軍神G4

「ウオオオォォォォォアァァァァァ!!」

天に向かって吠えるリュ?ド。
アンノウンはそんなリュ?ドを目の当たりにして無意識に後退りする。

「強い…!」

ディガイドはまだ敵に触れてすらいないリュ?ドの実力を感じ取っていた。

「ウォゥ!」

叫び声を上げてアンノウンに飛びかかるリュ?ド。
一方、ディガイドも自分が対峙すべきアンノウンのことを思い出す。

『…ア・ギ・ト…』
「そんなにアギトに会いたいならこいつを出してあげるわ!」

≪KAMEN RIDE…MIRAGE AGITO≫

ディガイドライバーにカードを装填し、引き金を引いたことで立派な六本のクロスホーンを生やし、凶暴そうな外観に白い身体をした”悟り”ではなく”怒り”によって覚醒した狂戦士…ミラージュアギトが召喚される。

『ア・ギ・ト!?』

突然にも現れた自分たちの宿敵に驚くアンノウン。

「さて、見物でもさせてもらおうかしら?」

そう言ってディガイドはミラージュアギトとアンノウンの闘いを眺め始めた。

「ハアァ!」

リュ?ドは対峙するアンノウンを肘から腕にまで伸びている必殺生体武器の一つ”リュ?ドハイバイブネイル”で切り裂いた。

『グガァァァァァ!!』

悲鳴を上げて頭の上に光の輪を現したアンノウンは爆発した。

「ウオオオオオオオオ!!」

勝利に酔いしれたかのごとく、リュードはただ空に向かって吠え続けた。
そして、ディガイドの方は…。

「ハンッ!フッ!」

ミラージュアギトはアナザーアギトやシャイニングフォームには数値上スペックは若干劣ってはいるが完全に力を覚醒させているアギトなだけに低級のアンノウン相手には苦戦するわけもなく。

「ウラァ!」

――ドガアァーーーン!!――

あっと言う間にアンノウンを倒してしまった。

「アタシが出るまでも無かったわね。さて神宮君はどうかな?」

と言ってリュ?ドの方を覗いてみると…。

「ウオオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!」

敵はすでに殲滅されていると言うのに、未だに彼は咆哮を続けている。

「何やってんだが…」

ディガイドからすれば意味のない行為であったので、呆れた口調で言った。
だが、この時に彼女は気づくべきだった、リュ?ドの胸にある能力制御器官たる”ワイズマンモノリス”が鈍く輝いている光を失っていると言うことを。

「フウゥゥゥ!!」

突然リュ?ドはディガイドの立っている方向に顔を向け、飛びかかった。

「ちょ、何!?」

いきなり攻撃行為としか思えない行動にディガイドは混乱する。

「ウアァァァァァァ!!」

そして、本当に獣になってしまったかのようにリュ?ドは吠えるのみ。

「まさか、暴走してる!?」

そのまさかであった。

「仕方ないわね!だったらこいつね」

≪KAMEN RIDE…LEANGLE≫

「俺は、最強の仮面ライダーだ…!」

ディガイドは仮面ライダーレンゲルを召喚すると、トランスドライバーにカードを装填する。

≪KAMEN RIDE…GARREN≫

バックルから飛び出したクワガタ虫の絵が刻印された青いオリハルコンエレメントを通過するとディガイドはDギャレンに姿を変える。

「熱いのは好きかしら?」

そう質問したディガイドは当然答えを聞くこともなくカードを使う。

≪ATTACK RIDE…FIRE≫

本来のギャレンならばダイヤのカテゴリー6”ファイアフライ”で発動する”フライファイア”の火炎弾を容赦なくリュ?ドに浴びせた。

「グァァァ!」

流石に多少は効いたのか、リュ?ドは声を上げた苦しんだ。

「もう一丁!」

≪FORM RIDE…GARREN JACK≫

その瞬間にDギャレンのアーマーは金色のディアマンテゴールドに覆われ、胸には孔雀の紋章たるハイグレイドシンボルが刻まれ、背中にはオリハルコンウイングが装備されたジャックフォームに強化変身する。

尚、強化変身している間はレンゲルがリュ?ドを抑え込んでいた。

≪FINAL ATTACKRIDE…GA・GA・GA・GARREN≫

「これで、大人しくしなさい」

レンゲルが役目終えたように消えたと同時に空中に舞い上がったジャックフォームは銃口をリュ?ドに向けた。

――バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!――

強化火炎弾を連発するJ(ジャック)バーニングショットの発動で、リュ?ドは途中までは抵抗していたが、最後の一発を受けて気絶した。

十分後。

「……う、う……あぁ」
「気がついたみたいね」

変身が解けて人間の姿になっている光介。気絶してから目覚めて最初に見たのは流姫の顔だった。
光介は乱暴に立ち上がると、何も言わずに去っていこうとする。その時、流姫に制止の言葉を掛けられたが、彼は一言だけしか返さなかった。

「所詮俺は化物だ」

それだけ言うと、光介は家の中に入って行った。



***

こちらは廻達の住家である掘立小屋。今日此処に一人の客人が居た。

「成程、それでアナザーアギトのこの人に来てもらったのね」
「あぁ、お邪魔してるよ」

流姫が帰って来ていた時、仙寺が来ていたのだ。そして、彼にリュ?ドのことを話してみた。すると、仙寺はリュ?ド=光介と共闘したことがあると言った。

「……あいつはハッキリ言って潜在している”アギトの力”が俺以上に高い」
「ならなぜ暴走した?」

廻が聞くと、仙寺は苦い顔で答えた。

「あいつは潜在している能力が高い分制御も難しくなる」

確かに、暴走したリュ?ドはワイズマンモノリスの力を持ってしても、その力を制御しきれていなかった。

「だから、暴走するのか…。力が余りある為に」

信彦は皮肉気にそう言った。

「だけど、見過ごすわけにはいかないわ。彼はこの世界の要たるライダーよ!」
「わかっている。だが、奴自身が他人を受け入れ…いや、他人を受け入れたいからこそあんな態度を取ってるんだろう。暴走したときに余計な犠牲が出ないよう…」

流姫の意見に廻は”RYUDO”と記されたブランクカードを手に、言葉を口にする。

「アギトであろうと無かろうと、俺は金上 仙寺として生きていくだけだ」
「仙寺さん…」
「あいつは自身の姿や境遇によって己を化物呼ばわりしている。俺はあいつには、あいつ自身として生きてほしいんだが…」

光介が自分と同じアギトの力を宿す身であるが故か、仙寺は心を痛めていた。

「難しいだろうな」

廻はこの現状をキッパリと口にする。

「…でも、そんなのって…」

流姫の心はやりきれない気持ちで一杯だった。



***

「さて…どうするかな?」

月が見えるくらいに晴れた夜。廻はそんな闇夜で一人散歩していた。

「心…か。一番面倒な分野だな」

アギトの力は覚醒者の心によって様々な進化を遂げることがある。それこそシャイニングフォームのように悟りで力をさらなる覚醒へ誘う者もいれば、ミラージュアギトのように怒りで力を高める者もいる。
幾年もの間、次元を越える旅を経験している廻はこのことを知っていたが、知っているからこそ悩んでいた。

「………」

沈黙しながら淡々と歩く廻。

『アギトッ!』

唐突にアンノウンが現れた。

「俺はアギトじゃないんだがな。ま、似たようなものか…」

≪KAMEN RIDE…DEROAD≫

変身を完了したディロードはライドセイバーを構えて、アタックライドを用いる。

≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫

ライドセイバーの刃は淡い光に包まれ、ディロードはライドセイバーを鞘に収めるが如く、腰に構えた。

『……フアァァァ!』

アンノウンは何時まで経っても攻撃してこないディロードに拳を振ろうとするが、

――斬ッ!!――

ディロードは敵が拳をこちらにあてようとするその瞬間に居合斬りの要領で切り裂いた。

「つまらん」

と吐き捨てると、アンノウンは爆発した。
ディロードは変身解除しようとしたその瞬間。

――ズバンッ!ズバン!――

銃声と共に弾丸がディロードの足元で弾けた。
弾丸が発せられた方向に視線を集中し、複眼部分たるディメンションヴィジョンの超視力とナイトヴィジョン機能で攻撃してきた者を視認する。

「あれは…!!」

遠くから黒いハンドガンを構える、黒い機械的装甲に二本の角、青い眼をしたライダーが居た。

「これより、アンノウンを撃退する」

超聴力を与えてくれるディメンションスカウトによって拾われた声。
恐らく、ディロードのことをアンノウンと勘違いしているのだろう。

「まさか…G4!?」

そう、ディロードを敵と認識している黒いライダーの名は仮面ライダーG4。

「全く、今日は面倒なことだらけだな」

と言っている間にもG4は走ってこちらに近づいてくる。

「仕方ない。相手してやるか…」

少しの間待っていると、G4はディロードの直ぐ前方にまでやって来た。

「………」
「………」

沈黙が続く。

――サッ!――

G4は先程ディロードの牽制に使った”GM‐01改4式”を瞬時に構えた。

――スッ!――

それと同時にディロードもライドセイバーを構える。
そしてもう一度沈黙が流れた。

「「!!」」

二人は同時に動いた。

――ギィンッッ!!――

「あ…!?」
「俺の勝ちだな」

ディロードは刃でG4の銃を弾き、拳をG4に突きつけていた。

「お前は一体?」
「仮面ライダーだ」

機鎧(きかい)戦士と次元戦士の出会いだった。



***

翌日の朝。

――ピリリリリ!ピリリリリ!――

騒がしく鳴る携帯電話。

「はい、もしもし。………あぁ!わかったすぐに行く」

――ピッ!――

「どうかしたの?」

廻が携帯で話していた声で流姫が起きた。寝起きなので少々目が虚ろだが。ついでに信彦は未だに起きていない。

「用事ができた。ちょっと警察に行って来る」
「え?警察?何があったの?」
「帰ったら全部話す」

と言って廻は家から出てマシンディローダーに跨った。



***

警察署、アンノウン対策班・G4ユニット。

「お、来たな」

一人の爽やかな雰囲気をした男。G4装着員こと鉄和雄(くろがね かずお)がやって来た廻を出迎える。

「へ?、お前って顔はこんなだったのか。結構意外だな」
「どういう意味?」
「ちょっと二人とも。気軽に話してるところ恐縮だが…」
「あ、すいません。塚田チーフ」

廻と和雄が話しているところに割って入った男はG4開発者でもありユニット責任者の塚田。


「じゃあ、昨晩聞けなかったことを聞かせてもらおうか。自分の携帯電話番号を教えるくらいだから、当然話してくれるだろ?」
「はいはい」

そして、自分の素性を明かした。尚、旅をするライダーの仲間がいると言うことも話したが、流石に名前や居場所まで喋るようなことはしなかった。

「世界を越える旅か……私もそんな体験をしてみたいな」

憧れを抱く少年のような表情をする和雄。

「……砕谷君、君の目的はわかった。だが…あのリュ?ドを助けると言うのは…」
「…昔何かあったようだな」
「G4は…暴走したリュ?ドによって破壊されかけたことがある。だから奴の手助けをするのは…」

リュ?ドへの手助けに渋る塚田。

「塚田チーフ。私は廻の言葉を信じてみたいです」
「鉄よ、言っておくが我々の任務はアンノウンから人々を守ること」
「なら尚更彼は助けるべきです。…彼も私達と同じ人間です!チーフがいくら反対だと仰ったとしても、私は彼を助けたい!」

熱意のこもった声が発せられる。

「………わかった。お前や砕谷君の言葉を信じよう」
「チーフ!」
「…どうやら、この世界の三ライダー達が繋がりそうだな」



***

その頃、光介は。

「アアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
『グガガガガァァァァァァ!!』

リュ?ドと化した彼は四本の牙たる”リュ?ドトゥース”でアンノウンの首筋に噛みついていた。
アンノウンの首からは大量の体液が流れ、光の輪を浮かべて爆発した。
そして、もう一体のアンノウンに指先の鋭利な鉤爪”リュ?ドフィング”を胸の突き刺すことで倒した。

「仮面ラ?イダ共め。…だがお前等もこれまでだ!フフフフフ…ハッハハハハハハハハハハハ!!」

遠くからリュ?ドを見るドクトルGの後ろには他のアンノウンとは明らかに違う強者のオーラを纏った三体のアンノウン…いや。エルが居た。




次回、仮面ライダーディロード

「初めてだな、こうして三人が揃って立つのって」
「今此処で、滅ぶが良い」
「塵に還る時だ」
「人間の進化だの力だの、神様であってもそれを決める権利はないんだよ!」

”目覚める魂達”

全てを救い、全てを砕け!

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