銀河英雄伝説 十字の紋章


第一話 十字、把握するの事。





転生ものとか見たことはあったんだ、だけど自分がなるとは思わなかった。

ましてや、死亡フラグ満載の世界、誰が死んで誰が生き残るか、ちょっとしたことで変わる。

正直もっとソフトな世界にしてほしかったと思う……転生得点でもあればな……。


最初、未来の世界に生まれ変わったのだと思った。

それなりに、元の世界の未来の様相を呈していたので……。

だが、10歳のころテレビを見ていて思ったんだ。


「もしかして、銀英伝!?」


そんな風に叫んだものだから、親に怒られた。

そのまま倒れ込むかと思ったが、どうにか踏みとどまった。


いや、実際自由惑星同盟、銀河帝国、フェザーン、ダゴン、アスターテ等の固有名詞

それに、ロイヤルサンフォード議員だとか、ロボス提督だとかの名前……。

ここまでくれば、ほぼ間違いないと思われる。

俺がいるのは、自由惑星同盟領、惑星パラス。


マイナーな惑星だが、730年マフィアの一人、ウォリス・ウォーリックの出身地だ。

人口も1000万ほどおり、田舎と都会の中間のような惑星だ。

そして、彼は去年まで生きていた。

政界を引退した後、有名人ではあったが心臓発作にて死去。


実は俺は彼に会った事がある。

彼が心臓発作で死ぬ半年程前、緊急入院で騒がれる3ヶ月程前。

公園でハトに餌をやっていた爺さんがいたのだ。

彼は730年に士官学校を出たのだとすればまだ58歳のはずだが老け込んでいた。


今にして思えば。

汚職事件の疑惑で政界を追い出され、愛人が麻薬中毒死する事となり妻とも別居になったというニュースもあった。

恐らく精神的に病みかけていたのだろう、といっても俺が会った時は好々爺にしか見えなかった。

その時の俺はまだ理解していなかったが、いろいろと含蓄のある事を言ってくれたのを覚えている。

あの話は確かに、銀河英雄伝説の世界においては重要な話だ。

そう、詰みの状態を避けるためには。



自由惑星同盟はいろいろまずい。

何がまずいかといえば、まず同盟と帝国の国力差。

実質1.2倍とされるが、それは帝国貴族達が徹底的に馬鹿をやった上での話だ。

その証拠に、ラインハルトが皇帝になってすぐに回復した。

人口がほぼ倍であり、領土の広さも大きな差があり、そして貴族がため込んだ財産が大量にある。

つまり、貴族さえなんとかすれば帝国はすぐさま経済力を倍加させる事が可能ということだ。


次に自由惑星同盟の体質、一人当たり経済比率こそ1.5倍以上だが、思想の問題がある。

長年帝国と戦争を続けた結果、戦意を維持するために思想誘導や情報操作、極右テロが万延している。

はっきり言って、民主主義とは言えなくなっているといっていい。

おそらく作者は民主主義が嫌いなのだろうと思うような悪い側面ばかりが目立つ仕様だった。

ある半島国家なんかがまさにそんな感じの政治形態だった事を思えばよく維持できているなと思う。


結果として、何をやっても戦争を止めることも勝つことも無理だろうという考えが膨らんできている。

そう、実際投票率が40%代しかないというのは誰でも同じだと思われているという事だ。

投票をする場合、利権でつながっている固定票とその時々で変わる浮動票がある。

そして、40%しかないということはおおよそ大部分が固定票ということになる。

原作で戦争一つで変わっていたのは、恐らくだが憂国騎士団等の統制が崩れたからではないだろうか。


死亡フラグとまではっきり言えるものでもないが、このままでは恐らくひどい目にあう。

出来れば何とかしたい、ただ、よく転生ものを見ていたし銀河英雄伝説のそれも見ていたが、

同盟のものは少なめで、勝利し完結する話は片手で足りるほどしかない。

理由はその難易度の高さだろう、


帝国側なら、基本的にラインハルトとなぁなぁしていれば勝てる。

もし、門閥側になっても、臣民の人気を取れれば資金繰りがよくなるし、

ファーレンハイトやメルカッツといった、艦隊戦が得意な人間が全力を出せる環境を整えればそれなりに勝てる。

艦隊数はラインハルト側より多い上、ガイエスブルグ等もあるのだから。


対して、同盟は先ずヤンとくっついて手柄を立ててもほぼ勝てない。

最大の理由は同盟の死亡フラグの多さにある。


まず初めに、1巻冒頭のアスターテ会戦の時点において、ラインハルトが大将であることだろう。

正直この時点で半ば詰んでいる。

同盟側はまだ、派閥でゴタゴタしている上、優秀な人材が頭を押さえつけられている状態だ。

ヤンと並んで優秀だったとされるラップが中佐程度の階級でいきなり死んでいる事からも明らか。

はっきり言って、ラインハルトでいうところのキルヒアイスクラスが冒頭でいきなり死んでいるのだ。


その上2艦隊半、おおよそ3万隻の損失。

この時点で同盟の圧迫は明らか、普通20%も損耗したなら敗退なのに、実に75%もの損耗だ。

幸いと言っていいのか、戦死者は出撃した406万人に対し200万人と脱出できた人間は多い。

それでも、無能の誹りは免れないだろう。


更にアムリッツァの大規模作戦による大量の人員損失。

艦艇は5万隻程度と、前回と大きな差はないが補給艦、陸戦人員を多く含むため死者数、捕虜、行方不明合わせ2000万人。

同盟130億といっても、実際宇宙軍の軍人は0.5%といったところだろう。

少ないと思うかもしれないが、実際現在でもハイテク兵器を扱うようになってから高額化により軍事費の圧迫が起こってきている。

地上防衛と合わせて1%も行けば、軍が圧迫状態といって過言じゃない。

というか、維持する民間が悲鳴を上げる段階だ。


基地詰め、地方艦隊をざっくり半分として残りの3250万人くらいが正規の艦体。

うち2000万人というんだから半分以上が失われた事になるわけだ。




更には、クーデターで残る艦隊も半分になり、戦力比は絶望的になる。

そこに、ラインハルトにより国力が増大した帝国が攻めてくるのだ。

おおよそ4倍の戦力差と、フェザーンからの奇襲というダブルパンチ、

ここで、同盟がラインハルトを殺しても、どうにもならない。

国力差は4倍以上になっており、ラインハルトの次の皇帝が攻めればいいだけだ。

そして、確か継承は子ではなく実力でとあったはず。

ロイエンタールやオーベルシュタインあたりが皇帝になれば結局負けるだろう。




さて、盛大に愚痴ったが、ようは普通に軍に入って提督になるくらいではどうしようもないという事だ。

そりゃ提督になること自体難しいわけだが。

同盟で自由に動くためには、経済力と政治力が欠かせない。

だがそちらは、ある程度レールがある軍人としての出世よりさらに厳しいだろう。


「何か手はないか……」


幸いにして今は宇宙歴767年、つまりヤンが生まれた年だ。

つまり、俺はヤンより10年上、うまくすればヤンが大きく動く前にそれなりの力をつけられるかもしれない。

まあ、アテはないんだが……。



「まず最初はそのアテを探すことか」



呟いた所を母に見つかり不気味がられた。

ともあれ、今は両親に従い学校に行くしかない。


そうして、俺はジュージ・ナカムラとして精一杯生きることを決めた。

一応日系人らしいんだが、血が混ざりすぎて栗毛を通り越し柿色みたいな髪色になっている。

肌は、少し日焼けが過ぎた黄色系、顔は平べったいが、鼻は妙に鷲鼻っぽい。

全ての人種が混ざってるんじゃないかというような生まれだ。


家族は両親と兄2人。

両親はもう40代半ば、長男は21歳、次男は17歳

俺だけ8歳で次男のカズヤから9年離れている。

こんなだが一応実子だ、母が暫く妊娠できない病気にかかり、治った途端出来たらしい。

できない頃からやりまくってたんだと思うと泣けてくるものがある。

因みに、長男はタツヤといい、長男次男ともに昔あった野球漫画のような名前だった。


長男は徴兵されており、4年間の軍務が明けるまでは軍にいなくてはならない。

永続的な戦時中であるため長いのは仕方ない、しかし、現在は小康状態でもあり死亡率はまだマシなはずだ。


父親はダーリック、母親はスズコという。

父は母に婿入りしたのだが、まー褐色系なので、赤道近くの国の系譜かもしれない。


両親も兄弟も皆いい人たちだと思う。

だから、未来でひどい目に合わないためにできる限りの事をしなければならない。

もっとも今の俺にできるのはジュニアスクールでよく学び、

軍に入ることを考えて体力づくりをし、

お小遣いをできるだけ使わずに持っておく事くらいだ。




8歳から始めた俺の日課は、早朝のジョギングその他の運動、学校での授業を出来る限り真面目に聞き、

図書館でこの世界の情報を調べ、家では買ってもらった携帯端末からネットを巡回するというもの。

鍛えるのは遅れているが、もっと急ぐべきことがある。


この世界の情報収集だ、もっとも同盟の視点から見たことがほどんどで、帝国の視点からみたものは有害図書扱いだ。

だから、図書館にもほとんど存在していない、正確な情報を見つけるのは難しいかもしれない。

だが、世情だけでも把握しておくに越したことはない。


前世の俺はニートでこそ無かったが、仕事は手抜きで生活もかつかつというろくな人間ではなかった。

生きてさえ行ければいいと思っていたくらいだ。

しかし、こうして目的を持ってみると、色々するのが楽しいと思える。

何より、子供だからか、物覚えもいいし、体力や運動能力も鍛えれば鍛えただけ成果がでる。

辛いと思うこともないではないが、克服することでより達成感を味わうことができる。

この調子で行けば、もしかしたら同盟の敗北を防ぐ事もできるのではないかと思ったりもする。

もっとも、現実には何もしていないようなものだ、先は見えない。




ジュニアスクールの方は、一応それなりにうまく行っている。

勉強は今のところ問題ないし、運動も鍛えた分、ジュニアスクールでも上位に入る程度にはできるようになった。

友達に関しても、頑張って付き合ってもいる。

交友関係が直接これからに繋がるかは分からないが、それでもいないよりはいい。

自分が元大人であることもフルに活用して徹底的にやった。

結果、スクールカーストにおいてトップグループと思しき面子と行動を共にするようになった。


そうした結果わかったことだが、この学校にはビュコックなる少年がいた。

二つ年上のアンリ・ビュコック少年、そう、あのアレクサンドル・ビュコックの次男である。

ビュコックは原作において年齢が判明している少数に属する人間だ。

いや実際、ヤンとラインハルトのごく親しい人間以外年齢がはっきりしていない。

その中で70まで生きて元帥になり宇宙艦隊司令まで上り詰めた同盟屈指の老練な提督だ。


とはいえ、そのビュコックも767年現在、まだ43歳。

次男と話す関係上、長男のアンドレ・ビュコックの話も伝え聞くが、士官学校にいるという事くらいしかわからない。


「それにしても、親父の話が好きだなジュージは」

「そりゃあ、叩き上げで二等兵から中佐まで上がった人なんて初めて聞くし」

「まー、おやじは戦場では妙に勘が働くらしいからな。

 といっても、親父の自慢はどっちかっていうとブルース・アッシュビーの艦隊にいたって事のほうみたいだが」

「確か三十台で元帥にまでなった人でしたね」

「そりゃもう、彼以上に勝ちまくった人間は同盟にはいないからな」


そんな話を、12歳のアンリ・ビュコック少年とするため、俺はおっさんというあだ名がついたりしていた。

10歳の話題ではないわな、そりゃ。

だが、少し怪しまれでも彼と付き合っておく事は必要なことだ。

ビュコック家の人間は優秀だからこそ、最前線行きになる可能性が高い。

逆に生き残れば同盟が生き残るために必要な人材になるはずだ。

兄ともどもどうにか生き残らせたいところ。


もっとも、兄のほうを生き残らせるのは難しいかもしれない。

俺の知る原作知識はせいぜいエルファシルの奇跡として知られる788年の事件からだ。

まだ22年も先の事なので、それまで彼らが生きている保証は当然ない……。

当然それまでも、数年に一回は確実にぶつかり続ける。

原作にない戦いでは凡人にすぎない俺では、あまり役に立てない可能性が高い。


だが、できうる限りなんとかしたいものだ。


そう思うくらいは許されるだろう……。



さて、そんなおっさんというか転生前は本当に40過ぎのおっさんだった俺だが、教室では普通にしているつもりだ。

流石に銀河英雄伝説の世界の歴史は細かい所はともかく、大雑把には把握している。

教育水準も未来のわりにレトロな銀英伝世界、割合わかりやすいものでもあるし、どうにかできそうだ。

フジリューのリメイクのほうの世界観だったらやばかったかもしれない。


「ジュージ君何やってるの?」

「ああ、ちょっとネットを見てるんだが」

「へー、フライングボール得意だもんねジュージ君」

「まあね」


横から覗いてる女子にとりあえずといった風に答える。

フライングボールというのは、銀英伝でそれなりに有名なスポーツで端的に言えば無重力バスケ。

俺がスポーツをするにあたって、メインでやることにしたのがこれだ。

理由はいくつかある、宇宙での動きを理解するため、体力づくり、親に対するカモフラージュ。

モテたいという考えもあったりする。

幸い、転生後の俺は二枚目というには少し平たいが悪くない顔をしている。


「やっぱり将来は選手になるの?」

「戦争次第だけど、それもいいね」


女の子がいると女の子が寄ってくる法則で数人後ろに回る。

俺は、有名選手とかをチェックしつつ(本来の目的とは異なるが)適当にネットサーフィンした。

そして、授業開始のベルがなる直前に仕舞い、皆に席に戻るように言う。


「「「はーい」」」


席に帰っていく女の子達を見送りながら、ふと横眼で一人チェックする。

そこには亡命貴族の子息が一人いる。

エミーリア・フォン・ゾンマーフェルト。

知る人ぞ知る原子物理学および量子力学の博士と同じファミリーネーム。

多分このジュニアスクールでは一番の美少女だろうが、当然ながら同盟になじめているとはいいがたい。

誰ともしゃべろうとせず、終始机から立ち上がる事もせず、授業が終わったら帰る事を繰り返している。

亡命貴族のための学校ではなく一般の学校に来ている事自体意味不明。

亡命貴族とのつながりはぜひ欲しい俺だが、彼女の家の亡命貴族内での立ち位置が掴めず俺も二の足を踏んでいる。

今の俺では周辺事情を掴むためにできる事はネット検索くらい。

聞き込みは足がつくからやらないほうがいいだろう。


分かっていることといえば、彼女の家が亡命したのは、マルティン・オットー・フォン・ジークマイスターと同時期であるということ。

ジークマイスターが亡命した時期にやってきた貴族は10人くらいいるので絶対とは言えないが、部下の可能性はある。

もしそうなら、有力な情報源となってくれるかもしれないが……。

そうこう考えている間にも時間は過ぎ、放課後。

俺はフライングボールのジュニアチームに参加するために退出した。

その日はそれなりの結果を出したとだけ言っておこう。


帰ってきた後、日課の運動と宿題に予習等を終えた俺は部屋でネットサーフィンを続ける。

やはり、22年前ともなると事情が呑み込めないものが多い、ただ、どうにも今はまだ同盟が押しているように思える。

少なくとも大きな戦いは回廊内でしか起こっておらず、大勝も大敗もない感じだった。

幸いまだネット内の情報は統制されておらず、負けた場合はどこかで負けた記事が見受けられた。

半数くらいがアジで覆われているが、まだ何とかなっているということか。


とはいえ、こうしてみると第二次世界大戦臭さが残る。

未来科学と古臭い感じが混然一体となった味のある世界観ではあるが、その辺、元ネタの年代がもろに影響されているのかもしれない。

遊びなどに関しても80年代を感じさせるスポーツ等がメインで、パソコン部くらいはあるもののネット世界はシンプルなものだ。

現在日本の漫画、アニメ、ゲーム等の文化が進みすぎていた事を考えると地味にすぎた。


そのおかげで、掲示板は大抵軍事的、経済的、あるいは個人的な書き込みがほとんどのようだ。

ブログや動画はほとんどニュースものだし、趣味といっても、ガーデニングの集まりやスポーツについて、変わり種で詩文くらいか。

まー下ネタや過激発言はベースがアメリカだからかそれなりに数がある。


「ん?」


詩とも呼べないポエムが散見されるブログを見つけた。

生暖かい感じでコメントして通り過ぎようとすると、すごい勢いで返事が来た。

こういうので人気取りしておくのもある意味重要だと思うからやってるが……。

仕方ないので少し話をする。

むぅ……。


「本人が楽しんでるんだからいいが……」


感想を欲しがる気持ちはよくわかる、が、どう感想を書けというんだっていうのが多い。

これも娯楽が少ない弊害か……、いや、単に詩吟の勉強なんぞしてないだけか。

俺も含めてだが。


「んんッ!??」


あれよあれよという間に会うことが決まった。

あれ?

どうしてこうなった……。



数日後、休日の朝に呼び出された場所へ行く。

迂闊といえば迂闊だが、所詮今の俺に価値はない。

せいぜいあっていたずらだろうと気楽に構えていた。

目印をもって待っていると、そっと声がかかる。


「えっと、その……ジュージ?」

「ん? あー詩的数学者さん?」

「あっはい」


何とも気まずい沈黙が落ちる。

因みに俺はHNもそのままジュージだが、詩的数学者というのが彼女のHN。

しかしてその実態はエミーリア・フォン・ゾンマーフェルト嬢。

ギャップ萌えもいいところの結論だった。


「私ッ! 感想もらえたの初めてで!」

「おっ、おう」

「友達いないからその……」

「俺でよければ、これからも感想くらいいいぞ」


ぱあぁぁぁと分かりやすく明るい顔になる彼女に俺は何とも言えない気持ちになった。

何か理由があるのかと思っていた孤高は、単なるボッチ体質だっただけじゃ……。

その日、彼女の持ってきたノートにびっしり書かれたポエムの批評をさせられる羽目になった(汗



ともあれ、エミーリアと友達になった日から、

俺の日課に彼女のポエムを批評しこうすればいいとアドバイスすることが加わった。

さほど時間がかからないのが救いだが、得意分野から丸外れな事をする羽目になって少々疲れる。

幸い、いいものはネットである程度調べられるので、彼女に対するアドバイスもその辺を参考にしたが。


「そっか、うん、確かにそのほうがいいよね」

「まー俺もそこまで詳しいわけじゃないけどな」

「ううん、前と違って今投稿してるのとか結構感想もらってるし、評判いいもの」

「役に立ててよかったよ」

「うん、ありがと! 今度はジュージ君の試合見に行くよ!」

「派手に活躍するぜ!」


格好つけて言ってみる、まー今のところ俺はエースといっていいので嘘ではない。

10歳前後の中では確かに強いが、まあ計画的に鍛えている点と、前世知識がそれなりに役に立っているからだろう。

ミドルスクールでは厳しいかもしれない。

というか、別に選手になりたいわけでもないので、どこまで続けるかは微妙なところではある。


因みに去年まではアンリ・ビュコック先輩がエースだった。

だが今年はジュニアスクールの最終年度なので、ミドルスクールの受験の問題もあり今年は夏までしか参加していない。

俺はアンリ先輩の後釜に座ったわけだが、大会成績等はほぼ互角と言っていいため、二代目灰鷹の二つ名を頂戴している。

ともあれ今年は都市大会の優勝までは行って見せる。

惑星大会はさすがに厳しいだろうが……。



青春を満喫しているのは事実だが、実際のところ俺は気ばかり焦っていた。

何せ、原作が始まれば同盟崩壊のカウントダウンが始まるのだ、詰め込みすぎだと理解していても今のうちにと思ってしまう。

だがまだ、具体的な方策を動かすわけにはいかない、奇異の目で見られるのが目に見えているからだ。

せめてミドルスクールに入るまでは普通の学生として自制しなければ。

既に家族には少し奇異な目で見られているが、けして他人に悟られないように……。









あとがき


14周年記念おめでとうございます! 黒い鳩でございます。

サイトの管理をまぁさんと193さんにお願いして気楽にしている私ですが、いつまでも何も書かないのもと思い少し考えてみました。

長編予定で銀河英雄伝説を扱ってみるつもりです。

かなり昔の記憶を引っ張り出し、ウィキ等で補強してるのですが、不具合はないか心配です。

とりあえずゆっくり連載予定ですが少しストックもありますので、終わらせられるよう頑張ります。


ま、1話は実際まだ何もしてないんですけどねw



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