻撃力がメカニカルハウンドを超えるものはない。

とりあえず倒すだけなら荒ぶるアウスを倒せばいいが、そこまで喜ぶほどの事でもないだろう。

一体なにが?

いや、あの唯一残った伏せカード、あれに何か意味があると見て間違いないな。



「私は、死者蘇生で墓地のプリズンクインデーモンを特殊召喚する!」

プリズンクインデーモン:効果モンスター/星8/闇属性/悪魔族/攻2600/守1700



このカードも本来は2007年つまりGXの3年目に出たカードだが違和感は全然ない。

というか、タイタンが持っていなくて誰が持っていますかというチェスデーモンのカードだ。

だが、攻撃力は2600一体何を狙っているのか?



「バトル! プリズンクインデーモンでメカニカル・ハウンドを攻撃! 豪烈!悪鬼跋扈!」



プリズンクインデーモンの体内から無数の小さな鬼というか悪魔というかが現れメカニカル・ハウンドにくらいつく。

しかし、メカニカル・ハウンドの体はその名の通り機械、まともに傷をつけられない。



『お返ししてやりなさいメカニカル・ハウンド』



アウスのその言葉を聞いたのかどうか、

メカニカル・ハウンドはプリズンクインデーモンに向かって突進し、首元に喰らいつく。

そして、予想通りというか攻撃力に準拠し、戦闘破壊された。



「くっ……」

タイタン:LP2250→LP2050


「速攻魔法発動! デーモンとの駆け引き!

 レベル8以上の自分フィールド上モンスターが墓地に送られた時発動!

 手札またはデッキからバーサーク・デッド・ドラゴンを特殊召喚する!」 

バーサーク・デッド・ドラゴン:効果モンスター/星8/闇属性/アンデット族/攻3500/守 0



バーサーク・デッド・ドラゴンだと!?

確かに召喚法こそデーモンとの駆け引きだが、効果が重ならないので警戒していなかった……。

だが確かにこいつは強力だ……なにせ……。



「バトル! バーサーク・デッド・ドラゴンはフィールド上の相手モンスターに一回づつ攻撃する事が出来る!

 よって、バーサーク・デッド・ドラゴンでメカニカル・ハウンドに攻撃!

 デッド・エンド・ブレス第一打!!」

「がぁぁぁぁッ!?!?」

佳克:LP1450→LP750


「更に、荒ぶるアウスに攻撃! デッド・エンド・ブレス第二打!!」

『あぁぁッ!!』



今度は俺のフィールドががら空きってか……。

しかも、両手が重くて仕方ない、闇のデュエルの疲れが出ているのかね……。



「ヨシカツ! もういいわ代わりなさい!!」

「明日香、悪いが今盛り上がっている所なんだ邪魔しないでくれるか?」

「なんですって!?」

「次のターン、見ていてくれよ」

「……次のターンだけよ」

「クククッ、この状況から逆転するというのかね? それは無理な相談というものだろう。

 フィールド上には何もない、その上このモンスターは早々倒せないぞ。

 それに残りライフももうすぐ尽きる」

「さっさと、進めようぜ」

「ケッ、苛めがいのないガキだ、ターンエンド」

「確かバーサーク・デッド・ドラゴンは自分のターンのエンドフェイズごとに攻撃力が500ダウンするんだっけな」

「その通りだ……」

バーサーク・デッド・ドラゴン:攻撃3500→攻撃3000



さあ、ラストターンだ。

アウスは既に気合い十分見たいだ。

俺自身今は燃えている、なんというかタイタンの全力が見れたという意味でも嬉しい所。

ただ、負けてやるつもりはこれっぽっちもない。



「俺のターン、ドロー!!」



気負いを込めてカードを引く、引いたカードは天使の施し。

俺は、早速使ってみる事にする。



「天使の施しの効果発動!デッキから3枚ドローし、2枚墓地に捨てる!」



よし来た!



「トラップカード発動! リビングデッドの呼び声! 今墓地に送ったレスキューキャットを特殊召喚!」

レスキューキャット:効果モンスター/星4/地属性/獣族/攻 300/守 100


このカードは元の世界では禁止カードだったが、まだシンクロ召喚がないこの世界においてはそう言う事はない。

3積みすることだってできる、あまり使い道がない事が多いが。



「レスキューキャットの効果発動!

 レベル3以下の獣族モンスター2体をデッキから特殊召喚出来る!

 俺はデス・ウォンバットと逆ギレパンダを特殊召喚!」

デス・ウォンバット:効果モンスター/星3/地属性/獣族/攻1600/守 300

逆ギレパンダ:効果モンスター/星3/地属性/獣族/攻 800/守1600



「雑魚を何体呼び出そうと、バーサーク・デッド・ドラゴンには勝てないぞ!」

「さあ、それはどうかな。

 続けて、墓地のギガンテスを除外して、メガロックドラゴンを特殊召喚!」

メガロックドラゴン:効果モンスター/星7/地属性/岩石族/攻 ?/守 ?


「攻撃力たかだか700ではないか!」

「だが、ここに3体の生贄が揃った」

「何っ!?」

「さあいくぜ!! 俺は、3体の生贄を捧げ、神獣王バルバロスを召喚する!!」

神獣王バルバロス:効果モンスター/星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200


『ほう、久々に下界に降りてみれば、闇の眷属がいるとはな……』

「そんなモンスター、見た事も聞いた事もない!?」



この世界では流通するのかどうかも不明なカードだしな。

精霊世界にあったんだから、その内発売される可能性もあるが。



「神獣王バルバロスの効果発動!! 相手フィールド上のカード全てを破壊する!! ワールド・エンド!!」

「ばっ、バーサーク・デッド・ドラゴンが!?!?」

「そしてバトル! 神獣王バルバロスでダイレクトアタック!! トルネード・シェイパー!!」

「ごぉぉぁぁぁ!?!?」

タイタン:LP2050→LP0



バルバロスの手にもつ螺旋の槍がタイタンに突き込まれる。

タイタンは訳が分からないという顔で、沈んでいく。

そして、気がつくと足元から闇がうごめき始める。



「バカな、バーサーク・デッド・ドラゴンまで使ったというのに!?

 待て、闇に戻りたくない!! やめろ!! 俺を放せ!! ゴォォァァァァア!?!?!」



流石にこの場でアレを止める事は出来ない。

引っ張り上げようとしたら俺も飲み込まれるだろうから……。

相手が好意を持つ女の子とかだったら別だけどね!(爆)

ただ、後で理事長にきちんと出しておいてもらおうとは思った。

流石にずっとあの場所では可哀そうだ。



「兄さん、来ていたの!?」

「あ……、ああ……明日香……、全部思い出したよ……」

「兄さん!!」



隣では兄妹の感動の再会が行われていた。

場違いみたいなので、俺は去ろうとしたが、



「君、確かヨシカツ君だったね……妹の代わりに闘ってくれてありがとう」

「いや、俺も好きでやった事ですし」

「それでも、妹を危険にさらさずに済んだんだ、礼を言わせてくれ」

「はあ……どうも」

「いや、礼を言っているのは僕なんだが」

「あっ、そうですね……すみません」

「ぷくく、君はおかしな人だな」



なんか、吹雪さんに気に入られてしまったらしい。

そういえば、彼、休学扱いで留年しまくってるから俺達と同学年になるんだったwww

こりゃ、吹雪さんとも長い付き合いになりそうだな……。

俺としては、あまりからかわれる対象にはなりたくないが……来年からイリーニャが来る可能性が高いからな。

さてはて、どうなる事やら……(汗)





あとがき

今回はタイタン戦です、一年目はぱーっといくつもりですので、後2〜3回で終わりにするかなとか考えています。
バルバロスはやっぱ強いわw
それに、シンクロのない頃のレスキューキャットは召喚すると使いものにならないですが、
(召喚権を消費し、ターンのエンドフェイズで特殊召喚するモンスターが破壊されるため)
特殊召喚すれば十分使える事が判明しましたww
地属性バルバロスには必須かもしれないですねw


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