更新かなり遅れました。
反省の他ありませんね。

伝説の魔物

腕試しから一日が経ち、一行は城の中にある豪華な部屋に滞在することとなった。
城主たるシャイン…空沢交(あきさわ まじる)との一戦は城に身を置くファンガイア連中全てが観戦していたようで、廻達を協力者にすることに関して文句を述べるものは一人もいなかった。

ただ、一行の不満と言えば一つ。

――当たり前だ。私を誰と心得る?――
――早くしろ!私を誰だと思っている?――
――この私に意見しようなど千年早い!――

交の傍若無人ぶりだったのは至極当然の話。
そして、今日一行はトンデモないくらいに呆れる話を聞くことと化した。





世界の救済者、ディロード。九つの世界を巡り、その心は何を映す?






「手掛かりがない!?」

廻の声は”玉座の間”に響いた。
朝っぱらから呼び出された一行は王の玉座に腰かけて一々偉そうに話しかけてくる交の態度に我慢しながら耳を傾けていたが、それも限界だった。今まで高圧的な態度を取って来たくせに妃の足取りに関する情報が皆無に等しい。このような事態になれば誰でも怒るというものだ。

「ざけんなボケ!!」
「王に向かってボケだと?…くたばりたいか仮面バカ?」
「くたばんのはお前だよ!傲慢野郎」

キレた廻は無論反抗する。
交もそれにいつもの態度で反論…もっとも反論というより圧力掛けだが。
しかし、そんな圧力に屈する廻ではなかった。

「ならば、決着をつけようか?」
「望むところだな…!」

今この場で闘いが始まってしまいそうなほどに二人の間に流れる空気は緊迫する。

「ちょっと待ってェエエエ!!私達は協力する為にここにいるんですよ!闘ってちゃ意味無いじゃないですか!!」
「「………」」

和雄がその場で張り上げた声によって緊迫感溢れる空気は収まって行った。
でも…。

「チッ!」
「フンッ…!」

二人の仲は最悪なものになってしまっていた。

(大丈夫…か?)
(これは…あまり期待しない方が良い、かも?)

信彦と流姫までこの状況に色々と危機感を抱いていた。
そして、三人の思ったことは一つ。

(((今回は…彼に任せない方が良い)))

彼とは当然、廻ことである。



***

その日の昼。
流姫、信彦、和雄の三人は城の広場に集まっていた。

「この世界において、廻と空沢の相性は最悪」
「廻に任せたら味方同士でのしょうもない衝突は火を見るより明らか」
「だからこの世界では私達三人で何とかしましょう」

この世界でのライダーと超険悪な雰囲気になってしまっている廻にこの”シャインの世界”であまり活動させず、肝心なところ。つまりは戦闘場面だけで活躍してもらうため、三人は妃の調査は自分たちだけで行うこととした。

しかし、これこそが後に厄介な事態を引き起こすとは…今の三人には想像すらできなかった。



***

「何の用だ?王さまよぉ!」

いきなりのケンカ腰。
現在は夜。突然、寝ているところを呼び出された廻は不機嫌だった。

「…朝のことは詫びる」
「…」

交の謝罪に廻は仮面に隠れた素顔を穏やかにした。

「…我が妃、美子(みこ)は私にとって掛買の無い存在なのだ」
「それで?」

質問され、交は玉座から降りて廻の眼前で頭を下げた。

「頼む!私の大切な人なんだ!」
「…」
「美子を、助けてやって……ください」

交は初めて敬語を用いて廻に頼んだ。

「俺達は使命故に此処に居る。二度頼まずとも構わん」
「!!!」
「俺はもう部屋に戻らせてもらうぞ」

穏やかな声でそう言うと、廻は玉座の間から出て行った。

「頼むぞ……あいつは、私の人生に光を与えてくれた」



***

(あいつ……朝とは態度が全く違う。一体何があったんだ?いくら妃のことを愛していようと、一日足らずでガラっと態度を変えるなんてことは…)

部屋に戻る通路を歩く間、廻はそのことを考えていた。

そして、再び玉座の間。

「………いるのであれば、隠れてないで出てきたらどうだ?」

玉座を目の前にした状態で交は誰かにそう言った。

「フハハハ♪流石はキングだぜ〜!」

天井からいきなり全身を黒マントとフードで隠した人物が現れる。

「……本当に、その情報は正しいのか?」
「裏世界の情報だと…かなりヤバい奴らが動いてるって話だぜ〜」

どうやらこの人物は交に情報提供をしている云わば情報屋というべき存在のようだ。

「…代償たる金は後ほど渡そう」
「フッフ〜♪いつも御贔屓(ごひいき)頂いて、感謝感謝!」

ノリの軽い声。

「あ…それと、連中はここんところ若者を拉致ってるなんて噂もあるな〜」
「何?…目的は?」
「そこまではわからないけど……お相手は、太古の昔にファンガイア達とドンパチやってたなんてのも聞いたな。…まあ、その戦いではファンガイアがギリギリで勝ったみたいだがな」

それを聞いた交は少し考え、ハッとした顔になった。

「よもや……あ奴等の正体は!?」
「フフフ…。お察しが言いですけど、愛の力ですか?生涯唯一愛し合ってくれる女性との」
「…さあな」



***

翌日の夕方。
廻を除いた一行は城からでもよく見える街の噴水場に居た。

「朝からずっと手掛かり探してたけど、全然だね」
「やっぱり…何か有力な情報源がないと、難しいかもね」

信彦と流姫はそういった。
しかし、この時彼等は知らなかった。交が既に情報屋によって有力な手掛かりを掴んでいることに。

「兎に角、今はやるしかありません。時間をかけていたら廻さんが嗅ぎ付けてきますよ」

そう。廻の勘は妙な時に際立っていることが多い。
普段は様々な世界をめぐって来たことで得た知識と冷静な性格もあって、普段は発揮されないが。

その時、

『われらがロードに命を捧げよ』

突然にも聞こえてきた不気味な声。
そして、現れたのは…四体の怪人。

「レ…レジェンドルガ!?」
「な、何ですか?レジェンドルガって?」

信彦が声をはり上げたことで、和雄は質問する。

「厄介な奴らだってことだけは言える。それに悪趣味なことに…人間の嘆きや悲しみを至高の喜びにしているんだ」
「…!」

信彦からの説明を受け、和雄は表情を引き締める。

『あと三人でロードはお力を取り戻す。お前らはロードの糧となるがいい』

ミイラ男の伝説の元たるマミーレジェンドルガはそう言い放つ。

「…まさか、交さんの大切な人が居なくなったのって…」
『交?……あぁ、憎き”光”を受け継いだあの小僧か』
『奴の女を捧げたとなれば、我々のロードは力を増すだろう』
「ロード…アークのことね」

悪魔とメデューサの伝説の始まり、ガーゴイルレジェンドルガとメデューサレジェンドルガの言葉の内から、流姫はレジェンドルガ族の(ロード)。つまり仮面ライダーアークの存在に感づいた。

『貴様らに恨みはないが一族復興のために、魔界城へと来てもらう』
『………』

マミーはそういう。
そして、マンドレイクの伝説のきっかけ、マンドレイクレジェンドルガは喋ること無く、頷いてみせる。

「そう簡単に捕まったりはしないわ」

三人は変身の準備を行う。

「「「変身ッ!」」」

≪KAMEN RIDE…DI‐GUIDE≫

三人は仮面ライダーへと変身する。

「行きましょう!」

G4は二人の仲間にそう声を掛ける。

「うん」
「当然ね」



***

その日、満月が妖しく美しく輝く夜に事の報せは届いた。

――ガシャアァァァン!!――

「何だと!?」

廻は夕食時になっても帰ってこない三人のことを心配しながら食堂で食事をしていた際、やってきたファンガイアの兵士から聞かされた不吉極まらんことにテーブルを叩いた。

「三人が魔界城へ…。それは本当だな?」
「はい。街の住人からの目撃情報によれば、夕方にて化け物達と戦っていた三人の仮面と鎧をした戦士が連れ去られたとのことです」

その兵士からの言葉を聞いて、廻は拳に力を入れまくった。

(勝手な真似を…!!)

怒りのオーラを噴出させている廻にその場の者殆どがプレッシャーを感じた。
唯一人を除いて。

「落ち着け。それでも私の認めた男か?このようなことで取り乱されては困るぞ」
「こんなこと、だと?」

一緒に夕食の席に居た交であった。

「…奴ら、レジェンドルガが動いている」

それを聞いた兵士や側近たちは顔を青くし始めた。

「レジェンドルガ…この世界ではあいつらが蔓延っているようだな」
「私が情報屋を使って独自に調査を進めた結果。連中は一族の(ロード)を復活させる気でいる」

兵士や側近達は青くした顔に恐怖の感情を満たす状態となった。

(ロード)…仮面ライダーアーク」

かつて廻達は巡った異世界の中で一度だが、アークやその配下たるレジェンドルガと戦ったことがあったのだ。

「復活の方法は?」

廻は切羽詰った声で問うた。

「若者を多く連れ去っているという情報を考慮すれば…」

交の推察を聞いた廻は…。

「交よ。向こうを叩くぞ。徹底的にな…!」



***

暗黒の闇世界という表現が最も合うであろう不気味な山の上に聳え立つレジェンドルガ族の居城。
その名は魔界城。
この月夜に照らされた魔界城で凄惨な戦いが始まる。
使命によって旅をしてきた九つの世界の九つ目たるこの”シャインの世界”で決戦は始まる。

次回、仮面ライダーディロード

「決して諦めてはなりませぬ」
「私そっくり!?」
「俺の仲間は返してもらう!」
『我…再び覇道を刻む』
『決着をつけてやる。仮面ラ〜イダ共!』
「王家の誇りにかけて、貴様を討つ!」
「希望や絆の光は永久に繋がる!!」
「こ、この剣は!」

”継承される力”

全てを救い、全てを砕け!

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