ライダー大戦・集結と消滅

白くてボロボロなドレスを着た夏海と黒いドレスを着た流姫。
二人の今いる場所は、まるで激戦が繰り広げられたかのような惨状だった。

「またこの夢?」
「この光景は…」

向こうからはディケイドとディロードがこちらに歩み寄って来た。

「ディケイド」
「ディロード」

二人が戦士の名を口にした瞬間、アギト・龍騎・ファイズ・ブレイド・響鬼・カブト・電王・キバ。
さらにはブラックアイのアルティメットクウガにディエンドとディルード。

ライダー同士で行われる凄まじき激闘。

「ディケイドとディロードは全ての世界を破壊し、終焉させる」

そこへ鳴滝までもが現れる。

「違います。士君は破壊者なんかじゃありません!寧ろその逆です。ライダー達を守ってるんです!」
「廻だって終焉者の異名を捨て去り、救済者になって人々を助けてきた!」
「君達はなにもわかっていない。彼らの通ったあとに残るのは…ライダーの屍だけだ」
「「違います!二人はそんな人じゃありません!」」

「士」
「廻」

バギュン!!
ザシュッ!!

「うあぁぁぁ!!」
「うおぉぉぉ!!」



***

バリィーン!!

流姫と夏海が目を覚ますと、動かした腕によってフィルムを入れていた瓶が床に落ちて砕けた。
どうやら二人は写真館の受付のカウンターで居眠りをしてしまったようだ。

「俺らがどうしたって?」

いつの間にかそこに居た士・廻・ユウスケ・信彦。

「何でもありません」
「気にしないで」
「士と砕谷さんの夢でも見たのか」

ユウスケがからかう。

「違います」
「馬鹿な事言わないでちょうだい」

そういって、二人は写真館のドアを開けて外へ出た。



***

歩けど歩けど見えてくるのは渇ききった荒野ばかり。

「それにしても士のその服なんなんだ?…あっ、結婚でもするのか?」
「なら良いが。葬式かもしれんぞ?」
「不吉な事言わないで下さいよ!」

すると、士と廻の表情は真剣な物になる。

「これが俺達の最期の旅になる。何故かそんな気がする」
「…あながち間違ってはいないかもしれんぞ」

そんな二人を見て夏海は…

――ディケイドを止められるのは、君だけだ!――

以前、響鬼の世界で鳴滝が自分に言った言葉。

(もしも士君の身に何か起こるのだとしたら、その時は私が守らないと)

「おい!あれを見ろ!」
「あれってまさか!?」

ユウスケと信彦の指さす方向には…。

≪R・I・S・I・N・G≫

ライジングイクサとレンゲル、サガとギャレンが戦っていた。
しかし、その戦いを止めようとアナザーアギトと仮面ライダーリュ−ドが奮闘している。
そして…。

「カズマ…ワタル…」

士はブレイドとキバの世界で出会った仲間の名を呼んだ。

「「変身!」」

≪TURN UP≫

二人はキバとブレイドに変身する。

「止めろォー!」

ブレイドとキバの戦いにG4が割りこんで止めようとする。

「和雄…!」
「どうなっているんだ?ライダー同士が戦っていて…、それを止めようとするライダー達まで」
「それだけじゃない」

そう、戦っていたのはライダーだけではないアンデッドやファンガイヤまでもが戦っていた。

「ファンガイアとアンデッドまで!?」
「それに…G3MILDやG5まで…!?」

ファンガイアとアンデッドの戦いを止めようとする総勢二十人のG3MILDを指揮官とするG5部隊。

「しかも、ファンガイアがキバの仲間になっている」
「ブレイドと、アンデッドもな」
「これじゃあまるで、キバの世界とブレイドの世界の戦い」
「でも、それをリュ−ドの世界が止めようとしている」

一同はこのありえない光景に唖然とする。

「そういや爺さんが言ってたな」

――…ライダー大戦…――

「ここは、ライダー大戦の世界だ」

栄次郎が背景ロールを見た時に呟いた言葉をヒントに、士はこの世界の名を言い当てた。
そして、ライダー大戦という単語に廻と流姫は目の色を変えた。





世界の救済者・ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?





ますます激化する戦い。
ブレイドはアンデッド達のエネルギーを借りてイクサを亡き者にする。

「イクサァーッ!」

仲間の戦士に嘆きの声をあげるキバはザンバットソードを手に、魔皇力の刃を傍らにいるファンガイアと共に打ち出してレンゲルを倒す。

「レンゲル…!!」

ブレイドもまた嘆きに近い声を出した。
二人はお互いに剣を構える。

「止めるんだ二人とも!」

しかし、そこへG4が割って入り、ブレイドは仲間と共にその場を退散する。

――パチッ!――

持前のトイカメラでその光景を映した士。

「いったいどうしてこんなことに?」
「さぁな。だが一つはっきりしていることがある。世界の融合が進み、キバとブレイド…さらにリュ−ドの世界が一つになったと言うことだ」

士らはワタルの方に行き、廻達は和雄の方に行った。

「和雄!」
「廻さん!それに二人も!」

和雄は仙寺と光介と共にG3MILDとG5部隊を撤収させていたところに、廻達と再会したことで歓喜する。

「教えてくれ和雄!何故キバとブレイドが戦っているんだ?」
「…彼らは、融合した他の世界のライダー達を倒さなければ、自分たちの世界が消滅すると思っているらしいんだ」

信彦の問いに和雄はそう答えた。

「正直なところ、俺達はそんな話は信じていない」
「だから、双方の戦いを止めようとしていたんだ」

仙寺と光介は自分たちの行動について説明する。

「だけど、どちらも聞く耳を持たないってか」

廻はため息混じりにそういった。
そこへ…。

「貴様らリュ−ドの世界の連中にも言っておく!」

ファンガイアの女王・ユウキの声が轟く。

「我々は戦いをやめる気はない。邪魔を続けると言うなら、ただでは済まんぞ!!」

ディケイド=士がウォートボッグファンガイアをカウンターの回し蹴り一発で粉砕した直後ということもあって、其の声は機嫌の悪さが滲み出ている。

「下らないな、一旦戻るぞ」

廻がそう言って帰ろうとするが、一度足を止めてこう言った。

「言っておくが、俺は”世界の終焉者”だ。俺の邪魔をするものは全て砕け散らす。覚えておけ」

そう宣言すると、廻は再び歩き出した。



***

「…この子は確か…」

栄次郎は士の撮った写真に写っているワタルとカズマ=キバとブレイドが戦っている様子を見て、戸棚からあるものを取り出した。

「なんです、それ?」
「アルバムみたいですけど」
「その通り。士君がこれまで撮ったライダーのアルバムを作ったんだ。それに廻君達の写真も載せてあるよ」

栄次郎はページを次々と捲って写真を見ていく。

「これまで色んな世界を旅して、するべきことはしたつもりでしたが…」
「アタシ達だって…同じよ」

夏海と流姫の声は暗かったが…。

「それで問題が解決したわけじゃなかったんだな」
「全くだよ」

それはユウスケと信彦も同じだった。

「寧ろ…世界の危機は増すばかりだな」
「直してんのか、滅ぼしてんのか、わからなくなる」
「他人事みたいに言うなよ」

二人の言葉にユウスケはそう言った。
すると流姫と夏海は背景ロールの前に立った。

「その絵がどうかしたのか?」
「…ま、予想はつくけどな」

「これまでずっと黙っていましたが…実は私…この光景を夢に見ているんです」
「私も夢ではなく、現実として似た光景を一度見たことがある。まあ、かなり酷かったけど」
「じゃあ、正夢になるかもな?」
「ライダー大戦で、仮面ライダー達に勝てばいい」

経験者であるが故か、それとも自嘲の意を込めてかは知らないが、廻は気軽な口調でそう言う。

「いえ!絶対にそうさせたくないんです!そのためにも、ライダー同士の戦いを止めないと…」
(廻、あんたはまた血に汚れると言うの?また、罪を背負おうと言うの?)

流姫は心の中で四年前の惨劇を思い出す。

「そうだよ。それがこの世界で士と砕谷さんのするべきことだ」
「勝手に決めんな。…だがまぁ、裏で誰が動いているかは、見当がつくがな」

士が振り向いた方向には、

「鳴滝さん」
「ディケイド、ディロード…君達と狎れ合うつもりはない。だが当面の敵を倒すためには仕方ない。…見たまえ」

鳴滝は次元の壁にもにたモニターを出現させた。
モニターには無数の異世界である地球がが映し出され、融合をし始めている。
さらに…そこにはアポロガイストの姿が。

『世界を一つに…!そして…其の世界を、偉大なる大ショッカーが手にするのだ』

「世界の融合を加速させているのはアポロガイストだ。それを止めるには、大ショッカーを倒すしかない」
「まさかお前…俺達に?」
「頼む、世界を救ってくれ」

鳴滝はそう言い残して消えて行った。

「ちょっと!?」

ユウスケは鳴滝のいきなりな退場の仕方に思わず声を出した。
信彦と流姫は、ライダー大戦の絵を見てこう言う。

「世界を救うには、やはり大ショッカーを倒すしかないのか…?」
「そうするには、やっぱりライダー同士の争いを止めて共に戦わないといけないわね」

二人がそう言うとユウスケはワタルを説得しに行くと志願し、士にはカズマの説得を頼む。
しかし、士がそれをメンドくさがったことで夏海は…。

「光家秘伝、笑いのツボ!」
「フハハハハハハハハハハ!!わかった行くよ!…アッハハハハハハ!!」

強制的に説得役となった。
廻はそのことを和雄達に連絡して、ブレイド側とキバ側の仲介役になってもらうことになった。



***

BOARD本社ビルの社長室。

士・ユウスケ・廻によって社長室に集まった三勢力。

「単刀直入に言うぞお前ら。今すぐ戦いを止めて、全員で大ショッカーを倒すんだ」
「「大ショッカーだと?」」

廻の言葉にワタルとカズマは首を傾げる。

「廻さん達によると、世界の融合現象は全ての悪の秘密結社・大ショッカーの幹部であるアポロガイストの仕業らしい。奴を倒せば世界が救われる」

和雄は廻から聞いた情報をそのまま二人に伝える。

「だが待て!例えその大ショッカーを倒したとしても、キバが居る限り俺達の世界は消えてしまうんだぞ」
「カズマ!そんなの嘘っぱちに決まってる」

協力に対して拒否の姿勢を取るカズマにユウスケはそう言った。

「奴らの狙いは、ライダー同士を戦わせ、消耗したところで倒すことだ」
「何故そう言い切れるんですか?」

士の論理にワタルは質問する。

「…俺の言うことは大体正しい」

アバウトな返答だった。

「俺は納得できない。…キバはレンゲルを消し去った!」
「こっちだって…ブレイドにイクサをやられた!」

お互いに指さし合うワタルとカズマ。
廻はその様子にため息混じりでこう言う。

「兎にも角にも今は力を貸し合え。そうでなければ、救えるものも救えず、全ての世界が消えさることになる」
「…今は自分の世界のことは考えるな」

廻と士はそう言って論ずるも…。

「それは自分の世界がないからいえることだろ!?」
「そうです。士さんには守るべき世界が無い、まして自分が何者かさえわかっていない。それに会って間もない砕谷さんにそんな偉そうなことを言われる義理もありません」
「あんた等に俺達の気持ちは分からないよ」

そう言って、ワタルとカズマは元のポジションに戻ってしまった。
ユウスケはワタルを追いかけて再度説得しようとした矢先、

『た〜いへん!大変よ!アポロガイストが、ファンガイアの女王と結婚式を挙げるんですって!』

キバットバット三世の妹の白いキバット族・キバーラが慌てて登場する。

「ワタル、どういうことだ?」
「仕方ない。強い組織と組まなければ、生き残れない」
「お前ら、そこまでしてブレイドの世界を消したいのか!?」
「お前らだって!!」

どんどん双方の関係は悪化の一途を辿っていく。
和雄もこの状況には流石にフォローしきれなくなっていた。

「もういい。俺と士がカタをつけてくる」
「二人とも!俺も行く!」

ユウスケは二人を呼びとめるが、

「いや、俺と廻だけで良い。…つくづくわかった。旅をして仲間ができたつもりだが…ただのかんちがいだったようだ。廻、お前が羨ましいよ」
「士…」

自分の巡った世界のライダーは闘い合うのに対して廻の巡った世界のライダーは戦いを止めようとしている。そんな状況なら、士の言葉にも頷けた。

「仲間なんて、つくるもんじゃないな」
「………」

二人はそのまま出て行ってしまう。

「ワタル、カズマ…お前らこれでいいのか?」

ユウスケが改めて問うと、二人は沈黙した。



***

「…これは?」
「まさか…?」

夏海と流姫が眼にしたもの。
それはサガの率いるファンガイア達と戦う響鬼・轟鬼・天鬼。
そして、それをなんとか止めようとするネガ電王の姿。

「キバとブレイド、響鬼とネガの世界まで融合してしまったんですね」
「劉子…!」

ネガ電王は必死になって双方の戦いを止めようとするが、サガはその隙をつき、ジャコーダーを鞭状にして天鬼の身体を貫き、魔皇力を瞬時に流し込んで爆散させる。

「アキラさん!!」

響鬼は仲間の名を叫ぶ。
さらにサガは轟鬼を標的に同じことをした。

「トドロキさん!!」
「止めろォォオオオ!!」

ネガ電王の悲痛な声も虚しく、サガは攻撃を止めることはない。

「このままじゃライダー達が潰し合ってしまいます」
「お前達は何か勘違いしてるようだ。…本当の敵は大ショッカーではない」

夏海と流姫の目の前に現れた黒づくめの服にサングラスをした一人の青年。

「…其の声、まさかあんた剣――ズガアァ!ズガアァ!――…!!」

流姫が青年のこととと思われる名を呼ぼうとした瞬間、サガと響鬼とネガ電王の攻防によって起こる騒音によってかき消えてしまう。

それに注意をそらされ、二人が再び彼の居た方向に眼を向けた時、青年の姿はそこにいなかった。

「あの人は一体?」

そういった夏海とは逆に、流姫の顔には複雑なものがあった。



***

激化する戦い。サガは感情など無いに等しいくらいに冷血な攻撃を二人に浴びせる。
そして必殺のスネーキングデスブレイクを発動しようとした時、サガは何者かの銃撃と剣撃を喰らわされた。

「師匠!」
「海東君に坂木君!」
「まだまだ修行が足りないな、少年君」
「女の子の一人くらい助けてやれないのか?」

響鬼は冷静さを取り戻した動きでサガの攻撃を巧に避け、火炎の灯る音撃棒の一撃をサガに与えて爆発させる。

「…師匠。この世界は一体どうなってしまったんですか?」
「オレも知りたい」

響鬼とネガ電王の言葉に大樹と了はことのあり様を全て話した。

「信じられません。…ライダーとライダーの世界が融合を始めただなんて」

変身を解いたアスムは天鬼と轟鬼の遺品である音撃管・烈風と音撃弦・烈雷を拾いながらそういった。

「ごめんなさい。ボクが、サガを止められれば…」

劉子の顔には罪悪感が漂っていた。

「そんな!貴女が謝ることじゃ…!」
「…まあとにかくお前等は、生き残りを掛けた戦いに巻き込まれちまったのさ」

了の言葉に二人は当然質問をする。

「彼らは別のライダー達を倒さないと、自分の世界が消えてしまうと思っている。…例外も居て、時峰君のように戦いを止めようとするライダーもいるけどね」
「…そんな戦いのために、アキラさんやトドロキさんは…」

アスムは顔を俯かせる。

「泣いているのかい?」
「スイマセン。二人とも、大切な仲間でしたから」
「仲間…か。そのお宝は、まだ一つしか持ってないな」
「海東君…」



***

――失敗しても成功しても、共に働く仲間を励まし、助け合い…一緒に進化していく。そのために働いているんだ!――

かつて士がジョーカーとパラドミキサアンデッドとの決戦直前にいった言葉を思い返すカズマ。

「仲間か…」

カズマは社長室から、ある場所に向かった。



***

とある薄暗い教会。
参列者の集う中、アポロガイストと漆黒のウエディングドレスを着たユウキが現れる。

「参列者の諸君、良く来てくれた。この契の日を境に、君達は永遠のものとなるのだ」
「お前達はアポロガイストの中で、永遠に生き続けるのさ」
「見よ。これが、ファンガイアの力なのだ」

ユウキ=ファンガイアと契を交わしたからなのかは不明だが、アポロガイストの顔にはファンガイア族特有のステンドガラス状の血管が浮かび上がる。

そして無数の吸命牙が召喚され、参列者たちのライフエナジーを吸い尽くす。

「乾ききった命の砂漠に…ライフエナジーが沁み渡っていくのだ…!燃える…命の炎が、もう一度も得ていく!!」

歓喜極まるアポロガイストは正真正銘、第二の命を手中に収めた。
ユウキはその様子を見て微笑んだ。

「この日が…復活の記念日となるのだ…!」

――バッ!!――

其の時、教会の扉が開かれて眩い光が差し込んでくる。

「その記念日を命日にしてやるよ」
「立会人は俺達だ」
「現れたな、ディケイド・ディロード」
「貴様らの命日にしてやる」

ユウキはブーケを投げ捨てると、ナマコを彷彿とさせるソーンファンガイアに変貌した。

――ズキュン!!バキュン!!――

突如鳴らされた二つの銃声。
それを打ったのはギャレンとG3MILDだった。

「士!」
「廻さん!」
「「砕谷!!」

さらに、カズマ・和雄・光介・仙寺が変身ベルトを装着した状態で現れる。

「お前は俺に大切なことを教えてくれた。俺達は…励まし合い、助け合い、一緒に進化していく仲間だ!」
「俺は戦い続ける。例え俺がどれ程人間離れしようと、大事なのは運命から逃げずに戦い続けることだ!」

カズマと光介の台詞…どちらも士と廻がそれぞれの世界で口にした言葉だった。

「「その言葉…覚えていてくれたんだな」」

「あぁ、お前はいつも大体正しい」
「また一緒に決めようぜ!」
「「…皆、行くぞ」」

≪KAMEN RIDE≫

「「変身」」

≪DECADE≫
≪DEROAD≫

「変身!」

≪TURN UP≫

「「「変身ッ!!」」」

ディケイド・ディロード・ブレイド・リュ−ド・アナザーアギト・G4に変身すると、敵側からはファンガイアだけでなく、アンデッドやアンノウンまで…。

「「…かかって来い」」

戦闘を始めるライダー達。

「アンデッド!お前等も最初から大ショッカーと組んでいたのか!」
「しかもアンノウンまで、いつの間に?」
「フッ、知れたこと。…我々の敵は、未来永劫、ライダーだけなのだ!」



***

森の中を必死に走るアスムと劉子。

「君達がアスム君と時峰君か」
「貴方は?」
「…仮面ライダーなの?」

いきなり現れた黒づくめの青年。

「俺は剣崎一真(けんざき かずま)だ」
「剣崎、一真?」
「…この世界を本当に救いたいか?」
「どういうこと…?」

剣崎は唐突にスケールの大きい話を振って来た。



***

ファンガイア軍と戦うディロードとディケイド。
アンデッド達と戦うブレイドとギャレン。
アンノウンと戦うリュ−ド・G4・アナザーアギト。

そしてディケイドとディロードが攻撃を受けた時、

――ズギュン!ズギュン!――
――ザシュ!ザシュ!――

「士達に手出しする奴は、僕達が倒す…!覚えておきたまえ」
「覚悟しろよ!」

大樹と了はドライバーとカードを構えた。

≪KAMEN RIDE≫

「「変身ッ!」」

≪DI‐END≫
≪DI‐RUDO≫

変身した二人は追撃を行う。

「海東…お前ら今度は何を企んでいる?」
「仲間なら当然のことさ。仲間だからね」

仲間という単語を強調するディエンド。

「一緒にまた暴れようぜ、廻」
「…ま、良いだろう。最強タッグの再結成だ」

四人の攻撃とコンビネーションは隙を見つけることすら困難なものであった。
ディエンドとディルードがソーンファンガイアを退かせると、雑魚共が女王(クイーン)を守ろうと肉の壁となって立ちふさがる。

≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐END≫
≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐RUDO≫

ディメンションシュートとディメンションフラッシュによって雑魚共は一挙に排除される。

≪KUUGA・AGITO・RYUKI・FAIZ・BLADE・HIBIKI・KABUTO・DEN-O・KIVA≫
≪FINAL KAMENRIDE…DECADE≫
≪RYUKI・KAMEN RIDE・SURVIVE≫

ディケイドは強化変身すると同時に龍騎サバイブを召喚。
ディロードもその直後にソーンファンガイアの背後にジャンピして回りこむ。

「変身」

≪KAMEN RIDE…SHADOW RX≫

バックルから光が発せられると、ディロードはDSHADW RXに姿を変える。

≪ATTACK RIDE…RX KICK≫

「RX!キィーック!!」

カメンライドした直後にRXキックによってディケイドほうに吹っ飛ばされたソーンファンガイアは…。

≪FINAL ATTACKRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫

デイケイド&龍騎サバイブのバーニングセイバーによって粉砕された。
DSHADOE RXはそれを見て元のディロードに戻った。

「やったな士!」
「こっちのほうは済んだぞ!」

グッドタイミングでブレイドとリュ−ド達が駆けつける。

「士!」
「廻!」

さらにユウスケ・夏海・流姫・信彦・ワタルも駆けつけてきた。
しかしながら…。

「おのれぇ!我が花嫁を…!」

アポロガイストが怒りの形相でこちらを睨みつけていた。

「アポロチェンジ…!!」

青いエネルギーを纏い、怪人態となったアポロガイスト。
だが、その頭部にはパーフェクターとは違う…ステンドガラスのような装飾が施されていた。

『世界よ動けぇ!一つになるのだ!』

アポロガイストが天に手を掲げると、

「!!?…うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

…ブレイドの世界のライダー、そしてリュ−ドの世界のライダーが消滅した。
しかし、なぜかG4だけは消滅せず残っていた。

「まさか…」
「ブレイドの世界とリュ−ドの世界が消えたのか?」
「待って下さい!もしそうなら何故私だけが消滅しないんですか!?」

消滅したリュ−ドの世界の住人であるにも関わらずG4=和雄一人が消滅していない状態に、本人じゃ半ばパニック状態に陥ってしまう。

『フハハハハハハハハハハハ!!』

G4のパニック状態にもお構いなくアポロガイストは高笑いをする。

「遂に…始まったか」

その様子を遠くから見ていた剣崎。

『これが永遠の命を持った、スーパーアポロガイストの力なのだ!』

アポロガイスト改め、スーパーアポロガイスト。
この強敵を相手に、ディロード達仮面ライダーはどう戦う…?



次回、仮面ライダーディロード

「どんな旅にも無駄はないよ。どんな人生にも無駄がないのと同じようにね」
「来るなら来い!全てを破壊してやる…!」
「終焉を…迎える時だ!!」

世界の破壊者/世界の終焉者

全てを救い、全てを砕け!

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