どうもー、ヨシカツっす。

一年目ももう大詰めかなーと思われる今日この頃。

いやー、学園祭では男どもに追い回わされたけど、それも楽しい思い出ともいえる。

なにせ、この後の2人は色々な意味でめんどくさいデュエリストだ。

三沢とのデッキ談義もちょっとそぞろになりがちだ。



「それにしても、お前にあんな小さい女の子の知り合いがいたとはな」

「まあ、妹とその友達だ、お前は兄弟いないのか?」

「いるにはいるが、男兄弟だからな……」



三沢の家族については原作では触れられていなかったが、割とそう言う気はしていた。

なんというか、苦労人のイメージが強い。

弟達の面倒をみつつ受験合格のために頑張ってきたみたいな。

イエロー寮の事もあるので、貧乏だった訳でもないだろうが、面倒見はよさそうではある。

ピケルとクランがなついているのも、そう言った所があるからなのかもしれない。

ただまあ、デュエルタクティクスの事を考え始めると他の事が見えなくなりがちではあるが。



『おにいちゃんにはピケルがいるもん!』

『あっ、アタシもいてあげてるんだから、感謝しなさいよね!』

「ああ、お前達には感謝してる。おかげで俺は……俺は……orz」



セルフドツボにはまったようだ。

仕方ない事ではあるが、ロリコンデュエリストの浮き名は三沢の代名詞となりつつあった。

ピケルとクランをメインに使うという殆どネタとしか思えないデッキで勝ち進む。

かなりトリッキーなデュエリストとして知名度を得ている。


逆に俺は、この間の事もあるので鬼畜デュエリスト認定を受けてしまったようだ。

女性と闘いまくるダイ・グレファーの代名詞でもあり、俺の女性関係を揶揄してもいる。

泣きたくなるような襲名である。



「俺をロリコンデュエリストにしたのはお前だ、甘んじて受け入れろ」

「ぐっ!! だがな……ロリコンと鬼畜ならロリコンのほうがマシだろう?」

「俺に言わせればロリコンデュエリストも大概後ろ指差されるぞ」

「そんなものかね……」



そんな不毛な会話をしながらやってきたのは森の中。

何かがあるとついやって来てしまうのは誰もが同じなのか、その辺り誰か教えてほしい。

今日はついに、大徳寺先生の捜索が実行に移される日なのだ。


手分けして探す予定だったのだが、さっきまでちょっとデッキについて話す事があったので2人になっていた。

しかし、そろそろ別れるかと、俺立は別々の方向に別れた。



「アウス、いるか?」

「ええ……」

「大徳寺先生の気配とか分かるか?」

「私は精霊といっても、あくまで霊使いという魔法使い族だもの、そんな便利な機能はないわ」

「……だよな、となるとやはり襲撃を待つしかないか」

「襲撃?」

「多分そろそろ始まるだろう」



大徳寺先生は十代を錬金術の後継者と目している。

そして、後継者として完成させるために、最後の授業をするつもりでいるのは間違いない。

彼の肉体は限界が来ている、何故もう本体が死んでいるのか、

ホムンクルスとしての彼はどれくらいの寿命なのか本編では語られていないためさっぱり分からないが。

ただ問題は、十代を真剣にさせるため、仲間のデュエリストをつぎつぎ襲うという点た。

放っておいても、十代と親しくなった俺は攻撃対象となるだろう。


そして、ここからは俺の我儘だ。

俺は絶対、大徳寺先生に負けてやらない。

その後どうなるかは分からないが、俺は手を抜いたデュエルをするつもりはない。

それでも負けるなら、十代にすべて任せる事になるだろう。

だが、もし俺が勝つなら……。



「気配が近づいてきたわよ」

「……そうか、ありがたい」



アウスは姿を消し、俺は背後を振り返る。

そこには、真っ白になった長い髪で仮面をつけ、肩当てやマントといった大時代な武装をした男が立っている。

しかし、その姿には面影があった、そう大徳寺先生の……。

アニメを知っている俺には、彼の目的も、彼の命が残り少ない事もわかっている。

それでも、我儘を押し通そうというんだ、色々な者を引き受けていくしかない。



「来ると思っていたよ、アムナエル……いや、大徳寺先生」

「ふっ、もう分かっているのか……」

「その体がもつのは後一日くらいか?」

「そこまで知っているとはな、だがそうだ、私の命は後一日あるかないか。

 それまでになんとしても……」

「そうか……だが、十代を苦しめる結果になるぞ?」

「分かっている、これは私のわがままだ。彼ならば……止める事が出来るかもしれない……」

「ならば、俺は俺のわがままを通させてもらう。先生の命が残り少なくとも、真剣にいかせてもらう!!」

「望む所!!」


「「デュエル!!」」


佳克:LP4000  アムナエル:LP4000



「私のターン、ドロー!」



先攻はもっていかれた、デッキ的に先攻を取られてもさほど差はないが。

トラップを仕掛けられると少しばかり厄介だ。



「私は永続魔法、錬金釜−カオス・ディスティルを発動!

 このカードがフィールドにある限り、私のカードが墓地に行くとき、そのカードは全て除外される!」



カオス・ディスティル、大徳寺先生のキーカードの一つだ。

序盤にこのカードを破壊されると先生としてもかなり辛い事になるだろう。

十代ならトラップマジックを破壊する手段がダークカタパルターくらいだから付き合うんだろうが、

俺は可能であれば破壊するつもりだ。



「カオス・ディスティルが発動している時、マジックカード、鉄のランプ、銅の天秤、鉛のコンパスを発動する!

 出でよ、錬金獣、鉄のサラマンドラ! 銅のウロボロス! 鉛のレオーン!」

錬金獣 鉄のサラマンドラ:効果モンスター/星3/炎属性/炎族/攻 500/守 500

錬金獣 銅のウロボロス:効果モンスター/星3/光属性/爬虫類族/攻 500/守 500

錬金獣 鉛のレオーン:効果モンスター/星3/地属性/岩石族/攻 500/守 500



3枚のマジックカードはデッキからモンスターを特殊召喚するカード。

分かってはいるが、バカスカやってくるな。

手札増強も十分行える自信があっての事だろうが。



「手札を一枚伏せてターンエンド」



今伏せたカード、彼のパターンならあのカードだろうが、俺を同じとみているのかどうかだな。

どの道属性は読まれているだろうし、彼が捨てるのはそう多くない。



「俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードは、

戦士ダイ・グレファー:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600

地帝グランマーグ:効果モンスター/星6/地属性/岩石族/攻2400/守1000

ギガンテス:効果モンスター/星4/地属性/岩石族/攻1900/守1300

うん、ダイ・グレファーにはかなり好かれているな。

仕方ないこととはいえ、っと、トラップマジックは……。

うん、そうだな……。

和睦を引いたのはそれなりに大きい成果ではあるが。

使いどころが難しいな。



「俺は、戦士ダイ・グレファーを召喚!」

戦士ダイ・グレファー:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600



「カードを2枚伏せてターンエンド」



さて、大徳寺先生はどう対応してくるのかな。

正直結構面倒な手法をとったつもりだが。



「攻撃してこないとは、一体どういうつもりだ?」

「こちらにもこちらの都合があるってことさ」

「ふむ、私のターン、ドロー!

 私の引いたカードは速攻魔法サイクロン!

 そのまま発動! 私が破壊するのは右側の伏せカード!」

「ちぃ!」



立ちはだかる強敵が破壊された。

攻撃力の低い錬金獣を相手にすれば壊滅的打撃を当てられたっていうのに。

そう言う手でくるとはな……。



「まさか、そのトラップを仕掛けていたとはな。

 これをくらっていたら私は開幕早々残りライフ400となりその上手札が尽きて負けていただろう。

 流石は佳克といったところかな、オベリスクブルーの生徒などより手ごわい」

「そこでサイクロンを引く先生ほどじゃないですよ」

「フフフ……」

「ハハハ……」



全く、ボケボケのフリをして結構あくどい手を使ったりしてるからな先生は。

あくまで勝手な想像だが、ダークネスの件等で既に彼はかなり精神を摩耗させていたんだろう。

だからこそ十代に全てを託したい等という考え方になったのだ。

ならばそれをさせてやるのも人情だが、同時に十代の不幸スパイラルの第一歩でもあるだろう。

どちらがいいという答えがないなら、俺は……。



「バトル! 錬金獣と名のつくモンスターは相手モンスターがいてもダイレクトアタックをする事が出来る!

 鉄のサラマンドラでダイレクトアタック! アーヴの炎!」

「ぐぁ!?」

佳克:LP4000→LP3500


「錬金獣 銅のウロボロスでダイレクトアタック! ウロボロス・ロア!」

「ごふっ!?」

佳克:LP3500→LP3000


「錬金獣 鉛のレオーンでダイレクトアタック! レオーン・バルカン!」

「ごほっ!?」

佳克:LP3000→LP2500



大した攻撃力ではないとはいえ、一応闇のデュエル。

かなりの痛みを俺にもたらしてくれた、そして、大徳寺先生の本気もうかがう事が出来る。

後2回同じ攻撃をくらうだけで終わりになってしまう、それだけで済むかどうかわからないが。

和睦を開くのはまだ早いとはいえ、今後の事を考えるとここで開いても良かった気もしてくる。



「マジックカード、黒の過程−ニグレドを発動!

 自分フィールド上の錬金獣と名のつくモンスターをすべて除外!

 破壊したモンスター1体につき2枚のカードをドローする!」

「随分とリスキーなデッキを回すな先生」

「錬金術とは、破壊と創造こそが本義、破壊無くしては何も生み出されないのだよ!」



大徳寺先生のフィールドにいる錬金獣の数は3体、つまり6枚のカードをドロー出来ると言う事だ。

フィールドががら空きになるのが欠点だが、彼の引きはそれで潰れるほど甘くないだろう。

正直大徳寺先生のデッキは十代のそれより圧倒的に回らない。

一枚だけのカードが多すぎる上に、

マジックカードで召喚できる錬金獣がマジック1に対してモンスター1というコンボ確率40分の1以下なものなのだ。

本来ここまででもありえない確率を大徳寺先生は引いている事になる。

だが、まだまだ終わらない事を俺はよく知っている。



「マジックカード、錫の魔法陣、水銀の砂時計、銀の鍵を発動!

 錬金獣 錫のアエトス、水銀のエケネイス、銀のムーンフェイスをデッキから特殊召喚する!」

錬金獣 錫のアエトス:効果モンスター/星3/風属性/鳥獣族//攻 500/守 500

錬金獣 水銀のエケネイス:効果モンスター/星3/水属性/水族/攻 500/守 500

錬金獣 銀のムーンフェイス:効果モンスター/星3/闇属性/悪魔族/攻 500/守 500



フィールドにまた3体の錬金獣が揃った、これで6体。

2ターンのうちに6体の錬金獣が出てきた、そして、カオスディスティルの効果で除外されたカードも多い。

このままではヘリオスへとつなげるコンボが完成してしまう。

だが、まだ止められるカードは来ていない。



「カードを一枚伏せてターンエンド」

「俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードは、マジックカード大嵐……。

これは発動タイミングが大事になる、無効にされればただの無駄打ちに終わるが決まればこちらの勝利にかなり近づく。

さっき大徳寺先生が仕掛けたカード、五分五分くらいの確率でマジックの無効化だろう。

立ちはだかる強敵を退けた先生に用心を怠るわけにはいかない。



「俺は、ダイ・グレファーを生贄に地帝グランマーグを召喚!」

地帝グランマーグ:効果モンスター/星6/地属性/岩石族/攻2400/守1000 



「生贄召喚に成功した事により、グランマーグの効果発動!

 フィールド上の伏せカードを一枚破壊する! 俺は前のターンに伏せたカードを破壊! 地殻激震!!」

「くっ!」



伏せていたカードはエレメンタル・アブソーバー!?

予想が外れた!

だとすると、前から伏せてあるカードはいったい……。



「マジックカード、大嵐を発動! フィールド上のトラップマジックカードをすべて破壊する!」

「トラップ発動! マジックジャマー! 手札を一枚捨てて相手のマジックカードを無効にし、破壊する!

 私が捨てるのは手札のタイタンのカード」

「くっ! そういうことか……」

「まんまとはまったようだね」

「そうだな、しかし、釣りはきちんともらってもらうぜ!!

 墓地のダイ・グレファーを除外し、ギガンテスを特殊召喚!」

ギガンテス:効果モンスター/星4/地属性/岩石族/攻1900/守1300



そう、錬金獣の最大の欠点は、攻撃力の低さにある。

ダイレクトアタックできようと所詮攻撃力500のモンスターに過ぎない。

アニメで強かったのはエレメンタル・アブソーバーにより、攻撃できなくされたからだ。

そしてそのトラップは先程排除した。



「バトル! 地帝グランマーグで錬金獣 錫のアエトスを攻撃! グランド・ブレイク!」

「グァァ!!」

アムナエル:LP4000→LP2100


「更に、ギガンテスで錬金獣 水銀のエケネイスに攻撃! ギガントハンマー!」

「グォォ!!?」

アムナエル:LP2100→LP700


「なっ、なかなか高いお釣りだな……」

「騙されっぱなしってのも性に合わなくてな」

「ふっ、言ってくれる」

「これで、ターンエンドだ」



残り手札は1枚こっきりだが、先生のデッキは一発逆転にはあまりむいてない。

だから、直ぐ様ピンチにはならないだろうそういう思いはあった。

しかし、俺は直ぐ様それほど甘いものではないと思い知らされる。



「私のターン、ドロー! 

 2枚目の黒の過程−ニグレドを発動!

 錬金獣 銀のムーンフェイスを除外し、デッキから2枚ドロー!

 そして、マジックカード、白の過程・アルベドを発動!

 自分フィールドにカオス・ディスティルがある時、デッキから黄金のホムンクルスを特殊召喚できる!」

黄金のホムンクルス:効果モンスター/星6/光属性/戦士族/攻 ?/守 ?


「黄金のホムンクルスの攻撃力はゲームから除外されている自分のカード×300ポイントになる!

 除外されたカードは、錬金獣6枚、ニグレド2枚、アルベド1枚、

 そして、エレメンタルアブソーバー、マジックジャマー、石の精霊タイタンの計12枚。

 よって黄金のホムンクルスの攻撃力は3600!!」

黄金のホムンクルス:攻撃?→攻撃3600



そうだった、大徳寺先生のデッキには除外されたカード分攻撃力を上げるモンスターが多くいる。

一発逆転できるカードがいくつか存在しているということだった。

このカードはOCGと違い基本攻撃力の1500はないが、特殊召喚できるカードがある。

どっちが得かはいまいちわからないが……。

怖いのはマクロコスモスが出てきてからだと思っていたが、ダ・イーザなんかも入っているかもしれない。

気を引き締めていこう。



「バトル! 黄金のホムンクルスで地帝グランマーグに攻撃! ゴールデン・ハーヴェスト!!」

「トラップ発動! 和睦の使者! このターン俺のフィールドのモンスターは破壊されず戦闘ダメージも受けない!」

「流石というしかないな……だが、まだ終われない、負けるわけにはいかないのだ!!

 マジックカード、カオス・グリードを発動! 自分の墓地にカードがなく、除外領域に4枚以上カードがある時。

 デッキからカードを2枚ドローする!

 そして、カードを3枚伏せてターンエンド!」



カードを全て伏せてきたということは、明らかに狙っているな。

だが、俺の手札にはそれに対抗できるカードはない。

……残り700を削りきるのが難しいっていうのは、主人公の敵のお約束なんだがな……。



「俺のターン、ドロー!」



俺が引いたカードは……レスキューキャット……。

今すぐ使えるようなカードでもないな。

ならば……。



「マジックカード、天使の施しを発動! カードを3枚ドローし、2枚墓地に捨てる……」

「チェーンして、トラップ発動! マクロコスモス!!

 カオス・ディスティルを除外し、効果発動! 墓地へと行くカードは全て除外される!」

「くっ!」

「更に、マクロコスモスの効果で原始太陽ヘリオスをデッキから守備表示で特殊召喚する!」

原始太陽ヘリオス:効果モンスター/星4/光属性/炎族/攻 ?/守 ?



フィールド魔法でもないのに、フィールドが宇宙に……。

このトラップの効果がある意味絶大であることはよく知っている。

除外デッキのキーカードと言っていいカードだ。

アニメ効果であるため発動条件が少々めんどくさくはあるが。

大徳寺先生にとっちゃ当たり前なのかもしれないな。

捨てたレスキューキャットが除外されたのは少々痛いが、もう一枚は貪欲な壺。

マジックカードだからヘリオスには対応していない。

因みに原始太陽ヘリオスの姿は頭が太陽で、体が包帯というわけのわからないものだ。

一応胸の膨らみのようなものが確認できるので、女性なのだろうか?



「チェーンして、速攻魔法、惑星直列! マクロコスモスが発動しているときに発動!

 フィールド上のモンスターを全て破壊し、相手プレイヤーに300ポイントのダメージを与える!

 だが、チェーン発動であるため、原始太陽ヘリオスが召喚されるより前に処理される!

 よって、グランマーグと黄金のホムンクルスは破壊され除外される!」

「くっ!」

「原始太陽ヘリオスの攻撃力、守備力は除外されているモンスター×100となる。

 私は錬金獣×6、精霊タイタン、黄金のホムンクルス、の8体、

 君はダイ・グレファーとグランマーグ、ギガンテスの3体を除外している。

 よってヘリオスの攻撃力、守備力は1100となる!」

原始太陽ヘリオス:守備?→守備1100


「くっ……俺はモンスターを一枚伏せて、カードを一枚伏せターンエンド」



手札に攻撃可能なモンスターがいれば、ヘリオスを潰して、キーカードをなくせたのに。

この辺り大徳寺先生の執念なのか?

だが俺は負けてやるつもりなんてさらさらない。



「私のターン、私が引いたカードは、マジックカード、強欲な壺! そのまま発動! デッキから2枚ドロー!」



いよいよ来たか。

いつの間にか俺の傍らにいるアウスが俺に視線を向ける。

俺は頷くように視線を返す。

今の所、対処できるカードがある訳じゃない、だが……。



「マジックカード発動、黄の過程−キトリニクス!

 原始太陽ヘリオスを除外し、デッキからヘリオス・デュオ・メギストスを特殊召喚する!」

ヘリオス・デュオ・メギストス:効果モンスター/星6/光属性/炎族/攻 ?/守 ?



ヘリオスがデュオになった姿、つまりは2人に増えたわけだが。

頭の太陽は増えているのに、体の包帯の量はそれほど変わっていない。

つまり、ヘチャムくれのように体がデフォルメされた格好になっている。

これで強くなったとはあまり思えないのだが……意味不明なモンスターだよな(汗)



「ヘリオス・デュオ・メギストスの攻撃力、守備力は除外されているモンスターの数×200となる。

 原始太陽ヘリオスが除外された事により、除外されているモンスターの数は12体、よって2400となる!」

ヘリオス・デュオ・メギストス:攻撃?→攻撃2400


「更に、マジックカード、赤色化・ルベド!

 その効果により、ヘリオス・デュオ・メギストスを除外し、

 デッキからヘリオス・トリス・メギストスを特殊召喚する!!」

ヘリオス・トリス・メギストス:効果モンスター/星8/光属性/炎族/攻 ?/守 ?


「ヘリオス・トリス・メギストスの攻撃力、守備力は除外されているモンスターの数×300となる!

 ヘリオス・デュオ・メギストスが除外された事により、除外されているモンスターの数は13体、

 よって攻撃力、守備力は3900となる!」

ヘリオス・トリス・メギストス:攻撃?→攻撃3900


「偉く手間をかけて召喚した割には、同じように召喚すれば攻撃力は黄金のホムンクルスの方が上じゃないか?」

「このモンスターは相手フィールドにモンスターがいる時、2度目の攻撃が可能になる。

 更に、戦闘破壊だろうと、効果破壊だろうと破壊されるたびに攻撃力を500アップして何度でも復活する!

 つまりは、このモンスターが出た時点でお前に勝ち目はないという事だ!」

「2回攻撃と耐性持ちか、なかなか面倒なカードだな」



因みに、この耐性のほうはアニメ効果である。

OCGでも一応耐性らしきものはあるが戦闘破壊で墓地に行った時のみとなっている。

マクロコスモスの影響下での復活なんてまったく無理なため、シナジーに合わない事はなはだしい。

そして、OCGでは+500限定だがアニメ効果の場合、

復活するたびに攻撃力が500上がるため、何度も破壊されれば恐ろしい事になる。

典型的なアニメでは強かったのにモンスターだ。

ほとんどの場合、アニメ効果ばかりのこの世界だが、

たまに違う事もあるので念のため確認してみたが、やはりアニメ効果のようだった。

因みに姿はトリスから想像がつくとおり、太陽が3つになっている。

肉体も3つだが、元の包帯の量はさほど変わらないのか、体の大きさがもう赤ちゃんレベルになっている。

分裂して増えるということなのだろうか?(汗)



「バトル! ヘリオス・トリス・メギストスで伏せモンスターを攻撃! フェニックス・プロミネンス!」

「伏せていたモンスターはメタモルポッド!

 メタモルポッドがリバースしたことにより、お互いに手札を全て捨て、デッキから5枚ドローする!」

「なかなか考えているな、だが、ただでは終わらん!

 トラップ発動! D.D.ダイナマイト! 相手の除外されたカードの枚数×300のダメージを与える!

 お前が除外したカードはダイグレファー、天使の施し、レスキューキャット、貪欲な壺、

 グランマーグ、ギガンテス、メタモルポットの7枚よって2100のダメージを与える!」

「がァァっ!?」

佳克:LP2500→LP400


「そして、手札から速攻魔法、グランドクロスを発動!

 ヘリオス・トリス・メギストスを破壊し、相手に300のダメージ!」

「ぐぉっ!?」

佳克:LP400→LP100



「そして、破壊されたことにより、ヘリオス・トリス・メギストスは攻撃力を500上げて復活する!」

ヘリオス・トリス・メギストス:攻撃3900→攻撃4400


「そして、カードを3枚伏せてターンエンド」



3枚伏せて来たか、俺のライフは残り100、次の相手ターンが来れば俺の負けだ。

その上、恐らく伏せカードのうち一枚は俺にダメージを与えるトラップの可能性が高い。

かなり運任せになるな……。



「俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードは、サイコ・ショッカー。

アウスは俺に、目で合図する。

このターンで終わらせようと。

なるほど、確かに今俺にできる方法は一つしかない。

手札におおよそ必要なものは揃っている。

だが先生のトラップマジックゾーンが気になる、いろいろと考えることが多いと考えていると。

既に先生が動いていた。



「トラップ発動、D.D.ダイナマイト! 2100のダメージを与える!」


もう一枚持っていたとは。

メタモルポットもよしあしだな。

しかし、これくらいで負けるつもりはない!


「チェーンして速攻魔法、痛恨の呪術を発動! ダメージを与える効果は相手が受ける!」

「チェーン発動! マジックジャマー、手札を一枚捨ててマジックの効果を無効にする!」


ちぃ、このために先生は手札を残していたのか。

だが、これで終わるほど甘くはない。

俺が伏せていたカードは、装備魔法を破壊されないようにするためのこのトラップ!


「更に、トラップをチェーン発動! 王家の呪い! トラップ、マジックカードを破壊する効果を無効にして破壊する!」

「くっ! トラップ発動! 黒板消しの罠! 自分が受けるダメージを無効にし相手は手札を一枚捨てる!」



この切り返しにまだ反応できるとは、流石先生。

これが、無効化系のカードなら俺が負けていた。

だが、5枚から1枚ドローし、1枚使って1枚除外。

手札の残りは4、十分だ、必要なカードは残っている。



「……いろいろやってくるな」

「対応するとは……、正直ここまでだと思っていましたよ。

 ですが、まだこちらには攻撃力4400のヘリオス・トリス・メギストス、貴方のフィールドには何もありません。

 負けを認めれば特別に、見逃してあげましょう」

「ごめん被るよ、勝てる戦いで負けを認める意味はない」

「……何?」



俺はニヤリと口元を歪め、隣のアウスを見る。

アウスもまた、口元を笑みの形に崩していた。

俺の手元のカードは4枚、これだけあれば逆転などたやすい。



『行きなさい、既に条件は整っているわ』

「さあ! 行くぜ! 手札からマジックカード、デビルズ・サンクチュアリを発動!

 メタルデビル・トークンを特殊召喚!」

メタルデビル・トークン:トークン・効果モンスター/悪魔族・闇・星1・攻/守0

 
「メタルデビル・トークンを生贄に、人造人間−サイコ・ショッカーを召喚!」
  
人造人間−サイコ・ショッカー:効果モンスター/星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500


「サイコ・ショッカーに巨大化を装備! 攻撃力が倍となる!」

人造人間−サイコ・ショッカー:攻撃2400→攻撃4800


「バトル! サイコ・ショッカーでヘリオス・トリス・メギストスを攻撃!」

「ふっ、ここで破壊されても、すぐに攻撃力を上げて復活する、そして次はお前が倒れる番だ!」

「それはどうかな! 速攻魔法突進! 攻撃力が更に700アップ! 行けサイバーエナジー・ショーック!!」

「グァァァァッ!?」

アムナエル:LP700→LP0



攻撃力4800+700で攻撃力5500となったサイコ・ショッカーと攻撃力4400のトリス。

1100のダメージが抜けた格好だ。

ここまで接戦する羽目になるとは思わなかったが、どうにか勝てたようだな。



「まさか……、強くなってきているとは思っていたがここまでとは……」

「こっちはプロを目指してるからね、先生とはいえ錬金術の専門家に負けるわけにはいかないですよ」

「……なるほど、そういうことなのかにゃ……」

「気が抜けました?」

「そうだにゃ、とはいえこれで……」

「十代にきちんと授業してやってください。

 こんな形じゃなくね、最後の授業がこんな形じゃ寂しいじゃないですか。

 あと一日あるなら、十代ならきっと分かってくれますよ」

「……フフフッ、まさか教え子に諭されることになるとはにゃー……。

 わかったにゃ、やってみることにするのにゃ」



大徳寺先生は、そうして、少しだけ嬉しそうに、そして少しだけ寂しそうに微笑んだ。

俺は、十代にきちんと授業を受けさせることを心に誓い、先生をレッド寮まで送り届ける事にした。

説明をきちんとしたことで、レッド寮の全員が、真剣に大徳寺先生の話を聞いた。

しかし、錬金術についてどの程度皆が理解したのかは定かではない。

だが、十代は確かに融合についての考えが進むことになったはずだ。


大徳寺先生の葬儀は大々的に行われ、みんなが涙することになったが、本人の魂はいたって元気そうだ。

そう、また魂だけでさ迷うようになったらしい。

とはいえ、ファラオに食われてしまうため、ほとんど会話ができた試しはないが。

というか、まだ十代もそのことには気づいていないようだった……。




あとがき

1年目の話はあと一話。

2年目はまだ制作を始めたばかりですが、頑張ります。



押していただけると嬉しいです♪

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